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魔法戦隊マジレンジャー

魔法戦隊マジレンジャー事典
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2005'2'13〜2006'2'12

 戦隊シリーズ29作目。近年の戦隊シリーズの傑作と言われる特捜戦隊デカレンジャーの後番組としてはよくやった作品と言えよう。本作は魔法を主題として、“家族愛”と“勇気”を主題にして、ストレートな作品となっている。又、一年を通してのストーリー展開がしっかりと作られており、それに応じてクール毎に敵の強さおよび味方の強さがどんどんアップ。結果として強さがインフレを起こしているけど、これはこれで味と言う奴か?
 ここでもネーミングの言葉遊びが込められている。“ま”きと、“ほ”うか、“う”らら、“つ”ばさ、“かい”を連続して読むと“魔法使い”になるという。

主な登場人物
小津魁
マジレッド
(役)橋本淳。テレビ、映画双方で積極的に活動中。
 小津兄弟の末っ子。サッカー部に所属する高校二年生。炎のエレメントの魔法使いで、物質の元素を組み替え、別の物質を作ることが出来る練成術を使う。巨大化魔法によりマジマジン・マジフェニックスへと更に変身する。炎を表すだけに、性格は伝統的に正義感と高いテンションを持つ。
マジグリーン
小津蒔人
(役)伊藤友樹
 小津家の長男。父のいない小津家の家長的存在。こよなく土を愛し、自分の農園も持ってる。大地のエレメントの魔法使いで、植物を自在に操る魔法植物学を使う。巨大化魔法によりマジマジン・マジタウロスに更に変身する。
マジピンク
小津芳香
(役)別府あゆみ
 小津家の長女。性格は軽く、惚れっぽい。何事もはまりこんで熱中するが、長続きしない。風のエレメントの魔法使いで、変身能力を有する。巨大化魔法によりマジマジン・マジフェアリに変身する。
マジブルー
小津麗
(役)甲斐麻美
 小津家の次女。何でもそつなくこなし、慈愛に溢れた性格をしているが、便利屋のように使われることが多い。水のエレメントの魔法使いで、未来の予測が出来る占いを使う。巨大化魔法によりマジマジン・マジマーメイドに変身する。
マジイエロー
小津翼
(役)松本寛也。後に戦隊ものにたびたび登場している。メインとしては「特命戦隊ゴーバスターズ」のビートバスター。
 小津家の次男。家族一番のリアリストで、見た目醒めてるが、意外に情に厚い一面を持つ。雷のエレメントの魔法使いで、薬を調合して用いる魔法役調合を用いる。巨大化魔法によりマジマジン・マジガルーダに変身する。
マジマザー
小津美雪
(役)渡辺梓
 小津家の母親でマジマザーに変身する。マジトピアとインフェルシアとの戦いでの勇者天空聖者と結婚し、五人の子供をもうける。地球でインフェルシアの攻撃を見張っていた。2話で魔道騎士ウルザードとの戦いで霧散してしまうが、後に復活。
マジシャイン
ヒカル
(役)市川洋介
 かつて天空界と冥府界との戦いで、天空界を裏切ったライジェルと相打ちとなってカエルの姿にされてしまったサンジェルの姿。マジシャインとなり、マジレンジャー達の先生となる。
ウルカイザー
小津勇
 絶対神ン・マを封印した天空聖者ブレイジェルがン・マの呪いによって姿を変えられてしまった。実は彼こそがマジレンジャーの父親勇だった。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 旅立ちの朝 −マージ・マジ・マジーロ−

  脚本:前川 淳
  監督:渡辺勝也
 母の美雪と5人のこども達で仲睦まじく暮らしているごくごく普通の家庭小津家。しかしその小津家の近くで突然生じた魔法陣から怪物が出てきた。その時、小津家の母美雪は突然マージフォンを取り出し、マージ・マジ・マジーロのかけ声と共にマジマザーに変身する。冥獣トロルをあっという間に下した美雪は小津家の秘密を兄弟に打ち明けるのだった。
 敵はトロル。ファンタシーの定番モンスターで、この姿もそれに準じているようだ。5メートルを超す巨人だが、魔法陣から登場した瞬間、マジマザーにより封印されてしまう。恐らく戦隊もの歴代一早く退場した敵となるだろう
 一発目からかなり飛ばしてる作品。僅かな時間で5人兄弟の個性をはっきりうち出した後、いきなり母親が変身。僅か10分程度でここまでやってくれるとは、演出に関しては見事と言うしかない。変身の時間もたっぷり取ってるし(口上も入れると多分最長になりそうだ)、テンションの高さも良い。
 笑いの要素も忘れてない。オープニングでいきなり出てくるのが「兄貴サラダ」だったり、格好や音楽がハリー・ポッターだったり。パクリ方が又、面白い。
 更に本来戦隊もののリーダーであるレッドが末っ子と言うこともあってか、彼のために特別に演出がなされているのも重要。
 正直戦隊ものの傑作「特捜戦隊デカレンジャー」の後だけに、ちょっと心配していたが、それが吹っ飛んだ。こりゃ面白いぞ。期待させてもらおう。
VOL.1
<A> <楽>
第2話 勇気を出して −マージ・マジ・マジカ−

  脚本:前川 淳
  監督:渡辺勝也
 マジレンジャーとなった小津兄弟の前に姿を現したウルザードは突如巨大化。彼らを踏みつぶそうとする。その時、ウルザードの前に立ちふさがった純白の戦士マジマザー!だが、圧倒的な力の差で、ウルザードの前に霧散してしまう。突然の母美雪の死に動転する間もなく、新たな敵が街に現れる…
 敵はブロブ。巨大な口を持つ緑色の冥獣。ヴァンキュリアによって連れ去られたレッド、グリーン、ブルーを飲み込んでしまうが、巨大な胡椒瓶に変身したマジピンクに胡椒をふりかけられ、くしゃみして全員を吐きだしてしまう。身体の一部を飛ばして攻撃する。
 ええ?と言う意外な展開。マジレンジャーを束ねるはずだったマジマザーが冒頭いきなりの死!戦隊ものは基本的に味方の死を描かない傾向にあるのに、シリーズが始まった途端にこれ?…多分後半になったら…という気はするんだけど(笑)
 更に今回巨大戦が演じられるが、このシリーズはロボットではなく、本人が巨大化という面白い展開となってる。それぞれが単独でブロブと戦う訳だが、とりあえず今回は合体はしないけど、マジピンクがボールに変わって、それを全員で蹴って敵を倒すって展開は…ゴレンジャー?
 空飛ぶ箒が出たりと、魔法のアイテムは山ほど出てくるため、とにかく色々と楽しめそうではある。
第3話 魔竜に乗れ −マージ・ジルマ・ジンガ−

  脚本:前川 淳
  監督:中澤祥次郎
 母美雪の残した魔法部屋を探索する五人。魁が鉢植えの植物を引っこ抜くと、そこから叫び声を上げてマンドラ坊やが登場した。マンドラ坊やが歌う歌によれば、レッド、ブルー、ピンク、イエローは先鋒に、グリーンは後方控える存在だという。長男としてみんなを引っ張っていくつもりだった蒔人はそれを聞いて納得がいかない。そんな時にインフェルシアの出現を受けたマジレンジャー達は森で続発していた行方不明事件を解決するため、森へと向かうが、戦闘中にグリーンとレッドは喧嘩を始めてしまう。
 敵はワーム。8本のミミズのような頭部を持つ巨大な敵で、人間を食料とする。マジドラゴンとマジフェニックスによるマジカルドラゴンシュートにより倒される。それとワームに食料として人間を与えるためにハイゾビルが登場する。
 マジグリーンが主人公の話。小津家の長男としてみんなを引っ張っていくつもりだったのに、後方任務だと言われ、ふてくされる。しかし、長男の責任って実際こんなもんだ。そしてその任務をしっかり受け止める姿が描かれるのだが、なんだか自分に酔ってるぞ。その描写も良し。
 これまでの戦隊シリーズでは人が死ぬことはそう多くはなかったんだけど、先の「特捜戦隊デカレンジャー」以来、その辺のタブーが崩れてきたかな?冒頭から人が死んでるよ。
<こどもに変身シーンまで見せておいて「秘密にして」というブルー。良いのか?>
第4話 魔人の王様 −マージ・ジルマ・マジ・ジンガ−

  脚本:前川 淳
  監督:中澤祥次郎
 母美雪の形見であるコンパクトを魁が壊してしまい、怒り心頭に達する麗。そんな中、早速魔法110番に通報が。行方不明になったお父さんを捜してくれと言う通報を受け、麗の占いに従って出動するマジレンジャー達。そこに現れたコカトリスの石化光線が魁を襲うが、間一髪、魁を救った麗が石化光線を受けてしまう…
 敵はコカトリス。ニワトリのような姿を持つ冥獣。石化光線を使って人を石にしてしまう能力を持つ。光線は鏡によって反射可能で、逆に自分で石化光線を受けて石になってしまう。初めての等身大のモンスターで、これ又初めて巨大化する。それとバンキュリアとの戦いも描かれるが、未だマジレンジャーの力ではバンキュリアには到底敵わず。
 兄弟愛をテーマとした大変気恥ずかしい物語。最近の傾向として成長の要素が取り入れられているため、前半部でのヒーローの能力は制限されている。その事を如実に示した回でもある。
 それと全員が合体してマジキングとなった。これまでの巨大戦がほとんどCGで演出されていただけに、ようやく本来の戦隊シリーズの持ち味が出た感じになった…悪く言えば単なる「定番」の物語だが。
第5話 恋をしようよ 〜マージ・マジーロ〜

