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科学戦隊ダイナマン

科学戦隊ダイナマン事典

 1983'2'5〜1984'1'28

 スーパー戦隊第7作。テーマとして「科学と夢」が挙げられた戦隊。ダイナマイトの名前を冠することによって爆発を多用する作品となった。主人公側のメンバーもそれぞれ青年科学者という設定。敵側のドラマが深く演出されるのも特徴で、初めて美形のライバルキャラが登場している。
 商業的にも成功し、特にバンダイは本作を皮切りに戦隊を看板商品に位置づけるに至る。

主な登場人物
弾北斗
ダイナレッド
(役)沖田さとし。テレビやVシネマを中心に活躍するアクション俳優。
 ダイナレッドに変身する。機械に精通した青年科学者で無公害水素エンジンの開発にいそしむ。又、剣道の達人であり、ダイナレッドになった時もダイナ剣の二刀流で戦う。
星川竜
ダイナブラック
(役)春田純一。スタントマンとしてデビューし、その後役者として活躍。数多くの東映特撮でスーツアクターを演じた後、「太陽戦隊サンバルカン」でイナズマギンガー役を演じ、「大戦隊ゴーグルV」でブラック役でレギュラー。次回作である本作でもブラック役を演じる。他に「巨獣特捜ジャスピオン」でライバルキャラのマッドギャランなど。
 伊賀忍者の末裔で語尾に「ござる」と付けるのが特徴。天文学を専攻し、宇宙人と友達になることを夢見てる…本人が後にマッドギャランという宇宙の悪になることを未だ知らず(違うって)。役は春田純一。
島洋介
ダイナブルー
(役)卯木浩二。スーツアクター・俳優。
 ダイナブルーに変身する。マリンスポーツが得意で、水中を自由に動き回る研究をしてる…ノンマルトの敵か?(違う)
南郷耕作
ダイナイエロー
(役)時田優。スタントマン出身で、オーディションで役を得る。
 ダイナイエローに変身する。銃の扱いが得意で、植物の品種改良を行っている。役は時田優。
立花レイ
ダイナピンク
(役)萩原佐代子。特撮ではこの前にウルトラマン80のユリアン役。
 ダイナピンクに変身する。フェンシングの達人であり、動物と会話できる装置を開発するのが夢。
夢野久太郎 (役)島田順司。時代劇を中心に活躍した俳優。
 夢野発明センターの所長で、ダイナマンの長官。こども達を集めて研究所で遊ばせているが、いざとなったらセンター奥の司令所でダイナマン達に指令を与える。
帝王アトン (声)渡部猛。俳優と声優兼務。多くの特撮で敵役を演じた。「太陽戦隊サンバルカン」のドン・ホラー、「時空戦士スピルバン」ワーラーなど、敵首領の声も多い。
 ジャシンカ帝国の帝王にして9本尻尾。自らが10本尻尾になることを目的としているが、それなりに自らの子どもであるメギドに期待もしているようでもあった。メギドのふがいなさに追放してしまうが、そのメギドが変化したダークナイトによって倒されてしまう。
メギド王子
ダークナイト
(役)林健樹。本作が代表作となるが、テレビと舞台を中心に活躍する。
 帝王アトンの息子で五本尻尾を自慢にしていた。初戦でダイナレッドに尻尾の一本を斬られたことから激しい恨みを抱き、度々ダイナレッドに挑戦し、その度に敗北してしまう。アトンに見限られて尻尾をすべて切られた上で追放を受けるが、ダークナイトとして復帰してアトンを倒して自ら帝王に就く。
カー将軍 (役)石橋雅史。多くのテレビ番組に出演している。特撮も多く、「ジャッカー電撃隊」の鉄の爪、「バトルフィーバーJ」のヘッダー指揮官、「高速戦隊ターボレンジャー」の暴魔博士レーダ。敵幹部が多い。
王女キメラ (役)香野麻里。テレビを中心にバイプレイヤーとして活躍した。
 四本尻尾。ジャシンカ帝国の幹部として登場。メギド王子のいとこで妖術使い。メギドとはライバル関係にあって、どちらが先にダイナマンを倒すか競っていた。メギドが帝王となったときにその力を認めて妻となる。
女将軍ゼノビア (役)藤山律子。東映作品のバイプレイヤーとして活躍した。
 ジャシンカ帝国の女将軍。かつて帝王アトンに逆らったことで千年洞窟に封印されていたが、ダイナマンとの戦いで負け続け、業を煮やしたアトンによって復活させられた。
進化獣
超進化獣
 ジャシンカ帝国が誇る怪人。生命のスープをプログレッサーにかけることで原初の細胞から一挙に現在の生物を更に進化させた怪人が出来上がる。巨大化して超進化獣となる。
メカシンカ  進化獣を更なる改造を加えたもので、これまでのように動物のみの進化ではなく、機械との融合を果たしたもの。ダイナマンのスーパーダイナマイトさえも跳ね返してしまう。進化獣と異なり、自身でビッグバンプログレスを起こして巨大化することが出来ず、一旦バラバラになった身体をジャシンカ帝国に持ち帰り、ビッグバンビームを浴びせることで巨大化する。
シッポ兵  ジャシンカ帝国の戦闘員。ジャシンカ帝国では尻尾が多いほど偉くなる事からも分かるとおり、一本尻尾である。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 有尾人一族の挑戦

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 日本中で火山の爆発が起こるようになった。そんな中、夢野科学センター職員の弾北斗は怪物に襲われる女学生を発見する。それは地下で力を蓄え、地上侵略を開始した有尾人一族によるものだった。実は夢野研究所所長夢野久太郎はいち早くそれを知り、その対抗手段としてメンバーを集めていたのだ。北斗ら五人の職員は博士により、ダイナマンとして侵略者に立ち向かうことになる。

 敵はカニシンカ。カニ型の進化獣。ダイナマンに対する最初の敵。当初人間に尻尾を生やそうとする実験のため人間をさらうが、それが無理だと分かったため、今度は人を襲うようになる。メギド王子とダイナマンとの戦いにミサイルで参戦するが、結果的にメギド王子の尻尾を一本失わせる結果となる。
 第一回目の放送となる。冒頭から戦いとなるが、それぞれ最初から個性を発揮した見事な戦いを展開している。そしてたたみかけるような物語展開で流れるようにダイナマンの誕生まで。戦隊ものの第一回目って本当に短い間に良く詰めてる。
 ジャシンカ帝国の目的は全部口頭で説明されている。侵略の第一歩として、人間を有尾人と同じく尻尾を生やそうとしていた。これは同化政策だったが、それが出来ないと分かったため、今度は尻尾の無いか当生物の人間を滅ぼそうとする。実に分かりやすい。
 これまでのシリーズと較べて特に派手さを増しているのが爆発シーンで、これでもかと次々に爆発が起こってる。明らかにこれ身の危険を感じるほど近距離で爆発してるんだけど。
<初めてスーツを装着する面々が全員ポーズから口上、必殺技まで流れるように行動するところが凄い。更に何のためらいも無く巨大化戦まで行ってる。毎回言ってるけど、ほぼ様式美。
 ダイナロボの持つビートハンマーは珍しい鈍器武器。これで連発して叩いてると、敵をいたぶってるようにしか見えない。
 ダイナロボの重力落としは単純に空から落ちてるだけなので、そんな時間あったら簡単に逃げられそうでもある。>
DVD1
<A> <楽>
第2話 夢を追う戦士たち

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 ダイナマンの登場に驚かされたジャシンカ帝国だが、そのダイナマンにも勝てる進化獣としてサイシンカを産みだし、地上攻略を再開する。すぐさま出動するダイナマンはサイシンカを倒す事ができた。だがその戦いを見ていた者がいた。

 敵はサイシンカ。サイ型の進化獣。この話はむしろレッドとメギド王子の対決がメインだったため、ほとんど出ただけでいきなり殺されてしまう。ただし、巨大化するとツノが巨大化したりと、球型の右腕もサーベル状になるなど変化が大きく、更にダイナロボの個々のマシンと戦うなど、巨大化してからが本番だったようだ。
 前回ラストでダイナレッドによって尻尾が切られてしまったメギド王子の復讐が描かれる。最初はメギド王子が圧倒的強さでダイナレッドを追いつめるが、特訓の末対抗策を練ったダイナレッドのため、あっけなく返り討ちにされてしまう。
 一方、ようやく個々のダイナマンの紹介となった。北斗の特訓が入るため、挨拶はあっさり目だが、ちゃんと特徴を作っている。
<ダイナモビルを操縦するダイナブルーとダイナブラック。運転中に攻撃する時、二人ともハンドルから手を放してポーズ取ってるんだけど、少なくとも片方は運転しようよ。
 自己紹介の際、ちゃんと「四本尻尾」と言っているメギド王子。結構礼儀正しい。>
第3話 コウモリ地獄飛行

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 カー将軍の提案により、コウモリ進化を作り出し、地上の人間を太陽の光嫌いにさせ、地下に閉じ込める作戦を開始した。

 敵はコウモリシンカ。コウモリ型の進化獣。噴煙を出して飛翔し、その煙を吸った人間は太陽を嫌い、地下に潜るようになる。
 有尾人の地球侵略に際し人間が邪魔だとは分かるが、人間をみんな太陽嫌いにして地下に潜らせ、自分たちが地上に出るという作戦はいかがなものか?仮に可能だとしても、コウモリシンカ一体だけでどれだけ時間かかる?という問題があったが、それが味だ。
<カー将軍曰く、「我ら有尾人一族と同じように、光なき世界に生き続け、太陽の世界に恨みを持つもの」と言っていたが、果たしてコウモリって太陽に恨みなんか持ってるんだろうか?
 別に名乗ってないのだが、ちゃんと「コウモリシンカ」と言っているダイナマン。まあ姿を見れば分かるって話もあるが。
 最後にダイナマンが使ったガス除去用の装置は見た目掃除機。というか掃除機を銀色に塗っただけだろ?>
第4話 ゴロゴロ化石人間

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 カー将軍は人間を化石化するガスを吐くサンヨウチュウシンカを作り出し、街に放った。だがその最初の犠牲者となったのはダイナマンの南郷耕作だった。

