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2019 | ||
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2016 | ||
2015 | ||
2014 | ||
2013 | ローン・レンジャー 監督・製作 | |
LIFE! ライフ 製作総指揮 | ||
2012 | ||
2011 | ランゴ 監督・製作・原案 | |
2010 | ||
2009 | ||
2008 | ||
2007 | パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド 監督 | |
2006 | パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト 監督 | |
2005 | ニコラス・ケイジのウェザーマン 監督 | |
2004 | ||
2003 | パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち 監督 | |
2002 | ザ・リング 監督 | |
タイム・マシン 共同監督(ノンクレジット) | ||
2001 | ザ・メキシカン 監督 | |
2000 | ||
1999 | ||
1998 | ||
1997 | マウス・ハント 監督 | |
1996 | ||
1995 | ||
1994 | ||
1993 | ||
1992 | ||
1991 | ||
1990 | ||
1989 | ||
1988 | ||
1987 | ||
1986 | ||
1985 | ||
1984 | ||
1983 | ||
1982 | ||
1981 | ||
1980 | ||
1979 | ||
1978 | ||
1977 | ||
1976 | ||
1975 | ||
1974 | ||
1973 | ||
1972 | ||
1971 | ||
1970 | ||
1969 | ||
1968 | ||
1967 | ||
1966 | ||
1965 | ||
1964 | 3'16 テネシー州で誕生 |
ローン・レンジャー 2013 | |||||||||||||||||||||||||||
2013米アカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞、視覚効果賞 2013ゴールデン・ラズベリー最低リメイク・盗作・続編賞、最低作品賞、最低主演男優賞(デップ)、最低監督賞、最低脚本賞 |
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パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2007米アカデミーメイクアップ賞、視覚効果賞 2007英アカデミー特殊視覚効果賞 2007ゴールデン・ラズベリー最低助演男優賞(ブルーム) 2007毎日映画コンクールTSUTAYA映画ファン賞外国映画部門 2008MTVムービー・アワードコメディ演技賞(デップ)、作品賞、女優賞 2008サターンメイクアップ賞、ファンタジー作品賞、衣装デザイン賞、特殊効果賞 |
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ノリントンが持ち帰った心臓は東インド貿易会社のベケット卿の手に。これによってデイヴィ・ジョーンズは東インド貿易会社の軍門に降ってしまった。恐るべき力を手にベケット卿は次々と海賊達を撃破していった。絶滅寸前の海賊たちは最後の望みとして世界各地の海を治める“伝説の海賊”たち9人を召集し、彼らのもとで全面対決を挑むほかはなかった。だが、その肝心の9人目の海賊とは、なんとクラーケンに飲み込まれてしまったジャック・スパロウ(デップ)その人。海の墓場にいるというジャックを救うべく、ウィル(ブルーム)、エリザベス(ナイトレイ)は、蘇った“伝説の海賊”の一人バルボッサと共に“海の墓場”へと向かう…。 前作で風呂敷を広げるだけ広げて終わってしまったが、この作品で物語は一応終結。ジャック、エリザベス、ウィルの奇妙な三角関係も決着が付く。 前作『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』(2006)は完全に「後編に続く」という終わり方をしたので、これはかなり楽しみにしていた。 で、拝見した結果とすると、なかなか評するに困る作品だが、少なくともブラッカイマー印にふさわしい作品であることだけは確か。 実際パーツパーツは悪くないどころか大変に質は高い。