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特撮事典

ヘルボーイ

ヘルボーイ ゴールデンアーミー

<A> <楽>
ギレルモ・デル・トロ(脚)
ロン・パールマン
セルマ・ブレア
ダグ・ジョーンズ
ルーク・ゴス
アンナ・ウォルトン
ジョン・アレクサンダー
ジェームズ・ドッド
ブライアン・スティール
ロイ・ドートリス
モンツェ・リーベ
ジェフリー・タンバー
ジョン・ハート
セス・マクファーレン
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 遥かな昔。地球の支配権を巡りエルフ族と人間の果てない争いが起こった。劣勢を強いられたエルフの王は最強の鋼鉄兵団“ゴールデン・アーミー”を生み出すが、そのあまりの戦闘力に心を痛めた王みずからがそれを封印した。そして現代。オークションが何者かに襲われたという報を受けた超常現象捜査防衛局(BPRD)はヘルボーイ(パールマン)らに出動を命じる。だが当のヘルボーイ自身は恋人のリズ(ブレア)と喧嘩中。むしゃくしゃして派手に暴れ回ってしまう。この事件がゴールデンアーミーの復活のためであるとも知らず…
 かつてデル・トロ監督が作ったアメコミ原作の『ヘルボーイ』の続編。はっきり言えば並以下の出来だった1作目と較べると、こだわりも楽しさも遙かに増してる作品に仕上げてくれた。
 これは1作目はあくまで紹介編として位置づけることで割り切って、今回はその分個々のキャラの性格を掘り下げる形にしたのが良かったのだろう。基本的にヘルボーイやエイブ、リズの存在は分かっているので、その描写はより過激化。というか、お互いの感情の行き違いが話の中心ににもっていき、精神的な意味で描写をしようとしてる。その中で前回全然つながりが分からなかったヘルボーイとエイブの青春が泣かせる。二人とも自分がブサイクだって事が分かってるので、それで互いが惚れた女性のことを想い、酔っぱらって二人でクダ巻くあたり、普通の古い青春物語を観てるような感じ。しかもそう言った危機でも決して深刻になりきらず、精神的な行き違いをウィットの効いた一言でするっとかわしてしまうあたり、非常な上手さも感じさせられる。
 特に本作は戦うシーンが一々こだわりが感じられていて、観てるとなんか本当にニヤニヤしてしまう。例えばトロールが鉄の右手を発射するシーンなんかは完全に「マジンガーZ」であり、樹のエレメントとの戦いはそのまま『もののけ姫』(1997)「無敵超人ザンボット3」。ゴールデンアーミーの設定は『天空の城ラピュタ』(1986)など、本当に日本のアニメの影響受けまくってるし、『ゴジラ』を初めとする着ぐるみ特撮からの引用も又多い。引用だけではなく、巨大な敵との戦いには縮尺をきちんと取って、ちゃんと戦ってる様子が描写されるなど、一々細かいところにこだわった演出は、特撮好きな人間にとっては、なんとも楽しすぎる瞬間だった。
 それでとても細かいところに配慮された作品になってるのだが、問題がない訳じゃない。と言うより、細かいところにこだわりすぎて、大元の物語がいかにも大味すぎ
 いかにも「これは途中の物語ですよ」っていう感じで、物語自体が全然進んでないことと、思わせぶりな台詞だけで終わってしまうため、もの凄く中途半端な物語になってしまった印象。なまじ描写部分が良かっただけに、こんなありきたり以下の物語にされてしまうのは、とても勿体ない話だった。「これが売れたら続編作りますよ」という見え見えの伏線もちょっと嫌らしく感じる。
 全般的にデル・トロ監督のオタク部分がとにかく良く出た作品で、これに共鳴出来る人には、楽しすぎる作品とは言えよう。

 