  脚本:前川 淳
  監督:竹本 昇
 サッカー部マネージャーで学園のアイドル山崎さんに片思い中の魁。それを知った芳香は、早速その恋を成就させようと大奮起。様々なものに変身してサポートしようとするが、全部裏目に出てしまう。その頃、世間では原因不明の行方不明事件が続発。魔法110番に次々と通報が入っていた。麗の占いから、擬態を得意とする冥獣であると推測する蒔人だったが…
 敵はミミック。擬態を得意とする冥獣で、タクシーに化けて次々と人をさらう。マジレッドとマジピンクの連携技マジ・エアリアル・ハイパーにより倒された後、巨大化。やっぱりタクシーに変身してマジフェニックスを引っ張りまくるが、最後はマジキングによりあっさりと倒される。
 魁の恋の行方とそれをサポートしようとする芳香の空回りの活躍が描かれる。マジピンクは変身が得意だけに、蜂、扇風機、ラジカセ、ポストなどに変身…ポストと魁が喋ってて、それを指さす子供まで演出してる。なんとバンキュリアにまで化ける…偽物は敵の専売特許でないところがこの作品の特徴か?最後は大砲に化けてマジレッドを撃ち出してる。
<関係ないけど、甘味処で制服を汚された山崎さんが取り替えた服って、何故かセーラー服。今時なんで?…監督の趣味?>
VOL.2
<A> <楽>
第6話 闇の覇王 −ウーザ・ドーザ・ウル・ザンガ−

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 インフェルシアではいつまでも地上侵攻が出来ない事に苛立つブランケンがウルザードに食ってかかっていた。そこで単独で地上に出ることになったウルザードは夢で魁に呼びかける。母の敵と勇んで出撃する魁は、兄弟達の力を借り、ウルザードが変身したウルケンタウロスを倒すのだが…
 具体的なモンスターは出てこないのだが、ウルザードと、バリキリオンが合体したウルケンタウロスと、更に五人の魔法の力を吸収してウルカイザーに変身。その力を用いてブランケンまで地上に出てくる。
 これまでの話で兄弟の誰が絡んでも必ず魁が中心となっていたが、今回はそのまま魁一人が中心となる。どうやらこのキャラクタはシリーズの中でも特別な意味合いを持つらしい。実際、ウルザードの呼びかけに一人だけ応えることが出来たとか、今のところ説明できない妙な力を出したりと、色々謎が出てきている。少しこの作品の方向性が見えてきたぞ。
 更にウルザードの謎も少しずつ見えてきた。このキャラが鍵となるわけだな。そうなると当然、兄弟との関連も考えられるのだが、さて…<先が見えた気がする>
第7話 夢の中へ −ジンガ・マジーロ−

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 圧倒的なウルカイザーの力の前に完敗したマジレンジャー達。四人は回復したのだが、一人魁のみが目を覚まさない。翼は三人の兄姉の集めた材料を用いて人の夢の中にはいることの出来る魔法薬を調合するが、他の三人が魔法110番を受けて出動したため、翼がその薬を飲むことに…
 敵はファンガス。キノコの冥獣で、体内から出る胞子を吸った人間は砂のようになってしまう。又、吸った相手の動きを緩慢にしてしまう胞子も出すが、たまたま事前に翼が作った動きを上げる薬を持っていたため、事なきを得る。
 人の夢の中に入ると言う、いわばサイコダイブのお話。テレビシリーズだけに、イメージはあまり派手ではなく、砂丘が舞台となってるだけ。
 いつも仲が悪い翼が実は一番弟の魁を案じてると言うのがオチだが、ありがちながら兄弟の良さをよく表してる。久々にマジマザー美雪が思い出の中で登場するのも特徴。
第8話 君こそヒロイン −マジュナ・マジュナ−

  脚本:横手美智子
  監督:渡辺勝也
 映画『冬のチアガール』のヒロインが突如失踪した。早速芳香はその代役オーディションに申し込むが、その際、麗に姿を消してサポートさせようとする。ところが麗の姿を見た監督が、ヒロインのイメージとピッタリと言われてしまう…戸惑いながらも、ヒロインとなった自分を想像してうっとりしてしまう麗だったが…
 敵はマンティコア。なんだか西インドの民族衣装のような姿をしてる。人間を強制的に踊らせて食べてしまう冥獣。マジレンジャーも踊らせるのだが、スペシャルアイテムである魔法のポンポンを使ったブルーとピンクの攻撃に逆に踊らされてしまう。
 ブルーとピンクが中心の話。これまで誰が主人公となっても必ず魁が中心となっていたが、ようやくここで普通の話になったか?
 今回マジピンクは車と暖簾に変身する。
<最後に麗が兄弟それぞれに今まで言えなかった事を正直に言えるようになったのだが、魁に対しては「ベッドの下に雑誌を入れちゃいけないよ」…って、この作品の対象は明らかに小さなお友達だけじゃないな…現に私が観てるが(笑)>
第9話 炎の友情合体  −ジルマ・マージ・マジ・ジンガ−

  脚本:前川 淳
  監督:中澤祥次郎
 ブランケンが地上に出るために必要な力をウルザードが持っていることを知ったブランケンは怒り狂っていた。そうとは知らぬウルザードは地上に出て、マジレンジャー達を圧倒する。だが、とどめを刺そうとしたウルザードの背中にブランケンの命を受けたバンキュリアの呪いの矢を受けてしまう。その際、次元の裂け目に落ちてしまうマジレッドとバリキオン…
 敵はトロル。1話目で登場が僅か数秒で倒されたという不遇(?)の冥獣だったが、ここで復活!…やっぱり数秒で倒されてしまう。しかしその後更なるパワーアップを経てストーントロルとなる。それと今回もウルカイザーとの戦いが描かれる。マジドラゴン+マジフェニックスでは全く歯が立たない。
 またまたマジレッドが主人公の話で、ウルザードの乗騎バリキオンとの友情が描かれる。最終的にマジフェニックスとバリキオンは合体し、ファイヤーカイザーに変身する。結構複雑なお話。
VOL.3
<A> <楽>
第10話 花が咲いたら −ジルマ・マジカ−

  脚本:前川 淳
  監督:中澤祥次郎
 喫茶店の店員江里子に惚れ込んだ蒔人は猛烈なアタックをかけていた。だが、当の江里子は蒔人のことなど全く眼中にない様子。喫茶店の中に飾ってあったサボテンの花を咲かせられたらつきあいを考えるという江里子の言葉に有頂天になった蒔人は早速そのサボテンを家に持ち帰り、プチ・エリコと名付ける。だが、そのサボテンは既に冥獣スペクターが憑依していたのだった…
 敵は冥獣スペクター。生物に憑依して化け物に変えてしまう力を持つ。サボテン“プチ・エリコ”に憑依し、巨大化させてしまう。
 初めてのマジグリーン単独の主人公の話。恋する男は強いというが、サボテンを守りながら戦うマジグリーンの強いこと。それにしてもサボテンを植えるためにマンドラゴラを抜くとは無茶する。物語そのものはほとんど『リトルショップ・オブ・ホラーズ』そのまんま。
 ところで蒔人の片思いの相手である江里子は、蒔人のことを「暑苦しい男」と称する。うん。それは正しい…が、「私みたいないい女」…ってのは、ちょっと無理がある(少なくとも私好みじゃない)。
 ちなみに古い特撮ファンの私は熱血馬鹿が好きなので、蒔人のキャラクタ性は大変嬉しい。しかし、なんでこれでうまくいくのかが展開的に分からなかったりする。ちょっと恥ずかしい。
 そう言えば先週で力が戻ったので、今回から又マジキングが登場。
第11話 吸血鬼の夜 −マジーロ・マジカ−

  脚本:横手美智子
  監督:竹本 昇
 ライブに出かけた芳香はそこでどこかで見た女性二人のユニットの演奏を聴くのだが、その後、芳香は急激なパワーアップを果たすのだが、妙に疲れを覚えるようになる。夜になると麗の血を吸うようになり、牙が生えてくるようになってしまった。なんと芳香は吸血鬼になってしまったのだ。芳香が行ったライブが怪しいと睨んだ翼は共に夜のライブへと出かけるのだが…
 敵はリーチ。ハエジゴクのような姿をした冥獣。ナイとメアが連れてきた冥獣で、二人が行ったライブで正気を失った人間達の血を吸い、人間を吸血鬼にしてしまう。
 芳香と翼を中心とした話。魁が中心とならなくなってきたのは、やっと普通の戦隊ものに戻ってきたと言うことか?
 話自体は定番のままか…と思ったら最後にもう一山あった。次回に続くって訳ね。
第12話 決意のしるし −マージ・ジルマ・マジ・マジカ−

