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ウルトラマン80

ウルトラマン80事典
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 1980'4'2〜1981'3'25

 「ウルトラマンレオ」で一旦中断したウルトラシリーズだが、1979年に制作された完全アニメーション作品「ザ☆ウルトラマン」が好評だったために製作された実写作品。
 丁度その当時始められた中学生を舞台とした「3年B組金八先生」のヒットにより、学園ものを目指して作られたが、それが上手く機能しているとは言い難く、12話で終了。その後はこれまでのシリーズを踏襲した怪獣退治へとシフトしていく。当時は30分一話で全部終わらせるのが普通だったため、学園と戦いの二つを一話でやるのが無理があったかと思われる。その意味では時代に乗り損ねたというか、少し早すぎた題材だったのかも知れない。
 特撮に関しては、これまでのシリーズの集大成と言ったところで、CG無しでの特撮技術に関してはシリーズ最高の出来とも言える。
 これまでのシリーズの中では重要な位置づけとして女性が大変多く登場するのも特徴だろう。最初の学園編でも、UGMでも多くの女性がキーパーソンとして登場し、初の女性型ウルトラマンであるユリアンも登場している。これも時代だろうか?

主な登場人物
矢的猛
ウルトラマン80
(役)長谷川初範。映画を中心に活躍し続けている俳優。
 ウルトラマン80が人間の姿を取った姿。怪獣を呼び寄せるのは人間の心の問題であることを主張し、根本的な教育から始めようと、中学の先生となる。そのため当初UGMはパートタイムだったが、中盤以降UGM一本に絞ったようだ。
オオヤマ一樹 (役)中山仁。数多くの映画やドラマに出演中。
 UGMキャップで、UGMの中では唯一過去に怪獣と戦った経験がある。矢的の正体がウルトラマン80であることを見抜いているらしい言動も多い。
イトウ順吉 (役)大門正明。時代劇や刑事物の主にテレビドラマに出演中。「電脳警察サイバーコップ」では織田久義司令官を演じている。
 ヨーロッパエリア支部から転任してきたUGMチーフ。オオヤマキャップの5年後輩にあたる人物で、豪快な性格をしている。一方繊細なところもあり、死んでしまった恋人のことを今も想い続けている。
城野エミ (役)石田えり。舞台、テレビ、映画に精力的に出演中。
 UGM隊員。極東エリア支部唯一の女性隊員で、主に通信を担当していた。猛への連絡のため桜ヶ岡中学に行った時は、こども達に猛の恋人と勘違いされている。43話でガルタン大王によって殺されてしまったが、最終話でそっくりなアンドロイドが登場する。
星涼子
ユリアン
(役)萩原佐代子。「科学戦隊ダイナマン」のダイナピンク立花レイ、「超新星フラッシュマン」のレー・ネフェルなど特撮にもよく出演している。
 ウルトラの星の王女で、80の幼馴染。ガルタン大王に追われて地球にやってきた。地球では星涼子という名前でUGM隊員となる。
相原京子 (役)浅野真弓。70年代から80年代にかけ、相当な数のテレビドラマに出演していた。
 猛と共に桜ヶ岡中学に赴任した体育教師。猛にとっては憧れの人。自分のために怪獣と戦ったウルトラマン80に恋している。学園編終了と共に登場しなくなってしまった。
小坂ユリ子 (役)白坂紀子。
 UGM気象班で、いつも天気の予報を教えてくれる。桜ヶ丘中学の事務員ノンちゃんとうり二つ。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 ウルトラマン先生

  監督: 湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:高野宏一
 桜ヶ岡中学校に赴任した新任の矢的猛。熱血だが、何故か怪獣がやって来ることを生徒達に警告する。一方地球防衛隊であるUGMでは、オオヤマキャップだけがやがて来るべき怪獣の出現を主張していた。
 敵は月の輪怪獣クレッセント。5年ぶりに現れた怪獣。地下を高速で移動し、目から発する熱線で動植物を変質させる。首の下に三日月型の白い模様がある。
 新シリーズ開始。なんせ主人公がこれまでの防衛組織だけでなく、学校の先生までやってるという異色の作品だけに、いきなり最初に中学校の入学式とか、明らかにこれまでとは異なる演出が目立つ。
 「ウルトラマンレオ」の時代から5年。既にもう怪獣は出ないものと日本はだらけきっていた。そんな中、中学校の先生矢的とUGMのオオヤマだけが怪獣の出現を予見していて、その予見が的中する。
 本作では、怪獣は醜い心や悪い心が満ちた時、怪獣が現れると、基本理論が成り立ってる。それでこの話で本作の狙いは、こども達の心を通して怪獣をどう見るかにかかっていることを示そうとしたようだ。
 防衛組織UGMも現時点ではだらけており、キャプテンのオオヤマ以外は勤務中にテレビゲームをやってたり、オオヤマが勝手に出撃するのを黙って見てた。
 そんなだらけきった日本に再び現れる怪獣。この話はまさしくバブルに移ろうとしている日本に対する警告のために作られたようなもの。
 ただ、勢いがあるのは認めるのだが、脚本にかなり無理が見えてるのも問題。ノリで作ってしまってしまってる感じがある。
 これまでウルトラマンシリーズはその活動年代がはっきりしていなかったが、本作に関しては冒頭ナレーションで「1980年」と断言している。これによって他の兄弟はともかく80の活動年代だけははっきりとした。
<UGMの中で実際に怪獣と戦ったことがあるのはオオヤマだけだという。たった5年でここまでだらけるものか?それよりこれまで戦ってきた人ってどこに行ったんだろう?
 日本全国の地中に現れたというクレッセントだが、東京に現れた時は光が集まって出現してる。例えばイーブル・スピリットが集まって誕生したとか、もう少し丁寧に説明して欲しいところ。
 ウルトラマンに変身するところを人に見られたら駄目。というのはシリーズのお約束。でも矢的は市街地で変身してるんだが。見られて構わないとでも思ってるのか?>

BOX1
第2話 先生の秘密

  監督: 湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:高野宏一
 中学校の採点しているところを、突然UGMに呼び出され出動させられた猛。現れた怪獣ギコギラーを撃退することには成功したが、今度は中学校では登校拒否の塚本と関わることとなる。
 敵は羽根怪獣ギコギラー。鳥型の怪獣で、口から熱線を吐き、羽ばたきで突風を起こす。背中が弱点で一度はUGMによって撃退されたが、その後弱点を克服して戻ってくる。
 中学の先生とUGMの二足のわらじを履くこととなった猛。あっちで引っ張られ、こっちで引っ張られで本当に忙しそう。
 特にこの当時社会問題となりつつあった登校拒否児童の話に焦点を当て、彼がクラスに受け入れられるまでを描くことになる。少々理論的に過ぎたり単純すぎるところがあるが、真面目に作ろうとしてる姿勢だけは認めよう。
 どうしても学園の方に重点が置かれてしまっているため、怪獣が味付け程度にしか出てないので、やっぱりバランスは良くないな。両立して話を成立させるなら、常に前後編にするくらいでないと出来なさそう。
 ほんの短い時間だとはいえ、特撮部分はえらく力が入ってる。特にミニチュアの家やビルを破壊するシーンは相当な苦労が見える。
 なんかあっという間に戦闘機パイロットまでやらされてる猛。これができることもスカウトの理由だったのか。さもなければここで訓練したのか?
 私事ではあるが、正直な話、リアルタイムではこの話を観て、視聴継続を諦めた。丁度思春期の入りかけにこの話はきつかったな。
<パワーアップすることまでは知らなかったようだが、最初からギコギラーの弱点を知っていたようなオオヤマキャップ。既に地球に来たことがあったのかも知れない。
 1年D組のクラスメイトの良さを塚本に説明する猛は「あの子だったら俺だって彼女に…」その発言はやばすぎる。
 なんか塚本には既に80が猛だとばれてしまってるみたいだが、知られたら地球にいられなくなるんじゃなかったか?
 その塚本だが、声援してる時にしっかり「80」と呼んでる。その名前どこで知った?>
第3話 泣くな初恋怪獣先生の秘密

  監督: 深沢清澄
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:高野宏一
 失恋してしまった真一の悲しみの心にマイナスエネルギーが反応し、怪獣ホーが現れた。信一の心をおもんばかり、説得を試みる猛だが…
 敵は硫酸怪獣ホー。コウモリのような姿をしている。真一の悲しみの心にマイナスエネルギーが反応して誕生した怪獣。哀しそうな声を上げ続け、硫酸の涙をまき散らす。
 中学生の恋愛話と絡めて怪獣の誕生が描かれる話。人間のマイナスエネルギーが怪獣を有無という本作を象徴する話に仕上げられた。人間の悲しみに反応してると言うだけあって、悲しげな泣き声を上げ続ける怪獣ってのもなかなかシュールだ。
 怪獣と戦うにはUGMの制服を着る猛だが、怪獣を生み出した真一を説得するためには私服になってる。この辺きちんと使い分けてるのが面白い。
 猛にとって京子は同僚であると共に憧れの人。真っ正面からアタックかけてるのは、やっぱり異星人だけに遠慮が無いのかな?前回まで京子の方がむしろ猛を気遣っていたようだが、立場はすっかり逆転してしまった。なんか猛がストーカーじみたことまでやって、逆に真一に励まされていた。
<猛は真一に好きな女の子の為にバイトをして楽器を買ったが、その女の子には既に恋人が出来ていたとか話していたが、それってM78の話?ウルトラ一族でもそんな事があるんだろうか?>
第4話 大空より愛をこめて

  監督:深沢清澄
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:高野宏一
 謎の怪電波を発する隕石が落下する。調査を開始するUGMだが、同じ電波を発する物体が地球に接近している事を知る。一方、猛は1年D組の“スーパー”こと進に手を焼いていた。事情を聞くと、スーパーのお姉さんが結婚し、父が再婚を考えている事からくるものだと分かる。その複雑な心境をとらえようとする猛だったが…
 敵は親怪獣マザーザンドリアス。ザンドリアスの後からやってきた親怪獣。ザンドリアスを説得して宇宙に帰らせようとする。そしてだだっこ怪獣ザンドリアス。地球に最初にやってきた隕石の中にいた子怪獣。反抗期らしい。
 人間と怪獣の親子を対比させる話。作品としてはありがちな感じなのだが、どっちもオチとして親子喧嘩だったという変な話になってる。結局どちらも80及び猛を仲介に仲直りすることで全部OK!になってしまう。かなり無茶苦茶。
 今回の80は基本自分が悪者になることで親子怪獣の仲を取り持った。こう言うのは珍しい話だ。
 スーパーは寺山修司を引用し、こんな世界なんかぶっ壊れてしまえばいいと言っている。なかなか博学なキャラだが、「書を捨てよ」が「教科書を捨てよ」になってる。
 今回の80の戦いも話に合わせてか、妙に軽めの音楽が使用されてる。これで良いんだろう。
 ちなみにスーパーの姉役で登場するのは島本須美。ウエディング姿まで披露している。
<ノンが校内放送をする際、放送室にいるのにメガフォンで「空襲警報発令」と言った後、改めてマイクで放送するシーンあり。なんかツッコミ所ありすぎて逆に反応に困る。
 ザンドリアス同士の戦いは親子喧嘩と言う事で決着が付くが、それで人間の方は甚大な被害受けてる訳だからなあ。いや、それを言ったらそもそも登場した怪獣の何割かはこの程度の感じで出てきて殺されてきてるんだろうとか考えてしまう。。>
第5話 まぼろしの街

  監督:湯浅憲明
  脚本:山浦弘靖
  特撮監督:高野宏一
 テストの採点をして遅くなった猛は慌てて最終電車に飛び乗る。だが、その様子がおかしいと感じた途端、見知らぬ空間に降りることになってしまう。そこでは80に変身することも出来ず、完全に閉じ込められてしまったのだが…
 敵は四次元宇宙人バム星人。人間の目には見えない四次元空間を作り出し、前線基地を作っていた。邪魔となる矢的猛を四次元空間におびき寄せ、80に変身出来なくしてしまう。そして四次元ロボ怪獣メカギラス。ベル星人によって作られたロボット怪獣。四次元空間を通して神出鬼没に現れ、UGMの基地を次々と破壊する。
 「ウルトラQ」の「あけてくれ!」と「ウルトラセブン」の「怪しい隣人」を合わせたような話で、かなりの不条理劇が展開する。次元を超えて大切な人の声が聞こえるとか、コントロール装置を破壊して話を終わらせるのも「怪しい隣人」と同じ。四次元空間で変身できなくなるのは「ウルトラセブン」の「空間X脱出」からか?
 本作の特徴として、猛が消えた後の様々な反応が見られる事だろう。特に生徒や教師達の反応が個性的。生徒の中にも、失踪をおもしろがっているのもいれば、真剣に心配してるのもいて、先生としての猛の存在感が面白い。それらがやがて大きな声になっていくあたりは、なかなか感動的でもある。
 最初のメカギラスとの戦いでは80無しで戦わなければならないUGMの活躍がたっぷり見られる。
 そのメカギラスだが、完全箱形のロボット怪獣というのはシリーズではかなり珍しい。飛び回る80を首を回転して見ているとか、いかにもロボットらしい挙動が面白い。
 隙だらけに見えながら、意外にしっかりした物語で、ツッコミ所もさほどない。
<最初に星座の位置がおかしい事を知っていながらそのまま電車に乗ってしまう猛。本来地球を守る事が任務なんだから、もうちょっと敏感でも良いと思うんだけど。>
第6話 星から来た少年

