妖怪大戦争 |
1968年 黒田義之(監) |
1751年。天下太平を満喫している伊豆半島に突如雷鳴が鳴り響き、黒い固まりが落下した。そこから現れたのはバビロニアの吸血鬼ダイモンで、ダイモンはこの地の代官磯部兵庫の血を吸って、その身体に乗り移るのだった。ダイモンは周りの人間の魂を吸い取り続けるが、やがてそれは日本の妖怪の知るところとなり… 大映が投入した一連の妖怪作品の一本。この作品ではダイモンという明確な敵を出すことによって、日本妖怪を正義に仕立て上げた、割と単純なアクション作品になっているのが特徴。特に日本の妖怪については『妖怪百物語』で使われたものを同時に使用していたから、コストパフォーマンス的にはかなり良かっただろう。 ただ、妖怪を主人公としたのは良いけど、冒頭でダイモンが血を吸う描写以外に全然怖さはなく、日本妖怪の方もかなりコミカライズされているので、単純にすっきり出来る作品に仕上がってる(強いて言うなら『ゲゲゲの鬼太郎』のノリ…あれ?そういえばバックベアードと戦ったのは同じタイトルじゃなかったか?)。盛り上げ方も良く、大変心地よい作品だ。 日本妖怪があまりにも弱いのも、ダイモンの強さを表現するのに良いのだが、ただ人海戦術(この場合妖海戦術か?)で真っ正面からぶち当たるだけというのは、ちょっと物語的にはストレートすぎたかな? 時を越え、2005年にリメイクが作られることになったが、それを素直に喜びたい。 |
油すまし | → | |||
【あぶら-すまし】 | ||||
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磯部兵庫 | → | |||
【いそべ-ひょうご】 | ||||
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ウル遺跡 | → | |||
【うる-いせき】 | ||||
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雲外鏡 | → | |||
【うんがいきょう】 | ||||
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お咲 | → | |||
【おさき】 | ||||
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河童 | → | |||
【かっぱ】 | ||||
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唐傘 | → | |||
【からかさ】 | ||||
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大日坊 | → | |||
【だいにちぼう】 | ||||
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ダイモン | → | |||
【だいもん】 | ||||
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日本妖怪の名折れや! | → | |||
【にほん-ようかい-の-なおれ-や】 | ||||
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二面女 | → | |||
【にめん-おんな】 | ||||
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真山新八郎 | → | |||
【まやま-しんぱちろう】 | ||||
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茂市 | → | |||
【もいち】 | ||||
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ろくろ首 | → | |||
【ろくろ-くび】 | ||||
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2000年 原口智生(監) |
富士山の噴火によって神々によって封じられていた結界が破れ、妖怪たちが地上に出現するようになった。父の後を継ぎ、公儀妖怪討伐士となった咲夜(安藤希)は、幕府の密命を受け、土蜘蛛の女王を討伐に出るが… 2000年代になり、日本でも特撮が結構作られるようになっていった。ハリウッドがCG全盛なのに、日本があくまで手作り特撮にこだわったのは、実に日本らしくて素晴らしいが、その中でぽこっと出来てしまった本作。 正直物語はどうしようもないレベルではある。話は一本調子だし、次々出てくる敵をやっつけるの繰り返しで終わってしまう。 しかしながら、それをここまで凝った作りにして、しかも結構豪華なキャスティングでやられては賞賛せざるを得ないだろう。手作り特撮をここまで突き詰めたら、もう眼福ってレベルではある。チープな妖怪の造形が逆に造形師の本気が感じられるくらいに力が入ってる。 造形以外はほとんど問題だらけとは言え、ヴェテラン揃いのキャストの中で主人公の安藤希だけが主役レベルの演技になってなかったってことが一番の問題だろうか?周囲がトンデモ役をそつなく演じてるのに、主人公が全部ぶちこわしにしてしまったもんなあ。こういう作品には常連の嶋田久作や竹中直人はともかく、丹波哲郎や松阪慶子まであれだけ力演してたし、さくやの弟で河童の山内秀一が思いもかけぬはまり役だったのに、終始役に戸惑い続けてた感があった。それだけに主人公のキャスティングミスが本当に残念。 それにしても金遣ってるなと思って調べたら、本作はアメリカ資本(WB)で作られたもの。多分CG流行りのアメリカにおいても、日本の手作り特撮の需要が高かったって事なんだろうな。 |
井伊直興 | ||||
【いい-なおおき】 | ||||
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大河童 | ||||
【おお-がっぱ】 | ||||
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怨霊武者 | ||||
【おんりょう-むしゃ】 | ||||
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傀儡師 | ||||
【くぐつ-し】 | ||||
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久世重之 | ||||
【くぜ-しげゆき】 | ||||
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榊咲夜 | ||||
【さかき-さくや】 | ||||
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榊太郎 | ||||
【さかき-たろう】 | ||||
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榊芳明 | ||||
【さかき-よしあき】 | ||||
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猿鬼兵衛 | ||||
【さる-おにべえ】 | ||||