  脚本:横手美智子
  監督:竹本 昇
 冥獣リーチを倒したにもかかわらず、芳香はまだ吸血鬼のままだった。どうやら芳香は別の吸血鬼に血を吸われていたらしい。そんな時に又しても現れたウルザードは翼に芳香の血を吸ったのはバンキュリアであることを告げるのだった。
 新しい敵は出てこないが、バンキュリアウルザードと戦ってる。
 前回に続き、イエローとピンクが中心の回。芳香は今でもバンキュリアに操られているが、それを信じ抜くイエローの姿が描かれる。ベタかも(笑)
 バンキュリアをここで倒してしまったが、結局はパワーアップを果たして復活。まあ、こんなもんだろう。
 芳香役の別府あゆみは、結構演技が巧いことを知り、ちょっと見直す。
<バンキュリアに操られ、みんなの元に帰ってきた芳香がみんなにリンゴを振る舞う際、麗が言った言葉は、「やっぱり。芳香ちゃんはみんなにおみやげなんて買ってくるはずないし、そんなにうまくリンゴを剥けるはずがないわ」…分かってるなら最初から止めろ…って言うか、性格悪いぞ(笑)>
第13話 お母さんなら −ジンガ・マジュナ−

  脚本:前川 淳
  監督:渡辺勝也
 蒔人がアニキ農場の売り上げを落としてしまったという。今月の家計があまりのピンチを迎えてしまった。兄弟の財布を預かる麗はみんなに心配をかけたくないと、緊縮財政を敷く。母の代わりを健気に務めようとする麗だったのだが、他の兄弟には理解されない。更に特等が米一年分という福引きにはまってしまった麗は、街に現れた冥獣オーガとの戦いに出遅れてしまう。
 敵はオーガ。地底冥府の蠱毒房での死闘で生き残った最強の三匹“三冥獣”の一員。突進力に長ける冥獣だが、新しい魔法マジカルカーテンによりはじかれて、あっけなく倒されてしまう。
 “お母さん”になろうと、みんなに心配をかけないように頑張る麗の活躍が描かれる。ただ、お金のことで心配させたくないばかりに緊縮財政を強いたら、余計心配するって…結局全てを兄弟で担おうとすると言うオチでまとめられる。なんか個性のない定番的な話ではあった。
<福引きの際、「天空聖者よ。我に金色の玉を」と祈る麗。そんなもんに力を貸すとは思わないが(事実福引きは見事に外れ)。しかし、「金の玉を」ねえ(笑)>
VOL.4
<A> <楽>
第14話 燃えろパンチ −ジー・ジー・ジジル−

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 明日はあこがれの山崎さんとデートと言うことで、舞い上がっている魁。そんな時、三冥獣の一体グールが街に出た。ボクシングで対抗するマジイエローだったが、拳を負傷してしまった。グールに対抗するにはボクシングで対抗するしかないと、翼は魁の特訓を開始する。
 敵はグール。“三冥獣”の一体で、ボクシングを得意とする…ってなんでボクシングだ?一応腹が弱点だったが、前回倒されたオーガの忘れ形見の鉄棒でどかどか腹を鍛えられ、弱点も克服。結局巨大化はなし。
 魁と翼の二人が中心となる話で、前回振られた(?)山崎さんと又しても良い雰囲気となる魁だが、やっぱり「あこがれの魔法使い様」を忘れられず、結局又振られてしまう話。
<ボクシングで戦うマジイエローが拳を怪我してしまうが、その瞬間、レントゲン写真が…ひょっとして『必殺!』シリーズ?>
第15話 花嫁の兄 −ジルマ・マジ・マジュナ−

  脚本:横手美智子
  監督:鈴村展弘
 髑髏に呪いの刻印を押された者は一週間以内にこの世から消えてしまうという“赤い髑髏事件”が続発していた。だが、小津家では芳香が突然結婚宣言!それを聞いた蒔人は「絶対に許さん」と怒り出す。しかし、芳香の本心は…
 敵はスケルトン。“三冥獣”の一体で、“赤い髑髏事件”を引き起こして、じわじわと人間世界を浸食していくが、ブランケンの命令で直接攻撃に切り替えることになる。強さ自体はたいしたことがないのだが、何度倒されても復活してしまう。
 突然芳香の結婚話が出るが、戦隊ものではこういうのは珍しい。私が知ってる限りでは前回の『特捜戦隊デカレンジャー』で一回あったが、ネタの一つとして作られるようになったんだな。これも一種の成熟度なのかもしれない。当然ながら結婚が失敗するのも同じ。
 そしてインフェルシアの目的である“門の鍵”のヒントがここで出てくる。
第16話 門の鍵 −ウザーラ・ウガロ−

  脚本::前川 淳
  監督:鈴村展弘
 バンキュリアに襲われていた女性を助けたマジレンジャー。だが、彼女は全ての記憶を失っていた。マジトピアの歌である「天空のやすらぎ」を口ずさんでいたことから、マジトピアの関係者ではないかと思い、保護するが、彼女は自分の記憶を呼び戻すことを極端に恐れていた。一方、ブランケンに失敗を糾弾されたバンキュリアはなんとしてでも門の鍵を手に入れようと、彼女に襲いかかってくるのだった。
 冥獣は登場しないが、バンキュリアとの決戦が描かれる。バンキュリアはナイとメアに分かれ、それぞれ“銃殺の暗黒自動弓銃”と破滅の爆発大回転銃”を用いて襲ってくる。
 新キャラ登場。この時期に(丁度新しい四半期に入った)助っ人が現れるのは戦隊ものの定番。しかも当初は極端に強いということも定番。これまで互角に戦うことも出来なかったバンキュリアがあっけなく倒れてしまうことになった(死んではいないけど)。
第17話 優しさはいらない −ウーザ・ドーザ・ウル・ウガロ−

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 天空聖者として覚醒したルナジェルはマジレンジャーの戦い方を「甘すぎる」と一刀両断し、かつてインフェルシアを封印した五人の父ブレイジェルは冷徹な戦士であったことを告げるのだった。その時暗黒魔法を極限まで高めたウルザードからのメッセージが魁の頭に響いた。五人ではウルザードに太刀打ちできぬと、試練を与え、一人ウルザードとの戦いに向かうルナジェルだったが…
 敵はウルザードだが、今回の戦いはマジレンジャーではなくルナジェルの方。マジレンジャーの五人も試練を受けているが、これはほとんどおまけみたいなもん。大体「冷徹な戦士になれ」と言っておきながら、結果は何も変わらないで良いと言ってるようなものだ。最終的にはああいう決断になるに決まってる。それと一応最後に申し訳程度に冥獣ガーゴイルが登場。
 ウルザードの正体がおぼろげながら見えてきたが、まあ、これは最初から大体分かっていたことの確認に過ぎず。
 当初の熱さがだんだんパターン化してきたなあ。最後までテンションが落ちなかった「特捜戦隊デカレンジャー」の凄さを感じずにはいられない。
<ルナジェルの試練を見事乗り越え、危機に陥ったルナジェルを助けたマジレンジャーは、危機が続いているにもかかわらず全員が変身を解いて、周囲にもまるで注意を払ってない。「甘い」と言われるわけだよ>
VOL.5
<A> <楽>
第18話 力をあわせて −マージ・ジルマ・ジー・ジンガ−

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 ウルザードによって地上界とインフェルシアをつなげる冥府門が現れた。リンの命が奪われる時、その門は開き、インフェルシアの大軍団が地上に現れるという。そしてリンは連れ去られ、処刑の時が近づく…門の守護獣ガーゴイルと、無理矢理地上に出てきたブランケンを前に苦戦を強いられるマジレンジャー…
 敵はガーゴイル。前回ラストにちらりと登場した冥府門を守る冥獣で、レッドを除く四人が変身したマジドラゴンによって倒される。そして再び地上に現れたブランケン。
 話はレッドと他の四人に分断するが、中心となるのはやっぱりレッドで、ウルザードとの決戦が描かれる。それ以外は戦隊ものの盛り上げ方としては至って普通…いや、ラス前の敵と思われたブランケンがあっけなくここでやられてしまったのは意外か?
 ここで倒れてしまったブランケンだったが、元はハイゾビルだったらしい。インフェルシアは実力社会であることが覗える。
第19話 魔法のランプ −メーザ・ザザレ−