ウィンク
【うぃんく】
 ヌアダ王子の部下のトロール。右手は鎖付きの金属製で、これを使って攻撃する。 甘崎
エイブ
【えいぶ】
 本名エイブラハム・サビエン。超常現象捜査防衛局に属する水棲人。鋭い知性と人の心を読み取るサイコメトラー能力を持つ。基本的に荒事は苦手だが、人間を超える力を持っている。 甘崎
エレメンタル
【えれめんたる】
 ヌアダが放った豆のような植物が生長した巨大怪物。この種族の最後の生き残りだという。 甘崎
ゴールデンアーミー
【ごーるでん-あーみー】
 ゴブリンの鍛治氏によって作られた最強の金属騎士。強力な力のみならず自己再生能力も持つ。 甘崎
サマリタン
【さまりたん】
 ヘルボーイが愛用する巨大口径の銃。 甘崎
死の天使
【し-の-てんし】
 地下の王国に住む、人の死を予言する謎の人物。瀕死の重傷を負ったヘルボーイをどうするかをリズに聴く。 甘崎
ジャイアントドアウェイ
【じゃいあんと-どあうぇい】
 地下の王国と地上を結ぶドアの役割をしている石の巨人。 甘崎
超常現象捜査防衛局
【ちょうじょう-げんしょう-そうさ-ぼうえい-きょく】
 通称BPRD。人知を超えた出来事に対処するためアメリカ軍が古くから創設していた特殊機関。ミュータントや怪物なども職員として働いている。エリア51が本拠地。 甘崎
トゥース・フェアリー
【とぅーす-ふぇありー】
 “歯の妖精”。小さな妖精だが、カルシウムが大好物で、大群で人間を襲っては完全に食い尽くしてしまう。 甘崎
トム
【とむ】
 トム・マニング。BPRDの長官。ヘルボーイたちを率いる立場にあるが、なかなか言うことを聞かないヘルボーイに怒ってばかりの人物。 甘崎
トレヴァー
【とれう゛ぁー】
 かつてドイツ軍からヘルボーイを保護した人物でヘルボーイの育ての親。ヘルボーイを人間として育てた人物。 甘崎
ヌアダ
【ぬあだ】
 エルフの王子。父と人間が交わした契約を破り、ゴールデンアーミーを復活させて人類を滅亡させようと画策する。 甘崎
ヌアラ
【ぬあら】
 エルフの王女。ゴールデンアーミーを復活させる王冠の最後のパーツをもっている。ヌアダとは双子で、片方が傷つけられると、もう片方も傷を負う。 甘崎
バロル
【ばろる】
 エルフの王。かつて人間と協定を結び、エルフは森を、人間は町を取ることに合意する。 甘崎
ビッグ・ベイビー
【びっぐ-べいびー】
 超常現象捜査防衛局が作り出したヘルボーイ専用の巨大銃。 甘崎
ブルー
【ぶるー】
 エイブのコード名。 甘崎
ベツムーラ
【べつむーら】
 エルフの王国。人間との協定を守り、森に姿を消したが、人間の開発によってどんどんその住まいを追われている。 甘崎
ヘルボーイ
【へるぼーい】
 本名アヌン・ウン・ラーマ。かつてナチスが黒魔術によって呼び出した魔界の王子。角を折られ人間として育てられているため、割とナイーブな性格をしているが、ロックとビールが好きな陽気な側面もある。 甘崎
ヨハン
【よはん】
 ヨハン・クラウス。著名なドイツ人科学者でエクトプラズムの研究の権威。幽体離脱中に肉体を失ってしまい、エクトプラズム状態だが、特殊機密スーツを着用して、人間同様の生活をしている。きまじめな性格故、ヘルボーイとも度々衝突する。 甘崎
リズ
【りず】
 パイロキネティック能力を持つ女性でヘルボーイの恋人。ヘルボーイのことを心から愛しているが、そのいい加減な性格に衝突することもしばしば。ヘルボーイのこどもを宿した。 甘崎
レッド
【れっど】
 ヘルボーイのコード名。 甘崎

 

ヘルボーイ(2019)

<A> <楽>
マット・オトゥール
レス・ウェルドン
ヤリフ・ラーナー
フィリップ・ウェストグレン
カール・ハンプ
ローレンス・ゴードン
ロイド・レヴィン
マイク・リチャードソン(製)
ラティ・グロブマン
クリスタ・キャンベル
ジェフリー・グリーンスタイン
アヴィ・ラーナー
トレヴァー・ショート
ジョン・トンプソン
マイク・ミニョーラ
マーク・ヘルウィグ(脚)
デヴィッド・ハーバー
イアン・マクシェーン
ミラ・ジョヴォヴィッチ
ダニエル・デイ・キム
サッシャ・レイン
トーマス・ヘイデン・チャーチ
アリスター・ペトリ
ブライアン・グリーソン
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 かつて地獄の王の子として地球に連れてこられたヘルボーイ(グロブマン)は、幾多の差別を受けながら成長し、今は超常現象調査防衛局(BRPD)のエージェントとして活動していた。そんなある時、英国中を荒らし回っている人食い巨人を退治せよとの指令が下る。そこでヘルボーイは暗黒時代に封印されたブラッドクイーンが1500年の眠りから覚めたことを知る。