少なくとも3時間という時間をたっぷり使い、見せ場と小さなどんでん返しを数々ちりばめ、飽きさせない作品に仕上がっていた。少なくともどのタイミングで誰が裏切るのかと言うのが読めないので、ちょっとした意外性を感じることが出来た分、前作よりはこっちの方がよっぽど好感持てるものに仕上がってる。 海賊なんてものは信義を重要視しないと割り切った上での作りなので、裏切りばかり出てくるのは当然。それぞれが自分の信念の元行動しているのに過ぎない。彼らの行動も、個々のキャラが「彼が何を一番大切にしているのか」と言うことを念頭に置けば理解出来る。例えばジャックの場合は先ず自分の命が助かることと、デイヴィの100年の刑罰から逃れたい。それで出来れば永遠の命をもらいたい。と言う行動様式で一貫しているので分かりやすい。自分の邪魔をする人間は、誰であれ裏切って構わないと思ってるし、逆に自分に利するなら、誰とでも手を組む。それだけ自分に素直なだけ。エリザベスとウィルの場合は自分ではなく、互いを思いやっていると言うことになるだろう。他のキャラも同じで、「このキャラが最も得するもの」と考えるなら随分分かりやすくなる。だってみんな勝手なだけだから、大義やら大きな目的やらが全然無い、その場限りで助かろうとしているだけ。 仲間とか信義とかを一旦すっぱり念頭から去らせるなら、彼らの行動は分かりやすいのだが、そうなると、予告編でどーんと「海賊の終焉」みたいに打ち出した前提が全然関係なくなってしまうので、それが皮肉なくらいかな?そう言えば予告と本編は随分印象違ってたね。 だが、一方ではストーリー上のちぐはぐさが目に付いてしまう。素直に入っていけないというか、裏切るキャラばかりだから、誰に感情移入して良いのかが分からない。ここが一番の問題点では無かろうか? そこで考えてみると、1作目の『呪われた海賊たち』が面白い!と思えたのは、この感情移入のバランスによるものではなかっただろうか?確かにこの作品によってブレイクしたのはデップの方だったが、ジャックの奇矯な行動が映えたのは、実はウブなウィルをブルームが好演してこそだった。ハチャメチャな先輩に、翻弄されていく後輩…つまり実はバディ・ムービーをきちんと踏襲していたのだ。勿論バディ・ムービーの基本らしく、最後にウィルは個性を見せ、言わば先輩から“卒業”して終わる。それが作品の爽快感となっていたのだろうと思える。ナイトレイ演じるエリザベスも、1作目は初々しかった所に面白さがあったんじゃないのか? 要するに、1作目はウィルに自己投影が出来るように作られているので、観てる側もジャックに振り回される事になり、それが楽しかったのだ。 で、然るに2作目『デッドマンズ・チェスト』では、あんなに初々しかったはずのウィルもエリザベスもすっかりスレてしまい、本作に至っては、最早全員がふてぶてしく他人を蹴落とすようなキャラに仕上がってしまった。 言わば「卒業」してしまったので、この改変は仕方なかった訳だが、それが実は本作の最大の問題点となった。彼らの暴走のお陰で観ている側の立ち位置が分からなくなってしまうため、観てる方が振り回されっ放しで終わってしまった。だから最終的に「訳の分からない作品」という評価になってしまうのだろう。 自分の立ち位置が分からないまま振り回されて終わり。飽きはしなくても、これじゃすっきりしないよ。 ただ、最初に描いたとおり、この視聴者を置いてけぼりにしてジェットコースターのように振り回していくってのが、実はブラッカイマー印の最大の特徴とも言える訳で。そう言う訳で本作が一番“らしい”作品であるとは言えるんじゃなかろうか。 |
パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト 2006 | |||||||||||||||||||||||||||
2006米アカデミー視覚効果賞、美術賞、音響効果賞、音響賞 2006英アカデミープロダクションデザイン賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアー賞、音響賞、特殊視覚効果賞 2006日本アカデミー外国作品賞 2006ゴールデン・グローブ男優賞(デップ) 2006放送映画批評家協会ファミリー映画賞 2006サターン特殊効果賞、ファンタジー映画賞、助演男優賞(ナイ)、衣装賞、メイクアップ賞 2006毎日映画コンクールTSUTAYA映画ファン賞 2006全米BoxOffice第1位 2007MTVムービー・アワード作品賞、演技賞(デップ、ナイトレイ)、悪役賞(ナイ) |