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 ブランケンを倒し、冥府門も閉じることが成功したが、麗の水晶玉には不吉な印が。一方、ナイとメアは封印を施された洞窟でなにやら捜し物をしていた。その場に向かったマジレンジャーは、まるでナイとメアに誘われるかのように洞窟にはいると、そこには一匹の蛙とミイラ、そしてマジトピアの紋章が施されたランプがあった。そこに現れたバンキュリアにより、ミイラは持ち帰られてしまい、マジレンジャーの手元にはランプだけが残る…
 敵というか、ライジェルが魔動神官メーミィとして復活。ライジェルという名前は前にルナジェルが「裏切り者」と言っていた悪の天空聖者だったが、これによってウルザードの正体はライジェルでなかったことがはっきりした。で、力を示すためにマジレンジャーと戦う訳だが、ふざけたキャラの割には魔法力は桁違いに高い。
 それと魔法のランプから猫のようなスモーキーが登場。何でも願いを叶えるとか言いつつ、ほとんど使い物にならない。とりあえず巨大化は出来るので、敵を驚かせるくらい。
 かつて天空界を揺るがした天空聖者マジシャインと裏切り者ライジェルの戦いから始まる。新展開を感じさせるオープニングだが、強大な味方が現れた分、バンキュリアが大変情けなくなってしまった。なにせナイとメアは突然歌い出すわ、メーミィによってムカデに変えられてしまうわで、大変情けない。
 最近はCGの使用により、キャラの大きさを変えることが出来るようになったが、ここではメーミィがなんとマジキングの5倍くらいあったりする。
第20話 キスしてケロ −ゴール・ゴル・ゴルディーロ−

  脚本:前川 淳
  監督:中澤祥次郎
 インフェルシアに忠誠を誓ったメーミィにより、より強力な冥獣人ガリムが復活させられた。これまでの冥獣と較べ、明らかに知性の高いガリムに翻弄されるマジレンジャー。そしてその危機を救ったのは、なんと一匹のカエルだった。何故かカエルが大嫌いな麗に懐くそのカエルを芳香は「ヒカルくん」と呼ぶのだが…
 敵はガリム。メーミィが新たに呼び出した冥獣人で、種族はグレムリンに属するらしいが、固有名が付いているだけに、かなり個性は強い。特にマジレンジャーを小馬鹿にした発言が多いのも特徴か。
 前回から新たな展開へと変わっていったが、ここで新しい敵と味方が登場。前回登場したカエルの“ヒカルくん”で、実はこれは天空勇者のサンジェルだったというオチが付く。つーか、これはまさに戦隊ものの定番だって感じ。最初が無茶苦茶強いのも定番か?それが妙にイケメンだってのは最近の流行りだけど。
 新しく出てきた天空勇者のマジシャインは不遜だけど悪い奴ではなさそう。
第21話 魔法特急で行こう −ゴー・ゴー・ゴルディーロ−

  脚本:横手美智子
  監督:渡辺勝也
 マジシャインことヒカリを先生として魔法の修行を行うマジレンジャー。しかしその課題である魔法のリボン結びがなかなか出来ない蒔人は、兄である自分を差し置いて先導者として振る舞うヒカリにちょっと反発を覚えていた。そんな時、ヒカルはマジレンジャーを課外授業に連れ出すことに。突然原始時代に放り込まれた兄妹達だったが…
 敵は冥獣ベヒモスの冥獣人ベルダン。巨大な槌を持ち、大地のツボをこれで刺激することで大地震を起こすことが出来るのだが、地下生活が長かったため、大地のツボを探し当てるのに時間がかかってるうちにマジグリーンの一撃を喰い、更に巨大化するものの、トラベリオンによってあっさりと叩きつぶされてしまった。
 魔法の修行が描かれる話だが、今まで兄貴として責任感を一手に引き受けていたマジグリーンが実は一番物覚えが悪いという事が発覚。最後はきっちり兄貴として決める辺りは流石戦隊ものってところか。というか、最年長だからと言うだけでなく、蒔人が主人公になるのが実は一番しっくりくるんだよな。
<魔法の列車トラベリオンにより原始時代に送り込まれてしまう。この辺りの描写は「ハリー・ポッター」そのものだな。
 5日間原始時代に送られたお陰ですっかり汚れてしまった5人だが、麗と芳香の格好は狙いすぎだろ?
 魔法により筋肉隆々となるマジグリーン。しかし筋肉が付いたのは上半身のみ。全体のアンバランスさは結構気持ち悪い。
 それにしてもここまで良いところ無しに終わってしまう冥獣人ってのも可哀想な…>
VOL.6
<A> <楽>
第22話 京都でデート?  −ルーマ・ゴルド−

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 ヒカルを誘って京都に行く芳香。実は京都にお参りしたい神社があるのだが、細かい場所が分からないのでヒカルの魔法を利用しようと思ってのことだった。芳花の勝手ぶりにあきれながらもつきあうヒカルだったが、その途中で冥獣人キリカゲが出現。芳香を連れ去ってしまうのだった。
 敵は冥獣ニンジャの冥獣人キリカゲ。ところでニンジャって冥獣なのか?妙に和風な敵で、マルデヨーナ空間に芳香を閉じこめた上に、でんでん太鼓を使ってマジレンジャーの変身を防いだりする。
 戦隊ものではここのところ毎年やってる京都遠征編。この作品が東映ものだと再確認させるため?当然舞台は太秦の忍者村。で、出てくる敵がいきなり和風になり、マジレンジャーも和服で戦ってる。で、忍者ものかと思わせたら、何故か最後はお白州にてトラベリオンの裁きを受けることになるキリカゲ…う〜〜ん。
 芳香メインの話となったが、いつも通り勝手な芳香に引っ張り回されるのは兄弟たちではなくヒカルというのがいつもとの違い。
 キリカゲ役は「忍者戦隊カクレンジャー」サイゾウ役の土田大。
<ヒカル先生がかなりのてっちゃんだと言うことがよく分かった。これは観光案内を兼ねて狙ったか?
 ナイとメアはますます存在感が薄くなり、今回は和風にお色気攻撃を行うが、誰も反応しない…考えてみると蒔人除けばみんな子供か女性(か不思議君)だし、その蒔人は固いから、誰もお色気攻撃に反応できるのがいない。攻撃においてもレッドとグリーンの攻撃にあっけなく倒されてしまう。
 その蒔人は今回も筋骨隆々で登場。これからこういうキャラになっていくのか?>
第23話 禁断の魔法 −ロージ・マネージ・マジ・ママルジ−

  脚本:荒川稔久
  監督:鈴村展弘
 ヒカルによる魔法の訓練が続いていた。ピアノを弾く魔法を自在に扱う翼にヒカルは才能を認めるが、その時スモーキーがリバースの呪文の存在を匂わせるのだった。時間を操るこの呪文は禁断の呪文とされていた。そんな時新たな冥獣人ベルビレジが現れ、人間の魂を次々と奪っていくのだった。
 敵はインキュバスの冥獣人ベルビレジ。人の夢に入り込み、悪夢を見せることが出来る。インキュバス自身の能力はそれまでだが、悪夢を見せた相手の魂は冥獣スパイダーが奪ってインフェルシアに持ち帰っていこうとする。スパイダーは人間の魂を集める以外には足が速いことと、糸を吐くこと。巨大化もするのだが、あんまり強くなかった。
 マジイエローこと翼が中心の話の前編。通常軽目の性格に見えていながら、こいつが中心の話は結構真面目な内容が多い。これも男同士の友情や、禁断の呪文を敢えて使ったお陰で苦しめられる翼などが見られ、なかなか重い内容となっている。まあ、詰めが甘目なのはこのシリーズの特徴か。
 しばらく登場が控えられていたウルザードが登場。マジシャインとの戦いではえらく強いのだが、彼の目的がはっきりとする。今まで詰めが甘かったのは、マジレンジャーを悪の魔法使いへと変えようとしていたからと言うことが発覚する。
<禁断のリバースの魔法を唱えねばならないという展開に話は持って行かれるのだが、その根拠は薄弱すぎ。根本的な部分で問題あり。
 ここでもマジブルーはムキムキマンへと変身。気持ち悪いからいい加減止めろって。>
第24話 先生として −ゴル・ゴル・ゴジカ−

  脚本:荒川稔久
  監督:鈴村展弘
 リバースの呪文の副作用で全ての時間が翼の体に流れ込みそうになる。このままでは世界は破滅してしまう。責任を感じたヒカルは翼を殺すことなく呪いを解くため、トラベリオンでマルデヨーナ世界へと旅立つ。許しの杖を用いることによって呪いを解こうというのだ。だが、その許しの杖は手にした術者を殺してしまうというもの。更にマルデヨーナ世界にウルザードまでが現れ…
 敵は前回に続きベルビレジスパイダー。ベルビレジはバンキュリアとなんか過去がありそうなのだが、明かされることなく終わる。スパイダーを自分の身代わりに殺させ、自らも巨大化するのだが、マジキングにあっという間に倒されてしまう。
 前回に続き翼が主人公の話と思いきや、実はヒカルが主人公だった。人にものを教えるというのは、これだけの責任があると言うことを示しているのだろう。ヒカルは魔法使いの実力はあっても、教える側としてはまだ未熟。結局先生も又成長しなければならないというテーマは実によい。というか、これこそがヒーローにとって一番大切だ。現時点ではヒカルの方がマジレンジャーを全員喰ってしまってるよ。
<しばらく出番がなかったためか、とにかく目立とうとウルザードが出張ってくる。しかし、やってることには見事に外しまくり。というか、結局ヒカルを殺さないために活動してるだけ…やっぱり良い奴なんじゃないか?
 どんどん存在感が薄くなるバンキュリアは、今回も全く良い所無し。>
第25話 盗まれた勇気 −ジルマ・マジ・マジーロ−

