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特捜戦隊デカレンジャー

特捜戦隊デカレンジャー事典
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2004'2'15〜2005'2'6

 戦隊シリーズ第28作。戦隊ものでは珍しく舞台そのものに未来を扱った話。
 未来の東京。銀河は統一されて、地球も又、SPDと呼ばれる宇宙警察によって凶悪犯罪者から守られていた。デカレンジャーと呼ばれる4人の戦士が執行部隊となって活動をしている。最高責任者のドギー・クルーガーの指導の元、デカブルー戸増宝児(愛称ホージー)、デカイエロー(でかいエロ?)礼紋茉莉花(愛称ジャスミン)、デカピンク胡堂小梅(愛称小梅)、デカグリーン江成仙吉(愛称センちゃん)。そして新任のデカレッド赤座伴番(愛称バーン)の5人の戦いが今、始まる。
 なんか思い切りパターンの戦隊シリーズ。これまで色々とパターンを変えようとしていたようだが、最初から5人が揃った状態で始まったのは久々じゃないか?(男3人女2人というのは更に久方ぶり)。個性もはっきりしてるし、極めてオーソドックスながら、だからこそ職人芸とも言える演出が冴える。隠れることなしに、公然と正義を執行するのも良い感じ。これまでのシリーズとは異なり、敵が一定でないため、毎回の脚本が大変そうだけど、実に巧く仕上げているのも面白い所。異星人が日常にいるという設定なので、色々な演出が可能となっている。
 又ネーミングセンスが秀逸。キャラクターの名前一つ取ってもそうだが、敵メカのストレートすぎるネーミングなども凄い。ところで彼らのニックネームだが、面白いことが分かる。バン、ホージー、セン、ジャスミン、ウメコ(そしてテッカン)の後ろに「茶」を付けてみると分かる。それぞれ番茶、焙じ茶、煎茶、ジャスミン茶、梅こ(ぶ)茶、鉄観(音)茶になる。
 ホットなレッド、クールなブルー、おいしいどころ取りのグリーン、色気のピンクと、昔からのお約束もしっかり…イエローはドジじゃないけど、その代わりとしてお笑いをちゃんと担当してる(笑)
 更に、久々にストレートな熱さがこれにはある。パクリ満載の台詞も熱い!
 ここのところCGを用いたモーフィングで合体するのが多かったけど、最近では珍しく特撮ギミックで合体するデカレンジャーロボも懐かしい感じ。
 

