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パイレーツ・オブ・カリビアン

パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト


パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト
2006年
ゴア・ヴァービンスキー(監)
 カリブ。盛大に結婚式を迎えるはずだったウィル(ブルーム)とエリザベス(ナイトレイ)だったが、式当日に東インド会社のベケット卿によって捕らわれてしまう。今現在ブラック・パール号を駆り海を荒らし回っているジャック=スパロウ(デップ)の逃亡を手助けしたためと説明されるが、ベケット卿はウィルに無罪にして欲しかったら、ジャックの持つコンパスを持ってこいと命じるのだった。一方そのジャック本人は、13年前に交わした約束により、幽霊船フライング・ダッチマン号の船長デイヴィ=ジョーンズにもうじき魂を奪われようとしていた…
 2003年に公開され、ディズニー映画としては記録的な大ヒットを飛ばした『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』(2003)の第二作。
 本作は最初から三作目が作られることが前提であり、見事に
「続く」になっているのが特徴。だから、本作単体ではストーリー部分をどうこう言える立場にはないが、これだけは言っておこう。
 本作はブラッカイマー印の
良いところも悪いところも全部受け継いだ作品だと言うこと。
 ジェリー=ブラッカイマーは製作者としては敏腕で、彼の手がけた作品は、映画、TVシリーズ(CSIとか)共に高視聴率を稼ぎ出すことが出来る。これは彼の経営手腕もあるが、変な思想を取り入れず、
「売れるものを目指そう」という割り切った映画製作の姿勢にもあると思われる。
 では売れるものとは何か?と言えば、勿論それは演出である。視聴者にのめり込ませ、徹底的に楽しませようと言う思想がそこにはある。観客に楽しんでもらって、金も儲かるという、ある意味
最も経済的に正しい方法なのだが、この問題点は、時として演出だけは良いけど、中身がスカスカのものが出来てしまう可能性があると言うこと。
 前作『呪われた海賊たち』はそれでも際だった演出とキャラの良さによってその辺あんまり感じさせなかった作品だった。要するに物語の単純さと設定の悪さを他で補うことに成功した作品だったのだが、流石に続編になると、その悪い部分が目立ってしまった。
 確かに本作もふんだんに金かけられているのみならず、ふんだんに笑いを用いた演出は際だったものがある。原住民に追われるシーンや、水車の上で剣戟が行われるシーンなど、息をのむ派手な戦いのシーンでこれだけ笑いが起こったのは、他にはあり得ない。よくぞここまで色々アイディアが出てくるもんだと感心させられる。
 キャラも相変わらず良し。ジャックになりきったデップはその行動一つ一つが笑いを誘うように出来ているし(立ち居振る舞いそのものが笑わせてくれるが、どんなに危険に陥っても、踊るような走り方するのが面白い)、その個性はよく出ているが、本作ではデップよりもブルームの方に個性が際だっているのも面白い所。前作では単に恋する若者だったウィルが様々な試練を通して徐々に複雑なキャラになっていく過程がよく出ている。ますます良い役者になってきたね。
 と、褒めるべき部分は多数あるし、2時間半近い長丁場を飽きさせないストーリー運びも上手いと思う。
 ただ根本的に悪い所が本作にはある。これはもう、
設定の無茶苦茶さに他ならず。これに尽きる。天文学的な確率の低さをものともせず、どんな行動を取っていても巡り会う三人には、ご都合主義の固まり。運命と片づけるには、あまりにもいい加減。これが例えばスター・ウォーズだったら“フォース”という良い言葉があるけど、冷静に考えると流石に引くぞ。ウィルの父親や女呪術師の存在も意味があるようで全然なかったりする。それに風呂敷を広げるだけ広げて全く閉じようとしないストーリー運びにも疑問点だらけ(この辺は3作目を待つしかないのだが)。まさかあそこで終わらせるとは思ってもみなかったよ。
 言ってしまえば、本作は映画の体裁を取ってない。むしろテレビシリーズそのものの作りになってしまってる。これだったら、何も前後編にするのではなく、いっそ3〜4話まで続きにして1時間半にまとめ、更に公開のスパンを早めた方が良かったんじゃないかね?(その方が儲かるし)
 それにデップ、ブルーム共にキャラは良いんだけど、今回に関してはナイトレイがどうにも浮きっぱなしって感じもした。前作は可憐さの中に心の強さを秘めたという役だったのだが、今回は最初から最後まで戦士って感じだから。勇猛なのは良いけど、メリハリがないんだよな。