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カリブ。盛大に結婚式を迎えるはずだったウィル(ブルーム)とエリザベス(ナイトレイ)だったが、式当日に東インド会社のベケット卿によって捕らわれてしまう。今現在ブラック・パール号を駆り海を荒らし回っているジャック=スパロウ(デップ)の逃亡を手助けしたためと説明されるが、ベケット卿はウィルに無罪にして欲しかったら、ジャックの持つコンパスを持ってこいと命じるのだった。一方そのジャック本人は、13年前に交わした約束により、幽霊船フライング・ダッチマン号の船長デイヴィ=ジョーンズにもうじき魂を奪われようとしていた…。 本作は最初から三作目が作られることが前提であり、見事に「続く」になっているのが特徴。だから、本作単体ではストーリー部分をどうこう言える立場にはないが、これだけは言っておこう。 本作はブラッカイマー印の良いところも悪いところも全部受け継いだ作品だと言うこと。 ジェリー=ブラッカイマーは製作者としては敏腕で、彼の手がけた作品は、映画、TVシリーズ(CSIとか)共に高視聴率を稼ぎ出すことが出来る。これは彼の経営手腕もあるが、変な思想を取り入れず、「売れるものを目指そう」という割り切った映画製作の姿勢にもあると思われる。 では売れるものとは何か?と言えば、勿論それは演出である。視聴者にのめり込ませ、徹底的に楽しませようと言う思想がそこにはある。観客に楽しんでもらって、金も儲かるという、ある意味最も経済的に正しい方法なのだが、この問題点は、時として演出だけは良いけど、中身がスカスカのものが出来てしまう可能性があると言うこと。 前作『呪われた海賊たち』はそれでも際だった演出とキャラの良さによってその辺あんまり感じさせなかった作品だった。要するに物語の単純さと設定の悪さを他で補うことに成功した作品だったのだが、流石に続編になると、その悪い部分が目立ってしまった。 確かに本作もふんだんに金かけられているのみならず、ふんだんに笑いを用いた演出は際だったものがある。原住民に追われるシーンや、水車の上で剣戟が行われるシーンなど、息をのむ派手な戦いのシーンでこれだけ笑いが起こったのは、他にはあり得ない。よくぞここまで色々アイディアが出てくるもんだと感心させられる。 キャラも相変わらず良し。ジャックになりきったデップはその行動一つ一つが笑いを誘うように出来ているし(立ち居振る舞いそのものが笑わせてくれるが、どんなに危険に陥っても、踊るような走り方するのが面白い)、その個性はよく出ているが、本作ではデップよりもブルームの方に個性が際だっているのも面白い所。前作では単に恋する若者だったウィルが様々な試練を通して徐々に複雑なキャラになっていく過程がよく出ている。ますます良い役者になってきたね。 と、褒めるべき部分は多数あるし、2時間半近い長丁場を飽きさせないストーリー運びも上手いと思う。 ただ根本的に悪い所が本作にはある。これはもう、設定の無茶苦茶さに他ならず。これに尽きる。天文学的な確率の低さをものともせず、どんな行動を取っていても巡り会う三人には、ご都合主義の固まり。運命と片づけるには、あまりにもいい加減。これが例えばスター・ウォーズだったら“フォース”という良い言葉があるけど、冷静に考えると流石に引くぞ。ウィルの父親や女呪術師の存在も意味があるようで全然なかったりする。それに風呂敷を広げるだけ広げて全く閉じようとしないストーリー運びにも疑問点だらけ(この辺は3作目を待つしかないのだが)。まさかあそこで終わらせるとは思ってもみなかったよ。 言ってしまえば、本作は映画の体裁を取ってない。むしろテレビシリーズそのものの作りになってしまってる。これだったら、何も前後編にするのではなく、いっそ3〜4話まで続きにして1時間半にまとめ、更に公開のスパンを早めた方が良かったんじゃないかね?(その方が儲かるし) それにデップ、ブルーム共にキャラは良いんだけど、今回に関してはナイトレイがどうにも浮きっぱなしって感じもした。前作は可憐さの中に心の強さを秘めたという役だったのだが、今回は最初から最後まで戦士って感じだから。勇猛なのは良いけど、メリハリがないんだよな。 後、これを観ていて思ったのは、これって本当に『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(1980)なんじゃないかってこと。ミニストーリーの連続で飽きさせないように物語が構成されていることと言い、運命によって結び付けられるキャラと言い、最後に悲劇が待っていて「次に続く」で終わることと言い、キャラの扱いがウィル=ルーク、ジャック=ハン・ソロ、エリザベス=レーアだったり…見事なくらいに適応してる気がするんだけど。 |
ニコラス・ケイジの ウェザーマン 2005 | |||||||||||||||||||||||||||