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 素早い動きで人の一番大切なものを盗んでしまうと言うシーフの冥獣人ガストンが現れた。あこがれの山崎さんの前で魁もあるものを奪われてしまう。それは“勇気”。そのため、マジレンジャーに変身できなくなってしまった。更にヒカルのマジチケットまで奪われてしまう。弱体化し、全員集合できないマジレンジャーの前に、再び現れるガストン…
 敵はシーフの冥獣人ガストン。「疾風怒濤の大泥棒」が口癖で、人間の一番大切なものを奪ってしまい、魁の勇気まで奪ってしまう。それらを合わせて爆弾を作ろうとしている。
 特撮で一番大切なものは何か?と言うと、突き詰めて考えてみると、主人公の勇気と言える。その辺りをちゃんと考えて作られた作品となってる。この作品でも魔法は勇気によって呼び出されるものだそうだから。大変ストレートなお話と言えよう。この辺はやっぱり横手脚本ってところか?オチも、勇気は湧き出てくるもの。というものだったし。学芸会のような話の展開だった。
 トラベリオンはマジチケットがありさえすれば発動できるため、ガストンが奪ったチケットを使ってナイとメアが操縦してる。ヒーローロボット同士の戦いも最近ではよくある展開。
<何というか、中心キャラはともかくとして、周りを取り巻く、特に女子高生の演技下手はちょっと…
 勇気をたとえ無くしても、一旦変身してしまったらいつも通り。受験戦争さえ通れば大丈夫って大学生みたいだ。
 今週もバンキュリアはやっぱり弱い。トラベリオンを奪って良い気分でいる所を、マジシャインが現れただけで放り出されてしまう。>
VOL.7
<A> <楽>
第26話 信じろよ! −ジルマ・ジー・マジカ−

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 インフェルシアではメーミィがウルザードの魔法力を差し出させ、それをナイとメアに与えていた。一方芳香のおごりで回転寿司を食べに行った面々。だが、近頃のいたずら続きで留守番を命じられたスモーキーは寿司を全部砂にしてしまう。その後、町中の食べ物が砂に変わってしまう事件が起きて、その犯人に疑われたスモーキーはスモーキーはヒカルまでもが自分を信じてくれなかったことに絶望してランプを飛び出してしまう。実は呪いにかかっており、ランプから出てしまうと三時間後には消滅してしまうのだ…
 敵はハーピーの冥獣人ピーウィ。その鳴き声は人間の空腹を強調し、やがてハーピー虫が人間の腹を食い破って出てくるという。
 初めてスモーキーが主人公の話で、スモーキーの過去が語られる。又、それに応答する形で麗が中心となる。それにしてもスモーキーの過去ってほとんど孫悟空じゃないか。そもそもがアニメ脚本家の横手脚本らしいといえばそう言える話に仕上がってる。今回は結局スモーキーと麗ばかりで他のメンバーが全然活躍する暇なし。それはそれで正しいか。
<今回登場したピーウィだが、ほとんど何も喋らないので、冥獣人である必要がなかったと思われる。>
第27話 俺たちの絆 −マジーネ・マジーネ−

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 小津家では年中行事の一つ“串の日”で蒔人は早速バーベキューで料理の腕をふるおうとしていた。そんな時にメーミィが呼び出した冥獣人四底王の一人、サムライのシチジューローが現れ、刀を振るってくる。幸いマジグリーンとマジシャインのみはその攻撃を避けることが出来たのだが、他の四人は何故かよそよそしくなってしまう。実はシチジューローの刀は人間の“絆”を奪い取ってしまうのだ。
 敵は冥獣サムライの冥獣人シチジューロー。手にした刀はあらゆるものを断ち切る事が出来る。なんとそれは兄弟の絆をも斬ることが出来たため、兄弟がバラバラになってしまう。この世全てを斬り裂くという円月爆破斬りを出すために活動していた。実はシチジューローは刀の方が本体だというオチが付いた。それで刀を手にしてしまった蒔人がシチジューロー化してしまう。
 蒔人が主人公の話。これまでにも家族の絆を何より大事にするパターンが多かったが、今回はその辺を最も強調した話になっているのだが、う〜ん。どうだろうかなあ?現代の家族の冷たさみたいなものが出てはいるんだが、ちょっと空々しい感じだが…
 又新しい強敵が登場と言うことだが、何となく急場に出してみました。と言う感じで、だからこそ最初に説明的な台詞が山ほど出てくる。その辺練れてないのを感じてしまう。全般的に間に合わせっぽい脚本に感じてしまうのだが、なんでだろう?
 …ちなみに、私はこういうパターンの物語がツボにはいってしまうから、逆に軽々しく扱って欲しくないというのが一番の問題だろう。
<いつも貧乏生活していた小津家の兄弟達が、絆を斬られた途端、散財しっぱなし。どこから金を得てるんだ?>
第28話 永遠に… −ジルマ・マジ・マジ・マジーネ−

  脚本:前川 淳
  監督:渡辺勝也
 翼はロードワーク中、ハープを奏でながら美しい声で歌う女性を見かける。しかし彼女は翼に突然逃げるように告げ、姿を消してしまうのだった。家に帰った翼は偶然ある雑誌を見ていて、そこに湖の女性がいるのを見かける。彼女は実力派アーティストの間宮レイだった。実は冥獣人四底王の一人、セイレーンのネリエスに操られ、無理矢理歌を歌わされていたのだった。
 敵はセイレーンの冥獣人ネリエス。美しい声で人間を魅惑するのだが、先の魔動大戦で声を潰されており、その声を取り戻すために急死した間宮レイという女性の声を使おうとする。完全体となれば、地上全てを破壊する破滅の歌を歌うことが出来る。その実力を出す前にあっけなく倒されてしまった。
 翼が中心の話。翼の話は兄妹だけでなく、彼に関わる人間が登場することが多いが、ここでも間宮レイという女性が登場する。愛を語るにしては展開が早すぎるけど、翼らしい話に仕上がっていた。
第29話 くり返す「あれ?」 −ジー・マジ・マジーロ−

  脚本:横手美智子
  監督:鈴村展弘
 何か重大なことを知ってしまった芳香は家路を急いでいた。しかし、彼女の前に現れたブルラテスにより、記憶を奪われてしまう。しかも一時間毎に記憶はリセットされてしまうのだった。記憶の戻らない芳香をブルラテスと出会った場所に戻るのだが、そこには人間の精気をシャボン玉にして吸い取ってしまうブルラテスと、冥獣人最強と言われるイエティのズィーがいた。全く魔法の効かないズィーに、マジレンジャーはおろかマジシャインまでも全く歯が立たない。芳香の記憶も戻らぬまま、一方的にたたきのめされるマジレンジャーだったが…
 敵はイエティのズィー。冥獣人最強と言われる。パワーが強いだけでなく、魔法をそのまま返してしまうことが出来る。更にブルラテスによってシチジューローとネリエスの力を与えられている。
 芳香の記憶が失われたという話で、前後編の前編。ここでは、たとえ記憶をなくしても育った勇気は消えることがない。と言うことが語られる。話はベタながら、前編と言うことで、じっくり語られるのは良いことだ。
<別段ストーリー的にツッコむ部分がある訳でないのだが、ウルザード、バンキュリア、マジシャインの扱い方がどんどん酷くなってきたな。>
VOL.8
<A> <楽>
第30話 伝説の力 −マージ・マジ・マジ・マジーロ−

  脚本:横手美智子
  監督:鈴村展弘
 ブルラテスにより力を与えられたイーブルアイスは巨大化していったが、ズィーの怪力に阻まれ、マジレンジャーではそれを阻止することは出来なかった。ヒカルからマジトピア最長老の偉大なる天空聖者スノウジェルなら、マジレンジャーの中に眠る力を一気に解放させることができるかもしれないと聞いたマジレンジャーはマルデナーヨ世界へと旅立つ…
 敵はズィーブルラテス。前回パワーアップしたズィーだったが、マジレジェンドのパワーの前にあっという間に倒されてしまう。
 スノウジェルが登場。マジトピアを作ったという偉大な魔術師。マジレンジャーの母美雪に魔法を与えたのも彼女だが、力を持ったばかりに不幸になった者、たやすく闇に奪われた者などを見てきたため、絶望のあまり流した涙で嘆きの海を作り、自身は閉じこもってしまった。
 マジレンジャーのレジェンドパワーが語られる話。これまでの戦隊シリーズでも途中でパワーアップが演出されるのは多いが、姿まで変わったのはアバレンジャー以来か?それでもこのパワーアップはえらく単純な。これだったらいっそ3話使った方が良かったんじゃないか?
 そうそう。ここまで必殺の合体技がなかったマジレンジャーに合体呪文が登場した。
<スノウジェルは強力な呪文を持った魔法使い達が道を見失ったことを指摘するのだが、その中にマジレンジャー達の父も入っているとか…さて、その父とは誰か?(わかりやすいけど)>
第31話 凄まじき魔神 −マージ・ジルマ・ゴル・ジンガジン−