 敵はサンヨウチュウシンカ。三葉虫型の進化獣。人間を化石にしてしまう石化ガスを吐き、街の人々を次々に化石にするが、その際ダイナイエロー=南郷耕作まで化石化する。
 尺が短いこともあってか、冒頭から怪人が作られており、流れるように作戦開始となる。この軽快さも本作の特徴かな。今回は特に途中でジャシンカ帝国の目的が変わって、石化したダイナイエローの探索になるため、相当に急いだ感じだ。
 現時点ではダイナマンの正体は秘められているので、その正体を探るためにメギド王子自らが探索隊の指揮を執ってる。王子という割には雑用ばかりさせられてるような気がする。
 今回は耕作が中心となるのだが、冒頭で石にされただけであとはほとんど出番が無いというちょっと可哀想な役回りだった。
<サンヨウチュウシンカの化石化ガスは人間だけを化石化させる。そのため耕作のテンガロンハットが落ちていて、それに気づくのだが、身体を覆う服は石になってる。
 三葉虫はずっと地面の下で化石になってたため、進化した結果人間を化石に出来るという能力を持つという。普通生きてる生物がモティーフなので、そんな能力はおかしくないか?
 今回は遊園地での戦いになるのは良いんだが、サンヨウチュウシンカの悪行に「待てい」と言いつつ、全員でジェットコースターに乗ってるのは何故?遊んでんじゃないよ。
 化石化した人間は薬品によって復活できるが、わざわざ生かしたまま石にした訳か。器用な真似するんだな。>
第5話 進化獣のこわい夢

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 新たに誕生した進化獣バクシンカは眠ることによって寝ている子ども達に悪夢を見させ、更に起きても幻覚を見させるという強力な技を持っていた。

 敵はバクシンカ。夢枕という枕で眠ることによりこども達に悪夢を見させ、それを正夢にする力を持つ。眠る時はベッドで、ピンクのパジャマを着ているし、寝てる間は鼻提灯が出てる。
 人にとって何が一番困るかというと、衣食住となる。だからこれを阻害する作戦は最も効果的と言え、今回のように悪夢を見させる作戦は「住」に関わる本能的な作戦とも言える。夢を防ぐことは出来ないため、極めて効果的。
 しかしその作戦が基本的に寝るだけって、すごく楽な進化獣だな。
 時代劇や西部劇の扮装をしたシッポ兵と戦うシーンがあるが、いつの間にかダイナマンの方がその格好をしているようになる。戦隊定番の七変化だな。ただ、この際全員素顔で戦っている。更に本名を名乗っていることから、今回でジャシンカ帝国に本名を明かしたことになる。
<ダイナマンを相手にしたシッポ兵が逃げ込んだ先には何故かバクシンカが眠っている洋館。バクシンカはジャシンカ帝国の本拠地にいるんじゃないのか?
 メギド王子に言わせれば、バクシンカはどこにいようとも人に悪夢を見せる事が出来るそうだが、だったらなんで無防備に普通の家に寝せるんだ?
 ダイナロボのロケットパンチであるダイナナックルを受けたバクシンカは体中から火花を散らしている。ダイナナックルって爆発するの?だとしたら、次の瞬間に手が戻ってるのはどういうわけだ?>
第6話 死闘!毒蛇の魔境

  脚本:三木孝祐
  監督:服部和史
 新種の植物狩りにやってきた南郷と島の二人は山の奥の小学校の分校で行方不明者が多数出ていることを知る。

 敵はヘビシンカ。ヘビの進化獣。人工地震装置を設置し、東京に大地震を超す計画を遂行する。噛んだ相手を自分の意のままに操ることが出来る。驚くたびに転倒するのが特徴。
 メンバーの一人が敵の手に落ち、それを助けると言う戦隊の定番の一つ。
 今回毒を受けたブルーとそれを助けようとするイエロー、ヘビシンカと戦う他のメンバーを画面を三分割して話を展開させてる。なかなかない描写だ。
 今回は爆薬の量が凄まじく、ヘビシンカの足下で爆発してたりもする。怪我で済まんぞ。
 今回のメギド王子は薬草探しに来たダイナイエローを邪魔するためだけに出てきた。だんだん扱いが雑になってる気がする。
<ヘビシンカは自称「蛇の最高進化体」だというが、蛇は進化の過程で手足を排除したはず。手足が付いたら退化じゃないか?
 折角ダイナブルーの島に毒を注入したのに、ヘビシンカはそれを放置している。すぐに殺せる状態なのに。
 ダイナマンは崖の上で五人揃って変身した後、ジャンプして地上で口上を名乗る。それでポーズを決めた時は又崖の上にいる。なんと無駄な移動をしてるんだ。>
第7話 東京火の海作戦!

  脚本:鷺山京子
  監督:服部和史
 街のガソリンスタンドから一滴残らずガソリンが消えてしまうという事態が起こる。各地で交通麻痺が始まっていたのだが、ジャシンカ帝国の狙いは他にあった。

 敵はカイメンシンカ。カイメンの進化獣。身体の真ん中に目があるが、それが口も兼ねているところがカイメンを表しているようだ。身体からカイメンボールを出し、それにガソリンを吸わせて身体に戻し、濃縮したガソリンを1万トンのガソリンを貯め込む。しかし、こんなもんよく進化させる気になったな。
 石油コンビナートの爆破作戦という、実にストレートな作戦が展開。個性が無いが、落ち着いて観る事が出来る話でもある。
<ダイナマンにも見つからないと勝ち誇るカイメンシンカだが、道行きの間に散々石油泥棒をしているわけでばれない方がおかしいと思う。
 石油コンビナートに向かっているはずのカイメンシンカがいたのはいつもの採石場。海に向かっているはずなのに山の奥に行ってるのはどういうことだ?>
第8話 悪の花 王女キメラ

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 メギド王子はジャシンカ帝国に伝わる人食い花の栽培をチョウシンカに命じる。人食い花の栄養を得るため、次々に花を枯らすチョウシンカ。丁度その頃耕作とレイは花を愛する少女やよいの育てている植物園にやってきたが、彼らの見ている前で花が次々と枯れてしまう。

 敵はチョウシンカ。チョウの進化獣。人食い花を咲かせるため、悪魔の蝶を飛ばして花の蜜を集めさせ、それを体内でエキスに変えて人食い花に与える。
 人を食ってしまうというモンスター花の話で、実際この花そのものが進化獣と言い切っても良いくらいのインパクトがあった。メギドに従う親衛隊のギーラとキールは誤ってこの花に飛び込んでしまって食われてしまうというショッキングなシーンもあり。
 そしてここから新たにジャシンカ帝国幹部としてキメラ王女が登場。最初の登場だけあってかなりの強さを見せつけている。
<やよいは全部自分で花を育て、家は花屋敷と呼ばれるほどだそうだが、その家ってのがどう見ても植物園そのもの。子ども一人で面倒見られる規模ではないし、どんな金持ちなんだよ。
 帝王アトンはいつも失敗してるメギドを大目に見てるみたいだけど、キメラが何度も「出来の悪い息子」と言うのを否定してない。本人も分かってるんだろうな。
 キメラが自分の四本尻尾を見せつける際、お尻を突き出してるけど、それを見るメギドの顔がなんか助平臭い。>
第9話 決死の爆弾レース

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 子ども達のお願いを受け、モトクロスのラリーに出場にすることになった弾北斗。それを知ったメギド王子はサソリシンカに命じ、北斗のバイクに時速20キロ以下になると爆発する爆弾を設置させるのだった。

 敵はサソリシンカ。サソリの進化獣。モトクロスレースに参加した弾北斗のオートバイに時速20キロ以下になると爆発するという速度感知爆弾を仕掛け、北斗の命と引き替えにダイジュピターを要求する。デザインは大変優れているのに、卑怯な罠を仕掛けるだけで終わってしまったため、活躍しないまま終わってしまった。
 『新幹線大爆破』で既に完成されたフォーマットである「低速になると爆発する」という爆弾を仕掛けられた北斗の苦難を描いた話となる。
 北斗自身は完全防備のヘルメット姿なのでスタント可能だが、その北斗を追いかけ、バギーを運転する洋介とから身を乗り出す竜は本当に身体張ってる。特に竜役の春日はよくこれで無事だったと言う位。終わってみたら結局中心は北斗ではなく竜だったというオチが付いていた。
<子どもに乗せられて「よーし優勝しちゃうぞ」とはしゃぐ北斗。いや、ここは調子に乗ってる子ども達を叱るシーンだろ。
 なんと夢野発明センターにはジャシンカ帝国の盗聴器が着いていることが発覚。場所まで分かってながらなんでこれまで襲ってこないんだ?
 キメラの挑発に「戦いのキャリアが違うわ」と言い放つメギド。流石これまで全ての作戦に失敗し続けただけのことはある。確かにキャリアだけはたいしたものだ。
 サソリシンカもバイクに爆弾しかけるほど複雑なことが出来るんだったら、後ろから北斗の頭殴るとか攻撃するとかした方が楽に殺せるのに。
 バイクに乗ったまま変身出来るはずなので、たとえ爆弾が爆発したとしても北斗はそのままダイナスーツを着用すれば全く問題なかったんじゃないか?
 近くであれだけドッカンドッカン爆発起こってるのにラリーは最後までちゃんとやるのね。しかもロボ戦まで行ってあんだけロスタイムがあった北斗が優勝までしてる。>
第10話 宇宙からの侵入者

  脚本:寺田憲史
  監督:東條昭平
 世界各地で不思議な電波が受信されたことから、宇宙人が地球に来ているのではないかと推測した竜は自作の装置を使って宇宙人を探索していた。そのニュースを知ったカー将軍は、地球人のイメージする宇宙人に似せたタコシンカを作り、人間を混乱に陥れようとする。

 敵はタコシンカ。地球人が考える宇宙人に似せて作られた進化獣。あらゆるエネルギーを吸収することが出来る。しかし、タコを宇宙人と考えるってのは果たしてよろしいのだろうか?
 宇宙人=タコという構図からなされる相当に頭の悪い脚本が特徴の話。しかしこういう話こそ戦隊ものでは楽しくて面白いのだ。
 今回中心となるのは宇宙人とお友達になりたいと願っている竜。タコシンカを宇宙人と勘違いして友達になろうとするとか、命の危機にしか見えない。
 突然本物の円盤が出てきて竜の危機を救って消えるというのは、伏線があるような無いような?相当変な脚本ではある。
<自分の事を宇宙人と思い込んでることを良いことに竜に対してやりたい放題のタコシンカ。仇なんだからすぐに攻撃すれば良いのに、殺傷能力の一切無い墨を吐くとか、訳分からん。
 本物の宇宙人が何故竜にだけあんなに好意的だったのかは全く分からなかった。>
第11話 魚が人間を襲う日

