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大槻ケンヂ

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 (おおつき ケンヂ、1966年2月6日 - )は、日本のロックミュージシャン、作家、シンガーソングライター。本名、大槻 賢二(おおつき けんじ)。愛称は、オーケン。

東京都中野区野方出身。有限会社オーケン企画所属。インディーズ時代に使っていた芸名は「おーつきモヨコ」「大槻モヨコ」など。身長178cm。血液型はB型。…Wikipediaより。
 
 著者のバンド「筋肉少女帯」はモロに世代で、ほぼデビュー当時から追いかけていたし、今もよく聴いている。カラオケでも歌ってる。
 ファン真っ盛りだった当時は筋肉少女帯関連書籍も多数購入しており、エッセイなどもその中で読んでいたが、この人の真骨頂はエッセイよりも小説の方にある。「新興宗教オモヒデ教」<A>は我がベスト・オブ・ベストの一冊。
 役者としても多くの映像作品に出演しており、マルチタレントとしてもかなり貴重なキャラクター。
ソフト関係 映画・OVA
STACY ステーシー(2001) 原作
グミ・チョコレート・パイン(2007) 原作
ヌイグルマーZ(2013) 原作
TV
シリーズ
グミ・チョコレート・パイン
単発
エッセイ

グミ・チョコレート・パイン

02'10'16 グミ・チョコレート・パイン グミ編/チョコ編
 黒御所高校に通う一介の高校生大橋賢三。だが、彼は内にある有り余るパワーを持て余し続けていた。自分を表現する方法が分からず、ただ映画を観まくり、同志と呼べるタクオ、カワボンと酒を飲んでクダを巻くしかなかった。彼のあこがれの君、山口美甘子が実は賢三と同じく映画マニアだったことが分かり、有頂天になるも、彼女は映画女優としてデビューしてしまう…
 著者の半自伝的作品。正直グミ編を読んだ時は衝撃を受けた。
 高校の時の自分自身、そのものを見せ付けられた気分だった。違いは彼はその一歩を踏み出す勇気があったのに対し、私はその勇気がなかったと言うこと。いつまでも自分のなけなしの才能に縋っていたと言うこと。本当に才能がなかったこと…
 色々な思いが渦巻き、その時は地団駄を踏んだ。
 それで続編のチョコ編はかなり怖くて大分長い間読めなかったのだが、今になって読んでみると、やっと冷静に読む用意ができていた、と言うところか。
 多分、こういう思いを持って高校時代を過ごした人って、かなりの数に上り、私はその内の一人に過ぎないのだろう。そして大概の人間は私同様、いつしかそれを脇に押しやり、自分の生活を始めていく
 もし、これを私が高校時代に読んでいたら、どうだっただろうか?(物理的に無理なんだけどね)私にとっての「応援歌」になっていたかも知れない…今となってはそんなことを思い起こさせる。
 それにしても、未だに懊悩を続けられていられる著者が凄いな。苦労するしかない生き方だ。
<A> <楽>
<A> <楽>
04'01'05 グミ・チョコレート・パイン パイン編
 女優デビューを果たし、男と寝る毎にその才能を開花させていく美甘子。その生活がスクープされてしまい、初恋の人がそんな事をしていると知ってしまった大橋賢三は、何もかも捨てて引きこもり状態になってしまう。完全に自分の殻に閉じこもってしまった賢三を山之上のジーさんが拳をもって鍛え直す。そして、見事復帰を果たしてたった一言、美甘子に想いを伝えるため、賢三は走る!

 てっきり未完で終わるとばかり思っていたのだが、満を持して、青春一代巨編として堂々の完結を果たした。著者の才能は恐ろしいほどで、読んでる内に自分自身の暗い青春時代を思い起こしてしまい、読むのがどんどん辛くなっていく(世代としても著者とかぶってるし)。しかし、本作の凄さは何と言っても、出てくる映画の数々。映画好きの中でもジャンル映画好き若しくはアメリカン・ニューシネマ好きには、もうたまらん作品となってる。そのネタが出てくるたびに何度笑い転げて悶絶したことか。何度でも言いたいが、ジャンル映画好きなら、絶対本作は読んでみるべきだ(それと、絶対人気のないところで読むべき)。確実に笑えることは請け合う。
 …と言っても、ジャンル映画好きってどのくらいいるのか分からないから、ちょっとテスト。『溶解人間』を観て、「これは俺だ!」と叫ぶ人間を笑えるか?
 笑えるか、もしくはズキッと来たら、絶対に読め!
 …出てくる映画殆どを知ってる人間ってのも相当に駄目な奴だってことは、私が請け合う(笑)
<A> <楽>
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小説