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 マジレジェンドの力を得たマジレンジャー達は内からわき上がる力に有頂天となっていた。そんな時に天空聖界からルナジェルからの手紙が来る。そこには「レジェンドパワーを使ってはいけない」というメッセージが。メーミィによりパワーアップされたブルラテスをもあっけなく倒すレジェンドパワーだったが、やがて力は暴走し始める。
 敵は冥獣人ブルラテスと冥機ゴーレム。これまで散々引っ張ってきたブルラテスはレジェンドパワーの前にあっけなく敗北。その後冥機ゴーレムと強制的に合体させられる。冥機ゴーレムはひたすら破壊を繰り返す一種の機械だが、その起動のためにブルラテスの魂が用いられる。
 強すぎる力を得たなら、当然その副作用が出る。それで今回一話使ってその副作用を抑えることと、それによるパワーアップの仕上げが描かれる。これで一話使ったのは正解。話がスピーディ過ぎるきらいはあるが、軽快と言うべきか?
 そして伝説と言われるマジレジェンドが登場。適度にこう言う話を持ってくるのは巧い作り方だ。
<別段ツッコむべき部分は無いのだが、このシリーズの宿命として、途中強力な仲間となる人物が急に弱くなると言うパターンはきちんと踏襲しているようだ。>
第32話 父の言葉 −マージ・ジルマ・ゴル・ゴジカ−

  脚本:大和屋暁
  監督:竹本 昇
 冥獣菌モールドから魁を守った蒔人はその胞子を体に受けてしまう。身動きが取れず、更に一時間後にモールドが目を開くと死んでしまうという。四人はモールドを探すのだが、その前に現れたのはウルザードだった。
 敵はモールド。冥獣菌と呼ばれる病原体で、怪人ではないが、この胞子は取り憑いた人間の身動きを奪い、その目を開いた時に胞子に冒された人間は死滅してしまう。ただし今回実際に戦うのはウルザード。
 蒔人が中心になると家族の話になる訳だが、今回は小津家の父についての話で、唯一父の面影をよく知っているからという事らしい。父の「強くなれ」という言葉は「心の強い人間になれ」と言うこと。具体的には仲間の力となって応援するということ。マジグリーンの無駄に熱い姿が見られる。
 30分一杯を使って色々やろうとせず、ほとんど一つの物語に収束させる脚本だったが、こう言うのは戦隊ものでは結構珍しいのではないだろうか?
<最近全然姿を見せなかった冥府兵が久々に出てくる。が、瞬時に全員モールドの毒で死んでしまう。
 モールドの胞子に冒された蒔人の姿は
『原子人間』そのものだったりするが、分かってやってるんだろうか?>
第33話 インフェルシアへ −マージ・ゴル・マジカ−

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 父ブレイジェルの姿を思い出せないと言う魁にリンとヒカルは15年前のインフェルシアとの戦いの様子を伝える。地上にいる子供達のために戦いに身を投じたブレイジェルはライジェルの裏切りで倒されてしまったという。そんな時にマジレンジャーにはウルザードからの呼びかけが、ヒカルとリンにはメーミィからの呼びかけが聞こえてくる。二手に分かれて戦いの場に赴く7人。
 敵はキマイラ。メーミィがトラベリオンのパワーを吸い取り、禁断の呪文を用いてこれまでに倒された冥獣を合成して作り上げた合体冥獣人。全身が武器で体中の口から言葉を発する。ルナジェルとサンジェルを圧倒したところで今回は登場終了。
 これまで敵として散々マジレンジャーを苦しめてきたウルザードが実はマジレンジャーの父ブレイジェルであった事が発覚。そしてその力を受け継いだマジレッドの力が覚醒した。丁度節目となる話だった。
 レジェンドパワーになって僅か四話でその力を利用されてしまう。ちょっと話は急展開っぽいが、やはりここまでの歴史を感じさせる完成された展開を感じさせてくれる。
<展開上、これまで無茶苦茶強かったキャラがどんどん弱くなっていくのは当然なのだが、マジレンジャー以外のキャラがみんなザコ化してる。>
VOL.9
<A> <楽>
第34話 勇気の絆 −ゴール・ゴル・ゴルド−

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 兄弟達の前にその姿を現した父である勇ことブレイジェル。15年前、封印される直前のン・マに“呪縛転生”をかけられたブレイジェルは、記憶をすべて奪われてン・マへの絶対的忠誠を刻み込まれた魔導戦士ウルザードとなったのだった。しかし、メーミィはン・マの支配に苦しむ勇を再びインフェルシアに連れて行ってしまう…
 敵はキマイラ。ユニゴルオンとマジフェニックスが合体したセイントカイザーにより倒される。
 前後編の後編で、父との確執を主軸に持ってきたため大変盛り上がる話だが、セイントカイザーの登場があっけなさ過ぎるなど、少々いつもの戦隊ものとは趣が違う。結局それらを打ち勝つのが絆というもの。真っ当な物語に仕上げられている。
 ウルカイザーがようやく自分自身を取り戻してブレイジェルに戻ったは良いが、一人で再びン・マを封印するためにインフェルシアに戻ってしまう。
 ブレイジェルと兄弟との絆が描かれる一方で、ライジェルとサンジェルの決闘も描かれている。結局メーミィはここまでか。
 話が分割されていたためか、盛り上がっているようで、今ひとつと言った感じ。
 ブレイジェルが消える際、「母さんは生きて…」と言っているけど、これはやっぱり。と言うことか。ラストの展開は見えてきたな。
 ツッコミ所のない話だった。
第35話 神々の谷 −〜マジ・マジ・ジジル−

  脚本:前川 淳
  監督:鈴村展弘
 ヒカルは「インフェルシアの神々が蘇る」というメーミィの最後の言葉をスノウジェルに伝え、スノウジェルから「闇のオーラに気をつけよ」と告げられる。一方、父の勇の言葉、「母は生きてる」という言葉を受け、麗は早速占いを開始するのだが、何度やっても上手くいかない。それでヒカルは美雪に関わりの深い所で占いをしてみることを提案するのだが…
 敵は冥府十神全員。インフェルシアの“神々の谷”と呼ばれる場所に封印されていたが、バンキュリアにより封印が解かれる。
 今回は基本的にバンクで構成される総集編。これまでの戦いの記憶をベースに、新しい展開へと移っていく布石を作っている。
<ナイとメイが見つけた“預言の書”って、万能アイテムっぽいものだが、なんか「キン肉マン」を思い出させるな。
 2話でウルザードはマジマザーを倒してしまったように見えたが、実は転送しただけだと分かる。こう言っちゃなんだが、なんとなくこれってエロゲーっぽくない?
 冥府十神と、たいそうな名前だが、ネーミングセンスは悪いな。>
第36話 神罰執行 −マージ・ゴル・ゴジカ−

  脚本:前川 淳
  監督:鈴村展弘
 冥府十神が現れたが、ヒカルは小津兄弟に「地上の民は決して刃向かってはいけない」と釘を刺し、天空聖者の自分だけが戦うことを許されると語り、一人戦いに赴く。だが現れたイフリートにあっけなくトラベリオンは敗北してしまう。
 敵はイフリート。冥府十神の一人で、炎を操る。あまりの熱のため、あらゆる攻撃は体に到達する前に消え去ってしまう。ルールは塔に付けた火が燃え尽きるまで神罰を待つというもの。炎が燃え尽きるまでにマジレンジャー6人全員倒すというゲームに敗北してしまったため、他の神々に粛正される。
 冥府十神を前にヒカルと小津兄弟の確執が描かれる。天空界を守らねばならない立場のヒカルは伝承に縛られ、冥府十神とマジレンジャーが戦うことを止め、一方母を助けようとするマジレンジャーはヒカルと対立…結局は一緒に戦うことで落ち着くのは定番か。結局そのヒカルの意固地さを溶かしたのは麗だった。この二人はいつもコンビのようだ。
 一方の冥府神必ず自分にルールを課し、それに従うことを義務づけられている。イフリートの場合は塔に火をかけて、それが燃え尽きるまで何事かを我慢するというものらしい。
<バンキュリアに対し一人(柱?)優しいイフリートだが、その姿はなんか「仮面ライダー剣」のジョーカーみたい。
 どんどん情けなくなっていくバンキュリアとマジシャイン。今回もその弱さを遺憾なく発揮してくれている。>
第37話 狙い撃ち −ゴル・マージ−