  脚本:寺田憲史
  監督:東條昭平
 魚と会話できるというマリンランドの所長をさらい、魚に人間を襲わせようとするキメラの提案に乗ったジャシンカ帝国。たまたまマリンランドに遊びに来ていた洋介はイルカシンカの襲撃を受けてしまうのだが…
 敵はイルカシンカ。イルカ型の進化獣。海の魚を操りタンカーや貨物船を襲わせ、社会をパニックに陥れようというキメラの作戦に合わせて作られる。マリンランドの魚を自由に操ることが出来る所長を襲う。たかだか人間にもあるそう言う能力は付与されないのだろうか?造形はかなり良く、声にあわせて口もちゃんと動く。
 舞台が海なので、島洋介を中心とした話となる。魚に人間を襲わせようというジャシンカ帝国の作戦もよく分からないし、途中で唐突に人魚が現れて洋介を助けるとか、前回同様、かなり頭の悪い話になってる。
<根本的な問題だが、生物の進化を司るジャシンカ帝国が魚と交信できないというのも何か変な感じがする。例えば魚を率いる魚型の進化獣を作るとかした方が効率的。
 洋介が海難に遭ってるというのに洋介を探しにも行かず四人でイルカシンカと戦おうとしている他のダイナマン。全員揃ってないと必殺技も使えないのに無視するなよ。
 人魚って緑色の神と貝殻ビキニ。典型的な「人魚」だな。前回と言い、人間の先入観というのは結構重要だな。>
DVD2
<A> <楽>
第12話 狙われた血液銀行

  脚本:松本 功
  監督:服部和史
 ジャシンカ帝国はノミシンカのウィルスによってノミ人間を作り出し、人間をパニックに陥らせようとする。そのためにはまずノミシンカに多量の人間の血液を飲ませねばならなかった。そのためにまずノミシンカに人間を襲わせることにするのだが…

 敵はノミシンカ。人間の血液を自らの身体に取り込み、醸成することで人間をノミ人間にしてしまう毒液を精製する。そのために用いられる人間の血液は一日3000リットルだとか。単純計算で言っても3トン近くの血液が必要となる。
 人間を怪人にしてしまおうという戦隊ものでは伝統的な作戦が展開していくことになる。ただ、そのために多量の血液をまず確保しなければならないと言う事で、当のノミシンカに人間を襲わせるという完全な破綻した物語が展開する。結局ノミシンカはノミ人間を多量生産する前に倒されてしまったため、脅威になる前に話が終わってしまう。
 ただノミ人間がいわゆるゾンビっぽくてなかなか面白い。パワフルな上にすばしっこいので、これまでのゾンビの概念を覆す存在になり得たんだが。
 ダイナマン全員が白衣姿でノミシンカを騙すシーンもある。これも伝統的な七変化の一種かな?
<ノミシンカが血液が足りない状態でノミ人間を作ると虚弱体質になり、血液がたっぷりあるとノミ人間は伝染させられる。ウイルスって体調で変化するのか?
 ダイナマンに騙されて赤ワインを多量に飲まされて酔っ払うノミシンカ。流石に分かると思うんだが。
 レイが拾ってきた子犬が活躍してシッポ兵と戦ってるんだが、傍目からはシッポ兵が子犬をあやしてるようにも見える。>
第13話 さらわれた花嫁

  脚本:鷺山京子
  監督:服部和史
 ジャシンカ帝国に伝わる不老不死の薬を作るために必要な七人の花嫁をさらおうとするカエルシンカ。七人目の花嫁略奪を阻止したレイは、自ら囮となってその作戦の真意を探ろうとするのだが…

 敵はカエルシンカ。カエルの進化獣。帝王アトンに不老不死の霊薬を捧げるために、7人の花嫁を奪ってその心臓を奪おうとする。7月7日7時7分7秒にそれを行う必要があるため、その時に七人の花嫁と結婚しようとした。しかしなんでわざわざ花嫁である必要があるのか全く説明はない。
 これまでやってきて、レイ単独の中心回は初めてとなる。そう言う意味もあってか、花嫁姿を披露したり、長時間一人で戦い続けるとか、色々メリハリを利かせようとしている感じ。
 カエルと結婚させるという設定の上でカエルシンカをこれまで以上にグロテスクにしたのは演出の面白さだろう。
<ジャシンカ帝国は7777年だそうである。その間科学も発展もしてない地上をなんで一切攻撃してこなかったかは説明が無かった。
 帝王アトンは他人のシッポを増やせるという設定が明らかになった。ただ口約束だけで実際にやってないので、口から出任せという可能性もある。
 どうでも良いことだが、花嫁姿のレイに対し、花婿は誰だか分からない人物だった。ここはやっぱりダイナマンの誰かにやらせるべきだったのでは?
 夢野博士が独身だと言う事が発覚。しかも軽くレイにプロポーズまでしてる。これを受ければ玉の輿だったのに勿体ないことしたぞレイ。>
第14話 突撃チョロッポ兵

  脚本:寺田憲史
  監督:山田 稔
 怪しげな笛の音を聞いた子ども達が次々に失踪する事件が勃発する。その魔の手は夢野発明センターの子ども達にも。実はこれはジャシンカ帝国の戦力増強のために子ども達に尻尾を生やしてチョロッポ兵にしてしまおうとする作戦だった。相手が子どもだけに戦えないダイナマンだが…

 敵はゲンゴロウシンカ。ゲンゴロウの進化獣。不思議な笛を吹き、聞いたこども達を洗脳し、チョロッポ兵にしてしまう。意外なことにこども達には優しく接しているため、そんな残忍には見えないのが難点。
 怪人にされてしまった一般人に手を出せないヒーローを描く話で、昭和特撮では定番の一つ。知り合いの子ども達が襲ってくるのは一種のホラーでもある。あっけなく光線で眠らせてしまって終わってしまうのがちょっと残念だったかな。
<ゲンゴロウシンカの乗るバスは合成で姿を消すのだが、合成シーンが上手くいってなくて、他の車との縮尺が無茶苦茶。
 子ども達を探すために聴力拡大センサーなるものを付けてパトロールに出る北斗。バイクに乗っててはそちらの音が大きすぎて意味が無いのでは?それにしても北斗って美的センスが無いみたい。>
第15話 忍術対キメラ妖術

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 シッポ兵に襲われている少年を助ける竜。その少年ワタルは自分が風魔一族の当主であると言い、風魔の秘宝を探すまでのボディガードになれと言う。そしてその秘宝をキメラも狙っていた。
 敵はヤモリシンカ。ヤモリ型の進化獣。風魔の秘宝を奪うため、ワタル少年を追い回す。
 忍者をモティーフにした話で、自分勝手な少年忍者に竜が振り回される話。竜役の春日純一は前作「ゴーグルV」に続くレギュラーだが、黒田役の時はあれだけ冷静沈着だったのに、ここではかなりコミカル。色々演じ分けようとしたのかな?
 この話の最大の見所は竜とキメラによる忍者合戦。なかなか派手でよろしい。ちょっとたどたどしいけど子役が結構憎々しげで巧かったのもポイント高い。
<風魔の秘宝って、その辺の木の根元に置かれていたが、よくこれまで見つからなかったもんだな。ひょっとして定期的に場所を移してるのかな?
 山の中で戦いとなり、そこでワタルと別れるダイナマン。なんで子ども一人を山中に放置するような真似をする?麓まで一緒に行こうとか送ろうとか誰も言ってないない。>
第16話 阿蘇山大爆発作戦

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 ジャシンカ帝国の九州征服作戦の前哨戦として阿蘇山大爆発の指揮を任されたメギドはシソチョウシンカと共に九州に飛ぶ。阿蘇に異変を察知したダイナマンも
 敵はシソチョウシンカ。始祖鳥の進化獣。その姿ははいかにも出渕デザイン。阿蘇を噴火させるために活動する。尻尾兵の「燃えろ火の鳥〜、燃えろ火の鳥〜、ファイヤー!ファイヤー!ファイヤーバ〜ド〜」という歌に乗って飛び回る姿が妙にほほえましい。
 九州ロケ第一回。まず阿蘇での活躍となる。阿蘇と言えば火山。これまで映画テレビ通して何度阿蘇が舞台になったことやら。物語が単純な分、アクションにとても力の入った話になった。
 今回はタイアップ企画だが、珍しく航空会社もタイアップしてるらしく、「東亜国際空港351便」とか細かすぎるナレーションあり。他にも九州産興とか白雲荘など。たいしたスポンサーだ。
<シソチョウシンカが阿蘇山を噴火させようとする際、シッポ兵は「燃えよ火の鳥燃えよ火の鳥」とダイナマンの主題歌の替え歌をしている。敵の歌だぞ?
 シソチョウシンカの口癖は「ファイヤー」。「仮面の忍者赤影」知ってるとこれだけでも結構笑えたりする。
 シソチョウシンカのアジトを見つけるのに走って探してるダイナマン。基地が剥き出しなので、レーダー使ったり空から見たら一発で分かりそうだ。
 アジトにたどり着くまでに一人一人シッポ兵との戦いに身を投じるダイナマン。「一人を生かすために犠牲を厭わぬ俺たちのチームワーク」と言っていたが、圧倒的力で嬲り倒すシッポ兵相手に何が犠牲だ?>
第17話 恐怖!九州大地震

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 メギドノッ野望を阻止したダイナマンは阿蘇での短い休暇を楽しんでいた。そんな時、幼なじみの堀田昌子と再会した星川竜だが、キメラの作戦を観てしまった昌子は怪我を負い記憶を失ってしまっていた。
 敵はキョウリュウシンカ。恐竜型の進化獣。登場時はテンガロンハットをかぶっていた。巨大水晶型のエネルギー増幅装置を九州の断層に埋め込んで大地震を起こそうとする。巨大化してからダイナロボに数々のプロレス技をかけたりもする。
 前回に続き阿蘇を舞台にした活躍で、今回はキメラの作戦を阻止する。突っ込みというわけではないけど、前回が阿蘇山爆発で、今回は阿蘇山の地震。やってることがあんまり変わらない。
 竜が中心になった話で、幼き日の甘酸っぱい思い出が展開する。他にもレイと
 場所が阿蘇って事もあってか、今回のシッポ兵との戦いはいつにも増して派手で、火薬の量も多い。シッポ兵の中の人たち、身体大丈夫だっただろうか?
<地震が起こり、その原因を探るダイナマンの面々だが、西部劇のガンマンの格好をして馬に乗って探してる。タイアップとは言え、違和感激しすぎる。
 さっきまで病院で寝てたはずの女性がいつの間にか阿蘇山のど真ん中に登場。テレポーテーションでもしたのか?
 巨大戦でダイナロボに関節技をかけるキョウリュウシンカ。随分器用だが、もっと効率的な攻撃をだな。>
第18話 東京を襲う大津波