主な登場人物
デカレッド
赤座判番
(役)載寧龍二。特撮は本作のみだが、若手俳優として現在も活躍中。映画版『テニヌ』では跡部景吾役で登場。
 故郷である地球署に配属された新米デカレンジャー。直情で無鉄砲だが、まっすぐで気持ちのよい性格をしている。誰とも仲良くなれる性格をしているが、その人の良さ故に失敗も多い。得意技は宇宙警察銃挙法“ジュウクンドー”。武器は二丁拳銃を使う。
 デカレンジャーのナンバー・1でニックネームは「バン」。
デカブルー
戸増宝児
(役)林剛史。本作がデビュー作となり、現在多くの映画でバイプレイヤーとして活躍中。『アストロ球団』では主人公の宇野球一を演じている。
 超エリートで、曰く、「デカレンジャーになってから一度も失敗したことがない」男で極めてプライドは高し。落ちこぼれと見ているバンより勝手に相棒扱いされることを嫌がるが、数々の事件を経、その中でいくつもの失敗を乗り越えたお陰で、回を追うに従い丸くなっていく。
 射撃の腕はデカレンジャー一で、専用武器はディースナイパー。
 デカレンジャーのナンバー・2でニックネームは「ホージー」。
デカグリーン
江成仙吉
(役)伊藤陽佑。歌手と俳優兼業。特撮出演は本作のみだが、アニメ「デジモンセイバーズ」のEDを歌っている。
 いつも茫洋な表情をして、会話もずれがち。だが、その勘の良さと推理力はデカレンジャー一で、難事件を持ち前の推理力で解決することもしばしば。一言で言えば、天然系。
 デカレンジャーのナンバー・3でニックネームは「センちゃん」。
デカイエロー
礼紋茉莉花
(役)木下あゆ美。後に「獣電戦隊キョウリュウジャー」でキョウリュウブルーの妹として再登場してる。
 人を寄せ付けない独特の雰囲気を持つ女性。実は物を通し、残存思念を読める接触エスパーで、その能力のため、疎外され続けた過去を持つため、デカレンジャーの中でも一歩引いた存在だが、これも回を追うに従い、徐々にうち解けていく。意外にもお笑い芸人が好きらしく、台詞の端々に昔のギャグが織りまぜられたりする。
 デカレンジャーのナンバー4でニックネームは「ジャスミン」。
デカピンク
胡堂小梅
(役)菊地美香
 感情の起伏が激しい女性で、精神年齢もやや低いらしいデカレンジャーのムードメーカー。お風呂好きで、時間が出来るといつもデカベースの中で泡風呂に入っている。姉貴分であるジャスミンを慕っており、彼女のようになりたいと願っていた節があるが、徐々に自分自身の良さを理解していくことになる。
 デカレンジャーのナンバー5でニックネームは「ウメコ」。
ドギー・クルーガー
デカマスター
(声)稲田徹。声優としては最近めきめき頭角を現している人物。
 アヌビス星人。宇宙警察地球署の最高責任者。5人の父親的存在で、5人を厳しく育て上げる。実は、かつて“デカマスター”と呼ばれる最強の刑事であり、かつて“地獄の番犬”と呼ばれていた。デカレンジャーのナンバーはなんと100。
 武器はディーソード・ベガ。
デカスワン
白鳥スワン
(役)石野真子。えええええ!OPでこれ見た瞬間、マジでぶっとんだ。私が子供の頃のアイドルだぞ。失礼ながら、もう随分な年齢(長渕剛と結婚した後、離婚してる)だが、この人、未だにオーラが見えるようだよ!バイ・プレイヤーでありながらその存在感は群を抜いてる。
 チーニョー星人。かつてのドギーの活躍を知っている唯一の人物。メカニック担当だが、5人のメンタルチェックも行っている。36話で彼女もデカスワンに変身することが出来ることが明らかになる。
デカブレイク
姶良鉄幹
(役)吉田友一
 凶悪なヘルズ三兄弟を倒すために本部から派遣されたスペシャリスト特別指定凶悪犯罪対策捜査官。人間での名前は姶良鉄幹。幼い頃、アリエナイザー犯罪により両親を亡くし、宇宙警察本部に引き取られ鍛えられ若くして特キョウになった過去を持つ。

 

話数 タイトル コメント DVD
第1話 ファイアーボール・ニューカマー

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 銀河が統一され、地球も又、SPDと呼ばれる宇宙警察によって凶悪犯罪者から守られていた。デカレンジャーと呼ばれる4人の戦士が執行部隊となって活動をしていたが、そこに現れたもう一人の戦士。
 敵は怪重機バラン・スー。ヤジロベイ形のモンスターだから…
 内容的にも良い意味で開き直っており、演出に力が入ってるのも良いかも。ハードな作品も好きなんだが、こういった子供向きにストレートな作品の方がかえって大人にも受け入れられるんじゃないかな?
 正直な話、全然期待してなかったのに、思った以上に…否、信じられないことに面白い!
 暴走気味な物語なのに、それが妙なバランスを持ってたりする。レッドの名前がバンバンとか、敵の名前がアリエナイザーとか、ネーミングセンスが秀逸で、ピンクが見事に鮮やかな、本当にピンクだとか…
VOL.1
<A> <楽>
第2話 ロボ・インパクト

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 東京に3つの巨大な金属塊が落下。捜査に赴いたデカレンジャーだったが、まるで彼らから逃げるように塊は地中に潜ってしまう。その塊を送り込んだドン・モヤイダは、地球上の物質を用いた宝石を作ろうとしていたのだ。
 敵はディアマンテ星人ドン・モヤイダ。やっぱり突き抜けたネーミングセンスだ。怪重機はファンクラッシャー。巨大なファンを回して敵を打ち砕く…これもそのまんま。
 オープニングで金属塊を壊そうとした時のイエローの台詞。「ジャスミンのど〜んとやってみよう」って…敵意をむき出しにするレッドとブルー。これは懐かしい対立構図。それにしても、やってることはナンパって…
 未調整のマシンを根性で動かすレッド…いやあ、熱いなあこれは。更に合体したデカレンジャーロボが又熱い。
 今週のジャスミンの一言。「ケセラセラ」「人生はワン・ツー・パンチ」
第3話 パーフェクト・ブルー