  脚本:大和屋暁
  監督:竹本 昇
 翼はかつて蒔人がブラジルに大アニキ農場を作ることを夢見ていたが、弟たちのために海外留学の夢をあきらめたという過去を知る。そんな蒔人の言葉に納得がいかない翼。そんな時、新たなる神罰執行神として選ばれたサイクロプスが現れた。一撃でマジキングを吹き飛ばしたサイクロプスは日没までに一人でも生き残ればマジレンジャーの勝ちというゲームを提案するのだった。スナイパーとして、見えない場所からの狙撃が続く緊張感に消耗するマジレンジャー。一方、マルデヨーナ世界ではマジシャインが冥府神ドレイクと戦っていた。
 敵はサイクロプス。真っ赤な一つの目が特徴の冥府神で、スナイパーとして隠れた所から狙撃するキャラだが、まともに戦っても強い。見えない所から撃たれるので大変消耗する。
 前後編で今回は蒔人と翼の二人を中心とした話となる。兄の責任を強調する蒔人に、そこまでの責任感を持たせたのは自分であることを知る翼。一方インフェルシアでの十神も一枚板ではなく、内紛が起こってきている。この辺がやっぱり敵の定番ってところか?
<一応久々にマジキングが登場。ただし、やられるためだけに。
 蒔人が責任感を持つに至ったのは翼の無責任さによって。その事件ってのが、動物園から熊が逃げ出して魁を襲ったからとのこと。おいおい。
 大地のプロテクトで覆われたマジグリーンをピンポイントで狙撃してプロテクトを破壊するサイクロプス…頭とか脚とかはむき出しなんだけど、そっち撃てば良かったんじゃないか?>
VOL.10
<A> <楽>
第38話 アニキとの約束 −ゴー・マジーロ−

  脚本:大和屋暁
  監督:竹本 昇
 サイクロプスに消し去られた蒔人に後を託された翼は、蒔人の代わりにみんなを守ろうと決意する。しかしサイクロプスの銃は次々と姉達を消し去っていく。一方マルデヨーナ世界で圧倒的なドレイクの力になすすべ無く圧倒されるマジシャインを助けたのはなんと冥府神のスフィンクスだった。
 敵は前回に続きサイクロプス。神罰は日暮れまでにマジレンジャー全員を消し去ること。見えない場所から狙撃していたが、それは鏡の世界からだった。初めてマジレンジャーに倒された冥府神となった。
 前回蒔人がいなくなったため、翼単独が中心となった話。ここまで絶望を演出するのは戦隊ものでは珍しい。尤も後に引くことはなく、ここでちゃんと復活してるのが戦隊ものらしいところ。結局なんだかんだ言っても、複雑にしすぎない所がこのシリーズの味だ。
<仮面ヒーローの宿命として、変身してる間は表情が出せないのだが、ここでは仮面の中と言うことで翼の顔アップが多用。しかしこれは失敗。間抜け面にしか見えない。
 それにしてもマジシャインの弱さはどんどん加速していくな。>
第39話 あべこべ姉弟 −マジュナ・ジルマ−

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 サッカーのことで山崎さんと喧嘩してしまった魁。それを目撃した芳香は、恋愛エキスパートとして嫌がる魁に強引に二人の仲を取り持ってあげようと言う。そんな時、二人の前に冥府神トードが現れ、二人に毒液をかけるのだが、翌日、なんと魁と芳香の魂が入れ替わっていた…
 敵はトード。食いしん坊のカエルの冥府神で、身体にある突起から様々な毒液を放出する。今回使ったのは強酸と魂の入れ替わりで、これで魁と芳香の魂は入れ替わってしまった。そして予言の書によってゴーゴンが登場。四匹の蛇をまといつかせた女性の冥府神。相手を石化する能力を持つ。他に人間を石化する多数の蛇を町中にばらまく。
 魁と芳香が中心の話で、魂の入れ替わりという、まるでSFラブコメのようなお話…やっぱり脚本家のせいだろうな。切実な話が展開してきたから、たまにはこういう息抜きも良しか。女性のふりをする男優と男性のふりをする女優ってのは、結構難しいと思うのだが、結構ちゃんと演じ分けてるよ。
 巨大化して戦う際、マジタウロスのみがトラベリオンと同じ大きさなので、ちゃんとその辺の演じ分けは出来てるようだ。
<バンキュリアが予言の書を手に取ろうとすると、勝手に逃げようとする。キャプテン・スーパーマーケット(1993)か?
 芳香は15人もの恋人がいるらしい。そんな暇どこにあるんだろう?>
第40話 蛇女の庭 −マジーネ・ルルド−

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 ゴーゴンの“長きものの庭”に来いというメッセージに、マルデヨーナ世界へと向かうマジレンジャーとマジシャイン。だがトードによって魂が入れ替わってしまい、変身できない魁と芳香はヒカルより地上に残るように言われてしまう。罠を張り、次々に飲み込んでしまう。一方、地上に残った魁の姿をした芳香は、高校のサッカー試合に出ると言い出す…
 敵は前回に続きゴーゴン。今度はマルデヨーナ世界で大蛇になって4人を飲み込んでしまう。
 設定そのものはハードでもやっぱりぬるめの話が展開する。地球の終わりだ。と叫ぶ脇では普通に高校のサッカーの試合があって、そこで青春の話が展開したりする。なんだろうね。この話は。
 ン・マ復活を目指すことは一致していても、冥府神たちがあんまり仲良くないので、結局自滅に近い仲間割れしてる。
<中身は芳香でもちゃんとサッカーの試合に勝つ魁。「それが芳香ちゃんクォリティ」なのだそうだ。どこかで聞いたような…
 ところでゴーゴンの神罰ってなんだったんだろう?>
第41話 先生の先生 −ゴール・ゴル・マジュール−

  脚本:前川 淳
  監督:渡辺勝也
 クリスマスイブで浮かれる小津家。そんな所に浮かない顔でヒカルが帰ってきた。実は力不足を感じるヒカルはマルデヨーナ世界でスノウジェルから「赤の魔法使いに学べ」と言われてきたのだった。突然「僕の先生になってくれ」と言われた魁は焦るが…
 敵はドレイク。冥府十神の中でも最高位に位置する二極神の一人。攻撃力も高く、更にその鎧はあらゆる攻撃を防いでしまう。極端な強さを誇るが短気すぎる。
 本来マジレンジャーの先生であったマジシャインが逆に生徒になるという面白い話で、結局それでも先生気質を発揮してしまう。だから今回はヒカルが中心となる。
 久々にマジドラゴンが登場。尤もドレイク相手には全く通用しないが。それと前に出てきたスノウジェルが戦闘形態に変身。変身してもノンビリしたしゃべり方は変わってないけど。攻撃力そのものはさほどでもないようだが、素早さと知恵でカバーしてる。結局戦いに必要なのは“勇気”としたのは特にこの作品らしい。
<今回もドレイクの神罰が何であるのか語られなかった。>
VOL.11
<A> <楽>
第42話 対決!二極神 −ゴール・ルーマ・ゴル・ゴンガ−

  脚本:前川 淳
  監督:渡辺勝也
 スノウジェルは戦いの場をマルデヨーナ世界へと移動させ、マジレンジャーと共にドレイクを封印しようと試みる。だが究極の鎧を身に纏ったドレイクはあらゆる攻撃を防いでしまう。一方、地上界では魁の行動に励まされた親子を見たヒカルはスノウジェルが「魁から学べ」と言った言葉の意味を理解する。
 敵はドレイク。究極の鎧のためあらゆる攻撃は通用しないが、頭だけは覆われていなかったためにそこを狙われる。そしてもう一人スレイプニルが現れる。究極の鎧を持つドレイクに対し、究極の矛を持つ。
 前回に続きヒカルが中心となった話で、これまでどんどん弱くなっていたマジシャインがようやく本来の強さを取り戻した。彼が弱くなったのは色々考えすぎるからだそうだ。そしてスレイプニルまで出てくるに至り、子供達を救うためにウルザードが復帰。色々と見所の多い話だった。
<スノウジェルは緊張すると大阪弁になるらしい。これが素か?
 スノウジェルから「理解したのか?」と聞かれ、「考えないことにしました」と応えるマジシャイン。教えとはこれか?もうちょっと言い方があるんじゃないか?
 ドレイクは首が弱点。巨大化した際「もう狙わせねえ」とか言いつつ、何故か首が伸びる。弱点さらけ出してるじゃん。
 ウルザードが復帰し、ウルカイザーに変身するのだが、ン・マの盾は相変わらず持ち続けてるようだ。>
第43話 茨の園 −マジ・マジ・ゴジカ−

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 裁きの石版により次の神罰執行に選ばれたトードは世界中をガマガエルで一杯にしようとする。カエルが苦手な麗は動くことが出来なくなってしまうのだが…
 敵はトード。かつて一度登場して、魁と芳香の精神を取り替えてしまった事があったカエルの姿をした冥府神で、世界をガマガエルで一杯にすることを神罰執行とする。実はマジマザーを閉じこめている冥府神である。
 今回麗と翼の二人が中心となる。麗は前にヒカルを人間に戻すため、カエルにキスしたこともあったんだけど、苦手は苦手らしい。
 更に今回トードの罠で強引に双六をさせられる羽目になり、はずれを引いたらマジレンジャーの偽物達が登場する。戦隊ものには偽物が出てくるパターンが多いけど、ここでやったか。特徴としては中心となるブルーとイエロー以外の三人は参戦してないことと、こちら側はレジェンドとしてパワーアップできること。結局これが勝負を分けた。双六も裏技でクリアしてるし、結構息抜きになったんじゃないか?
 マジレンジャー自身はわりとおちゃらけた話が展開してるのだが、一方ではン・マの復活に関してかなり物語は切迫もしてる。既に最終回目前のような盛り上がり方だ。
<カエルが大の苦手だった麗は、空に浮かぶ無数の蛙の卵を見て気絶してしまう。マジブルーの格好のまま泡吹いてるんだが…
 ところで今回バンキュリアは活躍しているはずなのに、ただいただけのような…>
第44話 母さんの匂い −ジルマ・ジルマ・ゴンガ−