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シカゴで人気の天気キャスター、デイヴ・スプリッツ(ケイジ)。1日わずか2時間勤務で巨額の給料を得ており、全国ネットの仕事への誘いも受けていた。だが仕事の成功とは裏腹に、妻との離婚を境に二人の娘が離れていき、更に父親のロバート(ケイン)との関係も修復できないまま、ロバートが余命幾ばくもない身と分かり… 『パイレーツ・オブ・カリビアン』のヴァービンスキー監督が、1作目と2作目の間の充電期間に作った作品で、これまでの監督のフィルモグラフィからは考えられないほどにウェットで静かな作品に仕上がっている。 ちょっと成功したから挑戦した手慰めと思いきや、正直驚いた。こんな作品も撮れるんだね。ケイジの存在感もとても良い。 なんというか、私の好みの直球ズドン。という感じ。ハリウッドではよくあるタイプの作品で、ばらばらになってしまった家族の絆を取り戻すといった感じで、本作の場合特に移動しないロードムービー的な演出がなされていき、ばらばらになった三世代にわたる確執が徐々にほぐれていく過程を丁寧に描いていた。実はこういう作品が私は大好き。 本作はしかも物語を敢えてわかりやすいハッピーエンドにはせずに、主人公のデイブは徐々に苦しみが増していかせて、そのまま終わらせてしまう。尤も、苦しみと言ってもたいしたものじゃなく、未練たっぷりに追いすがる元妻にもっと冴えない中年男の影が見えたりするとか、何事か悩んでいるらしい娘があからさまに無視するとか、常に皮肉で辛らつな言葉を投げかけてくる父とか、いつもファーストフードを車越しに投げつけてくる男とか…極めて現実に即したリアルな、ちょっとだけ気分がささくれ立つような苦しみの連続。 そんな苦しみに遭う度に悪態をついては、又人生に戻っていく。苦しみが劇的でないのだから、その解決策も劇的ではない。様々な試みがなされ、失敗する度に肩をすくめ、又新しい打開策を考えていく…この辺も極めてリアルだ。 そんなしょぼくれた役をケイジが好演。この人は器用で様々な役が出来るが、この手の役が一番のはまり役だろう。何よりそう言った細かい苦痛を、仕事とか他のものに振り分けて気晴らしするのではなく、苦しくとも、真っ正面にそれを受け止めて生きていこうとする姿勢が素晴らしい。ある意味彼はこの作品でもヒーローを演じているのだ。 その人生のペーソスのようなものが、ちょっと世間とずれた時に笑いが出る。微妙なところなんだが、そのずれを楽しむ作品とは言えるか。私自身も、ほろりとするのではないのだが、ラストシーンを観た時には泣き笑いのような表情になってしまった。 舞台のシカゴというのも良い感じ。どことなく乾いた風の強い街。というシカゴのイメージをうまく活かしている(…その風の強さが一種のジョークになってるシーンもあるけどね。強い風にふわりとたなびくあの頭はそのまんまジョークだ)。 監督も主演も一流どころなのに、何故か日本では未公開。もったいない話だが、DVDで簡単に手に入るのは良い時代。 |
パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち 2003 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2003米アカデミー主演男優賞(デップ)、メイクアップ賞、特殊効果賞、音響効果賞、音響賞 2003英アカデミー メイクアップ&ヘアー賞、主演男優賞(デップ)、衣装デザイン賞、音響賞、特殊視覚効果賞 2003ゴールデン・グローブ男優賞(デップ) 2003放送映画批評家協会ファミリー映画賞、主演男優賞(デップ) 2003エンパイア映画男優賞(デップ) 2003アメリカ映画俳優組合主演男優賞(デップ) 2003全米年間興行収入第2位 2003全世界年間興行収入第4位 2004MTVムービー・アワード男優賞(デップ)、作品賞、ブレイクスルー演技賞(ナイトレイ)、チーム賞(デップ&ブルーム)、コメディ演技賞(デップ)、悪役賞(ラッシュ) 2004サターン衣装デザイン賞、ファンタジー作品賞、主演男優賞(デップ)、助演男優賞(ラッシュ)、助演女優賞(ナイトレイ)、監督賞 |
