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  MOVIETOP

ギレルモ・デル・トロ
Guillermo Del Toro

Guillermo del Toro
Wikipediaより
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鑑賞本数 合計点 平均点
書籍
著作
ギレルモ・デル・トロ クリムゾン・ピーク アート・オブ・ダークネス

_(書籍)
2022 ギレルモ・デル・トロのピノッキオ 監督・脚本
ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋
<A> <楽> 製作総指揮・脚本
2021 ナイトメア・アリー 監督・製作・脚本
トロールハンターズ:ライジング・タイタンズ 製作総指揮・原作
アントラーズ 製作
2020 魔女がいっぱい 製作・脚本
ウィザード: アルカディア物語
<A> <楽> 製作総指揮・原作
2019 スケアリーストーリーズ 怖い本 製作・原作
2018 パシフィック・リム:アップライジング 製作
ミッシング・スリー: アルカディア物語(1st,2nd)
<A> <楽> 製作総指揮
2017 シェイプ・オブ・ウォーター 監督・製作・脚本
2016
トロール・ハンターズ(1st~)
<A> <楽> 製作総指揮
2015 クリムゾン・ピーク 監督・脚本
2014 ブック・オブ・ライフ ~マノロの数奇な冒険~ 製作
ホビット 決戦のゆくえ 脚本
ストレイン(1st~4th)
<A> <楽> 監督・製作総指揮・脚本
2013 パシフィック・リム 監督・製作・脚本
MAMA 製作
ホビット 竜に奪われた王国 脚本
Necessary Evil/DCスーパー・ヴィラン 出演
2012 ガーディアンズ 伝説の勇者たち 製作総指揮
ホビット 思いがけない冒険 脚本
トランスポーター ザ・シリーズ(1st,2nd)
<A> <楽> キャラクター創造
2011 長ぐつをはいたネコ 製作・出演
ダーク・フェアリー 制作・脚本
2010 ロスト・アイズ 製作
2009
2008 ヘルボーイ ゴールデン・アーミー 監督・原案・脚本
アライブ 製作総指揮
スプライス 製作総指揮
ルドandクルシ 製作
2007 永遠のこどもたち 製作
ヘルボーイ アニメイテッド ブラッド・アンド・アイアン 製作
ダイアリー・オブ・ザ・デッド 出演
2006 パンズ・ラビリンス 監督・製作・脚本
ヘルボーイ アニメイテッド ソード・オブ・ストームス 製作
2005
2004 ヘルボーイ 監督・原案・脚本
タブロイド 製作
2003
2002 ブレイド2 監督
2001 デビルズ・バックボーン 監督・脚本・脚本
2000
1999
1998
1997 ミミック 監督・原案・脚本
1996
1995
1994
1993
1992 クロノス 監督
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965
1964 10'9 ジャリスコで誕生

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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
Guillermo del Toro's Pinocchio
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ギレルモ・デル・トロ
リサ・ヘンソン
ゲイリー・アンガー
アレクサンダー・バークレー
コーリー・キャンポドニコ(製)
ギレルモ・デル・トロ
パトリック・マクヘイル(脚)
ユアン・マクレガー
デヴィッド・ブラッドリー
グレゴリー・マン
バーン・ゴーマン
ジョン・タートゥーロ
ロン・パールマン
フィン・ヴォルフハルト
ケイト・ブランシェット
ティム・ブレイク・ネルソン
クリストフ・ヴァルツ
ティルダ・スウィントン
★★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 第一次世界大戦下のイタリアの小さな村で暮らすゼペット。爆弾で死んでしまった息子を悲しむあまり、木で息子そっくりの人形を作る。それを知ってゼペットを気の毒に思った木の精霊はその人形に命を宿す。その木を住まいとしていたコオロギのセバスチャン・J・クリケットを含め、ゼペットの子どもとして育てられるようになる。世間知らずで暴れ回るピノッキオに手を焼くゼペットとクリケットだが、二人の心配を尻目に遊びたがるピノッキオ。そんなピノッキオを何か利用できないかと村長がじっと見ていた。

 カルロ・コルディ原作の「ピノッキオの冒険」は原作者の本国イタリアでは大変読まれている童話で、イタリアだけでも数多く映画化されている。最も有名なのはディズニーのアニメ作品『ピノキオ』(1940)だろうが、日本でもそれに準じるテレビアニメが結構作られていた時期もあった。世界的に有名な作品である。
 ただ有名なだけに作り方もだいたい似通ってしまい、原作に忠実に作れば、誰が作っても個性が出てこなくなってしまう。デル・トロであろうともそこからは逃れられるはずはない。