  監督:湯浅憲明
  脚本:広瀬 襄
  特撮監督:高野宏一
 勉強もスポーツも苦手な1年D組の明男は、ひたすら星を見て過ごす日々を送っていた。ある日UFOを見た明夫は、UFOが自分を迎えに来たと思い…
 敵はUFO怪獣アブドラールス。飛来した宇宙船から現れた怪獣で、北ヨーロッパ、オーストラリアを襲った後、日本に襲来する。
 自分が地球人ではないと思いこんだ少年の話。劣等感の固まりは、時としてここは自分の居場所ではない。と思ったりするもの。こう言う子供はとにかく扱いにくいものだが、その扱いにくさを結構上手く表現したんじゃないか?ラストが単純すぎるのが難点だが。
 一緒にいたのに明男を怪我させたと言う事で教頭からなじられる猛の姿あり。ヒーローの悲しみだな。
 この話で出てくる宇宙船はこれまでに無いデザイン。なんか『未知との遭遇』っぽい。
<猛に「僕はどこの星の人?」と聞く明男。なんで担任の先生がそれ知ってると思ってるんだ?いや、実際に猛は宇宙人なんだが。
 明男に言わせれば宇宙人はヒューマノイドと言うらしいが、ヒューマノイドとは「人間型」という意味で、別段宇宙人と言う意味じゃないけど。
 80を声援するのは良いんだけど、明らかな危険地帯から動こうとしない1年D組の生徒は危機感なさすぎ。
 登校拒否児童を「卑怯」という猛。今の時代それを言ったらパワハラと言われてしまう。>
第7話 東京サイレント作戦

  監督:深沢清澄
  脚本:田口成光
  特撮監督:高野宏一
 ヨーロッパで開発された超音速旅客機がテスト飛行中に撃墜された。そんな時、中学生バンドを組みたいという生徒の声を受け、猛はその指導をしていたが、その騒音が近所の住民に通報されてしまう。
 敵は騒音怪獣ノイズラー。音をエネルギーとして吸収する怪獣。物理的攻撃はあまり通用せず、むしろその音を吸収して強くなる。結構お茶目なところがあり、音を吸収するため中学生バンドに演奏を続けるよう促したり、80と相撲を取ってたりする。音楽に合わせて踊ったりもしてた。
 先生として、こどもが打ち込むものに体当たりで挑戦する猛の姿が描かれるが、物語としてはUGMの怪獣退治の方がメイン。どちらも“騒音”がテーマになってる。
 ただ、二方向で展開する物語のため、これを全部描こうとするなら前後編にする必要があった。なんかラストで猛が首を傾げて「ちょっと出来すぎだな」と呟いてるシーンがあったけど、全くその通り。
 ノイズラーは退治することが出来ないため、宇宙に返す作戦が取られたが、その際に東京の全ての音を消すと言う豪毅な作戦が展開する。これは後に「新世紀エヴァンゲリオン」でパクられた。
 音を主題にした作品は「ウルトラマンA」の「この超獣10,000ホーン?」に共通してる。又作戦自体が結構コミカルなのは「ウルトラマン」の「空の贈り物」っぽくもある。色々とオマージュが詰まった作品でもある。
<東京全体の音を消したのに、よりによって桜ヶ岡中学の生徒だけが音を出していたってのは無理があるな。
 それで原っぱで彼らは演奏していたけど、電源はどこから取ってきたんだろう?ノイズラーから逃げ回って、勿論電源もないのに普通にエレキ弾いてたし。
 ノイズラーはカラータイマーの音が嫌いらしいが、なんでその音鳴らし続けてる80がノイズラーを連れて行けるのだろう?>
第8話 よみがえった伝説

  監督:深沢清澄
  脚本:平野靖司
  特撮監督:高野宏一
 石倉山で生徒と一緒に鍾乳洞見学を始めた猛。そこで出会った日比野という博士は、この鍾乳洞には怪物が出ると言うのだが…
 敵は復活怪獣タブラ。3000年前に光の巨人によって石倉山に封印されたという怪獣。人間を食料としており、長い舌で人間を捕らえては食っていた。
 伝説の勇者がウルトラマンだった。と言う話でこのパターンは結構多用される。「ウルトラマン」でも7話「バラージの青い石」で使っている。ただ、舞台が日本だから、安っぽくなってしまったのが残念。
 今回桜ヶ岡中学の生徒とUGM隊員が初邂逅。猛がUGM隊員だというのは秘密なので、タジマ隊員は猛を「友人」と紹介している。
 あと、いつもおちゃらけている落語が滑落してしまい、酷い目に遭ってる。その落語を助けるために猛の怪力を見た落語は「宇宙人みたいだ」とか言ってる。明らかに怪しいのは事実なんだが。
<本作の最大の問題は、3000年前に現れたという光の巨人を猛が「遠い祖先」とか言ってる所ではないだろうか。ウルトラマンはもっと長生きで、80だってもっと歳食ってる(8,000歳という設定あり)。
 そもそも3000年前に起こったことって、日本では記録を残す手段は一切無いはずなんだけどね。
 瓦礫の下敷きになった猛が80に変身したら、地下から飛んで現れた。そんな深いところに閉じ込められてなかったはずだが?>
第9話 エアポート危機一髪!

  監督: 湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:川北紘一
 京子に見合い話が舞い込んだ。気が気でない猛だが、京子を慕うこども達は早速お見合い阻止作戦を展開。そこに怪獣出現の報が舞い込む。
 敵はオイル怪獣ガビシェール。本体は菌糸のような存在で、地中を移動し、石油の臭いを嗅ぎつけると怪獣化する。口から鞭のような触手を伸ばし、炎を吐く。中国を襲った後、日本各地のコンビナートを襲う。
 猛の中学校教師にウェイトが置かれたコメディ編。一方では特撮にもえらく力が入っていて見所も多いのだが、やはりバランスが悪い。この手の話はやっぱり2話使わねばしっかりした物語は作れないな。ガビシェールは造形も良いだけに勿体ない。
 ついに生徒達の前で変身を決意する猛。生徒の一人一人に別れを告げ、まるで最終回みたいな展開だったが、炎にまかれ変身を見られなかったというオチがついた。折角ここまで盛り上げておいて。
 特撮技術の向上は凄いもので、特に炎と爆薬の使い方は芸術的センスまで感じられる。特技監督の川北紘一の面目躍如。
 相原は最後に見合い話を断ったのだが、その理由は80に恋したからだそうだ。えらく複雑な三角関係だな。
<逃げるガビシェールを前に、変身できない自分に歯がみする猛。変身するところを人に見られたら地球を去らねばならない。とのことだが、これまで散々やってきたことでは?
 相原の見合いを知り、空港に向かう四人組と猛。教師が学校を放って置いていいのか?
 ハカセは相原先生に「お母さん」と抱きついてる。中学生にとっては屈辱的な行いだが、いくらなんでも無理がある…と思ったら、簡単に看破されてた。
 炎のために変身の瞬間を見られなかったという猛。でも変身ポーズ取って「エイティ」とか叫んでるのは見られてるんだけど。>
第10話 宇宙からの訪問者

  監督: 湯浅憲明
  脚本:土筆 勉
  特撮監督:川北紘一
 80の幼なじみアルマが地球へやってきた。次々に地球人達と問題を引き起こすアルマだが、彼女の真の狙いとは…
 敵は宇宙生物ジャッキー。アルマの連れてきたペットで、動物と合体する事が出来る。人間のマイナスエネルギーを取り込んでしまったため、凶暴化してしまう。そして変形怪獣ズルズラー。動物園の象がズルズラーを飲み込んでしまったために誕生した怪獣。80が体内に入ってジャッキーを取り出すことで元に戻る。
 今回も学校にウェイトが置かれ、コメディ色が強い話。押しかけ女房的なアルマが大騒動を引き起こすのだが、これって後にハーレム系アニメで多用されるようになった構造に他ならない。時代の最先端を行っていた話だったのかも知れない。
 一方で設定はハードでもある。アルマは銀河共和同盟という組織から人類を監視するためにやってきた存在であり、それで闘争本能が高すぎると判断すると、人類を滅ぼしてしまうという物騒なもの(この設定は「ウルトラセブン」の「盗まれたウルトラアイ」が似ている)。本作ではマイナスエネルギーという概念を取り入れたため、それを生み出す存在は悪とされると言う物語構造を取ってる。
 このようなコミカルとハードを両立させようとした話は本作には結構あるが、それが上手く行った話はそう多くない。本作は珍しい成功例かもしれない。
 ズルズラーの中で戦う80の姿は「ウルトラセブン」の「悪魔の住む花」に似ているが、これも特撮技術の向上によって見栄えが相当増してる。
<弁当の中にジャッキーがいることに驚いたノンは「サザエなんて入れたかしら?」とか言って食べようとする。もし食べたら怪獣になるのはこの人だった。相当な天然キャラだ。
 UGMからの連絡は「すぐ動物園に行ってくれ」だった。それだけでどこか分かる猛は凄い。>
第11話 恐怖のガスパニック

  監督:深沢清澄
  脚本: 平野靖司
  特撮監督:高野宏一
 天然ガス精製が行われている肥留間島から巨大な卵が出土し、孵った怪獣はどんどん大きくなっていった。通報を受けたUGMが出動するが、怪獣の体内には一酸化炭素が充満していることが分かり、迂闊に攻撃は出来なかった。
 敵は毒ガス怪獣メダン。肥留間島から出土した卵から生まれた怪獣。まだ小さい内に破壊されたが、生き残った細胞が増殖して再生してしまう。鼻から伸びる管からガスを吸い、一酸化炭素を吐き出す。冷凍ビーム弾によって凍らされた後で80に宇宙に運ばれ、サクシウム光線で破壊された。
 全編怪獣とUGMとの戦いが描かれた話。こちらの方がシリーズの一本っぽくて良い。
 これまで桜ヶ岡中学が舞台になることが多かったため、今ひとつ存在感が低かったUGMだが、今回は全編に渡って活躍。それぞれの隊員に見せ場が与えられ、これまでの巨大空中戦艦であるスペースマミーも初登場。特撮技術が上手く、巨大感が充分演出できていた。
 特殊攻撃を持つ怪獣に知恵を絞って対抗するUGMと、それに協力する80のタッグの描写も良し。
 猛も次の日に学校があるから。と帰ろうとしても、結局帰ることが出来ず、丸一日を怪獣退治に潰されることになる。このパターンは「ウルトラマン」の「空の贈り物」っぽくはあるが、こちらはコメディではなく真面目にやってる。
<メダンに雷を落としてはならないと、スカイハイヤーを避雷針代わりにするハラダ。ところで飛行機って避雷針になるの?
 スカイハイヤーの代わりに自ら避雷針となり雷を受け続ける80。せっかくでっかいんだから、長い金属を持ち出すなり、メダンを抱えて飛ぶなりもっと効率良い戦い方も出来そうだ。>
第12話 美しい転校生

  監督:深沢清澄
  脚本:広瀬 襄
  特撮監督:高野宏一
 ハカセの下駄箱にラブレターが入れられていた。それは女生徒達の悪戯だったのだが、待ち合わせ場所には実際に一人の少女がいた。ミリーというその少女とあっという間に仲良くなる二人だが…
 敵はビブロス星人。宇宙征服の第一歩として地球とウルトラマン80を消すためにミリーとゴラを送り込んだ。そしてマグマ怪獣ゴラ。80抹殺のためにビブロス星人が送り込んだ怪獣で、隕石となって落下し、浅田山の噴火口でエネルギーを溜めて現れた。両手から赤い光線を出し、80と光線技の応酬を繰り広げる。
 学園編の最終回となった話。確かに色々浮いていたけど、もう少し練り込んでいればまだ話を続けることは出来たと思う。今から考えると、ちょっと勿体なかった。
 ハカセが話の中心となる。頭が良いだけだと思われたハカセが意外に積極的な性格をしていたことが分かる。初めて出来たガールフレンドにすっかり舞い上がるハカセだが、それを温かく見守る猛の眼差しが良い。
 学園編が終わった理由として考えるに、今回のように宇宙人が猛を標的とした場合、中学校を守りきる事が出来ないと判断したのだろう。このままではそう言う話ばかりになるし、死者も出るかもしれないと、スタッフも考えたのかも知れない。まあ実際は作りにくさを実感したからなんだろうけど。
 ゴラを倒した後のミリーがどうなったかは分からないが、ビブロス星人の上司は「この作戦の失敗はお前の死を意味する」と言っていたことから、既にいなくなってしまったのだろう。それを「オランダに帰った」と説明している猛と、涙を拭くハカセの対比が良い。
<猛の自転車が突然爆発し、その後屋根の上から真っ黒になって現れた。人一人吹っ飛ばすほどの爆発なのに、それ以外全く被害がなかった。>
第13話 必殺!フォーメーション・ヤマト