05'04'15 ロッキン・ホース・バレリーナ
 リードギターの耕助、ベースのザジ、ドラムのバンからなるロック・バンド“野原”はマネージャーの得山のハイエースで全国ツアーの旅にでかける。名古屋に行く途中で拾ったゴスロリ姿の少女町子を加え、ハイエースは最終目的地の博多に向かってひた走る…

 著者の小説の描き方は本当に巧くなった。ちゃんと盛り上げるべき部分で盛り上げ、落とすべき部分で落とす。その辺の技術は明らかに上がってる。しかし、一方では、昔の小説にあった、一種異様なパワーを失ってしまった気もしてならない。面白いのは確かなのだが、読書中一抹の寂しさをも覚えてしまった。
<A> <楽>
10'10'29 ロコ!思うままに
 著者による短編集。「ロコ!思うままに」「モモの愛が綿いっぱい」「神様のチョイスはKISS」「アイドル」「ドクター・コーチン・レッド・ブーツ」「キテーちゃん」「怪人明智文代」「イマジン特攻隊」「戦士の名は赤ちゃん」「天国のロックバス ロコ!もう一度思うままに」を収録する。

 大体においてあまり関連性のない短編集だが、これらを貫いて「ロックとは何だ?」という思いが溢れている作品群となっている。結論じみたことも書かれているのもあるが、著者が常に問いかけていることを書き綴ったのだろう。
<A> <楽>
12'09'30 縫製人間ヌイグルマー
 ある夜、遠い宇宙の彼方から地球にやってきた綿状生命体はタイのぬいぐるみ工場にあったテディベアの偽物の中に潜り込み、そこで生きながらえることになった。それから時が過ぎ、女子高生姫子は自らの過去と訣別するため、長く一緒にいた熊のぬいぐるみを捨てようとしたのだが…

 女子高生の自立の話から始まり、宇宙と時空を超えた大規模さにエスカレートしていく無茶な話。著者の楽曲とはもはや別物とはいえ、これはこれでとても楽しい作品になってる。
 これに限ってのことではないが、マイノリティに対する著者の目線はとても優しい。それが著者の特徴とも言えるか。
<A> <楽>
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エッセイ

03'10'10 のほほん雑記帳<ノオト>
 ロックシンガーの著者のエッセイ集。
 著者の作品はこれまで何冊か読んできた。特に「新興宗教オモヒデ教」は何度も読み返すほど好きな作品だったが、そう言えばエッセイ集は今まで一冊も読んでなかった。このエッセイもなかなかいける…というか、キテる

 特に著者の歌う歌は自虐に溢れていて、それが妙なパワーに昇華されているので大好きなんだが、ここまで赤裸々に自分のことを描けるってのも、一種の才能だな。露悪趣味があるんじゃなかろうか?でも、それが又実に面白いから困ったもんだ。誰の中にもある、一種ゆがんだ思考が文体となって溢れているから。なのかもしれないな。エッセイを読んでいてこれほどドキドキするのも珍しいよ。
 …多分に似た部分があるんだろうなあ(笑)
<A> <楽>
04'10'21 オーケンの散歩マン 旅マン
 旅についての著者のエッセイ集。筋肉少女帯の解散直前からその後のアジア各地への旅行も合わせての紀行文。

 長いことファンを続けてるが、本当にこれ、笑える。感覚が私のものとピッタリと合ってるんだな。見事にツボにはまってしまった。とにかく映画やら漫画やらの引用が無茶苦茶面白く、大爆笑もの。
 ところでこの本の中、オーケンがインド旅行に行った際、白いギターを抱えた日本人と会い、小林旭の真似か?と聞いたところ、「早川健だ」と答えたというのは、なんか凄いなあ。今もそいつ、白いギターを抱えて放浪してるんだろうか?
<A> <楽>
04'11'10 わたくしだから改
 著者によるエッセイ集「わたくしだから」の文庫版。大幅な加筆を加えている。