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 トードを追いつめたマジレンジャーは、そこに茨の牢獄に閉じこめられた母美雪の姿を見る。だが美雪を手離したくないトードは美雪と共に地上界に出、それでも追いかけてくるマジレンジャーに追いつめられ、美雪の入ったケースを爆破してしまう。一方、冥府界では封印されたン・マの前でウルザードが追い込まれていた…
 敵はトード。笛を武器にし、口からカエルを吐く。マジレンジャーにマジマザーを加え、ファミリー・レジェンド・フィニッシュで倒される。
 基本的には戦いよりも母との再会に重点が置かれた話で、家族の絆の強さが描かれる。盛り上げ方はやはり戦隊ものの常で熱いのだが、そこに家族のしっとりした部分が描かれるため、面白い盛り上がり方をした作品となってる。
 一方、ン・マの復活は目の前。最終回に向けて役者は揃ったと言うことか。
<都合二度死んで二度蘇生した母美雪。演出がちょっとくどいか。というか、ちょっと蘇生がご都合主義過ぎ。
 トードによりカエルが降ってくるけど、基本的にCGは固定。
 地上界にカエルを振らせるのに失敗したトードは神罰失敗だとおもうのだが、おとがめは無いようだ。>
第45話 二人は友だち −ジー・ゴル・マジュナ−

  脚本:大和屋暁
  監督:中澤祥次郎
 母美雪が戻ってきて和気藹々の小津家。だがそんな中、美雪は一人兄弟達から離れて心を飛ばし、兄弟の父勇を探しに行く。一方、ン・マの魂を首尾良く手に入れた冥府神の次なる神罰執行に選ばれたのはティターンだった。極端な強さを誇るティターンだが、戦いは嫌いと言って去っていってしまう。
 敵はティターン。冥府神の中では穏健派で、基本的に誰かを傷つけることを嫌い、神罰執行も誰も苦しまぬよう一瞬で全てを終わらそうとしている。地上の電気を光球に吸い取らせ、それを爆発させて地上を消し去ろうとしていた。芳香と心の交流が始まったのだが、その矢先にン・マの転生体として選ばれてしまった。
 今回は蒔人と芳香の二人を中心とした話だが、どちらかというと芳香の方に重点が置かれている。ただ、敵との心の交流みたいなのをやらせるのは、最終回に近い分、きついものがある。もうちょっと早くやってれば良かったのに。
 今ひとつ印象に残らない話になってしまったな。話自体が前後編で次週に持ち越しだし。
<最後のティターンとマジピンクの逃避行は駆け落ちなのかな?そうするとワイバーンは恋敵で、お兄ちゃんが追いすがってきたと言うこと?>
VOL.12
<A> <楽>
第46話 湖へ向かえ −ゴール・ゴル・ゴル・ゴルディーロ−

  脚本:大和屋暁
  監督:中澤祥次郎
 芳香に心を開いたティターンは芳香・蒔人と共にマルデヨーナ世界に向かう。そこにある眠りの海に自らを沈め、ン・マの転生を阻止するというティターン。彼らが向かう先は…
 敵として、これまで説明役に徹していたワイバーンおよびスフィンクス。ワイバーンは結構猫かぶりで、普段は礼儀正しいくせに自分の気に入らないことが起こると急にキレる。スピードは冥府神随一でマジレンジャーを圧倒するのだが、復活した勇が変身したウルザード・ファイヤーにより倒される。スフィンクスは敵としては変わり者で、自分の興味を持ったものを何より優先している。そのため、冥府神の仲間を裏切るくらいのことは平気で行っている。そしてン・マの転生体として選ばれたティターンは芳香および蒔人と心の交流を持つのだが、自らの肉体を封印する直前にダゴンに倒され、ン・マを転生させてしまう。
 冥府神も少なくなり、更に絶対神ン・マの転生に絡んで話はかなり重くなってきた。キャラクタの描写だけで説明も終わってしまうよ。
 ラスト、ティターンの身体を突き破って登場するン・マの描写は結構グロ。
<ウルザード・ファイヤーはやっぱり剣と盾を持ってるけど、これはン・マのものとは違ってるのかな?
 眠りの湖というのがなんの特殊効果も入れてないため、どこにでもある日本の湖としか見えない。>
第47話 君にかける魔法 −ルルド・ゴルディーロ−

  脚本:横手美智子
  監督:渡辺勝也
 ついに絶対神ン・マが復活してしまった。このまま三日もすれば完全体となり、ン・マの秘密の力が目覚めてしまう。そこで知恵を借りるため、勇、美雪、ヒカルは一旦天空聖界に帰ることに。特にヒカルのもう帰ってこれないと言う言葉に麗はショックを受けるのだった。二人が好き合っている事を察した兄弟は応援を始めるのだが、そんな時、ン・マに命じられたスフィンクスが神罰執行のため地上界へとやってきた…
 敵はスフィンクス。知恵の神で、冷静を装っているが、その実これまでのマジレンジャーの戦いを見ていて、人間の強さに憧れていたという。結局神罰執行を諦め、残った冥府神ダゴンスレイプニルに粛正されてしまう。
 どんな時になっても恋愛模様を描くのが横手脚本の特徴。やっぱりこういう話になったか。最近の戦隊シリーズの中でも更に一歩恋愛ものに近づいた作品となった。キスまでさせたのは(直前だけど)、シリーズ中初めてのことだろう。でもお陰で今回の話は恥ずかしさ満点。
<ヒカルと麗のやりとりを見て全身を痒くさせる面々。こっちもだよ。
 魔法部屋をいきなり結婚式場に変えた勇。こんな呪文ありか?>
第48話 決戦 −マジ・マジュール・ゴゴール・ジンガジン−

  脚本:横手美智子
  監督:渡辺勝也
 リンからマジトピア全滅の報を受けて衝撃を受けるマジレンジャー達。天空大聖者のマジエルの至高魔法さえ通用しないン・マの力に、急遽天空聖者達はマジトピアに戻ることに。一方、勇から冥府新を防ぐため地上に残るようにと言われた魁は反発するのだが…
 敵はスレイプニル。冥府神最強の力を持ち、マジレジェンドをもあっけなく倒してしまう。結果的にマジレンジャー五人によるファイブ・ファンタスティック・エアリアルによって倒される。そして最終ボスのン・マ。こいつはあらゆるものを食い尽くしてしまう絶対神で、魔法の力さえ食ってしまうため、どんな攻撃も通用しないし、時間さえ食ってしまい、あっという間に未来に行くことも出来る。
 ラス前で、嫌が応にも盛り上がる…と思ったら、意外にすっきりした話となった。あまりにもパターンすぎるからか、それとも脚本の問題なのか…
 天空大聖者マジエルとして登場したのはなんと曽我町子!久々だが、やっぱ貫禄だよなあ。それでもあっという間にン・マに飲み込まれてしまう訳だが…
<それにしても最強の魔神として登場したはずのマジレジェンドは負けが多いな。
 マジレンジャーの最強技ファイブ・ファンタスティック・エアリアルって、要するに「科学戦隊ダイナマン」のスーパーダイナマイト?>
第49話 伝説への帰還 −マージ・マジ・マジェンド−

  脚本:前川 淳
  監督:渡辺勝也
 父勇もヒカルも倒され、更に時間を喰らったン・マに暗黒の未来に連れてこられてしまったマジレンジャー。あらゆる魔法を喰らってしまうン・マにマジレジェンドも全く歯が立たない。その時魁は前に勇から聞かされた“究極の勇気”フェイタル・ブレイドの事を思い出す。
 敵は復活した究極神ン・マ。その目的は空腹を満たすことで、あらゆるものを喰らってしまう。勇気や魔法など、それらは本当に何でもかんでもで、最終的に8人全員の尽きない勇気で満腹して満足して消えてしまう。それでン・マの忠実な僕だったダゴンは、勇気の力を知ったスフィンクスとバンキュリアに倒されてしまう。
 最終話。ストレートではない、割と変則的なSFっぽい物語の展開を見せた話で、しかも分かりやすい話なので、結構脚本がしっかりしてる。最後は勇気と家族の絆という形に落としたか。
 最終回だけになるだけスタントに頼らず生身の体を使ったアクションが映える。
 最後は一年後の話。麗とヒカルは天空界に、魁は冥府界に行っており、翼はボクサーになったことは分かる。
<マジエルはン・マには喰われてなかった…なんせ相手が相手だけにもし喰われてしまったら、逆に支配されてしまったような気がする。?「ペンペンなさいなさい」とか言われて…
 ところで山崎さん、マジレッドが魁だってこと、いつ気づいたんだろう?
 一年後の話でそれぞれの道に旅立っていたけど、蒔人は夢だったブラジルに行ってなかったようだ。>