  監督: 湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:川北紘一
 街に現れ暴れ始めた怪獣サラマンドラに出動するUGM。猛の機転とオオヤマキャップの射撃の腕で怪獣は撃退できたが、帰還したオオヤマの元に、世界各地のUGMキャップが次々に暗殺されているというニュースが飛び込んできた。次は自分かも知れないという不安の中、立派に業務を果たすオオヤマだが…
 敵はどくろ怪人ゴルゴン星人。地球攻略の第一段階としてUGMのトップを潰す作戦に出て、ヨーロッパとアメリカのキャップを倒した後、日本に矛先を向ける。そして再生怪獣サラマンドラ。ゴルゴン星人によって送り込まれたオーソドックス型の怪獣。細胞一つからもゴルゴン星人のエネルギーを受けると再生する。
 学園編終了と共に始まった新展開の第一回目で、隊員それぞれの個性を出そうとしているのが分かる。今回の主人公はオオヤマキャップ。「ウルトラマンA」の21話と構造は似ているが、こちらの方が切実度も完成度も高い。怪獣に集中できる分、見せ方もぶれずに集中できた。80の変身シーンも懐かしいパースのものへと変化。
 人間に化け、群集心理を利用して人を追いつめる狡猾なゴルゴン星人の設定は、80年代になって増えてきた市民運動をそれとなく皮肉ってる気もする。でもこう言うさりげない時事ネタは面白い。
 猛もUGM隊員として立派に勤め上げているが、単に命令を聞くだけでなく臨機応変で対応してる。そんな猛のスタンドプレーをちゃんと評価しているオオヤマもなかなか度量が大きい。
 今回もスペースマミーが登場。巨大感を表すのが本当に上手い。特撮には本当に力はいってる。
<ゴルゴン星人が化けた人間は、完全な人間だったという分析結果があった。この設定活かしたら、明確な敵対戦力を作れたはず。ちょっと勿体なかった。それよりオオヤマの無実は最後まで証明されてないぞ。>
第14話 テレポーテーション! パリから来た男

  監督: 湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:川北紘一
 UGMヨーロッパ支部から日本支部へ新しいチーフとして転任となったイトウを迎えに行ったUGM隊員たち。だが突如イトウの乗るジェット機が姿を消してしまう。その後突然基地に現れたイトウを、隊員の面々はいぶかしみつつ迎える。着任早々命懸けの訓練を命じるイトウだが…
 敵はテレポート怪獣ザルドン。目からテレポート光線を発し、任意の物体を好きな場所にてレポートさせることができる。テレポート光線を反射させられ、自分の方が異次元に転送させられてしまう。
 前回のオオヤマキャップに続き、新任隊員にして、隊員の上司となるイトウの登場の話。特に新任だからこそ出来る話が展開している。実際行動が怪しすぎるし、それについて何にも説明しないイトウの方も悪いのだが。そりゃいきなり何もない空間から現れたり、訓練で無茶な命令をしたり、謎の行動を取ったり。怪しまれない方がおかしい。
 そう言った疑心暗鬼に囚われた時に、それぞれの隊員の反応が面白く、よく人を描写してくれている。今回はハラダがイトウをエイリアンと決めつけて突出するが、これも良い性格描写になってる。これは脚本の勝利とも言える。
<UGMの征服はオレンジを基調とするため、夜目にもよく目立つ。そんな格好で尾行するハラダと猛は傍から観ると馬鹿みたい。
 ザルドンのテレポート光線から逃れるのはマッハ2の飛行が必要だというのだが、そんなのがよく分かったな。いや分かったら全世界の支部にレポート出してないか?実はUGMって縦割り組織?>
第15話 悪魔博士の実験室

  監督:広瀬 襄
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:高野宏一
 宇宙巡航を終えて地球に戻ってきたスペースマミー。ただ、同乗していたUGM広報担当のセラは宇宙で迷子になっていた怪獣の赤ちゃんを保護し、地球に連れてきていた。
 敵は実験怪獣ミュー。セラ隊員によって宇宙から連れてこられた怪獣の赤ちゃん。元々体長60センチ以上にはならないはずだが、怪獣の巨大化を研究している中川博士によって巨大化させられ、凶暴化して暴れ回った。80により元の大きさに戻されて宇宙に帰された。
 隊員紹介の3回目。今回は広報担当のセラが登場する。そう言えばシリーズ全体でイメージアップの話は結構何話も作られている割に広報担当の人が出てくるのはこれが唯一じゃないか?
 もう一人UGMの紅一点城野エミもピックアップ。お父さんが高名な怪獣学者であることもここで分かったし、ミューをかわいがってたり、優しさをよく演出している。エミが全戦で戦っている姿は結構珍しいが、ミューを攻撃したくないというエミの心情がよく表されていた。その城野博士役は佐原健二。「ウルトラQ」の万城目淳だよ。
 ミューの扱いに対し、すぐさま「捨ててこい」というイトウチーフと、まずその生物のことを調べてみろというオオヤマキャップもさりげなく良い対比になってる。
 一方人間の科学が怪獣の生態も破壊してしまうと言う、シリーズを通して何度か出てきたテーマもあり。怪獣を巨大化させることだけに熱心な中川博士の姿は見事なマッドサイエンティストだ。こう言うキャラは好きだな。
 11話で登場したスペースマミーが再登場。6ヶ月の宇宙巡航をしていたということから、複数持っていないとするなら、あれから6ヶ月も経過したと言う事になる。桜ヶ岡中学のこども達ももう結構大きくなっていることだろう。
 「ウルトラマン」に登場した怪獣墓場が登場。細かいところでちゃんとシリーズの設定を受け継いでいるのが好感度高い。
<赤ん坊状態と等身大状態では全く姿が違うミュー。それをあっという間に見分けるエミが凄いけど、スキップして近づいてくるのも凄いな。
 ミューがあんなに大きくなるはずがない。と言ってる城野博士。昨日中川博士から怪獣巨大化の話を聞かされたばかりなのに、それを全く考えてないのは何故?
 最初、親に会えないだろうからと、ミューを宇宙に返すのには反対していた猛だが、結局それを自分でやることになった。ミューの結末はやっぱり悲惨なものになるんじゃないだろうか?>
第16話 謎の宇宙物体スノーアート

  監督:広瀬 襄
  脚本:平野靖司
  特撮監督:高野宏一
 科学技術館で開かれている宇宙展で大人気のスノーアート。それを見た者は魂を奪われたような状態になってしまう。しかし実はそこには宇宙の悪魔が封じ込められていたのだ。
 敵はテレパシィ怪獣デビロン。宇宙の悪魔と呼ばれるテレパシー能力を持つ怪獣。ルリヤ星人によってスノーアートに封印されていたが、赤外線を当てられて復活。城野エミ隊員に憑依してしまう。そして友好宇宙人ルリヤ星人。馬頭星雲近くの宇宙人で、数億年前にデビロンをスノーアートに封じ込めた。その姿は人間と酷似している。
 ここまで続いた隊員紹介とは少々違うが、今回は城野隊員にスポットを当てた話となり、怪獣に憑依されてしまった隊員を救う。
 今回は封印された怪獣を解き放ってしまうと言う部分は「ウルトラマン」の「悪魔はふたたび」。隊員が憑依されるのは「禁じられた言葉」、あるいは「ウルトラセブン」の「悪魔の住む花」を思わせる話に仕上げられた。デビロンの攻撃によって地球を守る人達が悪の心に染まるのは…そういえばこれに関しては他に無かったな。後の平成作品では心理描写に力が入っているため、この手の話が多くなるのだが。
 今回の80の戦いは心理的な部分が強く、エミに憑依したデビロンを自分の中に取り込んだ上で分離して攻撃していた。なんか『エクソシスト』っぽいな。
 ここでも隊員の個性がよく表れており、イトウチーフは自分のことを「蝶とゴキブリの違いも分からない」とか言って、自ら無粋であることを明かしており、ルリにたしなめられてる。
 そう言えば猛は「エミ」と何度も名前の方で呼んでいた。いつの間にかこの二人の関係が近づいてるような感じ。
<人間の心が悪になると目の周りに黒い縁取りが出来る。このメイク70年代の東映が得意とした描写だな。
 空に浮かび攻撃を仕掛けるデビロンだが、アップになるとやっぱり釣り糸が…
 防衛隊が持つ銃は全部M16なのだが、光線を撃つ時は形状が違ってる。
 悪の心を持ってしまったイトウチーフは、80を攻撃する時「ふへへへへ」とか笑いながら…その顔はまりすぎだよ。>
第17話 魔の怪獣島へ飛べ!!(前編)

  監督: 湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:佐川和夫
 潮風島に異変が起こったことが報告された。防衛軍の見立てでは全く異常がないが、それが気になったオオヤマはイトウに休暇を取らせて調査に当たらせた。だが潮風島に行っていたイトウからの通信が突然途切れてしまった。
 敵は人間怪獣ラブラス。何者かによりイトウが怪獣化させられた姿。そしてタコ怪獣ダロン。潮風島近くに住む怪獣で、ラブラス同様何者かに操られている。
 本作唯一の前後編の話で、「ウルトラマン」の「怪獣無法地帯」をモティーフにした話だが、人間が怪獣化させられるというのはオリジナル部分。ただ、脚本が間延びしてしまった感はあり。
 今回の話では映像の説明不足をナレーションでカバーしようとしてるようだが、その説明が80の心情とか余計なところまで至っているため、ややうざったい。
 今回中心となるのはイトウチーフ。突然怪獣化させられるとか、色々不幸な目に遭わされがちなキャラだ。
<潮風島の中にある行川アイランド。千葉にあったはずのリゾートが何故孤島に?タイアップ企画なので、しょっちゅう行き来してるのが泣かせる。
 謎の女性の名前は明かされていないのに、ナレーションでいきなり「沢子」と言われている。脚本に難があるな。
 その沢子に事情を聞こうと問い詰める猛達だが、怪獣ダロンが現れると、「避難してください」とか言っている。言ってることが矛盾してるよ。
 ダロンの触手で吹き飛ばされたハラダとタジマの目の前で80に変身する猛。ばれるんじゃないか?>
第18話 魔の怪獣島へ飛べ!!(後編)

  監督: 湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:佐川和夫
 二大怪獣の挟撃にあった80だが、イトウの意志力で正気を取り戻したラブラスの助けを借り、ダロンを倒すことに成功した。だがラブラスをイトウに戻すには至らず。怪獣を操る音波を調査する猛らだが…
 敵は前回に続き人間怪獣ラブラス。そして彼らを操っている吸血怪獣ギマイラ。20年前に地球に降り立った宇宙怪獣で、催眠要素のある霧を使って人間を呼び寄せ、その血を吸って力をためていた。その力は80をも凌ぐ。ラブラスの助けを借りた80によって倒された。
 潮風島での80の戦いを描く後編。何故イトウが怪獣にされてしまったのか、星沢子が何故UGMの邪魔をするのかが語られることになる。実は沢子がイトウの婚約者であり、更に20年前に地球にやってきた宇宙人だとのこと。でも何故UGMのキャンプを襲ったのかとか今ひとつ分かりづらいところあり。ドラマとして重くしようとしたが、それが上手くいってなかった感じ。
 怪獣化された人間を元に戻すには殺すしかないと言うことで、ギマイラに対してどのように戦ったらいいのか、苦悩する80の姿があり。実際一度本当に死んでしまった後に沢子の命をもらうことで甦った。
<ギマイラの霧の中で平気でいられるのは宇宙人だけ。あらかじめそれを言っていながら平気で霧の中に突っ込んでいく猛。それって「私は宇宙人です」と言ってるようなもんだ。
 沢子の一族はギマイラに追われて地球に来たとのこと。それでギマイラを仇と狙っているのだが、ギマイラと同じ島にわざわざ住んでいながらこの20年間なにもやってなかったのは何故?
 ギマイラによって怪獣化されてしまったイトウだが、元に戻った時にはちゃんと服を着ていて、しかも全然汚れてない。そんなもんなの?>
第19話 はぐれ星爆破命令

  監督: 野長瀬三摩地
  脚本:若槻文三
  特撮監督:高野宏一
 外宇宙から太陽系に向かって軌道を変えた遊星レッドローズ。このままでは地球に衝突してしまう対策を迫られた各国は、核爆弾を用いてレッドローズそのものを破壊するローズプロジェクトを発動する。だが、その放射能の影響で、衛星上の生物が怪獣となってしまうのだった。
 敵は惑星怪獣ガウス。遊星レッドローズの衛星ガウスにいた生物。レッドローズ破壊の際放射能を浴びて怪獣化する。80のテレポーテーションで違う天体に連れて行かれた。
 巨大な星が地球に近づき、それを撃退する。ウルトラシリーズではちょくちょく出てくるテーマの話だが(「ウルトラマン」の「怪彗星ツイフォン」、「ウルトラセブン」の「ダーク・ゾーン」、「帰ってきたウルトラマン」の「暗黒怪獣 星を吐け!」、「ウルトラマンA」では「怪獣対超獣対宇宙人」、「ウルトラマンレオ」ではウルトラ星接近や円盤生物の話など)調べてみたら、その大部分が若槻文三脚本作品だったりする。この人が好むパターンなんだな。ちなみに人間によって破壊された星から復讐のために怪獣がやってくるのは「ウルトラセブン」の「超兵器R1号」と同じだが、これも若槻脚本だったりする。
 前半部分で地球そのものの大きな危機と、その回避が凝縮して描かれる。これだけでも充分一本分、しかもラストストーリーとして作られ得る話。そして後半は人間が作り出してしまった怪獣とウルトラマンの戦いと、矢継ぎ早に見せてくれる。かなり見事な出来と言って良いだろう。ただ、時間が短すぎたため、タメを作ることが難しかったようで、ちょっと駆け足すぎ。ガウスを他の星に連れて行ってお終い。と言う脚本も主題をずらしてしまった感あり。丸2話使うべき話だったか?
 他のウルトラシリーズと世界が共通であれば、核爆弾以上の威力を持った兵器(例えばR1とか)があるのに、あくまで核爆弾にこだわったのは、やはり核の危機を描きたいためか?
 今回はオオヤマキャップがおらず、イトウが指揮を執っているが、レッドローズ破壊で苦い表情をしているイトウチーフに対し、他のUGM隊員は大変脳天気に喜んでる。この対比もなかなかよろしい。
第20話 襲来!! 吸血ボール軍団