  脚本:鷺山京子
  監督:山田 稔
 次々に日本各地を襲う津波。津波に巻き込まれてしまった洋介は、そこで出会った少年の夢
 敵はエイシンカ。エイの進化獣。尻尾から超音波を発し、それを増幅することで大津波を起こそうとする。東京に大津波を襲わせる作戦の要だが、率先して最前線で戦うあたり、熱いというか考えなしというか。
 海の話となるため、島洋介の中心回となる。話自体は単純だが、演出的にはなかなか見所が多く、特に走るトラックの上で活劇を行ってるシーンがあるが、洋介役の卯木浩二が顔出しで演技してる。怪我しなくて良かったね。
<津波が何度も起こってるという海岸なのに、洋介はそこでサーフィンに興じていた。マリンスポーツやってる割には不用心だな。
 率先してダイナブルーと戦っているエイシンカだが、「俺にはやることがある」と言って逃げている。何がしたいんだ?
 基地に爆弾を仕掛け、「あと一分で爆発する」と丁寧に教えてくれるメギド。それにしても一分程度でかなり遠いところまで移動できるんだな。
 「海を愛するダイナブルー」と言ってポーズを決めてるが、その背後で明らかに火薬を使った水柱が立ってる。海を汚してどうする?>
第19話 導火線は赤い毒花

  脚本:松本 功
  監督:山田 稔
 新種の芋の品種改良に成功した耕作。だがその畑に潜んでいたヤマアラシシンカに襲われる。ヤマアラシシンカの爆弾攻撃を凌いだダイナマンだが、作戦を指揮するキメラは耕作を標的に絞ってきた。
 敵はヤマアラシシンカ。ヤマアラシの進化獣。南郷の作った畑に現れ、丹誠込めて作ったサツマイモを食い尽くした上におならをかます。結構お茶目なところのある進化獣。キメラに率いられ、日本中に爆破パニックを起こそうとする。
 南郷耕作を中心に爆弾魔の怪人と戦う話。結構コミカルな話なのだが、凄い火薬の量を使用し、生身で爆発の中を駆けさせるとか、かなり力が入っている。
<工作に的を絞って襲ってきたヤマアラシシンカだが、やったことと言えば屁をひったことくらい。もっと効率的にだな。
 耕作を分断したヤマアラシシンカは「お前達は五人揃ってダイナマン。一人欠ければただの人」と言っていたが、ただの人ではないよな。>
第20話 追え! 天草の太陽有尾人一族の挑戦

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 二年前に設計者の中島博士の死と共に紛失したはずの太陽砲の設計図が九州の天草にある事が分かり、ジャシンカ帝国が動き始めた。そしてそれを阻止するため、ダイナマンも又天草へと向かう。そこで中島博士の娘
 敵はイカシンカ。イカの進化獣。「仮面ライダー」のイカデビルとオーラバトラーを合わせたようなデザインが特徴(流石出渕デザイン)。太陽砲の設計図を手に入れるため、マイクロフィルムの切れ端が見つかった天草にやってくる。火を付けられ、「イカ焼きは嫌だぁ」と叫ぶ姿がなんかほほえましい。
 九州ロケ三回目。今回も九州産興バスおよび海底自然水族館のタイアップ。今回は総力戦で全員が中心となっている。ジャシンカの方も今回の作戦では珍しくキメラとメギドが共同作戦を行っている。
 水族館の水槽にあるマイクロフィルムを奪うためにキメラが水着姿を披露している。女の戦いで対抗するかのようにレイまでもが水着姿。
 ロープウェイのゴンドラに星川竜がぶら下がる描写があるが、本人顔出しで、しかも実際に動くゴンドラにずーっとぶら下がってる。今だったら危険すぎて絶対許されない。
<キメラの台詞「バラバラに分断して戦えば、お前達など敵ではないわ」だが、滑舌がちょっと悪くて「お前など」が「お前の」に聞こえてしまった。>
第21話 怒りの北斗必殺剣

  脚本:曽田博久
  監督:服部和史
 ワニシンカに襲われた人を見かけ助けに入る南郷耕作。だがワニシンカに噛まれてしまい、大怪我を負ってしまう。体内にスパーク爆弾を持つワニシンカに手出しが出来ないダイナマンだが…
 敵はワニシンカ。東京の地盤を全て沈めてしまう東京底無し沼作戦を決行しようとし、地質学者の谷本博士を襲う。体内にスパーク爆弾を内蔵し、ダイナマンに攻撃させないようにしていた。自爆覚悟のはずだが、攻撃を受けないと踏んだか、えらくおちゃらけていた。「良い脚してる。おいしそうだ」と言って変身できないダイナピンク立花レイに迫ってくるあたり、かなりセクハラくさい。
 変身を封じられた生身の弾北斗の活躍を描く話。生身で進化獣と渡り合うとか無茶なことをしているが、死にかけたように見えながらピンピンしてるのが特撮ならでは。
<スパーク爆弾は10キロ四方を焼き尽くすそうだが、ワニシンカから取り出した爆弾をそこら辺に投げて爆発してもワニシンカも北斗も無事だった。>
DVD3
<A> <楽>
第22話 いたずら大戦争!

  脚本:山中伊知郎
  監督:服部和史
 突然イタズラ好きの子ども達が増えていった。実は進化獣ネコシンカの吐くネコスモークによって狂わされていたことが分かる。だがそれに気づいた時は遅く、大人に対する反逆が始まっていた。
 敵はネコシンカ。ネコ型の進化獣。ネコっぽいデザインは大変良く、毛の質感まで再現していた。子供を大人嫌いにするネコスモークを吐き、子供に大人を攻撃させようとする。ちなみにダイナピンク立花レイは代のネコ嫌いなので、それも強みだった。マタタビに引き寄せられ、孤立したところを倒される。
 子どもを洗脳してヒーローに反逆させるのはよくあるパターンだが、今回は数で勝負で、多くの子ども達がヒーローのみならず大人全般に反抗するという規模が大きな話。この手の作品は上原脚本に多いが、今回は違ってた。
 レイが大の猫嫌いということが分かった。その割にネコシンカには普通に戦ってるけど。
 ネコにはマタタビということで、マタタビエキスを使っておびき寄せ、あっけなく倒してしまうのだが、そんな弱点放っておいたカー将軍の責任は?
<学校からネコシンカをおびき寄せたら、そこは採石場だった。子ども達も一緒に来ているので、学校の裏が採石場なのかもしれない…子どもに化けたシッポ兵だったんだけど。>
第23話 人間ナメクジ作戦

  脚本:鷺山京子
  監督:東條昭平
 人間をナメクジ人間に変えてしまうナメクジシンカが次々にナメクジ人間を作り出す。母親がナメクジ人間にされてしまい、ショックを受けたサトシ少年は熱を出してうなされてしまう。サトシを見舞ったレイだが…
 敵はナメクジシンカ。人間をナメクジ人間にしてしまうナメクジガスを吐く。塩をかけられても平気だが、目が弱点。
 人間をナメクジに変え、更にその人間ナメクジに人間を襲わせるという作戦展開。これまでの敵の中で最も効果的な作戦かも知れない。当のナメクジシンカも目を除けばこれと言った弱点を持たない。まあその唯一の弱点で負けてしまう訳だが。
 今回はレイが中心の話。一人でナメクジシンカの弱点を見抜いたり、生身で一人でシッポ兵と立ち回りをしたりと大変見応えがある活躍をしていた。
<人間ナメクジを見たキメラは一言。「いやらしい人間がもっといやらしくなった」…えらい言われようだな。人類。
 ダイナマンと普通に戦うナメクジシンカだが、ナメクジガスは使わないのかな?
 考えがあるというレイにナメクジシンカとの戦いを任せてしまう他のダイナマン。仲間を放っておくとは。
 ナメクジシンカの唯一の弱点は目だが、多量の塩をかけられた際、その目がぽろっと取れてしまった。えらいグロ描写だ。
 珍しく怪人を倒しても人間ナメクジの症状は治らなかった。博士の作った液を噴霧すると人間に戻るが、何故か服まで戻っている。そもそも服ごとナメクジになってたんだけど。>
第24話 恐怖の彗星大接近

  脚本:吉田竣売
  監督:東條昭平
 X13と名付けられた巨大彗星が地球に迫っていた。ジャシンカ帝国はこれを地球にぶつけ、地上の人間を一掃しようと考え、誘導装置を設置させるため、椎名博士を誘拐させる。博士の娘沙織と知り合った星川竜は、真相を探るべく天文台に潜入するが…
 敵はキツネシンカ。キツネ型の進化獣。その風貌はキツネと言うよりはリスのよう。X13彗星を地球に呼び寄せ、落ちてきた破片で地上を壊滅する作戦に従事する。どんな人間にも化ける能力を有す。
 彗星接近による話。宇宙をテーマにすると竜が中心となるのが本作の特徴。分身の術を使って二人登場したりと、大活躍を見せている。
 巨大戦でもダイナロボに化けたキツネシンカを攻撃するため、一度ダイナロボを分離させ、個々に攻撃を行うとか、結構凝った演出もあり。
<X13彗星を地球に近づけ、人類を滅ぼす計画だが、それをやってしまうとジャシンカ帝国まで滅んでしまうと思うんだが。
 キツネシンカが星川竜を騙す際、本人の前で星川に化けてしまうようなドジっぷりを見せる…それにしても前の「大戦隊ゴーグルファイブ」の時と言い、春日純一は真似されることが多いキャラだ。
 幻術を使うキツネシンカだけに、幻術を見破られた際は「ばれたか」とか言っている。特定の年齢の人だと、これが外道照身霊波光線に感じてしまう。>
第25話 謎のゲラゲラ地獄

  脚本:吉田竣売
  監督:山田 稔
 ハチシンカの針に刺された人間は笑いが止まらなくなり、更に頭から生えた角で仲間を増やしていく。
 敵はハチシンカ。ハチ型の進化獣。ハチらしい痩身のデザインで、背中に付いた羽で飛ぶことも出来る。右手の毒針で人の頭部を突くと、そこからツノが生え、刺された人間は笑い続け、やがて死に至る。
 手当たり次第に一般市民を襲う怪人という、実に正統的な昭和特撮。その現場に偶然ヒーローが居合わせるのも昔の特撮っぽさだ。今回は弾北斗が中心に、生身でのアクションを中心に描いている。
<キメラと喧嘩ばかりしているメギド王子をいさめたカー将軍が言った言葉は「ぐっと抑えるのが男というもの」。それを受けて帝王アトンも「その通り」と言っている。帝王学にしては随分庶民的な台詞だ。
 ハチシンカのかけ声は「ハチャー」だった。いかにもハチっぽいな。
 いつもはダイナマン一人が怪人と戦ってると、すぐに駆けつける仲間たちだが、今回は話の都合で随分遅れて登場してる。
 ダイナレッドはハチ毒針に刺されているのだが、別段どうにもなってない。明らかに毒針はスーツを貫通してるので、身体に到達してるんだけど。>
第26話 激闘!太陽の灯台