 …そうたかをくっていた。

 しかし、私の考えは見事に間違えていた。まさかこんなもの作ってくれるとは
 一応大部分のキャラクターは原作に準拠している。原作からは随分話が変わってしまっていて、出てこない人物もいれば、ここだけに登場するのもいるが、物語の尺に合わせて必要なものを出している。しかし、キャラの行動がまるで異なる。特にオリジナルキャラは自由奔放に動いて物語を引っかき回すが、それを基本路線に収斂させていっている。原作への敬意もちゃんと持ちながら、自由に作っているところが大変好感度高い。

 ただ、本作で一番感心出来るのは、はっきり年代を固定していることだった。
 これに関しては推測して然りだったか。既にデル・トロは『デビルズ・バックボーン』『パンズ・ラビリンス』でスペイン内戦下での物語形成をしていた。そのお陰でこの二作品はホラーであるにもかかわらずものすごい説得力を持たせることが出来た。他にもオスカーを得た『シェイプ・オブ・ウォーター』に関しても1960年代前半というシチュエーションあってこその物語だったのだから。本作もイタリアの実際の歴史をベースにするのは当然だったかも知れない。
 本作の舞台となるのは第一次大戦時のイタリア。この当時のイタリアは王国だったが、19世紀に小国で争っていたこともあって、たまたまサルデーニャ王国が覇権を得ていたものの、民衆の支持は得られていない。そのため国は大変混乱している状況だった。
 このような時代をピンポイントで選び、そこにピノッキオの物語を挿入したことによって、物語の説得力がとても上がっている。
 戦争中なのでバタバタと人は死んでいる。本作ではゼペットにも息子がいたことになっているが、戦争で死んだということになっている。その息子の代わりとしてピノッキオが生まれたが、彼はゼペットの祈りを反映したか、不死の存在として生まれた。周りで人々が死んでいく中、何度でも蘇っていく。その辺の死生観がとても不思議なものになっている。
 この物語の中心とも言えるのが、「生きるとは何か?」というテーマだが、それについては具体的に答えを用意しておらず、キーワードのみ提示されるが、それが色々突きつけられてるような気分にさせられる。
 簡単に人が死ぬ世界にあって、生に執着のないピノッキオが何故生きるのか。それは木の体では見つけられないので人間の肉体が欲しいし、その答えを知りたくて世界を彷徨する。生きる事が虚しいことを前提に、それでも生き続ける意味を探すピノッキオの姿は大変深いものがある。まるで哲学のような作品だった。

 それで長い旅を経て、ピノッキオが得たものとは何だろう?ゼペットもクリケットも猿もいなくなって、それでも生き続けながら、死ぬ方法を探す。結局ピノッキオはその答えを見つけた時、生きる事の意味に気づくはずである。しかしそれは視聴者には提示されない。ここが監督の個性的な部分だろう。
製作年 2022
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
ピノッキオの冒険 <A> <楽>
カルロ・コロディ (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
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ナイトメア・アリー
Nightmare Alley
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ギレルモ・デル・トロ
J・マイルズ・デイル
ブラッドリー・クーパー(製)
ギレルモ・デル・トロ
キム・モーガン(脚)
ブラッドリー・クーパー
ケイト・ブランシェット
トニ・コレット
ウィレム・デフォー
リチャード・ジェンキンス
ルーニー・マーラ
ロン・パールマン
メアリー・スティーンバージェン
デヴィッド・ストラザーン
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1939年。唯一の肉親父親が亡くなり天涯孤独の身になったスタン・カーライル(クーパー)は移動サーカスのオーナークレム(デフォー)の目にとまって、見世物小屋のスタッフとして働くことになった。そこでサーカスの中で透視の手品をするジーナと夫ピートと知り合う。ピートの使う読心術の手品に興味を持ったスタンはピートのノートを奪い、それを元に自らを霊能者を名乗ってニューヨークで一儲けを考える。サーカスから連れ出したモリー(マーラ)を助手に、金持ち相手に順調に稼いでいたが、そんな時、心理学者のリッター博士(ブランシェット)の目にとまる。彼女と組んで大儲けを狙うことにした。

 ウィリアム・リンゼイ・グレシャムによる同名小説の映画化でデル・トロ監督が映画化を切望していた作品だという。ただし本作は既に『悪魔の往く町』(1947)として映画化されている。邦題のタイトルが違うため、知らないで観始めたら、「あれどっかで観た記憶があるぞ?」と思いついたものの、それが何だったか全く思い出せないまま映画観終えて、帰って調べてようやく分かった次第。少なくともこの作品に関しては事前情報を入れておくべきだった。デル・トロ監督の作品は問答無用で観ることを決めていたりすると、こういうことになる。
 しかし作品としては「いかにも」という感じではある。見世物小屋とピカレスクを合わせて更にフリークスをあてはめるなんて、デル・トロが作りたかった訳だわ。実によく分かる。
 ただストーリーはちょっと弱め。設定も詰めて欲しかったところも多々。演出面を含めて全体的な質が高い分、ちょっとリアリティのなさが目立った。この辺は逆に原作に忠実なのかもしれない。
 キャラの良さは特筆すべきところがあって、特に女性の描写が際だって良い。見世物小屋に住む人々の粗野な生き方から上流階級の人々の物腰まで、どれもはまりにはまった描写が際立つ。しかもここに出てくる女性達はみんな何らかの形で主人公によって表面の取り繕いを引っぺがされて本性が出てきて、そのギャップが映像にはまる。主人公が胡散臭い催眠術師というのも上手い具合のはまり方だ。
 ただ、観ている内に『悪魔の往く町』以外の別な映画を思い出させた。それはこれまたカルト作の一つとされる『フリークス』(1932)なのだが、見世物小屋ならではの連帯感と、引き離された仲間を救うために身を張る姿勢はまさにそのもの。ここではロン・パールマンの熱演もあって、まさにそれっぽい。確信は無いけど、デル・トロが本当に作りたかったのは、こっちのほうでなかったかと邪推している。