  監督: 野長瀬三摩地
  脚本:土筆 勉
  特撮監督:高野宏一
 宇宙訓練を終え、地球へと戻る防衛軍宇宙船のムーンセレナーデ号が連絡を絶った。その後地球に多量に降ってくる多量のボール状生物たち。それを追い、UGMは調査を開始する。
 敵はコブ怪獣オコリンボール。二つの突起を持った小さなボール状生物で、多量に発生する。人間を襲い、脳と心臓に触手を打ち込む。充分に栄養を蓄えるとリーダーボールと合体して巨大化する。リーダーボールを倒されない限り復活する。
 怪奇趣味たっぷりに仕上げられた話。特に冒頭辺りだと、日常の中に入り込んでくる恐怖といった風情で「怪奇大作戦」でも違和感ないくらい。人間が体中の血を抜かれて殺されてしまう描写も、安っぽいけどなかなかよろしい。小さなボールが多量に出てきて少しずつ近づいてくるのもホラーの定番。そして見事な決断で隊員全員の命を救ったイトウチーフの決断力の描写も素晴らしい。
 これまでのウルトラシリーズの中でもかなり死の描写が多い話でもある。
 吸血ボールに襲われてミイラ化された人が瞬間的に出るのはびっくりさせるが、それよりも地面に多量に流れてる血の方が怖いかも。
 今回はUGMの通常任務が描かれるため、パトロール風景や特殊車両の整備チームが出てきたり。今までにない描写で楽しませてくれる。
<ムーンセレナーデのパイロットは宇宙服ではなく普通のスーツ姿だった。よほど安全対策が取られていたのか?その割に簡単に落とされてしまったけど。
 神経ガスを噴射した直後防毒マスク無しで飛び込んでくるハラダ隊員。無茶するな。
 オコリンボールは少ないとそれなりに上手く飛行を描けるが、多量になるとピアノ線丸見え。
 日本を襲う吸血ボール対策を行うため、その日本で開催される国際会議。何でわざわざ渦中で会議なんかする?案の定襲われてしまった。
 怪獣化したオコリンボールのリーダーボールは頭部にある。いかにも狙ってくださいって言ってるようなもんだな。ここでいかにもリーダーっぽく見せて、実は違うというオチがあったらもっと面白かったな。>
第21話 永遠に輝け!! 宇宙Gメン85

  監督:湯浅憲明
  脚本:山浦弘靖
  特撮監督:佐川和夫
 世界各地で一夜にして町が消え去り、住民が虐殺された事件が頻発していた。現場に残された写真から、これは異星人の仕業である事が分かるのだが、写真に写っていたのは友好的な異星人L85星人だった。それを知りつつ何も言えない猛は、UGMよりも先に彼と接触しようとする。
 敵は残酷怪獣ガモス。宇宙Gメン指名手配のナンバー・ツー。地下を移動し、口から出す溶解液で人間を溶かしてしまう。そしてL85星人ザッカル。宇宙Gメンの一員でガモスを追い地球へとやって来た。ガモスに妻子を殺されており、引退間際でガモスを倒そうと躍起になるが、返り討ちに遭ってしまう。
 タイトルから分かるとおり「Gメン'75」にリスペクトされて作られた話と思われる。ただし、Gメンとは本来警察組織などを見張るための政府組織のことなので(FBIの俗称から来ている)、言葉の意味が少々異なる。ここでは宇宙警察と見た方が良かろう。
 友好的な異星人との交流が描かれる話だが、彼が誤解されて追いかけられる展開は「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣使いと少年」と相通じるものがある。このウルトラシリーズのテーマの一つだろう。冒頭から出る残酷描写というか、家族を失って嘆く人々の姿は「ウルトラマンレオ」っぽさを残している。
 桜ヶ丘中学校のノンちゃんそっくりの小坂ユリ子が登場。UGMの気象班だそうだが、わざわざそっくりさんにした理由は何だろう?元々中学校編はもっと続くはずだったので、契約が残っている人気キャラを登場させるためだろうか?
 ガモスとの戦いのシーンで変身巨大化のフィギュアを使用してるシーンあり。パンチを出すに結構有効かも?
<L85星人を見た猛は思わず「彼らは友好的な異星人です」と口走ってしまう。これでは自分の正体をばらしてるようなものだが、いやに説明口調なのが気になる。
 ザッカルは全身毛玉のような宇宙人だが、ちゃんと服を着ている。巨大化したら腰だけ服が残っているのは愛嬌か?「北斗の拳」を先行してるな。
 宇宙で最も凶悪な怪獣の一体という割にはUGMに倒されそうになったり、あっけなく80に倒されたりと、ガモスはかなり弱かった。>
第22話 惑星が並ぶ日 なにかが起こる

  監督:湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:佐川和夫
 死火山と思われていた王ヶ岳が突如噴火を始めた。その噴火にまぎれ、地底から未確認飛行物体が飛び立ち、太陽を覆ってしまう。巨大日蝕により闇の世界となってしまった日本に、何者かの影が現れる…
 敵は古代怪獣ゴモラII。地底に迷い込んだ動物が怪獣化した存在。腕にはミサイル砲を搭載し、口からは炎を吐く。
 人類と地底人の戦いの中で苦悩するウルトラマンの姿が描かれる話。「ウルトラマン」の「地上破壊工作」をベースに、「ウルトラセブン」の「地底GO!GO!GO!」「ノンマルトの使者」などを加えて作られたような話になってる。怪獣も「ウルトラマン」のゴモラだし、色々つぎはぎっぽい印象があるが、それなりに話はまとまっている。
 お互いを知らないことが敵を作っていく。ここでは地底人も地球人も、実際には決して悪い存在ではないのに、互いを知らないから敵にしてしまう。悲しい人間の習性だ。その中で互いを知り合おうと主張する人が何人か出ているのが本作の面白いところだろうか。
 13話にも登場しているナンゴウ長官とイシジマ副官が見事な対比となっている。あくまで上層部の決定を信じ、攻撃中止を命じたナンゴウに対するイシジマの極端な主張は、それでも大多数の人間を代弁する主張だったことを感じさせてくれる。上手い対比だ。
 惑星直列によって地底が滅びるとイーナスは言っていたが、そう言えば惑星直列は1982年に起こったんだったか。イーナスが言っていた「2年後」ってそう言う事ね。
<イーナスの話を聞いてすぐに地底人を友好な種族と考えてしまう猛の思考は短絡的にも見える。宇宙人だからか?
 イーナス地底人という割には割と普通の服を着ている。一方他の地底人は目が無く、モグラのような顔をしているが、種族が違うのだろうか?あるいはスポークスマンとして地球人を女王にしてるのかな?
 ゴモラIIを危険な怪獣と言って恐れているような地底人たち。でも腕にミサイルとか、普通に付いてる怪獣はいないので、地底人によって改造されたと考えるのが妥当だろう。口では平和を唱えていたものの、地上侵略も視野に入れてたんだろうな?
 ところでウルトラシリーズって、随分たくさんの地底人が登場するんだが、どれだけ種族がいるんだろう?>
第23話 SOS!! 宇宙アメーバの大侵略

  監督:外山 徹
  脚本:山浦弘靖
  特撮監督:高野宏一
 宇宙探査船スペース7号から緊急救助信号が発せられた。その通信を受信したUGMはスペースマミーで探査に向かうが、彼らの見たものは、アメーバに侵略されたスペース7号だった…
 敵はアメーバ怪獣アメーザ。アメーザ星のアメーバがスペース7号に侵入し、乗組員を喰って成長した姿。
 全編にわたって宇宙空間と宇宙船のコックピット、そしてUGMの基地内だけでドラマが進む珍しい話に仕上がった。物語としては過去のウルトラシリーズではなく、50年代のアメリカ映画『恐怖の火星探検』『宇宙からの生命体ブラッド・ラスト』を合わせたような物語になってる。
 死を覚悟してアメーバの繁殖する宇宙船に乗り込むと言うかなり厳しい物語が展開されている。結局その任務に向かったのは、イトウチーフとハラダを気絶させた猛だった。
 そしてアメーバによって体中が冒されてしまう猛…ここで疑問なのは、猛はウルトラマン80なのだから、アメーバに対する耐性もあるんじゃないかということ。あるいはギリギリで80に変身して地球を去ろうと考えたのかな?実際に80に変身してアメーザと戦ってた訳だし。
 ところで猛がスペース7号に向かったのは、自分には家族が以内からと言うのが理由だったが、そんな猛に対し、オオヤマキャップはUGMこそが猛の家族であるとはっきりと言っている。ここまで地球人に受け入れられたウルトラマンは現時点では唯一だろう。
<T78星雲の惑星アメーザには宇宙アメーバがいることを指摘した猛。それをなんの疑問もなく受け入れるイトウチーフとハラダ。この時点で猛が宇宙人と思わなかったのか?
 「このまま死んでしまうのか?」とナレーションで何度も繰り返して語られるが、観てる側としては猛はウルトラマン80って事が分かっているので、どうしても気持ちが醒めてしまう。この話にナレーションは不要だったな。
 これまでの経緯と、突然現れた80に、誰も猛=80と思い浮かばないのがかえって不思議に思えるな。>
第24話 裏切ったアンドロイドの星

  監督:外山 徹
  脚本:平野靖司
  特撮監督:高野宏一
 突如東京上空に現れた巨大円盤。UGMは調査を開始するが、それはウルトラの星でも平和で知られるファンタス星人の宇宙船であることが分かった。ファンタス星人は地球人に銀河大連邦への加入を呼びかけ、宇宙にユートピアを築こうと語る…
 敵は友好宇宙人ファンタス星人。ヒューマノイド型の異星人だが、ここに登場するのは全員サイボーグ。実は既にファンタス星人は滅んでおり、アンドロイドが代行している。そして戦闘円盤ロボフォー。ファンタス星人が乗ってきた円盤が変形したロボット。人間型はしていない。
 宇宙人とのファーストコンタクトが描かれる話で、これも50年代に書かれたSF作品を下敷きにしたような物語。「キャプテンフューチャー」あたりを思い出される。音で交信する辺りは『未知との遭遇』だろうか?
 この話に出てくるファンタス星人はあくまで友好的な異星人なのだが、既に彼らは滅んでおり、彼らの作り出したアンドロイドが、その任務を続行中。ただし自立してしまい、自分たちの都合のいい解釈で銀河を作り替えようとしていることが分かった。機械文明に頼り切った世界はやがて滅んでしまうと言う事も暗示されてる。設定を分かりやすく複雑にしようという脚本の努力を伺わせる。ちょっと30分では無理だった感じもあるけど。
 オオヤマキャップに言わせると、「ユートピアってのは人から与えられるものではなく、自分たちで作り出すものだ」。全くその通りで、この考えこそがウルトラシリーズを貫いてる考えだ。
 本作品は巨大な物体を演出することがとにかく上手いが、この話の宇宙船の巨大感も見事な描写。
<銀河警察としてのウルトラの星だけでなく、10話には銀河共和同盟が登場。更にこの話で銀河大連邦まで出てくる。この宇宙にはどれだけ連合政府があるんだ?
 会議場の警備をしているはずのUGMで、「ちょっと用事が」と言うだけで抜け出してしまった猛。そんなので良いのか?それともオオヤマ辺りが何か勘づいたのか?
 ファンタス星人に狙われた猛を危機一髪で救うイトウチーフ。直前にファンタス星人は猛のことを「ウルトラマン80」と呼んでいたのだが、聞かれなかったのだろうか?
 UGMの戦闘機チームを簡単に撃ち落とせるはずなのに、敢えて静止光線を使って空中で静止させてるファンタス星人。なんでそんな手間をかける?
 ところでウルトラの星ではファンタス星人が友好的な星人だと言うことは分かっていても、もう滅んでいたことは知らなかったようだ。これがウルトラの星の能力の限界か?>
第25話 美しきチャレンジャー

