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吉村昭

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08'12'03 海の祭礼
 幕末。開国に向けて着々と時代は進行していた。その中で難物であった英語翻訳に情熱をかけた男達がいた。その中心人物森山栄之助を中心に、日本とアメリカの折衝の困難さとコミュニケーションの難しさを描いた歴史群像劇。

 基本は歴史で、それに想像を加えて物語下手にした司馬風の作品だが、本作の場合、英語翻訳という時事ネタを中心とするため、明確な主人公はおらず、やや読みにくい作品でもあり。まあ色々参考になったんで、それはそれで良いんだけど。
<A> <楽>
05'04'03 海馬
 著者による動物と人間との交わりを主軸とした短編集「闇にひらめく」(鰻)、「研がれた角」(闘牛)、「螢の舞い」(螢)、「鴨」(鴨)、「銃を置く」(羆)、「凍った眼」(錦鯉)、「海馬」(トド)の7編を収録する。

 積ん読に置いてあった作品で、著者は初めてだったが(映画では『魚影の群れ』(1983)を先日観て、それで興味を持ったため)、物語の構成そのものは全部同じ。とは言っても、そこに動物を絡めることで、一つの味が出来てるのは確か。まだ何冊か積ん読に置いてあるので、そのうち他のものも読んでみよう。
<A> <楽>
12'05'31 下弦の月
 著者による短編集。「海の奇跡」「鷺」「探す」「十点鐘」「動物園」「炎と桜の記憶」「下弦の月」の7編を収録する。

 戦争の影響を強く持ったドキュメンタリー風作品や、人の残酷社を強調したまさしく日本風の週刊を描いたもの、様々な著者流の面白さが詰まった作品といえる作品群だった。たまにはこういうのを読みたくなる性分。
<A> <楽>
06'05'08 殉国 陸軍二等兵比嘉真一
 卒業を前に沖縄決戦の志願兵となった中学生の比嘉真一。沖縄決戦を生き抜いた年若き兵士の戦記を描く作品。
 前戦は人間の心を高揚させる。しかし全ての人が実際に戦う訳でもないし、むしろそういった兵士の方が戦争には多いし、重要な役割を担っている。どんなにジリ貧になったとしても、その原則は変わらず。しかし最前線にいながら一発の銃弾も撃つことなく、最後まで敵らしい敵とも出逢わない兵士の物語ってのも珍しい。最前線を描きつつ、銃後の話を描いた作品と言った感じでなかなか興味深い。
<A> <楽>
06'03'02 脱出
 長かった太平洋戦争も終わろうとしていた。その中にあって、これからの身の振り方に生き方を変えらずを得ない人間模様を描く短編集。「脱出」「焔髪」「鯛の島」「他人の城」「珊瑚礁」の5編を収録する。
 敗戦直前と終戦後の人間模様について特化した作品で、多くは少年の目を通して見た戦争を描く。辛い現実の中で、あくまで生活を描くのはやはり著者ならでは。描写はやっぱり良いね。
<A> <楽>
06'03'02 脱出
 長かった太平洋戦争も終わろうとしていた。その中にあって、これからの身の振り方に生き方を変えらずを得ない人間模様を描く短編集。「脱出」「焔髪」「鯛の島」「他人の城」「珊瑚礁」の5編を収録する。

 敗戦直前と終戦後の人間模様について特化した作品で、多くは少年の目を通して見た戦争を描く。辛い現実の中で、あくまで生活を描くのはやはり著者ならでは。描写はやっぱり良いね。
<A> <楽>
05'08'08 光る壁画
 世界初の胃カメラを開発した日本のカメラ会社の技術者曽根菊男と言う人物を通し、彼のチームと医学者達の悪戦苦闘を通し、胃カメラ完成までの苦労を描く。

 いわば小説版「プロジェクトX」という感じの作品で、世界初の胃カメラは日本で開発されたという事実はこれで初めて知ったが、幾多の失敗から得られたノウハウを生かして進んでいく過程は大変面白かった。技術とは結局あり合わせのものを組み合わせるアイディアから発展していくものという当たり前のことを丁寧に描いた文体は興味深い。大変楽しい作品だった。
<A> <楽>
07'05'07 闇を裂く道
 着工から11年もの歳月をかけて貫通された熱海から三島に抜ける丹那トンネルは、その過程で何人もの死者と近隣の村々に多大なる被害をもたらしていった。その事実をふまえ、その事実を余す所無く描いた作品。
 最近定期的に読むようになった著者の作品だが、これは面白い。
 当時の日本にとって技術的に不可能と言われ、更に連続するトラブルに見舞われ続けた丹那トンネル工事を、決してヒロイズムに陥ることなく、その苦労をそのまま描いた。と言った感じの作品で、実に読み応えのある作品だった。つい先日も友人に会うためにこのトンネル通ったのだが、そんな所に色々と苦労話があるもの。今の日本とは、こういった犠牲の上に成り立っているのだな。
<A> <楽>