 いろんな意味で一般受けの良い作品とは言いがたいが、こう言う胡散臭い話はとても面白いので、時々で良いから作り続けてほしいもんだ。
製作年 2021
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
Nightmare Alley — 悪魔の往く町 <A> <楽>
ウィリアム・リンゼイ・グレシャム (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連 悪魔の往く町(1947)同一原作
シェイプ・オブ・ウォーター
The Shape of Water
2017米アカデミー作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞、主演女優賞(ホーキンス)、助演男優賞(ジェンキンス)、助演女優賞(スペンサー)、脚本賞、撮影賞、衣装デザイン賞、音響賞、編集賞
2017英アカデミー監督賞、作曲賞、プロダクションデザイン賞、作品賞、主演女優賞(ホーキンス)、助演女優賞(スペンサー)、脚本賞、衣装デザイン賞、編集賞、特殊視覚効果賞
2017ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞
2017LA批評家協会女優賞(ホーキンス)、監督賞、撮影賞
2017ゴールデン・グローブ監督賞、音楽賞、
作品賞、女優賞(ホーキンス)、助演男優賞(ジェンキンス)、助演女優賞(スペンサー)、脚本賞
2018
日本アカデミー外国作品賞
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ギレルモ・デル・トロ
J・マイルズ・デイル(製)
ギレルモ・デル・トロ
ヴァネッサ・テイラー(脚)
サリー・ホーキンス
マイケル・シャノン
リチャード・ジェンキンス
ダグ・ジョーンズ
マイケル・スタールバーグ
オクタヴィア・スペンサー
デヴィッド・ヒューレット
ニック・サーシー
ナイジェル・ベネット
ローレン・リー・スミス
ジョン・カペロス
モーガン・ケリー
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1962年。冷戦下のアメリカで清掃会社に勤める女性イライザ(ホーキンス)は、親友のゼルダ(スペンサー)と共に航空宇宙センターで仕事をしていた。声の出せないイライザではあるが、アパートの隣人の画家ジャイルズ(ジェンキンス)やゼルダに支えられ、日々平穏ながらそれなりに充実した生活を送っていた。そんな時、宇宙センターに出向してきた軍人ストリックランド(シャノン)から清掃を命じられた部屋には、不思議な生物を収めたタンクが運ばれていた。
 1992年に『クロノス』でデビューして以来、一貫してモンスターを描き続けてきたデル・トロ監督が次の素材に選んだのは半魚人だった。
 それを最初に知った時、「やっぱりデル・トロは変わらない」と微笑ましく思っていたものだ。更にネットでインタビュー記事を読んでみる限り、『大アマゾンの半魚人』(1954)にも思い入れがあるだけでなく、なんと「ウルトラQ」および「ウルトラマン」に登場したラゴンに多大な思い入れがあるらしいことが分かる。
 なんだろうこの安定感。だからこの監督は大好きだ。

 だが、上映が迫るにつれ、話が思った以上に大きくなっている。
 様々な映画賞に作品賞としてノミネート。は?
 アカデミー作品賞にまでノミネート。は?
 まさかの作品賞オスカー。はあ?
 なにそれ?

 怪獣映画がオスカーって、そらま私にとってはとても嬉しいことだけど、逆に怪獣映画はもっとマイナーなものでなければならないって気も。ずっと日陰者だった怪獣映画を応援し続けてきた身としては、大変複雑な思いを抱かせるものだった。
 でも当然ながら、その実力を見てみたいという思いが強く、公開とほぼ同時に観に行ってきた。

 映画としての作り方はとても手堅い。
 モンスターと人間の恋愛というシチュエーションだが、ややSF寄りにすれば、これは障害を持つ人間同士の恋愛劇としてちゃんと機能するし、冷戦下のアメリカの国内事情があたかも現代のアメリカを象徴するような時事性もしっかりしてる。又映画として、生命に対する尊厳とマイノリティに対する温かい眼差しに一貫されている。そして『パンズ・ラビリンス』同様に、世界の潮流をしっかり捉えて作った作りもある。