  監督:湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:佐川和夫
 UGM訓練生の女子隊員ジュンは、一日も早くUGMに入隊するため一人で手柄を立てたいと焦る。そんな時、UGM基地を円盤が襲撃した。墜落した円盤の中にいた異星人から情報を得ようと、彼に接触するジュンだったが…
 敵は変身怪獣アルゴン。大きさと姿を自在に変えられる知性の高い怪獣で、リュウという人間に化けてUGM基地の内部に入り込み、破壊工作をしようとする。
 防衛隊に訓練生がいるというのは実はシリーズでは珍しいが、当然いて然りであろう。特に女子訓練生がいるってのはここまででは初めての話となる。その奮闘ぶりが微笑ましいところ。
 そう言えば猛はオオヤマキャップの引き抜きで入隊したんだが、それは特例なのだろう。
 それで手柄を焦るジュンは、人間の姿をした異星人から情報を得ようと接触するが、一方のその宇宙人自身もジュンを利用しようとしていた。この辺の駆け引きが面白い。結局宇宙人の方が上手だったが、
 城野エミはどっちかというとUGMのマスコット的な存在だったが、訓練生にとっては憧れの的であり、実際剣道や飛行訓練などで貫禄を見せつけている。
 ジュンの兄が怪獣に殺されたのは一年前だという。1話でクレッセントが現れるまで5年間怪獣は出てこなかったというのだから、少なくともこの作品が始まってから1年は経過したことが分かる。
 13話で登場したフォーメーション・ヤマトが今回は円盤を目標に使われている。ちゃんと前の設定を引き継いでるんだな。脚本家が同じってのが一番だろうが。
<UGMの新入隊員だった頃は先輩に対して闘志丸出しだったと城野隊員に打ち明ける猛。とうていそうは見えなかったけどなあ。
 リュウに騙されてUGMを危機に陥らせた事に責任を取りアルゴンに特攻をかけるジュン。だけどUGMは偽情報には全く騙されてなかったので、これは完全な犬死にだ。
 城野隊員は自分もUGM隊員になりたくて怪獣に攻撃したことがあったとジュンに語っている。1話時点で既に隊員だった訳だから、それは無理だと思う。それとも5年前にあったことか?>
第26話 タイムトンネルの影武者たち

  監督:湯浅憲明
  脚本:平野靖司
  特撮監督:佐川和夫
 シルバーガルでパトロール中の猛と城野隊員は、突如空間に空いた次元トンネルに吸い込まれてしまう。意識を失い、次に目覚めた猛は突然刀を持った侍に襲われてしまう。
 敵は異次元人アクゾーン。黄泉の国に侵入した異次元人で、黄泉の国を支配して、その後地上世界への侵略を考えていた。そして巨大化怪獣ゲラ。アクゾーンによって飼われていた小型の恐竜型怪獣。次元転移システムにより巨大化され、三次元に送られようとしたが、失敗して黄泉の国で実体化してしまう。
 異次元空間に突然放り込まれてしまう猛と城野隊員の混乱が面白い作品。こういう理屈無茶苦茶な話は東映のお家芸で、円谷がこんな作品を作るのは珍しい。「ウルトラマンA」の「タイムマシーンを乗り越えろ!」が近いが、侍とかが出てくるので、なんだか訳の分からない話になってしまった。
 ここが過去の世界なのか、異次元なのか、死者の世界なのか最後までなんの説明もされてないので、それだけでも方向を定めた方が良かったんじゃないか?
 …深く考えることなく、素直に楽しむのが正解か。なんか城野隊員が今回ノリノリでお姫様の振りをしてるのが楽しい。なんか出来の悪い『宇宙からのメッセージ』と言った感じ。
<猛の発案で敵を欺くために異次元人の格好をする侍達。それはいいのだが、突然「裸になってください」なんて言われたら誰でも混乱するよ。
 アクゾーンの基地には自動ドアによって出入りするが、その扉は木製。妙な凝り方をしてるな。
 しかし、ここで80が出てきたら、流石に猛=80と言う事が分かりそうなものだが、城野隊員がその事を知るには随分かかる。>
第27話 白い悪魔の恐怖

  監督:外山 徹
  脚本:南川 竜
  特撮監督:高野宏一
 街中に現れた白い泡が次々に人々を飲み込んでいった。遅まきながらその事に気づいたUGMは調査を開始したが、調査を依頼した宇宙生物学の権威青山博士の様子がおかしい事に気づく…
 敵は泡星人アルゴ星人。100万年前に滅んだ宇宙人だが、想念が生き残り、泡状生物となって炭酸ガスを求めて宇宙を漂っていたが、二酸化炭素汚染が進む地球に目を付けた。知的生命体の知能を吸い取って宇宙を支配しようとしている。
 本作には人間型以外の不定形生物を扱った話が多い。たとえば20話の「襲来!! 吸血ボール軍団」のボール生物、23話「SOS!! 宇宙アメーバの大侵略」のアメーバ。そして今回は泡。手を変え品を変え色々考えるものだ。不定形生物に襲われ殺される人間の姿。最近はあんまりこういう描写が無くなってしまったな。泡状怪獣というと「ウルトラセブン」のダンカンがいるな。
 何故宇宙人は地球を狙うのか?と言う疑問に対して答えが用意されてる。地球人は未成熟ながら、その知能と可能性は極めて高いため、それを狙ってくるのだとか。
 二酸化炭素による地球温暖化が叫ばれたのは21世紀になってからだが、いちはやくその事について正面から取り上げているので、時事問題としても興味深い話になってる。
 今回からフジモリ隊員とイケダ隊員が登場。どちらも後輩に当たるため、まだ行動が固いが、これも演出なら上手いものだ。スペースマミーから発進するスカイハイヤーとシルバーガルの描写もうまく出来てる。アルゴ星人を前に、特攻をかけようとするイトウチーフの姿もあるが、80がアルゴ星人にドロップキックを決めて体当たりは回避された。新隊員の入隊と共に退場するのかと一瞬思ってしまったよ。
<泡生物を撃退するために火で焼き、水で流してしまう猛。分析はしなくて良いの?
 バリアに閉じ込められた猛が80に変身できたのは“気力”のお陰だそうだ。不可能を可能にする良い言葉だな。>
第28話 渡り鳥怪獣の子守歌

  監督:外山 徹
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:高野宏一
 宇宙の渡り鳥バルが地球近くを飛行していた際、卵を一つ地上に落としてしまう。その卵から孵った赤ちゃんは、近くにいた猛を親と思い込み懐いてしまう。一方バルを捕食する怪獣ザキラも又地球へとやって来ていた…
 渡り鳥怪獣バル登場。10年に一度、群れを作って宇宙を旅する渡り鳥。その卵が地上に落下し、孵化した赤ちゃんは猛を親と思い込む。80を助けるために天敵ザキラに立ち向かって殺されてしまう。そして敵はスペース・ジョーズ ザキラ。バルの天敵で、渡りに入ったバルを次々に捕食する。食べる度に強力になっていき、80を上回るパワーを見せた。バルを殺された怒りに燃える80のサクシウム光線で倒される。
 こどもの鳥類に特有のインプリンティング(刷り込み)を題材にした、猛を親と思ってしまった怪獣との交流が描かれる話。この手の話だとほのぼのしたものが多いし、途中までは確かにわりとほのぼのしてるのだが、ラストは肝心なこどもが死んでしまうと言う、悲しい話が展開する。
 城野博士によれば、バルがこの地球にやってきたのも、こどもが猛を親と思ったのも、全部生物の本能だと説明される。だったらザキラがバルを捕食するのも生物の本能のはずだが。
 新隊員であるフジモリとイケダを指揮する猛の姿あり。主人公が他の隊員の上に立つとは結構珍しい描写だ。
 着ぐるみの中で最大限演技しようとしているのが分かり、80、バル、ザキラともパフォーマンス豊か。やっぱり特撮に関しては見事なできばえだな。
<UGMでは対ザキラを想定しての訓練が行われるのだが、何故か爆撃訓練だった。宇宙から来る敵を想定し、しかも戦いは宇宙なのに。
 ウルトラシリーズの場合、宇宙船の中で変身し、次の瞬間密閉空間から外に出てることが多いのだが、猛はわざわざスペースマミーの外に出て変身してる。外は真空空間なのだから、これはこれでやっぱり説得力無いな。
 80を助けるために檻を破ってザキラに立ち向かうバル。ナレーションによれば「生物の本能」だとか。でも本能ならば逃げると思う。
 バルがザキラに喰い殺されている間、80が何をしていたかというと、気絶していた。本来3分しか戦えないウルトラマンが気絶とは。
 バルを宇宙まで運んでいった80。その間にスペースマミーのイトウチーフとかが目をさましたらどうなってたんだろう?>
第29話 怪獣帝王の怒り

  監督:湯浅憲明
  脚本:若槻文三
  特撮監督:佐川和夫
 300年に一度怪獣が出ると言う伝説の鬼矢谷に、村人たちによって怪獣対策本部が置かれた。だがそれは村興しの一環だった。
 敵は渓谷怪獣キャッシー。鬼矢谷に住み、300年ごとに食べ物を探して起き上がる怪獣。ちなみにネーミングは鬼矢谷の自警団。結局80に倒されることなく、秘境に連れて行かれ、そこで平和に暮らしている。
 怪獣によって村興ししようとする村人を描くコミカルな話。前半は割とコミカルなものが多かったが、徐々に話が深刻なものになっていった。それでこの話は前半に引き戻すかのようなものになってる。UGMの方はあくまで真面目なのだが、村興しで怪獣騒ぎを起こそうとする村人や、怪獣を追う学者たちのコミカルな態度が面白い。大笑いできるレベルではないが、怪獣を目の前に、全く緊迫感がない人々の描写はなかなかよろしい。怪獣を見せ物にしようとする会社の重役はそのまんま『キング・コング』だけど、それを見て、かえって怪獣の方を応援してしまうこどもとか。
 オオヤマキャップによればキャッシーは「帰ってきたウルトラマン」に出てきたゴーストロンに似てるのだそうだ。ちゃんと昔の作品を忘れてないのね。でもゴーストロンの4倍っておかしくないか?これでは80が新マンの4倍大きいことになってしまう。
 勤務中に思わず「ユリちゃん」と言ってしまい、それで叱られる描写あり。城野隊員からも「ちょっと親しすぎるのよ」とか言われてしまう。
<これだけ多量に怪獣が出ているというのに、怪獣で村興しが出来るのか?と言う根本的な問題もあり。
 最後に80はキャッシーを誰も知らない場所に連れて行ったというのだが、この鬼矢谷自体が「秘境」と言われてなかったっけ?>

BOX2
第30話 砂漠に消えた友人

  監督:湯浅憲明
  脚本:若槻文三
  特撮監督:佐川和夫
 地球に未確認物体が連続して落下。調査に向かったUGMだが、落下物体は見つからないままだった。UGM内部にスパイがいるのではないかと疑う猛。だが、何度目かの出動でシルバーガルが人為的な故障を起こしてしまう。
 敵は変身宇宙人ザタン星人。セラ隊員の先輩である土山記者と青木カメラマンに変身してUGMをスパイしていた。そして侵略怪獣ザタンシルバー。瀕死のザタン星人が呼び寄せた怪獣。硬い皮膚を持ち、80のサクシウム光線を連発で食っても装甲を貫けなかった。実はロボット怪獣。
 セラが中心になった話。敬愛する先輩が宇宙人であることが分かって、泣きながら先輩を撃つシーンが印象的な話。同じ若槻脚本だが、前回とは異なり、かなりシリアスな話が展開している。
 80の変身アイテムブライトスティックは色々な用途に使われる。ライザーガンの先端に付けることで特殊光線を発射し、シルバーガルに付けられたザタンの装置を破壊した。
<猛が土山を宇宙人ではないかと疑った理由は「T」のイニシャルが入ったハンカチを見つけたから。でもそれでは根拠が薄すぎるのでは?
 土山と青木に骨がないという事が分かった時、猛は「まさかザタン星人?」と反応したが、次の場面ではみんながザタン星人のことを知っている。猛が人間でないことがばれなかったのか?
 ザタンシルバーが倒されたのを見たセラは「土山先輩見ましたか?」と喜びの声を上げているが、それに答えるように80がうなずいている。偶然なのかも知れないけど、この描写は無責任じゃないか?>
第31話 怪獣の種飛んだ

  監督:外山 徹
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:高野宏一
 車道に飛び出した少女マリコを偶然助けた猛は、以来マリコに懐かれてしまう。妹が出来たようでうれしさも感じる猛。心臓疾患で入院しているマリコの母親をお見舞いに行く内、三人でピクニックに行こうという話になった。お母さんのために花を育てるマリコだが、その花の中に怪獣の種が入っていた…
 敵は植物もどき怪獣ゾラ。タンポポに似た種のような姿で地上に降り立ち、それをマリコが育てて成長した。毒花粉をまき散らし、蔦で攻撃する。植物をベースとしている割にはもの凄く身軽で動きも速い。
 少女と猛の交流が描かれる話で、猛もマリコと会う時は私服姿なので、初期の学園編っぽい感じが出ている。
 マリコの母親の病気は精神的なものだという説明が付いているが、これ物語の構築には結構使いやすそうだ。
 特撮には何故か多く出てくる植物型の怪獣。大概一話位は出てくるな。特にここに出てきたゾラはまんま植物と言った風情。
 これまで話の筋とはあんまり関係なかったユリの天気予報だが、今回は予測的中で実際に暴風雨が来ている。
 今回の話から歌の前にショートストーリーが入るようになった。
<怪獣であることが分かっていながら、それを放置してしまった猛には大きな責任があると思うのだが、その部分は放置されてる。「レオ」辺りだったら間違いなく罵倒されてただろうに。
 UGMの赤外線写真はカラーで、なんら普通の写真と変わることがない。凄い高性能だ。
 植物は炭酸ガスを吸い酸素を吐き出すのに対し、ゾラは酸素を吸って炭酸ガスを吐くという。でも実は植物も酸素を吸って炭酸ガスを吐いてる。日中は光合成の力の方が強いため、結果的に酸素を吐き出す量の方が多いだけ。特に観察しているのが夜なので、正常な反応と言える。
 ゾラによって気絶させられたマリコは、80とゾラの戦いの下で花の世話をしてる。回復と移動が早すぎないか?>
第32話 暗黒の海のモンスターシップ