 後、これを観ていて思ったのは、これって本当に『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(1980)なんじゃないかってこと。ミニストーリーの連続で飽きさせないように物語が構成されていることと言い、運命によって結び付けられるキャラと言い、最後に悲劇が待っていて「次に続く」で終わることと言い、キャラの扱いがウィル=ルーク、ジャック=ハン・ソロ、エリザベス=レーアだったり…見事なくらいに適応してる気がするんだけど。

 

ウィル
【うぃる】
 ウィル=ターナー。鍛冶屋の青年だが、前作の冒険のお陰で無事エリザベスと結婚する運びとなったが…役はオーランド=ブルーム。 甘崎
エリザベス
【えりざべす】
 エリザベス=スワン。前作でその血が海賊と大きな関わりを持っていたことが分かったが、本作では単なる女戦士になっていた。役はキーラ=ナイトレイ。 甘崎
クラーケン
【くらーけん】
 海の怪物。デイヴィによって使役されており、これまでに数々の船を沈めてきた。 甘崎
ジョシャミー
【じょしゃみー】
 ブラックパール号船員で、副船長のような存在。役はケヴィン・マクナリー。 甘崎
ジャック
【じゃっく】
 @ジャック=スパロウ。カリブ海を荒らし回っている最も有名な海賊。13年前にデイヴィと交わした約束によって100年間不死の労働を強いられそうになってる。役はジョニー=デップ。
 Aかつてバルボッサによって飼われていた猿の名前。おそらくジャック=スパロウに対する当てつけだろう。不死身の存在のため、ジャックによってかなり酷い扱いを受けているようだが、当人は至ってマイペース…猿だしね。 甘崎
ティア・ダルマ
【てぃあ-だるま】
 かつてジャックと深い仲にあったという女呪術師。彼らの運命を導く。ご都合主義の権化みたいなキャラ。 甘崎
デイヴィ
【でいう゛ぃ】
 デイヴィ・ジョーンズ。大昔に名を馳せた海賊だったが、失恋のあまり自らの心臓を取り出し、不死の存在となって甦る。その姿はほとんどタコのようなものになっている。多くの海賊と契約を交わし、自らの持ち船“フライング・ダッチマン号”の船員にしてしまった。役はビル・ナイ。 甘崎
ノリントン
【のりんとん】
 元カリブ提督でエリザベスの婚約者。ジャックらによって提督の地位を剥奪され、流れ着いた所でブラックパール号に拾われる。 甘崎
ビル
【びる】
 “ブーツストラップ”の二つ名を持つ海賊でウィルの父親。海賊船が沈んで自身も死んでいるはずだが、デイヴィと契約を交わすことでフライング・ダッチマン号の船員となっている。ジャックに契約の期限が迫っている事を告げる。 甘崎
フライング・ダッチマン号
【ふらいんぐ-だっちまん-ごう】
 デイヴィの持ち船。デイヴィと契約を交わした幾多の海賊達がほとんど魚のような姿でこの船を動かしている。 甘崎
ブラックパール号
【ぶらっく-ぱーる-ごう】
 ジャック・スパロウの海賊船。13年前にデイヴィと契約を交わすことで手に入れたが、その契約の期限が迫っている。 甘崎

 

パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド


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2007年
ゴア・ヴァービンスキー(監)
 ノリントンが持ち帰った心臓は東インド貿易会社のベケット卿の手に。これによってデイヴィ=ジョーンズは東インド貿易会社の軍門に降ってしまった。恐るべき力を手にベケット卿は次々と海賊達を撃破していった。絶滅寸前の海賊たちは最後の望みとして世界各地の海を治める“伝説の海賊”たち9人を召集し、彼らのもとで全面対決を挑むほかはなかった。だが、その肝心の9人目の海賊とは、なんとクラーケンに飲み込まれてしまったジャック=スパロウ(デップ)その人。海の墓場にいるというジャックを救うべく、ウィル(ブルーム)、エリザベス(ナイトレイ)は、蘇った“伝説の海賊”の一人バルボッサと共に“海の墓場”へと向かう…
 前作で風呂敷を広げるだけ広げて終わってしまったが、この作品で物語は一応終結。ジャック、エリザベス、ウィルの奇妙な三角関係も決着が付く。
 前作『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』(2006)は完全に
「後編に続く」という終わり方をしたので、これはかなり楽しみにしていた。
 で、拝見した結果とすると、なかなか評するに困る作品だが、少なくともブラッカイマー印にふさわしい作品であることだけは確か。
 実際パーツパーツは悪くないどころか
大変に質は高い。少なくとも3時間という時間をたっぷり使い、見せ場と小さなどんでん返しを数々ちりばめ、飽きさせない作品に仕上がったのは確かだろう。どのタイミングで誰が裏切るのかと言うのが読めないので、ちょっとした意外性を感じることが出来る。少なくとも前作『デッドマンズ・チェスト』よりはこっちの方がよっぽど好感持てるものに仕上がってる。
 海賊なんてものは信義を重要視しないと割り切った上での作りなので、裏切りばかり出てくるのは当然。それぞれが自分の信念の元行動しているのに過ぎない。彼らの行動も、個々のキャラが「何を一番大切にしているのか」と言うことを念頭に置けば、充分理解出来る範囲。例えばジャックの場合は先ず自分の命が助かることと、デイヴィの100年の刑罰から逃れたい。それで出来れば永遠の命をもらいたい。と言う行動様式で一貫しているので分かりやすい。自分の邪魔をする人間は、誰であれ裏切って構わないと思ってるし、逆に自分に利するなら、誰とでも手を組む。それだけ
自分に素直なだけ。エリザベスとウィルの場合は自分ではなく、互いを思いやっていると言うことになるだろう。他のキャラも同じで、「このキャラが最も得するもの」と考えるなら随分分かりやすくなる。だってみんな勝手なだけだから、大義やら大きな目的やらが全然無い、その場限りで助かろうとしているだけ
 仲間とか信義とかを一旦すっぱり念頭から去らせるなら、彼らの行動は分かりやすいのだが、そうなると、予告編でどーんと
「海賊の終焉」みたいに打ち出した前提が全然関係なくなってしまうので、それが皮肉なくらいかな?
 だが、一方では
ストーリー上のちぐはぐさが目に付いてしまう。素直に入っていけないというか、裏切るキャラばかりだから、誰に感情移入して良いのかが分からない。ここが一番の問題点では無かろうか?
 そこで考えてみると、1作目の『呪われた海賊たち』が面白い!と思えたのは、この感情移入のバランスによるものではなかっただろうか?と思える。確かにこの作品によってブレイクしたのはデップの方だったが、ジャックの奇矯な行動が映えたのは、実はウブなウィルをブルームが好演してこそだった。ハチャメチャな先輩に、翻弄されていく後輩…つまり実は『呪われた海賊たち』
バディ・ムービーをきちんと踏襲していたのだ。勿論バディ・ムービーの基本らしく、最後にウィルは個性を見せて、ま、言わば先輩から“卒業”して終わる。それが作品の爽快感につながっていたとは言えるだろう。ナイトレイ演じるエリザベスも、1作目は初々しかった所に面白さがあったんじゃないのか?
 要するに、1作目はウィルに自己投影が出来るように作られているので、観てる側もジャックに振り回される事になり、それが楽しかったのだ。
 で、然るに2作目『デッドマンズ・チェスト』では、あんなに初々しかったはずのウィルもエリザベスもすっかりスレてしまい、本作に至っては、最早全員がふてぶてしく他人を蹴落とすようなキャラに仕上がってしまった。
 言わば
「卒業」してしまったので、この改変は仕方なかった訳だが、それが実は最大の問題点となった。彼らの暴走のお陰で観ている側の立ち位置が分からなくなってしまうため、観てる方が振り回される結果となる。だから最終的に「訳の分からない作品」という評価になってしまうのだろう。
 自分の立ち位置が分からないまま振り回されて終わり。飽きはしなくても、これじゃすっきりしないよ。
 ただ、最初に描いたとおり、この視聴者を置いてけぼりにしてジェットコースターのように振り回していくってのが、
実はブラッカイマー印の最大の特徴とも言える訳で。そう言う訳で本作が一番“らしい”作品であるとは言えるだろう。

 