 そう言う意味ではこれまでの映画史の中で培われてきたリベラル派の映画作りに則った立派な作品である。

 一方怪獣映画としても、これはこれで充分な出来。監督のこだわりだろうか、半魚人は決して姿を変えることなく、そのままの姿で愛される存在となっていたところが何より素晴らしい。これまで監督といつもタッグを組んでモンスター役を演じていたダグ・ジョーンズにとっても初めての恋愛ものになってる(そう言えばダグは『ヘルボーイ』でも半魚人のエイブを演じていた)。

 敢えて文句を言うとすれば、ストーリーラインがとても単調だったことと、個人的にネコを虐待する映画は容認できないという点くらい。

 …というところが、私なりの本作評になるが、ここからは少し脱線して本作のもう一つの込められた意味というものを考えてみたい。

 公開前から本作は『美女と野獣』(1991)との対比で語られることが多かった。折しも2017年は実写版の『美女と野獣』(2017)も公開されており、確かに良い対比になってる。
 私が書いた『美女と野獣』評を読みなおしてみたら、「そもそも野獣が格好良すぎて、別段このまま不細工な人間にならんでもよくね?」と書いてあって、実際、あの作品でも人間に戻す必然性って全くなかった気がしていた。その意味では、半魚人がそのままの姿でイライザと愛し合って結ばれるというのは、狙って作ったと思えてしまう。

 ただ、これで『美女と野獣』との関わりは分かるけど、それだけでは無かった気がする。実は他のディズニー作品にも関わりも感じさせる。
 まずイライザは冒頭から靴に対して執着心を持っている描写があり、そして声を失っているという事実がある。ラストでも実は…という描写があるので、これはまんま『リトル・マーメイド 人魚姫』(1989)の設定の引用と取る事が出来るだろう。例えばあの映画でアリエルがした行為の報いが声を失うことだけでなく、若返りと記憶を失うことがセットだったら?イライザ視点で見るならば、本作は『リトル・マーメイド』の翻案と言っても良い。
 他にもある。この世界に疎外感を感じるイライザだが、それなりに楽しい生活も送れている。それは周囲の人たちが温かく迎えてくれることだが、それは『白雪姫』(1937)で描かれる白雪姫とドワーフたちの関係に似せているようでもある。王子のキスで自分を取り戻すのもそれに準じてるとも言える。これに関しては『眠れる森の美女』も入るだろう。
 イライザが半魚人を海に帰すのに期限を切ったシーンなんかは『シンデレラ』(1950)だろう。楽しい時間はやがて終わりを告げる。そしてその終わりは自分で決めねばならない。もしその時間を一瞬でも間違えてしまったら取り返しの付かない事態を引き起こす。ここでもラストシーンで靴が関わってくるのも特徴であろう。

