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カート・ヴォネガットJr.

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04'03'02 タイタンの妖女
 宇宙船の事故により全ての時空に存在することが可能となったラムファード。彼は地球の救済を考え、そのために自らの妻と、青年大富豪のコンスタントを用いることにした。ラムファードのお陰で、地球上の財産を全て失い、地球から火星、水星、地球、タイタンへと放浪の旅を続けることとなったコンスタントだったが…

 著者にしては珍しい丸ごとSF作品(長編だと、SF掌編を挿入するのが彼のスタイル)。それにしても人を食った内容だ。著者流の皮肉に溢れているので、読んでいてとても楽しい。すっきりしたような、しないような…結局この変な後味こそが著者の持ち味なのかも知れない。
<A> <楽>
10'02'16 デッドアイ・ディック
 オハイオ州ミッドランド・シティの冴えない薬剤師ルディ・ウォーツは幼少の頃妊婦を撃ち殺してしまい、それ以来“デッドアイ・ディック”と呼ばれるようになった。変人の父とルディ、そして兄のフェリックスの四人が味わってきた数奇な運命を描く。

 少々風変わりながら善人の主人公を中心とした話で、どこかSF臭さを残している。なんか日本文学における村上春樹のような位置づけにある感じ。どこが良い悪いではなく、読んでいて心地が良い作品。それで良いのかも知れない。
<A> <楽>
08'10'02 プレイヤー・ピアノ
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 大戦後、全てが機械化されたアメリカ。機械の管理以外の全ての仕事が無くなり、一部の特権階級のみがそれを独占した世がやってきた。仕事に漏れた人間は生活は保障されるものの、何もすることが無くなり、やがては不穏な空気が流れていく。特権階級にありながら現状にかすかな不満を持つポール=プロデューサーは、時折川向こうの区域へと視察に向かうのだが、そこである日友達と呼べる人を見つけ出した。

 金持ちが貧乏生活に強制的に落とされる。このパターンは著者の作品には度々出されるテーゼであり、本作も大変著者らしい作品であり、SFと言うよりもディストピアものとして読むのが正しい感じ。
 ところで訳者あとがきで著者のことを朝倉久志が「無類に心の優しいニヒリスト」と書いているが、実に良く著者を言い表した言葉だと思える。
<A> <楽>