  監督:外山 徹
  脚本:平野靖司
  特撮監督:高野宏一
 太平洋で船舶の消失事件が相次いでいた。猛の知り合いの少年アキラの父が乗る貨物船も又消えてしまったことで、UGMは本格調査に乗り出すのだが…
 敵はすくらっぷ幽霊船バラックシップ。15年前に行方不明となった無人の大型貨物船クイーンズ号のコンピュータがおかしくなり、他の船舶を引き寄せて自分のパーツとしながら東京を目指している。
 前回に続いて猛と少年との交流を主軸に、ちょっと変わった怪獣との戦いとなる。パターンとしては「ウルトラマンT」に近い感じ。今回出てくるバラックシップは「ウルトラセブン」のアイアンロックスのようにも見える。
 今回猛はスカイハイヤーを落とされて首に怪我を負っているのに、統三を殺したと責められてしまう。日本の自衛隊ってこういう立場にあったんだな。
 構造的に考えれば当然だが、バラックシップは人間型をしていない。そのために今回は格闘はなしで、光線技だけで対抗しているのが面白い。ところでバラックシップには多数の砲塔が搭載されてる。貨物船からこれを得たとは考えにくいので、太平洋に沈んだ第二次大戦の船舶を多数取り込んだと考えられる。この辺も物語に取り入れたら面白かっただろう。
 オチは前回と同じく無理を通した80によってハッピーエンドを迎えている。何となくご都合主義のように見えてしまうが、仕方ないところか。
<ヤマトの後輩に当たるフジモリとイケダだが、イケダの方は猛を「先輩」と呼んでいるのにフジモリは完全に命令口調。UGM以前の部隊経験が長かったのかも知れない。
 バラックシップは多数の船を取り込んでいるが、その中で生き残っていたのは山本だけだった。他の乗組員はどうなったんだ?>
第33話 少年が作ってしまった怪獣

  監督:湯浅憲明
  脚本:阿井文瓶
  特撮監督:佐川和夫
 長浜海岸のある病院の周辺に怪獣が出現する。出たと思ったらすぐに消えてしまい、実害は無かったのだが、独自に調査を始めた猛は手術を怖がる健一という少年と出会う。
 敵は工作怪獣ガゼラ。健一少年が作った玩具の怪獣に怪獣の魂が入り込み、ライザーガンのエネルギーを得て巨大化した。少年の考え出した最強の武器を全て装備しているため、ウルトラマン80を散々苦しめる。エネルギーの源は胸の増幅器なので、それを外されて倒された。
 こどもとの交流を描く話は続いている。今回は手術を怖がる工作好きの少年が作り出してしまった怪獣との戦いとなる。ガゼラはゴミを寄せ集めたようなデザインだが、これまでのどの怪獣よりも強く見える。何故か人間が作った怪獣が強いのはシリーズを通しての特徴かも知れない。 「ウルトラセブン」の「勇気ある戦い」に「ウルトラマン」の「宇宙から来た暴れん坊」を合わせたような話と言えるか。
 狼少年の話をベースにして、少年の恐怖心が怪獣を生み出し、勇気を得た時に怪獣が消える。シリーズ前半に出てきたマイナスエネルギーの話を彷彿とさせるが、前半のメインライター阿井文瓶らしさがよく表れている話と言えよう。ただし、阿井脚本はこれが最後なんだが。
 今回からオープニングが変更。ウルトラマンよりも主人公のヤマト猛の方が多く出ているのが面白い。
<難病を抱えているという割に元気に走り回る健一少年。しかも日に日に病状は悪くなっているというのに、前半より後半の方が元気のように見える。
 ライザーガンのエネルギーを受けて巨大化するガゼラ。これまで同じパターン何度繰り返しただろう?>
第34話 ヘンテコリンな魚を釣ったぞ!

  監督:湯浅憲明
  脚本:石堂淑朗
  特撮監督:佐川和夫
 釣り好きな治少年は、その日全く釣れず、漁師のおじさんから魚を一匹分けてもらう。しかしその魚はどんどん大きくなってしまい…しかも三浦半島の海底から発するシグマ電波は、ますます強くなっていった。
 敵は巨大怪魚アンゴーラス。チョウチンアンコウとオコゼが混ざったような、海底から現れた怪獣。こどもが漁師に釣り上げられてしまい、取り戻すために暴れ回る。
 少年と猛の交流が描かれるシリーズの一本。今回は出会いから描かれているのが特徴か。タイトルから怪獣のデザインから、概ねコメディ回と言ってもいい話。脚本の石堂は「ウルトラマンT」でも数々のコメディ回を演出してるので、その雰囲気が強くなっている。
 こども怪獣の危機に親がやってくるというパターンは『ガッパ』というか、『ゴルゴ』かな?
 出来そのものはさほどではないけど、UGMのメンバーがそれぞれ個性豊かに描かれるので、そこは面白いか。めずらしくオオヤマキャップが苛立った声を上げているし、アンゴーラスを釣り上げろと言う無茶な要求に、シルバーガルから釣り糸を垂らして「フィッシュ・オン!」とかノリノリで叫ぶイトウチーフとか。こどものアンゴーラスを発見したイケダは「この目玉は吸い物にしたら良い感じ」とか、的外れな報告してる。実に良い感じ。
 あと、今回登場する釣り人のおじさん(坂本新兵)や治少年の友達の女の子がなかなか良い。アンゴーラスの親に狙われているのが治だと知ると、「治君、私達と一緒に逃げないで」とか、言葉の端々に「私はあなたたちとは違う」発言をくっつけてる。しかも最後は「言い過ぎじゃない?」とか責任転嫁までやってのける。きっとこの子はずっとそうやって成長するんだ。
 細かいところだが、親アンゴーラスの身体には無数の釣り糸が絡まってる。ひょっとして無責任な釣り人に対する批判が入ってるのかな?
<治がアンゴーラスをもらったのは日曜日。次の日には友達が釣りに行くと言っている。学校はどうなった?それでどうやら釣りに行ったのは次の日曜日らしい。
 親のアンゴーラスを釣ってしまった少年。でも随分沖合から現れてるぞ。どんだけ長い釣り糸なんだ?
 それにしても今回80はずっと変身しっぱなしなんだが、カラータイマーは大丈夫なのか?>
第35話 99年目の竜神祭

  監督:合月 勇
  脚本:若槻文三
  特撮監督:高野宏一
 やまなみ村で99年ぶりに竜神祭りが開かれ、神社の宝物殿に置かれている竜玉が祭りで開示された。かつて神主の先祖によって封じられた三つ首の竜は、この宝玉を狙い、三人の人間になって祭りへと忍び込む。丁度竜神祭りにやってきていた猛とイケダ隊員は、その場面に遭遇してしまうが…
 敵は三つ首怪獣ファイヤードラコ。やまなみ村で昔倒された三頭の竜で、現在でも生き残っており、三人の人間に分裂して竜玉を狙う。分裂した一人光男が他の二つ首を押さえ、80のサクシウム光線に倒れる。怪獣と言うよりは妖怪に近いか。妖怪のような怪獣だけに、ファイヤードラコとか横文字を使わずに漢字で表記して欲しかった感はある。
 伝奇的な物語。古い作品よりも平成ウルトラマンシリーズの方ではちょくちょく出てくるようになったが(昭和シリーズの方だと、古き良き時代が失われていくことに危機感を持っていた感じがあるが、平成シリーズだと、むしろそう言ったものを回顧するかのような話になってるのが多い)、その走りと言えるか?「怪獣帝王の怒り」も脚本は若槻文三なので、この人がこういう話を好んでいたのかも知れない。
 一体の怪獣が三人の人間に分裂して、しかも一人一人の個性が違うとは、面白い設定だ。
 イケダ隊員のおじさんは神主をしているが、役は常田富士男。「まんが日本昔話」そのまんまの語りがうまくはまってる。イケダ隊員は猛の良きパートナーとして定着したようだ。あと「電子戦隊デンジマン」のバンリキ魔王役の大前均も怪力男役で登場してる。
 ブライトスティックを取り落とし、更にファイヤードラコの攻撃でなかなか取り戻せない猛の姿あり。この描写は「ウルトラセブン」以来かな?
<やまなみ村には底なし沼があるとか。この村はそんなものを放置してるのか?> 
第36話 がんばれ! クワガタ越冬隊

  監督:合月 勇
  脚本:石堂淑朗
  特撮監督:高野宏一
 クワガタを越冬させようと頑張っている少年アッちゃんは、ガキ大将のヤマちゃんの不注意で大切に育てていたクワガタを死なせてしまった。そしてアッちゃんの怒りは、死んだクワガタを怪獣として復活させてしまう。
 敵は昆虫怪獣グワガンダ。死んだクワガタを悲しむ少年の思いがクワガタを怪獣として復活させた。幽霊のような存在のためか不屈の闘志を持ち、何度80に倒されても即座に復活する。少年の復讐の心が無くなったことで力を失い、元のクワガタの姿に戻った。
 少年編の一編だが、少年の思いが怪獣を作ってしまうという、前半のマイナスエネルギーの設定を彷彿させる話に仕上がった。ただし、少年と猛との接触はほとんどない。
 物語として、異常気象による蜃気楼が全編に渡って展開するが、それもあってかユリ隊員が説明のためによく登場してる。
 イケダ隊員によれば、80も逆転現象に引っかかったことがあるとのこと。この作品は表に出てないところでちゃんと戦っている事を示唆することが多いな。
<今回コミカル性は高いが、ナレーションも「説明しよう」とか言ってた。これが富山敬だったら思いっきりはまってたんだけど。
 蜃気楼で出来たドームにシルバーガルで突っ込め。とか無茶苦茶言ってるオオヤマキャップ。本当に怪獣だったらどうするんだ?成功した時に心底ほっとした表情してるオオヤマが面白い。そもそもそれが蜃気楼か実体かはレーダーでわかるだろうに。今回に関してはオオヤマがおかしすぎる。
 ガキ大将のヤマちゃんは山芋を掘りに醸成地に行ってる。そんなところに山芋あるのか?
 グワガンダを見たアッちゃんは、「あの怪獣は僕が埋めたクワガタにそっくりなんです」とか言ってる。そっくりって、どうして分かるんだ?
 80の戦いも変で、いきなりグワガンダに握手を求めたりしてる。こどもの気持ちを踏みにじることが出来ない80の性格はよく表れてるけど、そもそも80はその事を知らなかったはずでは?>
第37話 怖れていたバルタン星人の動物園作戦

  監督:外山 徹
  脚本:石堂淑朗
  特撮監督:佐川和夫
 くじで選ばれたこども記者の訪問を受け、そのインタビューを受けるUGM隊員達。和気藹々の雰囲気の中鋭い質問が飛び交う。そんな中、くじに落選した政夫少年が基地へと向かっていた。彼の目的とは…
 敵は宇宙忍者バルタン星人「ウルトラマン」から数え、5代目に当たる不屈の宇宙人で、少年に変身して内部からUGMを崩壊させようともくろむ。その目的は80を捕らえ、下等動物として動物園で飼うことだった。瞬間移動を使い、円盤との両面攻撃で80をおいつめる。
 シリーズではお馴染みとなったバルタン星人の登場の話でこどもが中心となる結論となる話。
 こども記者による様々な鋭い質問は、UGMの存在価値や80の立場について細かく語られており、かなり参考になる話になってる。たとえばUGMの女性隊員が何故一人しかいないのか?80はUGMが負けそうになった時に現れるのは何故か?80はUGMの秘密兵器じゃないのか?など…その中で80に関する質問に答えたオオヤマキャップの発言は80の正体を知っているとしか思えないような答え方だった。
 少年に乗り移ったバルタン星人が言っていることは色々搦め手を加えているが、どっちかというとバルタン星人よりメフィラス星人っぽい質問が多かった。
<全国から公募されたこども記者という割には、記者の二人と政夫少年は顔見知りだった。どこかの町内でくじが行われたんじゃないのか?
 バルタン星人は80をバルタン星に連れ帰ると言っているが、バルタン星は滅んだんじゃなかったか?>
第38話 大空にひびけ ウルトラの父の声