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橘善之助 | ||||
【たちばな-ぜんのすけ】 | ||||
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土蜘蛛の女王 | ||||
【つち-ぐも-のひめみこ】 | ||||
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似烏周造 | ||||
【にがらす-しゅうぞう】 | ||||
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化け猫 | ||||
【ばけ-ねこ】 | ||||
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猿鬼兵衛 | ||||
【ましらぎ-ひょうえ】 | ||||
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村正 | ||||
【むらまさ】 | ||||
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名称 | ||||
【】 | ||||
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2005年 三池崇史(監) 神木隆之介、宮迫博之、南果歩、成海璃子、菅原文太、近藤正臣、豊川悦司 |
両親の離婚で母に引き取られて鳥取に移った少年稲生タダシ(神木隆之介)は、そこでの祭りで今年の“麒麟送子”に選ばれた。麒麟送子は大天狗の山の洞窟へ伝説の聖剣を取りに行かなくてはならないのだが、その途中でタダシは不思議な妖怪スネコスリと出会う。その頃、日本各地の妖怪達が次々と何者かによってさらわれる事件が起きており、改造された妖怪達は人間の子供をさらっていく。麒麟送子となったタダシは、選ばれた存在として、生き残った妖怪達に呼ばれるのだが… 角川が大映を吸収することによって可能となった、いわゆるコラボレーション作品で、『妖怪大戦争』(1968)をフルリメイクした上に、『帝都物語』(1988)の加藤保憲を加えて作り上げた作品。 一見して思ったこと。これはいわゆる「船頭多くして船山に上る」という奴だということ。スタッフそれぞれがやりたいことを何でもかんでも詰め込んだ結果、物語そのものが崩れてしまってる。 夏休みの子供用に作られた作品には違いないのだが、企画段階で水木しげる、京極夏彦、宮部みゆき(小学校の先生役で出演もしてる。一瞬「似た俳優がいるもんだな」と思ってたら、スタッフロールで本人だと分かった)、荒俣宏と言った、妖怪博士達が大挙して加わっているため、とにかくやたらとたくさん妖怪は出てきて、それぞれにちゃんと名前が付いているというのが凄いのだが、一方、妖怪を出しとけば満足。と言う姿勢がありありと出ており、たくさん妖怪は出るものの、概ねが脳天気なだけで個性がない。一方、キャストがなんの意味合いも持たない。菅原文太演じるおじいさんが意味ありげに出てくる割に、何もしてないし、ましてや他のキャラはただ出てるだけ。大人用のサービスカットも結構用意しているものの、これも全く意味が見いだせず。わざわざ角川らしく加藤保憲を出したものの、何をやってるのかも全く分からず。間の悪さも手伝い、「なんじゃこれは?」な作品に仕上がっている。強いて言うなら、なんで加藤は島田久作じゃないんだ?どうせたいして動かないんだから、キャスティングしてやってもよかっただろうに。 ノリとか演出とかは悪くないんだけど、それだけで2時間を超える時間を観させるのは正直辛い。30分は短縮できたぞこれは。 大体からして物語がまるでメリハリがない。どこぞのいい加減なアニメの脚本をそのまま実写にしたような、なんぼなんでもいい加減さは全然いただけず。ラストシーンは「続く」なの?やらない方が良いと思うよ。 スタッフの「妖怪が好きだ!」と言う姿勢はびんびんに伝わってくるものの、それ以外が全く何も感じられない作品だと言うこと。 |
アギ | ||||
【あぎ】 | ||||
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小豆洗い | ||||
【あずき-あらい】 | ||||
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油すまし | ||||
【あぶら-すまし】 | ||||
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一反木綿 | ||||
【いったん-もめん】 | ||||
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一本だたら | ||||
【いっぽん-だたら】 | ||||
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稲生俊太郎 | ||||
【いなお-しゅんたろう】 | ||||
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稲生タダシ | ||||
【いなお-ただし】 | ||||
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大天狗 | ||||
【おお-てんぐ】 | ||||
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加藤保憲 | ||||
【かとう-やすのり】 | ||||
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川太郎 | ||||
【かわ-たろう】 | ||||
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川姫 | ||||
【かわ-ひめ】 | ||||
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機怪 | ||||
【きかい】 | ||||
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麒麟送子 | ||||
【きりん-そうし】 | ||||
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佐田 | ||||
【さだ】 | ||||
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猩々 | ||||
【しょうじょう】 | ||||
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ぬらりひょん | ||||
【ぬらりひょん】 | ||||
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スネサスリ | ||||
【すね-さすり】 | ||||
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ろくろ首 | ||||
【ろくろ-くび】 | ||||
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