  脚本:松本 功
  監督:山田 稔
 熱海で休暇を楽しむダイナマン。だがその熱海でジャシンカ帝国の作戦が静かに進行していた。太陽光線を吸収し、タンカーを沈めようというヒトデシンカが現れたのだ。
 敵はヒトデシンカ。ヒトデ型の進化獣。ヒトデと言うよりは単眼のドラゴンのようなデザインをしてる…やっぱり出渕デザインだな。太陽エネルギーを吸い込むことで強力なビームを放つことが出来る。
 熱海後楽園のタイアップで、幼稚園を舞台にした活劇が描かれる。海が舞台と言う事で、洋介が中心となっているが、今回はサポート役にレイも入っており、前半は二人が中心だった。
 レイの水着姿あり。そう言えば最近めっきり水着姿の女性が特撮に出なくなったな。
<「こんなところにいるとはダイナマンも分かるまい」と勝ち誇るメギド。だけど何も偽装工作もしてないし、海岸で座ってるだけなので、見つけてくださいと言ってるようなもん。>
第27話 死の音セミシグレ

  脚本:寺田憲史
  監督:山田 稔
 日本各地に現れたセミシグレは超音波を使い次々に街を破壊していた。調査を始めたダイナマンだが、その前に虫博士のススムが現れる。
 敵はセミシンカ。セミ型の進化獣。超音波で地上の建物を破壊することが出来る。ただ、セミだけに寿命は短いらしい。巨大化しても空を飛ぶことが出来る。
 一応今回はダイナマン全員で作戦を行っているが、キメラの作戦ということに合わせたか、レイのひらめきが作戦の要となっていた。
<セミシンカの使うパラボラ型拡声器があるのだが、普通の傘を銀色に塗っただけのような?
 基地を爆破してセミシンカの幼虫を一網打尽にするダイナレッド。大虐殺だな。
 超音波であるセミシグレを拡声器を逆利用して跳ね返すシーンがある。でも音波攻撃そのものは防げてないはずだけど。
 その技の名前はフェードバックセミシグレだった。フィードバックではないのか?>
第28話 人形人間を救え!

  脚本:寺田憲史
  監督:東條昭平
 人間が一番嫌がる動物は蚊であると分析したメギドはヤブカシンカを用いて人間を動けなくさせてしまう。
 敵はヤブカシンカ。人間社会を偵察したメギドが人間が蚊に弱いことを発見し、カー将軍に作らせた進化獣。蚊の姿で飛び回り、人間を刺すと、刺された人間は猛烈に痒くなり、その後身体が動かなくなってしまう。強烈な光線が弱点だが、メギドにサングラスをもらってご満悦。
 人間にとって最も危険なのは極小レベルの生物という真理を突いた物語で、動けなくなってしまった人間を救うために戦うことになる。
 今回はレイが中心となった。メギドがピエロの格好をしていることを知ったレイもピエロの格好で戦ってる。水着姿も披露しており、七変化っぽさもあり。
 人間社会を知るためにパントマイムを行うメギド王子。子ども達にいじられたりしてるけど、プライドをかなぐり捨ててダイナマンに加藤としていることが分かる。そろそろ後がないということか。
<ヤブカシンカは太陽の直射日射に弱いというが、普通に日中に活動してるよ。
 サングラスを装着したヤブカシンカに太陽光線を当てるためにダイナマンが使った方法は虫眼鏡を使って太陽光線を集めることだった。焦点の問題もあって、それは無理。
 巨大戦でダイナシールドに太陽に光を集めてヤブカシンカに放出してる。ビームみたいになってるけど、今まで戦ってきていてそんな機能が付いていたことは初めて知った。>
第29話 キメラの呪いの服

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 パトロール中の星川竜は水浴びをしているキメラを発見する。脱いだ服をそのままに逃げ出すキメラだったが、屈辱を感じたキメラはサボテンシンカを用い、赤い服を着た人間を苦しめる作戦に出た。
 敵はサボテンシンカ。サボテン型の進化獣。ゴテゴテと瘤があったり、花が咲いてたりと、結構本物のサボテンっぽい感じ。ダイナブラックに服を盗まれてしまい、怒りに燃えるキメラによる呪い作戦を遂行するため、藁人形にチクチク針を刺してるのが笑える。
 呪いという遠隔攻撃でヒーローを苦しめる敵が描かれる。物理的な攻撃でない分、対処が困難で、どうすれば良いかと考えるのが見所の話と言える。対応する色を着込むと呪いを受けるため、スーツの色を変えれば良いという単純な答えだった。春日純一がパーソナルカラーの黒を捨て、白い格好をしてるのも見所だろう。
 キメラの服を持ち帰ったのが星川竜で、それをおもしろ半分に着たのが立花レイ。この二人が中心となっての展開となっている。正義のヒロインが顔出しで苦しむシーンが多いため、そう言う性癖を持ってる人は必見だろう。
<服を脱いだキメラを竜が発見するシーンがあるが、子ども番組でセミヌードを出すとはなんと大胆な。
 折角持ってきたキメラの服を分析するでなく、着込んで遊ぶとか、プロとは思えないような行動をしてる。
 呪いを受けて苦しみ、「私はどうなっても良いから(やめて)」と訴えるレイに対して「当たり前よ」と答えるキメラ。身も蓋もない。
 草むらでレイが着替え中の際、シッポ兵が武器を捨てて覗こうとしてる。ちゃんとそれっぽく見えるのが面白い。
 スーツに刺さったサボテンシンカの針を抜き取るダイナマンだが、スーツに穴は一切開いてない。>
第30話 敵はガリ勉進化獣

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 これまでダイナマンに負け続けているジャシンカ帝国は反省会を開き、メギドはダイナマンの分析のための進化獣を作らせる。これまでのダイナマンの戦いを解析したトゲアリシンカは自信満々でダイナマンに挑戦するのだが…
 敵はトゲアリシンカ。トゲアリ型の進化獣。進化獣随一の勉強好きで、頭に鉢巻き、背中にランドセルという出で立ちで、ダイナマンの必殺技を研究する。今までにない攻撃で一度敗北するが、更なるガリ勉で身体から5本の棘が生え、それを必殺技として攻撃する。全話を通して最もギャグに走った進化獣でもある。
 作品中随一のコミカル回。登場するトゲアリシンカのやることなすことが全部ずれてるので、とにかく笑いが多い。受験生を揶揄するような台詞が多く、トゲアリシンカが敗北するのを見たメギドが「落ちた」とか言ってるのが何とも味わい深い。敗北は受験失敗と同じらしく、涙をこらえて走るトゲアリシンカの姿も涙を誘う。
 しかし一方で、これまでの戦いの中で、全く蓄積がないというジャシンカ帝国のずさんさも露呈されている。
 アトンに叱責されたこともあるのか、今回はメギドとキメラが一緒に指揮を執っているが、やってることが受験生の両親みたい。
 戦闘シーンがこれまで以上にド派手なのが面白い。手を抜かなかったというより、劇場版の流用なんだろうか?
<トゲアリシンカの格好が学生服にランドセルというのがなんとも。造形が可哀想すぎる。それで「俺はジャシンカの東大生」とか言ってる。ジャシンカにもトウダイなる学校があるのか?
 落ち込むトゲアリシンカは「ダイナマンの間抜けー。ダイナレッドの阿呆ー。ダイナブラックなんて死んじまえー。ダイナブルーの薄らトンカチー。ダイナイエローのドジー。ダイナピンクのブス、ドブスー」とか言って当たり散らしてる。更にそれを見守るメギドとキメラは「暗い。実に暗いな」「まさに試験に落ちた学生って感じね」とか、鞭打つような台詞をばしばしと。ほとんど受験生ギャグ。
 パワーアップしたトゲアリシンカの攻撃を食ったが、ダイナレッドは「日頃苦しい訓練に耐えた俺たちがこんな奴に負ける筈はない」と叫んでいつものように倒してる。トゲアリシンカって、それを込みで調査してなかったの?>
第31話 スパイ有尾人の罠

  脚本:曽田博久
  監督:堀 長文
 10年前から地上に潜入していた有尾人の一家に、弾北斗の暗殺を命じるメギド。だが彼らは人間として生活している内に、人を愛するようになっていた…
 敵はカマキリシンカ。カマキリ型の進化獣でジャシンカ一の殺し屋とされる。通常のカマキリの顔の上にもう一つカマキリの顔を持つのが大きな特徴。有尾人のスパイを利用してダイナレッドを亡き者にしようとする。
 弾北斗を中心に、スパイ一家の悲しい運命を描く話。戦隊らしく子ども用にかなりマイルドにされているけど、スパイの心の動きなど丁寧に描いており、ドラマ性も高い。
 テーマがしっかりしているので、人と違うということの生きにくさや、差別問題なども内包した話になってる。
 今回もメギドとキメラが一緒に作戦の指揮を執ってる。前回のアトンの叱責のダメージがまだ続いているんだろうか?
<尾形家の家にやってきたメギドとキメラ。あの格好で一般家庭まで来たんだから、たいしたもんだ。しかもあの格好のまま家に潜んで北斗を見守ってた。なんでばれないと思うんだ?
 とりあえず北斗を拘束したシッポ兵だが、とりあえず拘束しただけでダイナブレスは放っておいたので、普通に変身させてしまってる。
 「有尾人の子どもでも人間の子どもと何一つ変わりがない」とは北斗の言葉。格好良いかもしれないけど、それはほとんど何も解決にならない。
 カズオ少年の命を救うために一人で来いと言われて北斗は本当に一人でやってきたが、他のメンバーもこっそり後をつけていたことが分かる。まあ当然なんだろうけど、正義の味方も馬鹿正直ではやっていけないんだろうな。
 最後に尾形一家は引っ越していって、それを笑顔で送っている。この家族はジャシンカを裏切っている以上、これって「死ね」と言ってるのと同じでは?>
DVD4
<A> <楽>
第32話 消えたパワーガン