 アメリカンコミック「ヘルボーイ」の映画化作品。本作はかつてデル・トロ監督によって制作されたヘルボーイ(2004)の前史にあたり、全く別な物語という訳ではなく、丁寧につながっている。
 「ヘルボーイ」は他のヒーローもののコミックと較べるとひとつ違いがある。作家性を大切にするダークホースコミックスから出版されたため、基本的に本シリーズはマイク・ミニョーラという一人の作家によって書き続けられている。そのため一貫性のある物語と、基本的に並行世界であるアナザーバースが存在しない。映画にもなる人気シリーズとしては結構珍しい。
 あと主人公が悪魔と言うことでダークファンタジー性を増し、中二病ヤングアダルト向けの作品になっていることだろうか。今から思うといかにもデル・トロが好きそうな素材だった。
 本作はデル・トロ版の前史となってはいるが、それは単純にデル・トロ版にいた仲間がおらずヘルボーイが一人で活躍すると言うだけで、なんら物語に影響を与えていない。
 一応トピックとしては、デル・トロ版では明かされてなかったヘルボーイがこの世に生まれた目的は分かったことくらい。ヘルボーイの存在自体が魔を地上に呼び出すことになり、このままヘルボーイが地上に居続けたらいつかは地球を滅ぼすことになる。しかし地獄から這い上がってくる悪魔を封じるのはヘルボーイがいなければならないというややこしい立場にある事が分かったくらいか。
 物語・演出において作品自体はこれと言った目立ったところはないものの、ツッコミどころが見当たらないし、かなり丁寧に作った作品だとは分かる。ただ、これは逆にほとんど記憶に残らないということでもある。ディセントであれだけ尖ったものを作ったマーシャル監督なのに、平均的なもの作ってどうする?
製作年 2019
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
ヘルボーイ <A> <楽>
歴史地域
関連
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ

 

アーサー
【あーさー】
 伝説のイギリス王。実はヘルボーイはアーサー王の末裔の女性が悪魔と交わった結果生まれた。 甘崎
アリス
【ありす】
 アリス・モナハン。ヘルボーイが保護した少女で、テレパス能力を持つ。 甘崎
ヴィヴィアン
【う゛ぃう゛ぃあん】
 ヴィヴィアン・ニムエ。ブラッドクィーンの本名。元々はアーサー王伝説に登場する妖精。 甘崎
ガネイダ
【がねいだ】
 ブラッドクィーンの従者である魔女。彼女の裏切りによってブラッドクィーンは封印された。 甘崎
グルアガッハ
【ぐるあがっは】
 魔界からやってきた小悪魔。ブラウニーとも。 甘崎
トレヴァー
【とれう゛ぁー】
 トレヴァー・"ブルーム"・ブルッテンホルム。ヘルボーイの育ての親。ヘルボーイには語っていないことも多く、色々ストレスがたまっているようだ。 甘崎
バーバ・ヤーガ
【ばーば-やーが】
 最後に登場する魔女。ヘル・ボーイに恨みを持つ存在らしい。 甘崎
BRPD
【びー-あーる-ぴー-でぃー】
 超常現象調査防衛局。人知を超えた事件に際してエージェントを派遣する。ヘルボーイはこのエージェント。 甘崎
ブラッドクィーン
【ぶらっど-くぃーん】
 1500年前に現れた魔界から現れた女性型の魔物。封印が解けて地上侵略に乗り出すが、その目的はヘルボーイに魔界の力を与えて王にすることだった。 甘崎
ヘルボーイ
【へるぼーい】
 本名アヌン・ウン・ラーマ。かつてナチスが黒魔術によって呼び出した魔界の王子。紆余曲折あり、今はBRPD職員として働いている。 甘崎
ベン
【べん】
 ベン・ダイミョウ。BRPD職員で実働部隊のリーダー。ヘルボーイにはあまり良い感情を持っていないが、仕事はきっちりこなす。実はワージャガーで、戦いの際は巨大なジャガーに変身する。 甘崎
マーリン
【まーりん】
 アーサー王時代の魔術師。不死の呪法によって今も生き続けており、アーサーの墓を守っている。ヘルボーイの出生の秘密を知る人物。 甘崎
ロブスター
【ろぶすたー】
 ロブスター・ジョンソン。ラストでヘルボーイの前に現れた謎の男。既に死んでいると思われる。 甘崎
名称
【】
  甘崎