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17世紀、カリブ海に面する港ポートロイアルの総督の娘エリザベスは少女時代に海賊に襲われた船から助けられた少年ウィルの持っていた黄金のメダルを今でも身につけていた。やがて時が経ち、エリザベス(ナイトレイ)は美しく成長し、新しい総督から求愛されるまでになる。一方腕のいい鍛冶屋として成長したウィル(ブルーム)は身分違いの恋心に迷うことになる。そんな時に突然ポートロイアルへとやってきた伝説の海賊ジャック=スパロウ(デップ)。そしてそれに合わせるかのように、かつてスパロウの持ち船で、今はスパロウを裏切ったバルボッサ(ラッシュ)に率いられる海賊船ブラック・パール号が町を蹂躙する。海賊達にエリザベスをさらわれたウィルは、彼女を救うべく牢に入れられていたスパロウに助力を求めるが…。 今まで映画には数多くの男優が登場し、それぞれ個性を表していた。映画を観続けていると、本当に格好良い!と思える男達と出会えるものだ。私にとっても数多くの好きな男優が映画界にはいる。では、現在生きて活躍している男優で好きな人を挙げろ。と言われると、これも結構多いけど、その中で絶対外すわけには行かない。と言う人物が何人かいる。 その筆頭は何と言ってもジョニー=デップ。これまで数々の作品で素晴らしい演技を魅せてくれていた。役者としては器用に役をこなす方だと思うけど、どこかアウトロー的な、微かに狂気をはらんで佇むその姿が無茶苦茶好みだ。 その彼がこういった純粋な娯楽アクション作に出るというので、それを知った時は最初あれ?とか思ったものだが、本作を観て納得。本当に楽しそうに、のびのびと演じていた。こういう役も似合うんだね。 オープニングのデップ演じるスパロウの登場シーンが又人を食っていて楽しい。三つ編みにした髪と髭を蓄え、船のマストの上に無言で立ち、遠くを見ている。うーん、様になるなあ。と思ったら、場面は一転して、実はこの船、ぼろぼろのボートで、沈みかけているのでマストに立っていたと言うことに気づかされる。実に良い掴みだったし、この物語の方向性はそれで大体分かるようになっている。 実際物語はその通り。アクション大作で物語は二転三転。そこらかしこに笑いの要素をふんだんに用いて痛快娯楽大作に仕上がっている。その中でもやはりデップの個性はひときわ光っていた。キャスティングもそれに合わせたのかのように、ブルームは生真面目な一本気なハンサムボーイの役に徹していたし、活発な役回りであるはずのエリザベス役のナイトレイも個性は押さえ気味。役どころがはっきりしていた。ブルームは『ロード・オブ・ザ・リング』(2001)のレゴラス役でブレイクしたわけだが、本作もそれに沿ってる感じ。インタビューなどを読むと、役作りについては非常に熱心な人で、誠実そうな印象があるが、単なる二枚目俳優に終わらず、これからは個性が出てくるんじゃないかと言う期待も持たせてくれた。 あと本作ではCGの使い方が面白い。月の光に照らされると呪いによる本性が現れるというブラック・パール号の乗組員達だが、月の光が一カ所だけ差す場所で移動して、光に当たった時だけ怪物に変化するという描写がなかなか凝ってる。殺陣のシーンだとめまぐるしく変化するので、CG班は相当大変だっただろう。なんかハリーハウゼンの『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)っぽくもあるが、これは狙ってのことか? 概ねにおいて満足した作品だが(と言うよりデップに満足したと言うべきか)、どうしても一つ、観終わった直後では解せなかった事がある。ラスト近く。スパロウは金貨を持つことによって呪いを受けることになるのだが、だったら、それまでずっと金貨を持ち続けていたエリザベスや、途中で金貨を持って逃げたウィルは何故呪いを受けなかったのだ? …いや、自分でも嫌な性格だと思うけど、こういうアラ探しを止められないもので。 で、今まさにこれを書いてる時点で気づいてしまった。実は言葉に罠があった!バルボッサがエリザベスに呪いを受けたことを説明した際、「櫃から金貨を取った人間が呪いを受ける」と言っていたことに。 そうか。あの櫃から直接金貨を取った人間だけが呪いを受けるのかよ!小癪な説明をするじゃねえか。確かにエリザベスは元々金貨を持っていたのだし、ウィルは櫃から落ちた金貨を拾っていた… 嫌味なくらいに巧妙。危ない危ない。アラを見つけたと勝ち誇ってしまうところだった。多分私のような嫌みやアラ探し好きな人間を向こうでは待ってるんじゃないか? 他にいくつかアラはあるけど、細かすぎるし、それこそ嫌味だから止める。これだけ悔しがらせてくれたことにも評価しよう。 |
ザ・リング 2002 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2003MTVムービー・アワード悪役賞(チェイス)、作品賞 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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全米で原因不明の死亡事故が起こっていた。その真相究明に燃える新聞記者のレイチェル(ワッツ)だったが、彼女の姪までがその犠牲者となり、姪の同級生から「彼女は一週間前に呪いのビデオを見てしまったために死んだ」と聞かされる。