  監督:外山 徹
  脚本:若槻文三
  特撮監督:佐川和夫
 太少年の父親は長距離トラックの運転手で、事故を起こして死亡した。UGMの調査でも怪獣との関わりは感知されず、太は学校で嘘つき呼ばわりされていた。そんな中、凧あげ大会が近づいてきて…
 敵は心霊怪獣ゴースドン。中津山に潜んでいたガス状生物。凧揚げ大会の凧に憑依して実体化する。その姿はこどもが描いた絵に準じている。
  今回も少年と猛の関わりが描かれる話になっているが、これまでと較べこどものイジメが酷いため、いきなり物語が変わったかのよう。なんせ父親を失った少年 を嘘つき呼ばわりして殴る蹴る…こどもでもこれは悪質すぎ。この展開はまるで「帰ってきたウルトラマン」か「ウルトラマンレオ」みたいだ。最後に怪獣で凧 揚げやるのは「ウルトラマンタロウ」か?ウルトラ兄弟が(今回は父だが)ゲスト出演するのも二期シリーズっぽい。
 こういう話の場合、いじめられっ子が怪獣を産んでしまうパターンが多いのだが(2話前の「がんばれ! クワガタ越冬隊」もそのパターン)、今回はいじめっ子の方が怪獣を作ったと言うところがユニーク。
  今回の少年との関わりもやはり薄い。本作は太少年一人の物語であり、ウルトラマンは最後に解決のために出てくるだけって感じ。今回猛は本当に何にも関わっ ておらず、凧揚げを観ていただけだった(しかもチーフに怒られてる)。多用は出来ないけど、物語を深めるにはこの方法の方が良い。
 ただ、折角タイトルに「ウルトラの父」と書かれていて、期待させておきながら、本当に一瞬だけしか出てこなかったのが残念。ただ応援しただけだしなあ。
 ゴースドンの攻撃であらぬところから火を噴いてるスカイハイヤーとか、ゴースドンの攻撃が重力無視してたりとか、特撮には定評がある本作だが、今回に限っては今ひとつ。
<城野隊員がゴースドンを「怪獣のオーラ」と呼んでいたが、この作品の場合、マイナスエネルギーで一貫させて欲しかったところだ。>
第39話 ボクは怪獣だ〜い

  監督:湯浅憲明
  脚本:平野靖司
  特撮監督: 高野宏一
 野球が大好きだが、下手くそでいつもチームに迷惑をかけているテツオは、その野球の最中に円盤を目撃する。野球の球に当たって壊れてしまったその円盤が生み出した卵をうっかりテツオが飲み込んでしまう。それから急に体長が悪くなってしまうのだが…
 少年怪獣テツオン登場。テツオ少年が円盤の卵を飲み込んでしまったことから変身してしまった怪獣。念動力を持つ。そしてテツオンの中に巣くう宇宙植物。元々は何者から地球へと送られてきたプレゼントだったはずだが、テツオによって食べられてしまい、そのテツオを怪獣化させてしまった。ミクロ化してテツオンの中に入った80によって倒される。
 これも少年編の一本。人間が怪獣になってしまうという話で、本作では既に16話、17話の「魔の怪獣島へ飛べ!!」で使われたネタではあるが、少年編らしくコミカルに仕上げられている。
 友達が変身してしまった怪獣をこども達が助けるという展開は「ウルトラQ」のカネゴンの話に似ている。姿形がブースカに似てるのも狙ったのか?きちっと話もまとまっている。80はミクロ化し、テッオンの中で宇宙植物と戦ってるけど、これも比較的コミカルな感じに仕上げてる。この辺は「ウルトラセブン」の「悪魔の住む花」っぽい演出かな?
 怪獣になったら性格が急に変わって陽気になってしまうテツオ少年の反応が面白いが、それで元に戻る方が良いか、その体がいいか?と聞く猛の反応が面白い。
 ただ、最後は「やっぱり普通が良い」でまとめてしまうのは無難すぎたかな?
<根本的に、怪獣が目の前にいて、誰も相手にしないなどあり得ないような物語のような気もするんだが。
 無銭飲食やらかしたテッオンの前に現れ、「人間に戻りたくなったか?」と訊ねる猛。で、無銭飲食はおとがめなしか?なんか両親が住民達に謝ってるけど。>
第40話 山からすもう小僧がやって来た

  監督:湯浅憲明
  脚本:水沢又三郎
  特撮監督: 高野宏一
 足柄山で訓練中の相撲部の前に現れた裸のこども。戯れに相撲勝負をしかけた相撲部の面々は誰も敵わなかったが、たまたまそこに居合わせた泥棒がすもう小僧を使って一儲けを企む…
 敵はすもう怪獣ジヒビキラン。足柄山に生息するすもう小僧が怒りを発すると変化する怪獣。相撲を存分に取ると満足して山に帰ってしまう。
 これも少年編の一本だが、当人の少年が妖怪というか、一種の神様であり、とてもリリカルな感じで仕上げられている。ドジな泥棒も出てきて、お笑いにかなり偏った話になってる。
 神話をベースにした話はこの作品には結構多く出ているが、29話の「怪獣帝王の怒り」の例があるように概ねコミカルな仕上がりを見せる。
 すもう小僧に対し「みんなでかかれ」と命令するイトウチーフだが、四股で地響きが起こったのを見た途端、自分だけ逃げようとしてるとか、「大の大人が五人もかかって何やってる?」とか、無茶苦茶な事言ってるオオヤマキャップとか、UGMの面々もなかなか個性豊かでよろしい。一応これでも怪獣退治なので、UGMは総動員されるが、あくまで肉体戦のみ。
 80もそれに合わせて随分優しげだ。ちゃんと猛の声でジヒビキランに話しかけていた。ウルトラマンが普通に人間の声で喋るのは他に無かったんじゃないか?(あったかも知れないけど)相撲で周囲に被害が与えないよう、かなり気を遣いながら戦ってた。光線業も一切使ってない。
 UGMのセラ隊員はかつて相撲部だったそうだ。成る程この体格を見たら納得。でも周囲のイビキで眠れなくなるなど、結構神経の細さも出ている。
 オープニングソングとエンディングソングが変わった。どちらもとても景気のいい音楽。
<何故かすもう小僧についてやたら詳しいイトウチーフとオオヤマキャップ。エミまで妙に詳しいのはなんでだろ?趣味かな?
 エミ隊員のことを「かわいこちゃん」とか言ってる泥棒。時代…にしてもちょっと古い言い方だな。
 ジヒビキランに対し80に変身する猛。タイミング的にUGMの面々に見られてるような?>
第41話 君はゼロ戦怪鳥を見たくないかい?

  監督:東条昭平
  脚本:石堂淑朗
  特撮監督:佐川和夫
 パトロール中の猛とイトウチーフはラジコンゼロ戦を操る斎藤少年と出会う。ラジコン大会の練習をしているという少年を応援する猛だが、その大会の最中、ゼロ戦が行方不明になってしまう。
 ゼロ戦怪鳥バレバドン登場。50〜60年ごとに地球に来る宇宙鳥で、地球に来たところをラジコンゼロ戦を飲み込んでしまい、少年のラジコンに操られてしまう。
 ゼロ戦大好きの少年との交流が描かれる話で、ラジコンゼロ戦のため、こどもっぽい遊びを全部放棄した少年。そんな少年を母親は“玩物喪志”という称しているが、これが男のロマンというものなのかも知れない。実際この当時のこどもにとっては、ラジコンは夢だったから。
 それでいつの間にか怪獣使いになってしまってるのだが、この辺「ウルトラQ」の「育てよ!カメ」あたりの話に似てなくもない。
 ただ、今回怪獣は退治されることなく宇宙に逃げてしまっただけで終わったし、なんか変な話だった。
<猛の話を聞き、UGMのカメラでラジコン大会の模様を見ている面々。職務怠慢じゃないのか?
 宇宙鳥の事を斎藤少年に喋る老人。そんなのがいるんだったらこれまでに退治されたりしなかったんだろうか?
 バレバドンを見たイトウチーフは「あれはどっかのサーカスから逃げてきたんだな」とか暢気な一言。仮にもUGMチーフがそんなことでいいのか?
 バレバドンは産卵のために地球に来たっぽいのだが、肝心な卵を勝手に空から落として割ってしまったり、折角暖めていた卵を放って宇宙に行ってしまったりと、今ひとつ何をしたいのか分からないのがネック。
 確かにこどもはゼロ戦好きだろうけど、兵器を好きというのは批判が出なかったか?>
第42話 さすが!観音さまは強かった!

  監督:東条昭平
  脚本:石堂淑朗
  特撮監督:佐川和夫
 江戸時代に盗賊によって埋められた千両箱を狙い、大谷石に現れた二人の男は、その地点に観音像が置かれている事を知る。観音像ごと爆破しようとするのだが…
 敵はムチ腕怪獣ズラスイマー。観音像の地下に封印されていた怪獣で、観音像が破壊されて起き出した。左手が鞭になっている。観音像のパワーによって再び封印されてしまう。
 これも少年編の一編で、観音像の危機に立ち上がった妙に信心深い少年が話の中心になっている。観音像が動き出すというと、「帰ってきたウルトラマン」の「この一発で地獄へ行け!」に近いか?笑わせようとしてる部分は多いのだが、その笑い部分がやや外し気味。観音像がパワーを持つというオチも変な感じ。
 大谷石が取れるという大谷が舞台だが、妙に観光地っぽい編集がされてるのが面白い。タイアップなのかな?
 オープニングシーンで江戸地震に起こった安政の大地震の事が言及されているが、大変力の入った特撮シーンが展開している。
 このところ猛とチームを組むのはイトウチーフが多い。チーム制が交代したのかな?イトウは異様に寝付きが良いことが分かった。久々にオオヤマ自らがスカイハイヤーに乗って出撃している姿もあり。
<最初に双眼鏡で眺めていた観音像と実際の観音像には随分ギャップがある。
 わざわざ地下洞窟に潜っておきながら、そこで千両箱を探さず、観音像を破壊しようとする男達。何故そう言う行いをしてるのかは全く不明。そもそも観音作ってる時に発見されなかったのも不思議なんだが。>
第43話 ウルトラの星から飛んできた女戦士

  監督:湯浅憲明
  脚本:水沢又三郎
  特撮監督:神沢信一
 未確認飛行物体の飛来により出動するUGM。その宇宙船は何者かによって富士の樹海に撃ち落とされたのだが、落下地点で猛は自分を呼ぶ声を聞く。それがウルトラの星からのものだと分かった猛だが、そこで見つかった女性は記憶を失っていた。
 敵はガラガラ星人。かつてウルトラの星に侵攻した宇宙人で、撃退されて王女を失ったことでウルトラの星に深い恨みを持つ。80を殺すために地球へとやってきた。そして侵略星人ガルタン大王。ガラガラ星人の支配者で、ウルトラマン80を殺す事を目的として地球へとやって来た。巨大な炎龍刀のような刀を使う。
 本作の最終章ユリアン編の始まり。ユリアンはウルトラの星のお姫様らしいが、この時点では記憶を失い、自分が何のために地球に来たのか覚えていない。
 星涼子と名付けられたユリアンがエミに渡したブレスレットが悲劇を呼ぶ。ユリアンと間違えられ、ガラガラ星人に拉致され、殺されてしまった。女性隊員の死亡とは、「ウルトラマンレオ」以来だが、メインヒロイン的な存在だっただけに、凄い描写になってる。
 これまで出来るだけスルーされていたが、宇宙人に対する事情に通じている猛に対し、いきなり疑問が出されるようになった。エミによって正体が見破られてしまったが、そのエミが死んでしまったので、一応正体はまだ秘密のまま。でもだんだん話が厳しくなってきた。
 ウルトラの星に王家があったのは初めての設定。しかしここ以外でその事が言及されたことはない。
 ここしばらく特撮よりもドラマに重点が置かれてきたが、ここに来てかなり力の入った特撮シーンが作られている。特に最初の宇宙船同士のドッグファイトはかなりの技術力。
 部下を使って集団で襲いかかるガルタン大王の描写はウルトラシリーズというより「仮面ライダー」シリーズっぽい。
<オオヤマキャップにより星涼子と名付けられたユリアンだが、イトウキャップの元恋人の名前が星沢子なので、古傷に触れないかと心配。
 80がウルトラの星を出る時ユリアンは小さな女の子だったという。寿命の長いウルトラマンのこと。一体いつ出てきたんだろう?
 猛を救うために命を落としたエミだが、猛は人間じゃないので、そのまま放って置いた方が全員生き残る確率は高かったな。>
第44話 激ファイト! 80VSウルトラセブン

  監督:湯浅憲明
  脚本:吉田耕助
  特撮監督:神沢信一
 サッカーの練習中暴走族サタン党に襲われ瀕死の重傷を負ってしまった直人少年。夢の中でもサタン党に襲われる直人は手にしたウルトラセブンの人形に救いを求める。そんな直人少年の叫びに応えるように、ウルトラセブンが現れるのだが…
 敵は妄想ウルトラセブン。暴走族によって瀕死の重傷を負った直人少年の思いが、大好きなウルトラセブンの人形に込められて現れた存在。エネルギーの塊で、直人少年が正気に戻ると消えてしまった。
 これまであんまり無かったウルトラマン同士の戦いが前面に押し出された話。この描写は「ウルトラマン」の「遊星から来た兄弟」、「ウルトラマンレオ」の「決闘!レオ兄弟対ウルトラ兄弟」で少しだけあったくらいか?暴走族が登場したのは「ウルトラマンA」の「この超獣10,000ホーン?」以来だが、こちらはえらく暴力的な存在。
 一応妄想とは言えウルトラセブンが登場。かつてのセブンの戦いが回想的に描かれるところが実によろしい。だけど、そのセブンが町を破壊するなど、ちょっとファンにとってはきつい描写になってる。戦いの音楽もえらく暗い。ところで猛は現れたウルトラセブンを本物と思っているようだが、「ウルトラマンレオ」でセブンが行方不明になっている事実は無くなったのか?
 前回からいきなり話が暗くなってきたが、今回は少年をはね飛ばした上に、「とどめだ」とか叫んで轢き殺そうとまでしてる。急にウルトラマンレオ化したかのようだ。
 星涼子はUGM隊員になったようだが、制服が違ってる。扱いとしては準隊員と言った感じか?猛は王女であるユリアンのことを呼び捨てにしてるけど、これは文化の違いだろうか?それでユリアンに地球人として生きる事を教えているのだが、何故か嫉妬深いユリアンの姿がある。
 相変わらず特撮の力の入り方は凄く、セブンに投げ飛ばされた80が送電線を切った時に火花が散るとか、細かいところまでちゃんと描写してる。
<セブンを説得しようとした猛に対し、「これはウルトラ星人じゃない」と答える涼子。え?ウルトラ星人って正式名称なの?>
第45話 バルタン星人の限りなきチャレンジ魂