海賊の銀貨
【かいぞく-の-ぎんか】
 “伝説の海賊”9人がそれぞれ持つアイテム。名称は“銀貨”とされるが、どうやら手近にあったもので代用されたらしく、サオ・フェン以外降らないアイテムばかりだった。 甘崎
カリプソ
【かりぷそ】
 海の女王とされる精霊的な存在。かつて“伝説の海賊”9人の合議によってティア・ダルマの体に封じ込められたが東インド貿易会社との大海戦の前に、9つの銀貨によって解き放たれる。 甘崎
サオ・フェン
【さお-ふぇん】
 シンガポールを根城とする海賊の一人で“伝説の海賊”の一人。エリザベスを自分の後継者に指名する。役はチョウ・ユンファ 甘崎
ジョシャミー
【じょしゃみー】
 ブラックパール号船員で、副船長のような存在。役はケヴィン・マクナリー。 甘崎
ティーグ
【てぃーぐ】
 海賊達の“掟の番人”。“伝説の海賊”による評議会をとりまとめる人物でもある。実はジャックの実の父親で、ジャックの格好は彼を真似たものらしい。役はローリング・ストーンズのギタリスト、キース=リチャーズ。 甘崎
デイヴィ=ジョーンズ・ロッカー
【でいう゛ぃ-じょーんず-ろっかー】
 別名“海の墓場”ジョーンズの操るクラーケンに飲み込まれてしまった存在が行き着く先で、ここに送り込まれた者は永劫の苦しみを受けることになる。 甘崎
バルボッサ
【ばるぼっさ】
 ヘクター=バルボッサ。かつてブラックパール号の一等航海士だったが、ジャックを裏切って自分の船にしてしまった人物。一作目で死んだはずだが、“伝説の海賊”の一人であるため、ティア・ダルマによって蘇らされた。 甘崎
ベケット
【べけっと】
 東インド貿易会社の権力者。デイヴィ=ジョーンズの心臓を手に入れ、デイヴィを自分の配下とする。 甘崎

パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉


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2011年
ロブ・マーシャル(監)
 ブラック・パール号を失い、乗員もちりぢりとなったジャック・スパロウ(デップ)は、相棒ギブス(マクナリー)を救うべくロンドンへとやってきた。そこで、かつて愛した女海賊アンジェリカ(クルス)と思わぬ再会を果たす。ところがアンジェリカが父親である最恐の海賊"黒ひげ"のために探している"生命の泉"の在処をジャックが知っていた事から、泉探しの旅に無理やり協力させられるハメになってしまう。更にイギリスに忠誠を誓うバルボッサや、イギリスの宿敵スペイン軍までもが生命の泉を目指していた…
 これまでのヴァーヴィンスキー監督からロブ・マーシャルに監督を変えた大好評のシリーズ4作目。一応3作目の『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』(2007)で物語は一度完結しているのだが、性懲りもなくというか、ブラッカイマーなら当然というか、出来てしまった4作目。それで律儀に観に行くような奴もここにいる…デップもペネロペもどっちも好きだし、一体ロブ・マーシャル監督がこの素材をどんな風に仕上げるのか興味があったし。

 これまでの3作ではオーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジョニー・デップの三人が主役であったが、その内の二人が抜け、どうなる?という心配はよそに大ヒット暴進中である。
 これは結局このシリーズ、
主役は3人いるといっても、ほとんどすべてをデップに負っていたという事実をはっきりさせたわけだが、でも実は私はこれは改悪のようにしか見えなかった。
 大きな意味合いとして、デップ演じるジャック・スパロウの立ち位置というものがある。
 彼は何を考えてるかよく分からず、しかも気分によって態度をころころ変えるので、周りの人間をとかく混乱に陥らせる。
 この立ち位置はトリックスターである。そしてトリックスターが最もその役割を果たせるのは、主人公側にまともな人間を配置することによる。
 これまでの3作は主人公は3人いるとしても、その重点はデップではなくオーリー演じる?ウィルの方にあった。彼がまともな役をやってるからこそスパロウの無茶苦茶さが楽しくなっていくのだ。しかもウィルはどんどん逞しくなっていくため、1作目、2作目、3作目とスパロウはぜんぜん変わらなくとも、それを見つめる主人公の視点が変わっていき、スパロウの奇行がすべて新鮮に思えていた。
 で、4作目となる本作は、スパロウ本人が単独の主人公として演じている。これはつまり奇行をしてる本人が主人公なので、それを諫める立場にいる存在がない。だから、何となく宙ぶらりんと言った印象がある。いくらスパロウが奇行をしても、主人公側に立つと、なんかそれに意味があるような気になってしまう。せめてあの宣教師にその重みを受け止めるだけの器量があれば良かったんだけど、スパロウとほとんど接触らしい接触がないため、存在自体が無意味になってしまった。
 この結果、
無意味な行動が無意味に見えなくなってしまう。これがどれだけスパロウの魅力を減らすのか、脚本は分かってるのだろうか?しかもその行動の大半は事実ちゃんと意味を持っているので、無軌道な行いになってない。
 それで一番残念だったのは設定面。折角「生命の泉」なる魅力的なアイテムを用意してながら、それが上手く機能してないようにしか見えなかった。その時代の人間にとって、「生命の泉」がどれほど求められていたのか、それにまつわる人々の行動があまりに画一的で、別段なんでもよかったんじゃないか?という必然性がないし、最後にスペイン人がした行いも設定を丁寧に描かなかったために説得力に欠ける。更に黒ひげが何故あんな魔法を使えるのか、それが簡単に受け継がれるのか、その辺もほとんど説明がなく、銀の杯と人魚についても必然性が薄い。バルボッサにしても、何故王室と手を結んだのかも過程が全然描かれてない。
 アンジェリカが何故そこまでして父の寿命を延ばそうとしているのか、その行動原理もぼんやりしてる。本作で重要なのは
信仰と信念を描くことのはずなのに、その描写がほとんど無いのは、説得力を放棄してしまったとしか思えない。
 演出面に限っては良い部分がたくさんあるのに、肝心の部分で手を抜いてしまっては魅力を存分に伝えることができない。