 …こう見てみると、歴代のディズニープリンセスを見事に体現してる気がするんだが、そう考えると、全部にアダルティな皮肉を込めてる。本当にこれダークファンタジーなんだな。
製作年 2017
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原作
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クリムゾン・ピーク
Crimson Peak
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トーマス・タル
ジョン・ジャシュニ
ギレルモ・デル・トロ
カラム・グリーン
ジリアン・シェア(製)
ギレルモ・デル・トロ
マシュー・ロビンス(脚)
ミア・ワシコウスカ
ジェシカ・チャステイン
トム・ヒドルストン
トーマス・シャープ
アラン・マクマイケル
カーター・カッシング
レスリー・ホープ
ダグ・ジョーンズ
ジョナサン・ハイド
ブルース・グレイ
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 2015
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
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関連
パシフィック・リム
2013米アカデミー特殊視覚効果賞
2013放送映画批評家協会視覚効果賞
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トーマス・タル
ジョン・ジャシュニ
ギレルモ・デル・トロ
メアリー・ペアレント
カラム・グリーン(製)
トラヴィス・ビーチャム
ギレルモ・デル・トロ(脚)
チャーリー・ハナム
イドリス・エルバ
菊地凛子
チャーリー・デイ
ロブ・カジンスキー
マックス・マーティーニ
芦田愛菜
ロン・パールマン
バーン・ゴーマン
クリフトン・コリンズ・Jr
ディエゴ・クラテンホフ
ロバート・メイレット
ヘザー・ドークセン
ブラッド・ウィリアム・ヘンケ
サンティアゴ・セグーラ
ロビン・トーマス
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 2013年。太平洋の深海で異世界とつながる亀裂が生じ、そこから怪獣が次々と現れるようになった。その怪獣に対抗するため、人類は手を組み、人型兵器イェーガーを建造して立ち向かう。だが怪獣の現れる頻度は少しずつ早まり、イェーガーの建造が間に合わなくなってきた。そして2025年。元イェーガー乗りのローリー(ハナム)の前に環太平洋防衛軍の司令官ペントコスト(エルバ)がやってきた。戦線復帰してイェーガーに乗れというペントコストの言葉に従うことにしたローリーだが…
 映画が開発されてから一世紀余り。その間に映画史にはいくつものトピックが存在した。大きいものもあるし、小さいものもあるが、それを投入したことによって、ガラッと映画のトレンドが変わる、あるいは新たなメジャージャンルを作り上げるパワーを持ったものが時折現れる。ハリウッドにおいては、ルーカスとスピルバーグによってSFが一気にメジャージャンルになったり、ライミがスプラッターというジャンルを作ったり、ヒーローものを一気にメジャーに押し上げたり。
 そんな新しいジャンルがどうやら出てきた雰囲気を持った作品が登場した。そう、それが“巨大ロボットもの”だ。
 もともとこのジャンルは細々とは存在してはいた。だが、金を使う割にキワモノ扱いされるために、メジャーな監督は誰も手を付けようとはしないジャンルでもあった…ただし、特定の国ではこれは非常にメジャージャンルであり、特にアニメとしては常に作られ続けている国はあるのはある。テレビアニメはほぼ常に作られ続けているし、数年に一度位の割で劇場でもかかってはくる。
 で、そんな国のアニメーションの大ファンは世界中に存在する。その中にはいわゆるオタク監督などと言われてる人もいるのだが、その筆頭とも言われるのがギレルモ・デル・トロという人。日本のアニメや特撮に造詣の深いこの人が怪獣作品を作るというので、特に注目していた。前の『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』で、思いっきり質の高いゴジラリスペクトしてくれた人だ。当然今回のも楽しいもの作ってくれるに違いない。楽しみだった。
 そしてついに鑑賞と相成った。このためにわざわざIMAX3D(日本語吹き替え版)まで予約して。
 そして出来たものは、期待を全く裏切らないものだった。まさに「これが観たかった!」というものを目の前に出されたようなもの。特に「私のために作られた」と思えるようなものが、目の前にある。まさしくこれこそ多幸感!
 はっきり言うが、この作品については物語性なんてもんはどうでも良い。ロボットに乗った主人公が必殺技を叫びながら怪獣と戦う。これを最高水準で見せてくれるのだから、それだけで充分である。最高に爽快。
 この作品の際立った特徴は圧倒的な演出力だ。しかもこの演出を完全に理解出来るのは日本人しかいない。なんせこの演出の大部分は日本で作られたアニメ演出に負っているから。元ネタが明らかなのが多いけど、どれもこれまでアニメだから出来たものばかり。それが実写で、最高の演出で見せられたら脱帽する以外ない。
 無意味かもしれんが、ここでリスペクトされたと思われるアニメを挙げてみよう。まずイェーガーの存在感はかなり「ガンダム」「マクロス」シリーズに負っている。イェーガーは無骨なデザインだが、体の各部には「ガンダム」シリーズの色々なパーツが使われてる。コックピット描写は「新世紀エヴァンゲリオン」及び「トップをねらえ」と言ったガイナックス作品の影響が色濃い。ダイレクトドライブシステムは「勇者ライディーン」か(特撮作品の「ジャンボーグA」もあるけど)。イェーガーの出撃シーンは「新世紀エヴァンゲリオン」のハンガーと「マジンガーZ」のホバーパイルダーの合体シーンだろう。他に一々出撃過程をねちっこく描写するのは「グレンダイザー」「ゲッターロボ」「ウルトラマンA」の影響から。ヘリでイェーガーを運ぶのも「エヴァ」から。肝心な戦闘シーンについては明らかにOVA版の「ジャイアントロボ」を始めとする今川泰宏演出と、「マジンガーZ」、イェーガーと人間との対比は「ファイブスター物語」、香港の街描写などは『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(1995)「パトレイバー」などの押井演出と『AKIRA』(1988)から。他に武器の使い方なんかは「ダンガードA」「機甲界ガリアン」なんかもあり。
 …と、まあとにかく凄まじい真似演出なのだが、これがとてつもなく演出が良い。元ネタがあったとしても、この映画に合った見事な演出を展開してくれるので、これを「パクリ」などと言うつもりは全く無い。アニメ演出を実写で作れる第一人者はこれまで樋口真嗣が第一人者だと思ってたけど、その認識も改めねばならないかも知れない。
 元々世界最高水準の日本のアニメの良いところを全部取り込んで、最高の演出で見せる。これだけでどれだけ本作が高水準であるか分かろうというもの。