  監督:野長瀬三摩地
  脚本:石堂淑朗
  特撮監督: 高野宏一
 いつも友達にバカにされている山野少年は、友達をびっくりさせようとUFO写真を合成しようとする。そんなこどもの恨みの心に目を付けたバルタン星人は山野をそそのかし、そのマイナスの心を広めていこうと画策する。
 敵は宇宙忍者バルタン星人(6代目)。こどもの持つ恨みの心を拡大させ、世界を滅ぼそうとする。
 飽くなきチャレンジ精神を持つバルタン星人の地球侵略を描く話。ここに登場するバルタン星人は強烈な個性を持ち、本作を語る場合、この話のバルタン星人を引き合いに出すことも少なくない。代表作とは言わないまでも、明るい雰囲気を持つ「ウルトラマン80」の一側面をよく示した話になってる。
 2話続けて暗い話が続いていたが、再び少年編に戻ったかのような明るい話が展開している。ちゃんと涼子も個性を出しているので、ユリアンの登場がもうちょっと早かったらもっと良い感じになれたかも知れない。機器も見ずに電波を探知したのを、ごまかそうと必死な姿が良い。
 ここでのバルタン星人の台詞は名台詞ばかり。「一日一悪」「お釈迦様でもご存じあるめえ」「出番ですよ。か」「ミサイル発射。手裏剣シュッシュ。日本は滅びる。地球は滅びる」「おのれおのれぇ」…最高にご機嫌な奴だ。
 久々にユリ子が登場してるが、あんまり個性は出てない。やっぱり涼子が中心になってしまったからか?
 バルタン星人との戦いでは、「ウルトラマン」の「科特隊宇宙へ」が回想され、ウルトラスラッシュでバルタン星人を真っ二つに。切断は結構珍しい。
<バルタン星人が呟いた台詞「お釈迦様でもご存じあるめえ」だが、お前宇宙人だろうが。「ウルトラマンタロウ」のメフィラス星人の名言「卑怯もラッキョウもあるものか」と双璧をなす。
 こどもはUFOが大好きという前提で作られた話だが、そもそも「ウルトラマンレオ」で円盤生物が地球人を恐怖のどん底に落としたことを無視している。
 お母さんが突然フリスビーを円盤に変えたことを見た山野少年だが、それに何の疑問も覚えていない。まあ、バルタン星人が催眠術をかけるシーンはあるのだが。
 地球が滅びるビジョンを見たバルタン星人が言ったのは「ミサイル発射。手裏剣シュッシュ」…なんだ手裏剣って。
 バルタン星人の宇宙船が近くにいることを探知した涼子は、「異次元空間が出口を求めてこの辺を走り回ってる」とか言ってる。比喩表現だろうけど、走り回るって凄い表現。しかし円盤が現れた程度で苦しんでちゃ、戦う事もできないだろうに。
 こども達に見せるために、自分の頭部に模した小型宇宙船に乗ってくるバルタン星人だが、ライザーガン一撃で破壊されてしまった。これって張りぼて?
 五人のこどもを袋に入れ、それを爪に引っかけて人質にする巨大バルタン。サイズが随分違ってないか?それにしてもあれだけ振り回したら、中身はミンチ状態になりそうだが?>
第46話 恐れていたレッドキングの復活宣言

  監督:東条昭平
  脚本:平野靖司
  特撮監督:佐川和夫
 雪山でパトロールをしていた猛と涼子はジュンとヨッコという兄妹と出会う。二人は雪山の洞窟で不思議な壺を見付けるのだが、壺の中からマアジンという魔法使いが現れた。
 敵はどくろ怪獣レッドキング。こども達が「本物の怪獣が見たい」という願いによって壺の精マアジンによって作り出された。そして壺の精マアジン。300年間も壺に閉じ込められていたという精霊。きれい好きで、掃除をしたこどもの願いを叶える。語尾に「でガス」という口癖を持つ。
 前回同様少年編の続きのような話。壺の精とこどもの交流が描かれるが、こどもの願いが災厄を呼んでしまう。人間の欲望とは果てしないものだが、こどもの願いもやっぱりエスカレートすると酷くなってしまう。マアジン自身は全く悪くないのが面白い。あと細かいところだが、レッドキングが現れた時、いじめっ子も含めみんなでヨッコを助けてる描写がなかなか良い。
 怪獣の玩具が欲しいというこども達は、「ウルトラマン」のウーと「ウルトラセブン」のエレキング、そしてレッドキングに落ち着いた。ちゃんとエレキングとウーにはちゃんとバンクがある。
 この話もちゃんとユリアン編していて、故郷の星から持ってきたというメディカルガンをやたらと使おうとする涼子を猛が諫めているシーンなんかもあり。その際「郷にいれば郷に従え」と言う猛に、「郷ひろみなら知ってるわ」と返してる。色々歪んだ知識は入っているようだ。
<雪山でパトロール中の猛と涼子。遊んでるとしか見えないのだが、何のためのパトロールだったんだろう?
 こどもの掃除は自己申告制らしく、ゴミ箱からゴミを出して、それをゴミ箱に戻すのも掃除の一種になるらしい。ずるだろ?>
第47話 魔のグローブ 落し物にご用心!!

  監督:東条昭平
  脚本:石堂淑朗
  特撮監督:佐川和夫
 野球でエラーをしてしまったタダシはグローブに八つ当たりをするのだが、その日以来突如地球に降り注ぐ紫外線の量が激減し、各地でオーロラが見られるようになっていた。実はタダシの八つ当たりを恨みに思ったグローブが紫外線を吸収していたのだ。そして充分エネルギーを溜めたグローブは、ついに怪獣化してタダシに復讐を始める。
 敵は紫外線怪獣グロブスク。タダシ少年が捨てたグローブの怒りと紫外線の吸収によって誕生した怪獣。紫色したグローブの形をしていて、上下逆さまでも行動できる。太陽光を浴びてないと怪獣化を固定できない。
 今回も少年編の続きっぽいが、グローブがご主人様に復讐するというかなり無茶苦茶な物語。これもシリーズ初期のマイナスエネルギーに通じる話ではあるが、無機物もマイナスエネルギーを持つのか?
 一方、ここでも涼子の正体についてオオヤマキャップに睨まれるシーンあり。ブレイヤード星なるかつて滅んだ星の話をしてしまい、慌ててそれを「童話」とごまかしていた。
 一応この当時から言われ始めた大気汚染によるオゾン層破壊もテーマに入ってはいる。
 この作品は不思議と朝日が似合うが、今回の話でもグロブスクとの戦いが特徴的に朝日とマッチしてる。
<紫外線を吸収したグローブは紫色に変色する。紫外線って目に見えないものなのだが、字面で紫にしてしまったのだろう。
 紫外線を吸収すると言っても、東京獣の紫外線を吸収すると言うことは、太陽の光そのものを全部自分に集中させると言うこと。無理だって。そもそも普通に明るいし。
 グロブスクを捕らえるために球状になって攻撃する80だが、体育座りのまま飛んでいくのは結構シュールな光景だ。>
第48話 死神山のスピードランナー

  監督:宮坂清彦
  脚本:水沢又三郎
  特撮監督: 高野宏一
 伝統ある中学生対抗マラソン大会に出場するマサオ少年。しかし母親が病気になってしまい、その事が気になるマサオはなかなか集中できないでいた。そんな中、猛スピードで走る少年が現れ、優勝を目指す星雲中学校は彼をスカウトする。
 マラソン怪獣イダテンラン登場。マラソンを見るのが大好きなマラソン小僧が怒ると変身する怪獣。口から突風を吐く。昔山犬に足を噛まれたことがあるそうで、犬が苦手。80とマラソン勝負をして、負けて山に帰る。
 これも少年編の一本になるのか?珍しく中学生が主人公になっている。中学生と言うことで、桜ヶ丘中学かと思ったら、全然違う中学だった。マサオ少年はスーパーとかぶるので、ここ位元の桜ヶ丘中学して欲しかった部分。
 話自体は、その地方では神様と崇められていたり、常識外れのこどもに変身したりと、「山からすもう小僧がやって来た」とほとんど同じものになってしまった。妙にイダテンランの事に詳しいオオヤマキャップとイトウチーフが、とても真面目な顔して馬鹿げた話をしてるのが面白い。
<ところでマラソン小僧は古くから知られていたらしいが、なんでマラソンなんだ?
 中学生のマラソン大会をジープに乗って応援してるUGMの面々。イダテンランを監視すると言う意味で、暇とは言えないか。
 怪獣が出ているその脇で普通にマラソン大会が行われている。日本って凄い国だ。>
第49話 80最大のピンチ! 変身! 女ウルトラマン

  監督:宮坂清彦
  脚本:山浦弘靖
  特撮監督: 高野宏一
 都内14カ所から怪電波が発せられる。調査の結果、二体の怪獣がいることが推測されたが、どうしても怪獣は姿を現さなかった。丁度そんな時、自作ラジオで怪電波をキャッチしたツトム少年が、勝手に調査に向かっていた…
 敵は合成怪獣プラズマとマイナズマ。奥多摩に潜伏していた怪獣で、都内14カ所に怪電波を発信し、14体の怪獣がいるように思わせていた。二体が合体することで大きな力を出す。
 最終章の始まりで、ついにユリアンが登場する。涼子は自分たちがウルトラの星から来ている事を隠している事を相当済まなく思っているようで、その事についての不満を猛にぶつけている。
 ツトムという少年も登場し、少年編の要素もあり。でも普通の少年がUGM基地に勝手に入り込んでるとか、ちょっと無理もあり。
<今回登場するツトムは、結構良い年齢なのだが、妙にこどもっぽかったり、台詞が棒読みだったりで、ちょっと引く。
 ツトムが持っている自作ラジオは電波を発信することも出来るらしい。ラジオと言うよりハムっぽいな。
 ユリアンの変身を必死で止める80。その理由は、二人一緒に倒されてしまったら地球を守る存在がいなくなるから…でもそれっておかしいよな。二人で一緒に戦った方が勝率が上がる訳だから。事実そうやってプラズマとマイナズマを倒してる。
 初めて登場したユリアンは当然女性。分からないとは言え、イケダは「別のウルトラマン」と言っている。実際にはウルトラウーマンだよな。>
第50話 あっ! キリンも象も氷になった!!

  監督:満田かずほ
  脚本:石堂淑朗
  特撮監督:佐川和夫
 九州を突如寒波が襲い、南原市を一瞬にして凍り付かせてしまった。怪獣の仕業と見たUGMが出撃するが、この最大の怪獣に対し、オオヤマキャップはウルトラマン80の力を借りず、自分たちだけで怪獣を倒す事を宣言する。
 敵は冷凍怪獣マーゴドン。全身から冷気を振りまき、南九州を氷付けにしてしまった。熱気を全て吸収し、星を氷付けにしてしまう程の力を持つ。UGMによって冷凍弾を吸収させられ、そこにジャイアントボールを当てられて粉砕された。
 最終回。徹頭徹尾UGMが中心となり、人間の力で最大最後の怪獣を倒すという意志を見せてくれた。その分ウルトラマン80も、前回から登場したユリアンも戦うことなく終わるという、一種異様な話でもある。これまでの話では、自らがウルトラマンであることを告げて去っていったが、他人によってウルトラマンであることを明かされるというのも初めてのこと。
 これまでのウルトラシリーズは、最終回で「地球を人間に託す」として地球を去るウルトラマンの姿があったが、それを極端な形で表したのが本作だろう。おそらくはこれこそがシリーズ最終回という気負いがあったものと思われる(事実本シリーズとしては実に「ウルトラマンメビウス」まで四半世紀の休止を余儀なくされた)。しかし、これにより人間はもう怪獣に対して戦えるだけの力を持ったことを確信して80は去っていく。
 今回一切戦わず、最後にユリアンと共に変身して空へと去っていく80。前回の戦いで本当に身体はぼろぼろだったと説明されるが、ちょっと唐突すぎる気はするな。
 オーストラリア支部にいたというハラダとタジマも帰ってきたし、今回気象をテーマにしただけにユリが大活躍。分析班としてさほど目立った存在ではなかったが、最後に意地を見せたってことか?なんと城野エミの見所まである。そっくりなアンドロイドだが。UGMの一人一人を目立たせようとした脚本の苦労でもある。
 結局桜ヶ丘中学は最後まで言及されなかったのは残念。
<オオヤマキャップによれば、猛が80であることを知ったのはつい最近だそうだが、多分最初のスカウトの時から薄々知っていたような節があったが。
 80はウルトラの星に帰らねばならず、そのためにユリアンが迎えに来たとオオヤマキャップは言ってた。地球の危機を知らせるために来ただけだったはずだが、まあその辺推測なんだろう。
 ただ、この話の場合、最大のツッコミどころは、タイトルだろうな。>