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 空飛ぶ自転車の開発を進める夢野研究所。そんな時、木田博士が開発した破壊兵器パワーガンがジャシンカ帝国によって狙われている事を知る。
 敵はクモシンカ。クモ型の進化獣。クモだけに眼がたくさんあったり、背中が膨らんでいたりと、かなり元に忠実。木田博士が発明したパワーガンを手に入れようとする。
 東映まんが祭りで劇場公開されたものをテレビに再編集したもの。ストーリーはストレートだが、潤沢な資金が使われているためにとても派手なものに仕上がってる。具体的にはヘリコプターの使用とか爆薬の量とかシッポ兵の数とか。あとダイナブラックの分身もいつもは2人なのに今回は4人になってる。
 スペシャル版の様相が強いため、具体的な中心人物は入れてない。強いて言うなら夢野博士が一番目立っていた。あとメギド王子。
 特撮も凄いが、肉体的なアクションもすごく、全員崖の上から頭からダイビングをしてるし、春日純一に至ってはヘリコプターにつり下げられ、海に飛び込むとか、普通生身ではやっちゃいけないことをやってる。
<空飛ぶ自転車を開発中、少年から木田博士のことを聞いたら、次の瞬間木田博士がパワーガンの試験をしている海岸に移動してる。時間の流れがなんだか変。
 パワーガンがどれほど素晴らしい発明かを説明するカー将軍。メギド王子を責めてるように見えるんだが、これまでの失敗続きにそろそろキレ始めてるのかも知れない。>
第33話 レッドになれない

  脚本:曽田博久
  監督:堀 長文
 手柄を焦るメギド王子は最強最悪と言われ、封印されていたマンモスシンカを解放してしまう。その力はダイナマンを凌ぐが、破壊衝動に任せてあらゆるものを攻撃するマンモスシンカをコントロールするため、メギドは封印用の手錠をかけようとするが、封印に成功したのは弾北斗だった。だが手錠の片方を自分の手に付けたため、ダイナレッドに変身出来なくなってしまった。
 敵はマンモスシンカ。マンモス型の進化獣。最強にして最高に危険な進化獣で、地下に閉じこめられていたが、メギド王子により解き放たれ、人間、有尾人見境無く襲うようになる。そのパワーを抑えようと弾北斗が自分の手と手錠をかけたため、変身できなくなってしまった。
 最強の進化獣相手に変身が出来なくなってしまったダイナレッドの活躍が描かれる。生身で引きずられたり石だらけの地面にたたきつけられたりと、本当に大変な撮影だと思われる。
<マンモスシンカの力を抑える手錠は嘘だった。カー将軍はそれでダイナマンを倒すと言っていたが、まともに考えて、何も知らされてないメギドの方が死ぬんじゃないのか?
 マンモスシンカにつながれた北斗を助けるためにダイナロッドで攻撃する他のダイナマン。北斗までダメージ食うと思うんだが、果たして本当に助けようとしているんだろうか?
 マンモスシンカにつながれ、その攻撃を受けっぱなしの北斗。なんで死なないんだ?
 劇中何度も「新種のビールス」と言っているが、カー将軍はこのビールスがシッポ兵に毒である事を知っていた。
 手錠を外すため、敢えてメギドに銃を撃たせてマンモスシンカから離れることが出来た北斗。でも撃ってるのがバズーカだから、手錠どころか体まで破壊されてるぞ。>
第34話 強敵!メカシンカ

  脚本:曽田博久
  監督:服部和史
 カー将軍により進化獣を超えるメカシンカが完成された。ダイナマンのスーパーダイナマイトさえも破るメカシンカ第一号のミサイルザリガニに敗れてしまうダイナマンだが…
 敵はミサイルザリガニ。栄えあるメカシンカ第1号。ザリガニとミサイルの合成進化獣。動くものにはなんでも命中し、エネルギーを失わせるザリガニミサイルを撃つ。最期は自分の放ったザリガニミサイルを喰らって破壊される。
 新展開。パワーアップした進化獣メカシンカに全く歯が立たないダイナマンが、子ども達を助けてなんとか強大な敵と戦って勝利を得るまで。自らの身を使って攻略の鍵を見つける弾北斗が話の中心となるが、合計三回もミサイルの直撃を食ってる。よく生きていたもんだ。
 初めてカー将軍がダイナマンの前に現れた。「ぬわぁーははは」と、まるで堀田源三みたいな笑い声をしてる。
<キャンプの子ども達に「俺が戻るまでにご飯を作ってくれ」と言う北斗。進化獣との戦いってその程度の時間で済むという認識なの?
 夢野司令がダイナマンに見せた映像にはアパートの一室が映されていた。一般家庭に隠しカメラ仕込んでいたんだろうか?
 ミサイルを受けたダイナレッドだが、河川敷を走っていたはずだが、ミサイルが当たった瞬間は採石場で、当たった後は川の中にダイブしてる。
 スーパーダイナマイトも通用しないメカシンカだが、巨大戦では普通に重力落としで倒されてる。>
第35話 新必殺技を求めて

  脚本:曽田博久
  監督:服部和史
 新しい必殺技を求め、特訓を続ける弾北斗は、山中で科学者の明石博士を見かける。だが逃げるように山中に消えた明石に、なんらかの理由があるのではないかと探りを入れるダイナマンだが…
 敵はギロチントカゲ。2体目のメカシンカで、ギロチンとトカゲの合成怪人。ギロチンと言っても普通の鋏だし、トカゲも合成前は普通のトカゲだったが、合成するとエリマキトカゲっぽい。
 スーパーダイナマイトに代わる新しい必殺技を求める話。結局今回も編み出すことが出来なかったので、かなり引っ張ってる。
 新兵器を開発したものの、人間の醜い争いに嫌気が差して世を捨てた博士の協力を得るという展開となる。博士よりもアンドロイドのゴンの活躍の方がメインだった。
 アンドロイドのゴン役はストロング金剛。以降の東映特撮には度々出ているが、実はこれが特撮デビュー作。
<兵器開発はもう止めたと言う明石博士だが、ゴンというアンドロイドを作っているし、戦わせてもいる。言ってることとやってることが違うような?
 メカシンカはスーパーダイナマイトにも耐えるけど、普通にキックだと吹っ飛ぶのね。
 ゴンに埋め込まれているデンライトの回収をせずに去って行くダイナマン。放っておくと又ジャシンカに狙われると思うんだけどね。>
第36話 出たぞ!必殺技!

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 旧友の山下博士を目の前で誘拐されてしまった夢野はすぐさまダイナマンに出動を要請する。だがあらゆる攻撃が通用しないマシンガンジャガーにみすみす博士を奪われてしまう。山下博士こそ科学戦隊のリーダーと思い込むメギドだが…
 敵はマシンガンジャガー。ジャガーとマシンガンを合成したメカシンカ。顔を見る限り、黒豹(パンサー)のように見える。左手がマシンガンとなっており、マシンガンミサイルなる矛盾極まりない武器で攻撃する。初めてニュースーパーダイナマイトに破れたメカシンカとなる。
 いよいよ新必殺技の登場となる。3話使ってようやく完成させられた。これまでダイナマンが光になって突進したスーパーダイナマイトに対し、巨大な火の玉になって落ちてくると言う描写が素晴らしい。あらゆる必殺技の中で最も派手で私は大好きだ。しかし、仮にも「科学戦隊」を名乗りながら、根性で必殺技を編み出すのはいかがなものか?
 珍しい夢野総司令の中心回でもある。いつも奇策に笑っているばかりだが、今回に関しては大変厳しくダイナマンを叱責し、ニュースーパーダイナマイトのヒントを与えている。
 更にこれから重要となるジャシンカ帝国の「千年洞窟」の名前が登場している。
<マシンガンジャガーはジャガーミサイルとマシンガンミサイルという二つのミサイル攻撃を持つ。しかしマシンガンミサイルってのが手にした銃から普通に銃弾のように撃ち出されている。それ本当にミサイル?
 山下博士が科学戦隊のリーダーだというメギド王子に対し、「メギド王子にしては大変なお手柄」というカー将軍。酷い言い方だ。
 山下博士を処刑しようとしたマシンガンジャガーにダイナロッドが投げつけられるのだが、五本くっついた状態でぶつかってきた。どんな投げ方をしたんだろう?>
第37話 女将軍ゼノビア

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 山下博士が言う万年山に異変が起きていることを知り、ダイナマンとジャシンカ帝国の面々は万年山へと向かった。そこで千年洞窟に幽閉されていたはずの女将軍ゼノビアと出会う。圧倒的な力を持つゼノビアはアトンの下につき、ダイナマンを倒してみせると息巻く。
 敵は 。ヤツメウナギと発電機の合成メカシンカ。顔も長く、最もウナギらしいデザインをしている。電磁波を出し、周囲の機器を狂わせる。目の一つをゼノビアに取られ、それを使ってダイナマンの基地を探ろうとする。結果的に基地発見の一歩手前まで行き、ダイナマン達は夢野発明センターを放棄せざるを得なくなる。
 女将軍ゼノビアの登場により、戦局は新しい局面に移る。ゼノビアによってダイナステーションも所在がばれ、移動を余儀なくされた。これまでの子ども達と一緒のこれまで微笑ましかった日常風景がジャシンカ帝国によって緊張感ある風景に変わっていくことになる。
 ジャシンカ帝国の内紛も表面化。ゼノビアは一応アトンに忠誠を誓っているが、野心は剥き出しな感じ。唯一カー将軍だけがその危険を訴えるが、誰もそれを聞いてない。
<ジャシンカ帝国のために粉骨砕身するカー将軍。最もゼノビアの恐ろしさを知っているが、誰もその言葉を聞いてくれないし、折角作ったメカシンカまでゼノビアに奪われる始末。最も苦労するキャラだな。
 ダイナマンの攻撃を受け、坂道を転がり落ちるエレキウナギは「うなんぎだ〜(ウナギ+難儀)」とかダジャレ言っている。聞こえにくいのが難点だな。>
第38話 若返れ!天才頭脳

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 女将軍ゼノビアは猛毒のケタゾンガスを作らせるため、科学者の中村博士を若返らせようとする。だがメギドの作戦失敗により博士は10歳になってしまった。
 敵はヨロイローズ。女王ゼノビアの設計によって作られたメカシンカ。バラとヨロイの合成で、珍しく寡黙。ローズゼリービームを浴びた生物を若返らせることが出来る。
 今回はメギド王子が中心の話。これまでも失敗ばかりだったが、今回の作戦ではこれまでの中で最大の失敗となり、シッポを切り落とされてかつてゼノビアが入っていた千年洞窟に落とされてしまう。
 人類を滅ぼすほどの発明をしたという科学者が若返ってしようとしたのは身ぎれいな格好をして、女の子とデートすることだった。なんと庶民的な…と思ったら、若い頃は戦争まっただ中で、その中で無理矢理研究させられてしまったことから、一度だけ青春の真似をしたかったという、涙ぐましいルーツがあった。それにつきあうレイの心優しさも光る。
<ダイナマンの登場シーンで爆発が起こる。いつものことではあるが、今回はいつもの採石場ではなく、バックがダムなんだよな。ダムがぶっ壊れないかと…。バンクシーンは採石場なので、瞬間移動しながら戦ってるようにも見える。
 ダムのある場所で地割れが起きてヨロイローズが吸い込まれている。地割れの中に多量の水が入り込まないのは何故だ?>
第39話 抱け!有尾人の卵