 ここまでは、本作が日本のアニメに準拠した良い部分を語ってきたが、これからは本作の演出の凄さを語っていこうと思う(大半はいらんこと言いになるけど)
 本作はハリウッドにとっての初のビッグバジェットによるロボット作品ではない。その前に、やっぱりアニメから派生した『トランスフォーマー』(2007)がある。ただしそちらにはなく、この作品にはあるもの。それは簡単に言えば重量感である。『TF』にも重量感の演出はたっぷり入れられていたが、その巨大ロボットの動きが良すぎるため(あの作品のロボットは生命体という設定だから)、現実に即したリアリティはまるでない。対して本作の場合、ロボットは人間が作ったもの。その動きは機械そのものであり、歩行の際も一歩一歩ドスンドスンと地響きをたててゆっくりと動く。このゆっくりさこそが、本当に「ロボットを観た」という気分にさせてくれる。更に、このロボットは人間が動かしているという点も大きい。イェーガーは人間の動きをトレースするため、その稼働には制約が多い。その制約の中で動くため、より人間っぽくなっている。結論として、本作はとても重量感に溢れた動きとなっている。第一点としてこの重量感を挙げるべきだろう。
 第二点として、この作品は破壊の描写がとにかく良いという点。物語を通して破壊されたものは実に多い。それはイェーガーであったり、怪獣であったりもするが、それ以上に建造物の破壊が多い。人間が作り上げてきた巨大な箱物が巨大な存在によって次々に破壊されていく。それは一種のカタルシスであり、そして日本の怪獣特撮が営々と続けられてきた理由でもある。それこそ『ゴジラ』(1954)以降(正確には『ゴジラ』(1984)以降か)、特撮ファンは、「次に何をぶっ壊してくれるだろう?」と楽しみにしていたものだ。その溜飲を大いに下げさせてくれる。特にメインの戦いとなった香港での戦いは、特撮ファンには分かるカタルシスそのもの。
 第三点。武器の使用方法がよく分かってらっしゃる。必殺技は叫ばなければいけないし、イェーガーの武器の一つ一つがアニメを意識したものなんだが、この運用方法が細かくてよろしい。ミサイル一つを取っても、大勢の人間が手動で運んでおり、ローテクで一発一発装填してるシーンがあるが、これが大切なんだよ。ロボットを運用するなら、乗組員がいればいい訳でなく、それを運用するために膨大な人間を必要とする。この辺りは「機動警察パトレイバー」からのものかもしれないが、そもそもパトレイバー自体が特撮を相当意識したものなので、遠因とすればやっぱりこれも特撮と言って良いだろう。この辺これまでのハリウッド作品ではありそうでなかった(と言うか、そもそも日本でもなかったな)。
 以降は本当に個人的な部分だが、第四点。この作品にはちゃんと人類側にマッドサイエンティストが存在すること。この作品の場合、敵ではなく人類側だが、自分の研究のためには命を喜んで投げ出すような阿呆さっぷりがアクセントになっていて、これまた大変よろしい。どっかネジがぶっ飛んだ二人は結構良いコンビ。
 第五点。吹き替えが見事なこと。この作品、字幕ではなくやっぱり吹き替えが最高。主人公ローリーの杉田智和は最近のヒーローものでは比較的よく聞く声だが、それ以外が特にオールドアニメファンには嬉しい。司令官役が玄田哲章だとか、メカニックに千葉繁とか、科学者役の二人が古谷徹と三ツ矢雄二とか(この二人とも、ロボットアニメの主人公は結構やってるけど、敢えてそれを外して科学者をやらせたのは良かった)。とにかく古いアニメ知ってる人には嬉しい器用…マコ役に林原めぐみは良かったのか悪かったのか。だって一応こう見えて菊地凛子は『スカイ・クロラ The Sky Crowlers』(2008)で声当ててたからなあ。