 古い年代のものから新しいものまでごちゃ混ぜに入れた感じのエッセイだが、面白いのもあり、面白くないのもある。初期の頃の著者は鬱に入ると途端にパワーダウンしてしまうんだな。最近のエッセイは鬱に入っていても、そこそこのものが書けるのだが、それが若さだったのかも。
 ただはっきりしたのは、『ドス竜』は必ず観ることにしよう。と心に決めたこと。
<A> <楽>
05'03'17 猫を背負って町を出ろ!
 著者が若者に贈るエッセイ集。

 若者向けに書かれた作品だけに、まるで教え諭すような文体で書かれているのが特徴だが、それはそれで充分笑える。著者の頭の構造というのにシンクロにティを感じているからかなあ?頭の構造がどこか常人と異なると言うか、どこか、思いもしない変なところを拡大して語っているのが面白いのか?いずれにせよ、著者のエッセイは妙に笑えるから好きだ。
<A> <楽>
05'04'01 のほほんだけじゃダメかしら
 著者が身の回りにいる様々な特殊な立場にある女性達にインタビューを行い、その様子を綴った作品。筋肉少女帯の追っかけ、女子プロレスラー、SMの女王様、UFOを見たと主張する女性、DVを受け続ける少女、そして著者自身の母親…それぞれの、その時に持っていた人生観を描く。

 そう言えば最近著者はNHKでよく対談を行っているが、それを見て思うのは、腰の低さと、聴き上手と言うこと。自分を出さず、知識だけ呈示して、それを語らせると言う術に結構長けている。著者自身のパッションではなく、他者の人生を覗き見る事が結構好きなんじゃ無かろうか?本作も結構面白い。
<A> <楽>
05'06'09 行きそで行かないとこへ行こう
 目を転じてみると、わざわざ海外に行かなくても、目で見えているのになかなか行くことが出来ない場所というのは自分が住んでいる町の片隅にあるもの。そんなスポットを拾った著者のそぞろ歩き紀行文。

 積ん読のなかにたまたま本作があり、沢野ひとしによる表紙を見て、「久々に椎名誠」も良いな。と思って手に取ったら、大槻ケンヂの作品だった。タイトルデザインと言い、文庫版のこの表紙は明らかに狙ったな。
 著者の紀行文はこれまでも何作か読んだけど、この人の場合は日常レベルの話がやっぱり面白い。特にカレーに対する偏愛の話は大変面白い。高田馬場にあるというカレー屋は私の知ってる店なのかも知れない。そんな激辛カレーがメニューにあったかどうか記憶がないが。
<A> <楽>
05'12'02 オーケンののほほんと熱い国へ行く
 筋肉少女帯の活動の中、不意に「熱い国を歩きたい!」と思い立った著者が旅立ったインドとタイで見聞してきた事柄を描く紀行文。

 一風変わった。と言うほどのこともない、まあ普通の紀行文なのだが、逆に言えば、どんな人が行ってもこうなってしまうのがインドというものなのかもしれない。そう言う意味ではインドという国への興味は増す作品だ。
<A> <楽>
06'01'07 オーケンの、私は変な映画を観た!!
 映画通…と言うか、変な映画を観たことにかけては一言ある著者がこれまで自分の観てきた“変な映画”を自身の映画にかける思いを込めて言いたい放題言っている作品。

 自分自身映画のレビューをサイトでやってるし、数多くの人の書いた映画レビューを読んでもきた。時折腹を抱えて笑えるようなレビューもあり、心の底から感心し、「いつか私もこんなレビューを書いてみたい」と思わされることも多々。そう言う人達の映画評というのは、やっぱり自分の思いを出すだけでなく、媚びない所が良いんだと思う。自分自身の映画にかける思いってやつをストレートに出していくことが、映画評の大切な部分だ…それが分かっていても、やっぱり媚びてしまう自分自身が情けない。
 それで著者の映画評はこれも又独特で、特に私が「駄目作品」と断じた作品をおもしろおかしく書いてくれるため、大笑いしながら、又観てみたくなるような事がよくある。尤も、ここで紹介されている映画の大半は私自身が全く知らないものばかりなんだが…これからの映画生活の参考にさせてもらった。
<A> <楽>
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<A> <楽>