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 カー将軍はジャシンカ帝国が地上侵略を果たすために有尾人の卵を多量に作り、その卵を人間に抱かせて孵化させようとする。レーザーホークの催眠音波によって乳飲み子を抱えた母親が有尾人の卵を抱くようになってしまう。
 敵はレーザーホーク。鷹とレーザー砲の合成メカシンカ。飛ぶことが出来るが、何故か蚊のような音を立てる。催眠術により有尾人の卵を赤ちゃんを持つ母親に抱かせる。
 今回の作戦はゼノビアではなくカー将軍で、有尾人を多量に作る作戦が展開する。もっと早くこの作戦はやって然りだと思うが、ようやく人口の少なさに気づいたというのがちょっと間抜け。
 弾北斗が母の愛を母親達に取り戻させるという話で、実は北斗は早くに母を亡くしており、母の愛をとても大切にしていると言う事が分かる。生身でかなり大変なアクションに挑戦しており、崖から落ちるシーンなんかも吹き替えなしでやってる。
 巨大戦も個性があって、空を飛べるレーザーホークはダイナロボのダイナミックジャンプに合わせて飛び上がって攻撃を加えてるシーンがある。あっけなくはじき飛ばされていつも通りぶった切られるけど。
 一方、千年洞窟に落とされたメギド王子が意地汚く生き残ろうとしている描写がある。どん底を見た人間は強くなる。
<死んでも不思議じゃない高さから落下した北斗が、すぐに普通に戦っている。>
第40話 爆発!無言の怒り

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 ジャシンカ帝国のワープロアルマジロにより、特定の言葉を語ると衝撃波が襲うという事件が起こり、町の誰も言葉を語れなくなってしまう。そんな中で言葉を喋れない少女と知り合いになった星川竜だが…
 敵はワープロアルマジロ。ワープロとアルマジロの合成メカシンカ。腹に着いているワープロのキーボードの文字を入力することで、その言葉に反応して爆発する言葉反応装置を各地に仕掛ける。特に「ダ」の字を言えなくすることによってダイナマンに変身させなくしてしまう。
 星川竜と喋れない女の子の交流を描く話。竜が中心になるとアクションが派手になる傾向がある。この話も存分にアクションが堪能できる。しかも「ダ」の言葉を使うと衝撃波が襲うために変身が出来なくなるため、生身のアクションが特に多くなっていた。
 戦隊ものではヒーローを変身不可能にする技というのが結構出てくるが、「ダ」と言えなくすると言うとてもふざけた作戦が実に良い。
<ワープロアルマジロによる言葉の爆発だが、死んだ人はいないらしい。衝撃波としてはかなり弱いのかな?
 「ダ」の文字で衝撃波が起こるのだが、キメラは平気に「ダイナマン」を連呼していたが、有尾人の言葉には反応しないのかな?>
第41話 闇に消えた暴走族

  脚本:松本 功
  監督:堀 長文
 都内で高性能エンジンばかりを盗難する暴走族が出現した。その手口からジャシンカによるものと推測したダイナマンは捜査を開始する。実はジャシンカはメカシンカのドリルホースが空を飛ぶためのエンジンを探していたのだ。
 敵はドリルホース。ドリルと馬の合成メカシンカ。翼を持つが自力で飛ぶことは出来ず、高性能エンジンを積んで空からの攻撃をしようと、高性能エンジンを奪いに来る。そんな不完全なメカシンカを作るんじゃない。
 弾北斗と少年の交流を通じ、ジャシンカの野望を未然に防ぐという、実に定番中の定番話。トラウマを持つ少年の心を晴らすというのも戦隊ものでは良い具合だ。
 ジャシンカではメギドが千年洞窟から脱走したとされる。カー将軍は「どうせのたれ死にする」と冷たい言葉を使っているが、何故そう考えるのかが分からない。
<高性能エンジンを搭載し、空を自在に飛べるようになったドリルホース。だけど低空をノロノロと移動するだけ。超高性能エンジンが泣くぞ。>
第42話 挑戦ダークナイト

  脚本:曽田博久
  監督:堀 長文
 地底不覚に潜伏していたグランギズモに突然現れた謎の戦士ダークナイト。帝王アトンの専用剣である帝王剣を奪ったが、その剣は南郷耕作に渡されていた。理由も知らず、ただ強力な剣を使うことによってしまった耕作だが…
 敵はマサカリベアー。マサカリと熊の合成メカシンカ。右手のマサカリで攻撃する。
 新たな敵ダークナイト登場の話。ダイナマンに挑戦をするのだが、ジャシンカ帝国とも敵対するという位置づけのキャラ。まあその正体は言わずもがななんだが。
 そのダークナイトにそそのかされ、強力な力を手に入れてしまった南郷耕作が中心となる。結果として呪いを受け、仲間に斬りかかってしまう。
 映像だが、初めて帝王アトンがダイナマンの前に姿を現した。
<話そのものは盛り上がるのだが、その分今回登場したマサカリベアーが割を食ってしまい、ただ一直線にダイナマンに突っ込んでいき、ダイナマンの攻撃を受けて吹っ飛ばされ続けるだけという可哀想な役回りだった。
 シッポがないのにグランギズモのことをよく知ってる人物とは誰かと悩むカー将軍。そんなの一人しかいないだろうに。>
第43話 島!君は青い稲妻

  脚本:曽田博久
  監督:山田 稔
 高性能ロケット燃料ハイオクト燃料輸送中にジャシンカ帝国に襲われた島洋介は、ロケットタイガーのミサイル攻撃に敗北し、燃料を奪われてしまう。ハイオクト燃料を手に入れパワーアップしたロケットタイガーは次々にダイナマンに挑戦する。
 敵はロケットタイガー。高性能ロケット燃料ハイオクトを輸送途中の島洋介を襲い、自らの武器ハンドロケットを強化する。ダイナブラックの分身の術をも難なく破るが、ブラックとブルーが共同開発した空中三角飛びに破れる。なお「仮面ライダーZX」に出てくるタイガーロイドに似ているのは、デザイナーの出渕裕の言葉によるとわざと似せたのだとか。
 島洋介と星川竜の二人を中心にした話。二人でダイナブルーノ新しい必殺技を編み出すというものだが、二人で一人の必殺技を編み出す話ってなかなかないので新鮮。戦隊ヒーローならではの話だろう。ダイナマンには結構はっきりした実力差があることも分かった。
 今回はブラックナイトが二人の特訓に割り込んで攻撃を仕掛けるが、何故かダイナブルーの空中三角跳びを編み出す手助けをしただけで去って行った。
<ロケットタイガーに対抗するために分身の術にこだわる洋介。でもなんで分身が必要なのか説明はほとんどない。しかも実際に分身の術は同じところに分身するだけなので、広範囲を攻撃するミサイルには全く無意味
 ロケットタイガーのハンドロケットだが、普通のミサイルと何が違うのだろうか?それに砲塔が肩付けされているので、ハンドではない。
 味方のサポートで空中三角跳びが出来たダイナブルーだが、角度的にレッドがジャンプしてもブルーノキックに間に合わないように思える。
 巨大化戦でロケットタイガーの前にハンドロケットの発射台がせり上がってくる。そんな巨大装置がなんで普通の原っぱにあるんだ?
 ダイナロボを破壊するほどのロケットを装着したまま大爆発を起こしたロケットタイガーだが、ロケットに引火しなかったんだろうか?>
第44話 爆発!マグマ爆弾

  脚本:松本 功
  監督:山田 稔
 ジャシンカ帝国のショベルコングによって次々に電話線が切断され、日本中はパニックに陥る。調査を開始した弾北斗は、ジャシンカ帝国のアジトのヒントを得、
 敵はショベルコング。別段『ゴーグルファイブ』の巨大ロボットではない。右手にショベルをつけたゴリラ型のメカシンカ。高熱を発するマグマ爆弾を精製し、それを投げつけて東京を攻撃しようとする。姿の割に作戦を考えたのはショベルコング自身のようだ。
 東京を火の海にしようと言う、ある意味とてもいつも通りの話が展開する。
 今回もブラックナイトが登場。キメラから人質の女の子を助けたと思ったら、ダイナレッドに襲いかかったりと、相変わらず敵か味方か分からない行動をしている。
 今回はヘリコプターも使用され、シッポ兵がダイナマンを襲ってくる。こんな金をかけると言う事は、劇場版があったか?
 地味な描写だが、マスクをかぶった状態で、足場の悪い山道で活劇をするスーツアクターの努力が垣間見える話でもある。
<ショベルコングは地下の電話線を次々に分断するが、単純に電話を使えなくするためだったら電話局の基地局を襲えば良かったのでは?(ちなみに本作はNTTの前身となる電電公社の時代)
 唯一の手がかりを求めて一人で山へ向かう弾北斗。手がかりはこれだけなんだから全員で行っても全く問題無いと思うぞ。>
第45話 ママはゼノビア?

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 弾北斗が偶然拾ったスケッチブックにはお母さんの絵が描かれていたのだが、そのお母さんの胸にはジャシンカ帝国のマークが描かれていた。
 敵はレインボーカメレオン。マグマを吸収し、それを虹に変えて空にかけることが出来る。虹がマグマに戻すことで東京を壊滅させようとする。
 弾北斗と母を失った少女との交流を描く。弾北斗自身が早くに母を失っているため、母の愛を求めており、それを利用しようとするジャシンカ帝国に怒りを燃やすという話。親子の情を絡めた話だと、このレベルで留めておかないと深刻になりすぎるから、この程度の単純さで良いのだろう。
 ゼノビアの前に突然現れたダークナイトはゼノビアの野望について語る。ゼノビアと戦って一歩も引かなかったので、その実力が窺える。
<一応地上人の格好はしてるものの、見れば一発で正体が分かるゼノビア。不用心すぎる。
 ダークナイトの闇の舞は暗闇の中で光る剣がなかなか格好良いんだが、よく見ると、蛍光灯のアタッチメントが…
 ダイナレッドをゼノビアの元に行かせることでダイナマンの分断に成功したキメラ。だけどそのまま姿を消している。それでは一緒にみどりのところに行かせるだけなのでは?>
第46話 愛を貫くサーベル