 まあ、そんな事で、とにかく見所満載。オタ心にビッとくる作品だって事は間違いなし。だから敢えて単純すぎる物語展開については言わないでおこう。それも又狙いなんだろうから。
製作年 2013
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
歴史地域
関連 特撮事典
キーワード
ヘルボーイ ゴールデン・アーミー
2008米アカデミーメイクアップ賞
2008スクリーム映画BEST FANTASY MOVIE
2008エドガー・ライトベスト第22位
2008スクリーム・アワードファンタジー映画賞
2009MTVムービー・アワード格闘シーン賞、悪役賞(ゴス)
2009サターン作品賞/ホラー
<A> <楽>
ギレルモ・デル・トロ(脚)
ロン・パールマン
セルマ・ブレア
ダグ・ジョーンズ
ルーク・ゴス
アンナ・ウォルトン
ジョン・アレクサンダー
ジェームズ・ドッド
ブライアン・スティール
ロイ・ドートリス
モンツェ・リーベ
ジェフリー・タンバー
ジョン・ハート
セス・マクファーレン
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 遥かな昔。地球の支配権を巡りエルフ族と人間の果てない争いが起こった。劣勢を強いられたエルフの王は最強の鋼鉄兵団“ゴールデン・アーミー”を生み出すが、そのあまりの戦闘力に心を痛めた王みずからがそれを封印した。そして現代。オークションが何者かに襲われたという報を受けた超常現象捜査防衛局(BPRD)はヘルボーイ(パールマン)らに出動を命じる。だが当のヘルボーイ自身は恋人のリズ(ブレア)と喧嘩中。むしゃくしゃして派手に暴れ回ってしまう。この事件がゴールデンアーミーの復活のためであるとも知らず…
 かつてデル・トロ監督が作ったアメコミ原作の『ヘルボーイ』の続編。はっきり言えば並以下の出来だった1作目と較べると、こだわりも楽しさも遙かに増してる作品に仕上げてくれた。
 これは1作目はあくまで紹介編として位置づけることで割り切って、今回はその分個々のキャラの性格を掘り下げる形にしたのが良かったのだろう。基本的にヘルボーイやエイブ、リズの存在は分かっているので、その描写はより過激化。というか、お互いの感情の行き違いが話の中心ににもっていき、精神的な意味で描写をしようとしてる。その中で前回全然つながりが分からなかったヘルボーイとエイブの青春が泣かせる。二人とも自分がブサイクだって事が分かってるので、それで互いが惚れた女性のことを想い、酔っぱらって二人でクダ巻くあたり、普通の古い青春物語を観てるような感じ。しかもそう言った危機でも決して深刻になりきらず、精神的な行き違いをウィットの効いた一言でするっとかわしてしまうあたり、非常な上手さも感じさせられる。
 特に本作は戦うシーンが一々こだわりが感じられていて、観てるとなんか本当にニヤニヤしてしまう。例えばトロールが鉄の右手を発射するシーンなんかは完全に「マジンガーZ」であり、樹のエレメントとの戦いはそのまま『もののけ姫』(1997)「無敵超人ザンボット3」。ゴールデンアーミーの設定は『天空の城ラピュタ』(1986)など、本当に日本のアニメの影響受けまくってるし、『ゴジラ』を初めとする着ぐるみ特撮からの引用も又多い。引用だけではなく、巨大な敵との戦いには縮尺をきちんと取って、ちゃんと戦ってる様子が描写されるなど、一々細かいところにこだわった演出は、特撮好きな人間にとっては、なんとも楽しすぎる瞬間だった。
 それでとても細かいところに配慮された作品になってるのだが、問題がない訳じゃない。と言うより、細かいところにこだわりすぎて、大元の物語がいかにも大味すぎ
 いかにも「これは途中の物語ですよ」っていう感じで、物語自体が全然進んでないことと、思わせぶりな台詞だけで終わってしまうため、もの凄く中途半端な物語になってしまった印象。なまじ描写部分が良かっただけに、こんなありきたり以下の物語にされてしまうのは、とても勿体ない話だった。「これが売れたら続編作りますよ」という見え見えの伏線もちょっと嫌らしく感じる。
 全般的にデル・トロ監督のオタク部分がとにかく良く出た作品で、これに共鳴出来る人には、楽しすぎる作品とは言えよう。
製作年 2008
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2006米アカデミー撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、脚本賞、外国語映画賞、作曲賞
2006
英アカデミー外国語映画賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアー賞、特殊視覚効果賞、オリジナル脚本賞、撮影賞、プロダクションデザイン賞、音響賞
2006カンヌ国際映画祭パルム・ドール
2006全米批評家協会作品賞
2006NY批評家協会撮影賞
2006LA批評家協会美術賞
2006
ワシントンDC外国語映画賞
2006ボストン映画批評家協会外国語映画賞、撮影賞
2006ゴールデン・グローブ外国語映画賞
2006インディペンデント・スピリット撮影賞、作品賞
2006放送映画批評家協会若手女優賞(バケロ)、外国語映画賞
2006サターンインターナショナル映画賞、若手俳優賞(バケロ)、助演男優賞(ロペス)、監督賞、脚本賞、メイクアップ賞
2006ナショナル・ボード・オブ・レビュー外国映画
2006NYオンライン映画批評家協会外国語映画賞、
トップテン
2007キネマ旬報外国映画10位
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物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1944年。内戦終結後のスペイン。内戦で父を亡くした少女オフェリア(バケロ)は、ビダル将軍(ロペス)と再婚した臨月の母カルメン(ヒル)と共に、ビダルがゲリラ掃討に当たっている山間部にやってきた。冷酷な義父にどうしても馴染めないオフェリアは家から逃げて近くにある遺跡を探検するのだが、そこで<牧神>パンと出会う。パンはオフェリアこそが地下の魔法王国の王女モアナであると言うのだった。その事を証するために三つの試練に挑むオフェリアだが…
 フランコ政権誕生時のスペインを舞台としたダーク・ファンタジー作品。こういう暗~い感じのファンタジーはツボ。予告を観た途端、これは絶対劇場で観るべき作品と確信し、ちょっと遠出して拝見。
 結果は予想通り。思い切り好みの作品で、存分にデル・トロ監督の作り出した幻想世界を堪能させて頂いた。現実にちゃんと立脚してファンタジーを作ると言う作りは実に素晴らしい。演出の点で言えば、音楽も最高で、寂しげな旋律が耳に残る。
 本作は一応ファンタジーと銘打ってあり、実際妖精も出てくるし、パンとかペイルマンとかのモンスターも登場してくるが、見た目だけの作品ではない事も事実。
 本作の主人公オフェリアは確かに様々な超自然的なものを見ているのだが、それは彼女だけが見える世界である。という点が大きな問題。これはひょっとしたらオフィリアの生み出した空想…あるいは妄想なのかもしれない。という含みが持たせられている。
 事実人間の脳というのは上手くできたもので、あまりに辛い現実に直面した時、想像の中で逃げ込む先を作ってしまう事がある。これを映画にしたものも結構あり、近年でもギリアム監督の『ローズ・イン・タイドランド』(2005)なんて作品もあるし、原作ではあるが『ハンニバル』(2001)のレクター博士もそう言う世界を脳内に作り出していたと言う事が書かれている(まあ、こういう想像力は私自身にも多分にある訳だが)
 オフィリアにとって現実はそれほどまでに逃げたい存在だったのかも知れない。だからこそ彼女は空想の物語を作り出した。こういう見方も確かに可能