レイチェルは姪たちが先週行った郊外の山荘を訪れ、そこでラベルの貼ってないビデオテープを見つけるのだが… 日本で大ヒットを記録したのみならず、ネオ・ジャパニーズ・ホラーは怖いと言うことを世界中に知らしめることになった『リング』(1998)。このところ原作付きやリメイクを世界中から引っ張ってきてるハリウッドがこれを見逃すはずはなく、とうとうそのまんまリメイクしてしまった。 原作ではなく映画が元だけあって、主人公が女性だとか、演出が『リング』そのまんまだとかと、ちょっと努力の跡が足りないぞ。リメイクするなら、全くそのまんまではなく、変えようと言う努力が欲しかった。更に言えば、呪いのビデオがどうやって作られたか。と言う物語の肝心な部分をないがしろにしてしまったのが設定上の拙さだった。恨み→殺人の間の過程がないので、極めて即物的。それを科学的に解明しようとかはしてるんだけど、結局無駄になってしまったし。 キャラクターに関しては、ワッツはSQとして充分なキャラクターだったが、その他が今ひとつ。サマラ(『リング』の貞子)があんまり不気味じゃないのも残念。 全般的に元の作品に負いすぎた。下手な小細工しないと言うことで、それはそれで良い部分もあるんだが、「結局同じじゃん」でくくれてしまうのも残念。しかも相当な説明不足というのもなあ。 |
ザ・メキシカン 2001 | |||||||||||||||||||||||||||
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ある暴力組織の下働きジュリー(ピット)は仕事ではドジが続いて下っ端から這い上がることが出来ず、私生活でも恋人のサマンサ(ロバーツ)と喧嘩ばかりすると言う生活を送っていた。そんな時に彼にチャンスが巡ってきた。メキシコにあるという伝説の拳銃“メキシカン”を手に入れることだった。だがジュリーの元を飛び出したサマンサも偶然メキシコへと行くことに… ブラッド=ピット、ジュリア=ロバーツと言う二大スター競演で話題になった作品。丁度劇場公開時は他に面白そうな映画が沢山あって、そちらの方を観ている内にいつの間にか見逃してしまった。ちょっと悔しかったが、テレビ版を観て今度はわざわざ金出さなくて良かった。としみじみ思った。 出来の悪さは折り紙付き。破綻したストーリー、見事に魅力をスポイルされた主役二人(ブラピはともかくロバーツの扱いは酷すぎ。更に本当にちょい役だったハックマン…)。意味のない、しかも派手さのない銃撃戦。盛り上がりの欠けるクライマックス。空回りするギャグ。もはや何をどう称しても碌な作品で無いことだけははっきりしている。 この作品で強いて良い部分を挙げるとすれば、脇で気のいい殺し屋を好演したガンドルフィーニと、“メキシカン”にまつわる過去の話くらいか。それでもガンドルフィーニはあんなあっけなく殺されてしまうし(しかもブラピ演じるジュリーによって)、それからは全く面白くも何ともない画面が続くだけ。 過去の話は結構楽しめた。もう少し長くするか、それとも様々な視点から一つの出来事を見た。と言う『羅生門』(1950)に似た構成にしたら結構面白くなったんじゃないかな? この映画、ピットとロバーツの存在自身が根本的に役に合ってなかったと言うのが根本的な間違いだと思う。合わない役と下らない脚本の中で一生懸命演じていたことだけは評価したい。 |
マウス・ハント 1997 | |||||||||||||||||||||||||||
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おんぼろ製糸工場とおんぼろ屋敷を相続したアーニー(レイン)とラーズ(エヴァンス)のスマンツ兄弟は、この屋敷が著名な建築家の幻の遺作であることを知る。さっそく競売に掛けようと画策し、なんとか値をつり上げようとするのだが、それを元から住んでいた一匹の天才マウスがそれを邪魔して… 「トム&ジェリー」の実写版と言うよりは『101』(1996)のネズミ版、引いて言うとネズミを主人公とした『ホーム・アローン』(1990)と言うべきか。ファミリー向け映画としてはなかなか良い出来で、演出もなかなか凝っていて楽しめるんだが、ネズミ一匹がやるにしてはちょっと派手すぎ及び悲惨すぎる。ちょっとばかりシャレにならないし、話は出来すぎのきらいがあるが、この辺は楽しめた者勝ちだ。 ネズミが主人公と言っても、そこは見せる部分はやはり人間。レイン&エヴァンスの凸凹コンビぶりはとても楽しいし、クリストファー=ウォーケンが見事なキレっぷりを見せるのも良し。確かウォーケンは本格的なコメディ作品は初挑戦のはずだが、このキレた演技の凄まじさはあっけにとられてしまった。言葉など必要ない。とにかく馬鹿笑いできるし、ファミリー向けとしては大成功の作品だろう。 |