  脚本:鷺山京子
  監督:東條昭平
 地震によって起こった地割れにより、ある兄弟が宝石を見つけた。実はそれはジャシンカに伝わるメドゥサの石像の目だった。ジャシンカ帝国に狙われることになった兄弟だが…
 敵はジェットムササビ。ムササビ型のメカシンカで、翼が機械となってる。胸にメドゥサの石版を装着し、それに見つめられた人間を石にしてしまう。かくれんぼうしてる子供の後ろに忍び寄り。「もういいよ」と言って子供が振り向いた途端石にしてしまうなど、お茶目な面もある。
 敵のお宝を偶然テニしたお陰で命を狙われる子どもを描く話。特撮全般における定番話だ。立花レイを中心に子どもとの交流が描かれていく。
<石にされてしまった子どもが出てくるが、目は普通の人間のもので、体はゆらゆら揺れている。随分柔らかい石のようだ。
 メドゥサの目が怖くて戦えないダイナマンに対し、ジェットムササビは小さなボウガンで攻撃してる。刺さってもたいしてダメージを受けてないように見えるが、随分可愛らしい攻撃だ。
 メドゥサの目を破壊したダイナマンは攻撃に転じるが、その攻撃はテニスウェアを着てテニスボールをぶつけるだけ。これまた可愛らしい攻撃だ。>
第47話 悪の願い十本尻尾

  脚本:曽田博久
  監督:服部和史
 カー将軍自らが出撃し、ドクガスイタチの毒を使い全ての生命体を滅ぼそうとする。思ったほどに効果は出なかったのだが、毒ガスの中に人間の遺伝子を変えるレトロウイルスが混入されたことが分かる。夢野博士から毒ガスについて調べよと命じられたダイナマンだが…
 敵はドクガスイタチ。イタチ型のメカシンカ。毒ガスというのは別段メカではない。大滝山のマグマガスを吸収し、それを強力な毒ガスにして吐き出す。マグマガスの中にレトロ遺伝子が混入していたため、作戦自体は失敗するが、カー将軍により、有尾人の尻尾を増やす可能性を発見するきっかけとなる。
 ラスト近くとなり、ジャシンカ帝国のもう一つの狙いであった十本尻尾を作る作戦が展開していく。カー将軍がレトロ遺伝子により尻尾を増やす可能性を見いだし、それに気づいたダークナイトとゼノビアが手を組んだ。
 一方ダイナマンの方も、いつもとちょっと異なる夢野博士の謎の発言に戸惑っている描写があった。どちらの陣営も不穏な空気が流れ始めている。
 レトロ遺伝子について言及あり。当時HIVが研究されているから、いちはやくそれを物語に取り入れたのだろう。
<レトロ遺伝子が岩から出てるというのが根本的な問題なのだが、それをマグマに混ぜたら遺伝子自体が燃え尽きると思うぞ。
 ドクガスイタチのガス攻撃に苦しめられるダイナマン。スーツの気密性はともかくとして、なんで笑わせるとか泣かせるとか、その程度のガスしか出せないのだ?致死性だったら一発で勝利するのに。
 ドクガスイタチの毒ガス攻撃を防ぐため、ダイナマンは円陣を組んで回転している。それではじき返すという確信はどこから来てるんだろう?>
第48話 夢野博士の大秘密

  脚本:曽田博久
  監督:服部和史
 有尾人の尻尾を増やすレトロ遺伝子が見つかり、ジャシンカ帝国の帝王アトンはカー将軍に調査を命じる。一方、レトロ遺伝子が15年前に遠山博士という人物が作ったものだと知ったダイナマンも遠山博士を探すのだが…
 敵はブーメランジャッカル。ブーメランとジャッカルの合成メカシンカ。遠山博士の作り出したレトロ遺伝子を奪うために作られた。手にしたブーメランでダークナイトが持つ遠野博士の肖像画を奪ったりする。レトロ遺伝子のカプセルを奪うため、シッポ兵を引き連れ、ダイナマンとラグビー遊びに興じる(?)
 有尾人の尻尾を増やすというレトロ遺伝子を巡る戦い。ダイナマンとジャシンカだけでなく、ブラックナイトも参戦し、三つ巴の争いとなる。
 そのレトロ遺伝子を作ったのが実は夢野博士だったというオチ。15年前は遠山博士という名前で、功名心に駆られてレトロ遺伝子を作ったが、それが元で恋人を失ったという悲しい過去があった。夢野博士がいち早くジャシンカ帝国のことを知り、対策を練っていたのは、これが元だという。
 最終的にレトロ遺伝子は破壊されたが、帝王アトンは十本尻尾になる夢をますます強くしたし、ゼノビアは完全に反逆者の目になってる。
<前に全部処分したというレトロ遺伝子だが、何故残っているのか全く説明が無かった。
 レトロ遺伝子は熱に弱いと言うが、マグマの中で特性を失わないほどだから、極端に熱に強いのだと思うのだが?
 ブーメランジャッカルの技はブーメランを投げつける技だが、当たると爆発するため、ブーメランである意味が無い気がする。
 レトロ遺伝子を処分するためにニュースーパーダイナマイトを使うダイナマン。その際ブーメランジャッカルにわざわざその容器を手渡し、一網打尽にしてしまうのだが、すげえ性格悪いやり方。ブーメランジャッカルもちゃんとお礼を言ってるし。
 レトロ遺伝子はタンクに詰めたもので全部らしいが、それ以前に地面に染みこんでるように見える。ジャシンカはそれを持ち帰ったらどうなんだろう?>
第49話 カー将軍の最期

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 レトロ遺伝子は全て破壊されてしまったが、再び夢野にレトロ遺伝子を作らせることを命じるアトン。それを受けてカー将軍はダイナマン全滅のため、最強のメカシンカであるコンピュータードラゴンを作り上げ、共に戦場へと向かう。コンピュータードラゴンの強さを見せつけたカー将軍は夢野博士を脅迫する。
 敵はコンピュータードラゴン。ジャシンカ帝国に伝わる伝説の竜とスーパーコンピュータを合成したメカシンカ。ダイナマンの戦闘データをインプットし、極端な強さを見せるが、一定の電波で操られてしまうと言う欠点があり、ダークナイトに操られ、挙げ句にダークナイトによって倒されてしまう。ダイナマンに倒されなかった唯一のメカシンカ。そしてカー将軍。コンピュータードラゴンが倒され、自らダイナマンを倒すために出撃する。
 結局ゼノビアとダークナイトの作戦は成功。カー将軍は殺され、夢野博士の身柄はゼノビアが確保。はっきりとアトンに対して宣戦布告している。
 レトロ遺伝子にまつわる話は続いている。焦ったカー将軍が夢野を脅迫するが、ゼノビアとダークナイトの邪魔によって帝王アトンの不興を買ってしまい、最後の戦いを挑んでくる。そしてカー将軍とダイナマンの戦いとなるが、瀕死の重傷を受けたカー将軍はコンピュータードラゴンを巨大化させたところで力尽きてしまう。
<有尾人が十本尻尾となったら天体まで動かす超能力を得るという。なんでそれを夢野博士が知っているのかは不明。
 ダークナイトの電波に操られてしまうコンピュータードラゴン。その台詞はあえぎながら「電波だ電波が飛んでくる。誰だ俺に命令するのは。あー、飛んじゃうー!」だった。コメントは差し控える。
 ダークナイトが暗闇で使う光る剣は格好良いのだが、一旦あれが蛍光灯だと気づいてしまうとねえ。
 最初にあれだけの力を見せつけ、夢野を恐怖させたコンピュータードラゴンがてんで弱いのがちょっと残念。等身大では唯一ダイナマンに倒されなかったメカシンカになった。>
第50話 よみがえった強敵

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 夢野博士がダークナイトとゼノビアにさらわれてしまった。その行方は杳として見つからず、焦りを深くするダイナマン。その頃夢野博士に催眠術をかけ、無理矢理レトロ遺伝子を作らせようとするゼノビア。
 敵はファイヤースフィンクス。カー将軍の忘れ形見のジャシンカ帝国最後のメカシンカ。ライオンの顔と人間の顔の両方を持つのが特徴的。ピラミッドパワーで透視能力を発揮する。巨大化はしない。
 クライマックス。ダークナイトの正体が明らかになった。既に分かっていたことだが、その正体はメギド王子。尻尾を失ったが故に逆に強力となった力でアトンに挑戦し、見事に父アトンを討ち取った。
 有尾人にとって、尻尾が増えると言う事はパワーを増すと言う事なのだが、最終目標である十本尻尾になるということの意味も明らかになった。十本尻尾は確かに強力だが、強力すぎるパワーは肉体をも冒してしまい、白骨化してしまう。最初に十本尻尾となったゼノビアはあっけなく死んでしまった。
 メギドに討ち取られたアトンだが、その力を認め、後をメギドとキメラに託した。父に認められたことによって、メギドはジャシンカ帝国の王となる。
 今回はほとんど主人公がメギド王子になっていて、ダイナマンはその正体を暴くためだけ。そもそも今回はダイナレッドしか変身してない。
<さらわれた夢野博士を探すダイナマンだが、適当にその辺走り回って名前呼ぶだけ。それはポーズだけで実際に探してるとは言わない。>
第51話 明日をかけた戦い

  脚本:曽田博久
  監督:東條昭平
 帝王剣を使ったメギドにより千年洞窟に閉じ込められてしまったダイナマン。夢野博士はダイジュピターを突入させることでダイナマンを助ける。ダイナマンの前に立ちふさがる新王メギド。
 敵はファイヤースフィンクス。ニュースーパーダイナマイトで倒されたが、ビッグバンビームが使えないため、巨大化はしなかった。そしてメギド。帝王剣を使い、ダイナマンのほとんど全ての攻撃を防いで見せたが、ダイナレッドとの一騎打ちで重傷を負い、その後グランギズモでダイナロボに突進した。
 最終回。ジャシンカ帝国との長い戦いもこれで完了。大分力が入った話で、出てくるシッポ兵もかなりの数に上る。10人以上は出てるし、それぞれのキャラも見せ場をしっかり作り、短い時間でよくここまで見せた。
 新王となったメギドはたった二話で倒されてしまった。思えば不遇なキャラでもある。でも最後は愛する人と共に死ねただけまだ幸せか?
<ダークナイトの時はあれだけ渋かったのに、顔を出した途端にいつものメギドに戻ってしまう。
 千年洞窟に腕が貫ほどの大きさの穴が空いてるのに、「これじゃネズミ一匹通れない」とか言っている。どんな大きさのネズミだよ。
 疲労のためほとんど気絶状態にあったダイナマンの面々が元気いっぱい戦ってるのは無理があるな。
 ダイナロボから降りたダイナマンが走ってくるシーンがあるが、背後でダイナロボがちゃんとポーズを取ってる。遠隔操作できたの?
 ラストシーンで子ども達がダイナマンに駆け寄ってくるが、どこにいたんだ?それに今し方採石場で戦ってたのに、海辺になってる。>
第52話