 作りとしては褒められるものではないが、『デッドマンズ・チェスト』(2006)『ワールド・エンド』みたいに最初から二分割して作るべき作品だったのかもしれない。それでも客は絶対に入ったよ。

 

アンジェリカ
【あんじぇりか】
 かつてスパロウと関係のあった女海賊。父は黒ひげで、その命を長らえるために命の泉を目指している。 甘崎
命の泉
【いのち-の-いずみ】
 西インドのどこかにあるという人の命を長らえさせる力を持つ泉。銀の杯と人魚の涙を使う必要がある。 甘崎
黒ひげ
【くろ-ひげ】
 実在する伝説の海賊。ブードゥの秘術に長け、死体を甦らせたり、船の綱を自在に操ることが出来る。 甘崎
ジョシャミー
【じょしゃみー】
 ブラックパール号船員で、副船長のような存在。役はケヴィン・マクナリー。 甘崎
シレーナ
【しれーな】
 人魚の一人。涙を採取するために黒ひげによって連れてこられる。フィリップによって名付けられた。 甘崎
スクラム
【すくらむ】
 ブラック・パール号乗組員。 甘崎
名称
【】
  甘崎

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊

<A> <楽>
2017年
ヨヒアム・ローニング(監)

 

アルマンド
【あるまんど】
 アルマンド・サラザール。サイレントメアリー号の艦長。魔の三角地帯に入り、聖域を汚した海賊を必ず殺さねばならない呪いにかけられた不死の船乗り。 甘崎
サイレントメアリー号
【さいれんと-めありー-ごう】
 かつて魔の三角地帯で難破し、不死の呪いをかけられてしまったスペイン軍艦。 甘崎
ジャック
【じゃっく】
 ジャック・スパロウ。史上尤も有名な海賊と言われたが、現在は船も金も部下の大半も失った情けない姿をさらしている。役はジョニー・デップ。 甘崎
セント・マーティン
【せんと-まーてぃん】
 カリブの島の一つ。落ちぶれたジャックとその配下が細々と暮らしている。 甘崎
フライング・ダッチマン号
【ふらいんぐ-だっちまん-ごう】
 ウィル・ターナーが乗っている呪いの船。 甘崎
ブラックパール号
【ぶらっく-ぱーる-ごう】
 ジャックの乗船。現在小さくされてボトルに入っているが、それを復活させることがジャックには出来ていない。 甘崎
ヘンリー
【へんりー】
 ヘンリー・ターナー。ウィルとエリザベスの間の子。海の呪いにかかり、一〇年に一度しか陸に上がれない父を取り戻すべく、ポセイドンの槍を探している。 甘崎
ポセイドンの槍
【ぽせいどん-の-やり】
 海でかけられた呪いを全てリセットできるという便利アイテム。ヘンリーは父ウィルの呪いを解くためにこれを探していた。 甘崎
モナーク号
【もなーく-ごう】
 海賊討伐のためのイギリス戦。最初にヘンリーが乗っていた船だが、魔の三角地帯で不死の海賊に襲われて沈没。 甘崎
名称
【】
  甘崎