 ただ一方、この作品ではもう一つ考えさせられもする。
 人が生きていて、最後に「幸せだった」と思える瞬間があり、その瞬間にもし死ぬ事が出来るなら、それはとても幸せな事なのではないだろうか。と言う事。
 オフェリアがやっていた事は本当に想像の中だったのかもしれない。だけど彼女は彼女なりに非常に困難な任務を遂行し、自分の身を犠牲にして赤ん坊を守り、そして魔法王国の王女モアナとして魔法王国に帰還している。たとえこれが彼女の脳内の出来事だったとしても、彼女は辛い現実の中で本当に大切なものを手に入れ、満足して逝ったのだ。事実彼女の遂行した試練というのは本当に脳内で考えたにしては厳しすぎる。単なる想像の産物であればもっと簡単なものでも良かったはずなのだから。しかも彼女は試練に失敗したとさえ思いこみもする。その中、死の間際に自分のしてきた事が間違ってなかった。と言う事を知らされ、最高の幸せを得ている。
 同じスペインで製作された『汚れなき悪戯』(1955)のマルセリーノが死んでしまったのは悲劇と取られる向きもあるが、これと同じように考える事も出来るだろう(デル・トロ監督はメキシコ人だが)。カトリック国であるスペインの特徴なんだろうか?
 人にとって幸せって何だろうね?小さい頃に死んだ子供も本当に不幸なんだろうか?そんな事を改めて考えさせられる作品でもあった。そう考えるとかなり深い作品だよ。
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 近未来のニューヨーク。ストリックラー病と呼ばれる死の伝染病が蔓延していた。昆虫学者スーザン(ソルヴィーノ)は、病原菌がある種の虫によって介在されることに着目し、その虫のみを殺す新種の虫を遺伝子操作によって生み出すことに成功した。「ユダの血統」と名付けられたこの新生物の威力はすばらしく、瞬く間にストリックラー病は根絶させられた。さらに「ユダの血統」には自殺遺伝子が組み込まれており、ストリックラー病の根絶とともに全部死んでしまったはずだった。しかし3年後、ニューヨーク地下で行方不明が続発。生き帰った人間の証言から、それは「ユダの血統」によるものと推測された…
 最近のハリウッドは外国人監督の躍進が目立つが、その中で最も躍進しているのはラテンアメリカ出身の監督たちであろう。その中でも独特の映像表現を確立しているデル・トロ監督の名を一躍有名にさせたのが本作。
 話そのものはコテコテな典型的B級SFサスペンスで、地上波の映画放映ではいかにも喜ばれそうな素材としか言いようがないのだが、映像表現は実にすばらしい。モンスターの見せ方や緊張感の演出もそうだが、それらは光の使い方がとても巧いことから来ている。地下の世界が舞台だけに、全面にわたって暗い画面がメインなのだが、その中でキャラをぶれることなく見せ、闇の中から飛びかかってくるモンスターに当てられる一瞬の光でしっかりメリハリがついてる。人間そっくりのシルエットが崩れてモンスターになるのは、生理的な意味での恐怖演出も素晴らしい。中でもタイトルデザインは秀逸。これは『セブン』(1995)で名を博したカイル・クーパーによるものとのこと。道理でオープニングシーンが良く似ている。
 ただ、いくら演出が良いとは言っても、物語の設定があまりにもありきたりで、既知感ありまくりの物語展開。終わり方も不自然なまま。燃焼不良。それに丁度同じ時期に『レリック』もやっており、物語展開がありきたり。
 ちょっと残念な感じかな?
製作年 1997
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