  脚本:荒川稔久
  監督:辻野正人
 日本に住むフラグラント星の王家の生き残りの持つ、すさまじい力を内包したウェルネストーンを巡って、リコモ星人ケバキーアとグローザ星人ヘルヘヴンが日本を襲う。
 敵はグローザ星人ヘルヘヴンの操る怪重機デビルキャプチャーと、リコモ星人ケバキーア。ネットに住むケバキーアの性格は極めてマニアっぽくてなかなか素敵(?)だ。
 とっぱじめからデカレンジャーロボの活躍となる。一回目は水入りとなるが、展開の仕方が妙にスピーディ。
 馴れ馴れしいレッドと、彼を馬鹿呼ばわりするブルーの構図が明確化。それでもめげないレッドの性格が良いね。相変わらず熱い。
 前後編?パターンを踏襲してないなあ。私の見立て違い?
 今週のジャスミンの一言。「青春を無駄に燃焼系」
第4話 サイバー・ダイブ

  脚本:荒川稔久
  監督:辻野正人
 ホージー(ブルー)の判断ミスでウェルネストーンとフラグラント王女衛里香をケバキーアに奪われてしまったデカレンジャー。ネット世界に住むケバキーアを倒すため、バンと立ち直ったホージーがサイバー・ダイブする。
 敵は前回に引き続きケバキーア怪重機デビルキャプチャー。デビルキャプチャーは前回のものとは違っているようでデビルキャプチャー2と呼ばれている。
 ジャスミン(イエロー)およびセンちゃん(グリーン)の特殊能力が明らかに。ジャスミンはエスパー、センちゃんは特殊なひらめきなのだそうだ。しかし、センちゃんのシンキングポーズって…あばれはっちゃくか?
 二話引いた話の割にストーリーは結構単純。いや、その単純さこそが本作の身上か。
 今週のジャスミンの一言。「アッと驚くタメゴロー」
第5話 バディ・マーフィー

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本昇
 凶悪犯ベイルドンを前にしたデカレンジャー。だが梅子がSPライセンスを落としてしまい、チェンジできず。結果ベイルドンを逃がしてしまった。デカベースに帰ったデカレンジャー達の前に、長官ドギーは新しい仲間を紹介する。その名はマーフィー。超高性能のロボット犬だ。梅子とマーフィーにコンビを組ませて捜査を続行させるが…
 敵はアンリ星人ベイルドン。サイのような宇宙人だが、むしろ本作の敵ってむしろ初登場のマーフィーの方だったりする。マーフィーはまるでア●ボのような姿をしてるが(提供はS●NYか?)マーキングまでやってくれるリアルなロボットだ。
 又、マーフィーが変形することによって最強の武器ディーバズーカが使用可能になる。
 戦隊シリーズの特徴として、キャラクター一人をトピックして、一話分の主人公とする事が多いが、今回は小梅、デカピンクが主人公。元々がコメディリリーフ的な存在なだけに、かなりコメディ色が強められてるのが特徴か。
 …あれ?そう言えばロボットが登場しないぞ?
 今週のジャスミンの一言。「犬と戯るね」
VOL.2
<A> <楽>
第6話 グリーン・ミステリー

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本昇
 宇宙人が暴れてるとの報を受け、現場に急行するデカレンジャーは、車が嫌いで、目の前にあるあらゆる車を切断していた宇宙人ジューザ星人ブライディが出現。危ないところで取り逃がしたのだが、その直後、車と女性が切断された事件が発生。これもブライディの仕業と息巻くデカレンジャー達だったが、ひとりセンちゃんことデカグリーンのみがこの事件に疑問を覚える。
 殺人(?)シーンまで出して、えらいハードな展開となってる。謎解きの要素もあったりして、見所満載。
 今までさほど存在感の無かったセンちゃんが大活躍する回。昼行灯で、妙に鋭いところがあるという、まるでコロンボのような(…と言うより狙ってるんだろうけど)、センちゃんの活躍が見られる。
 ちなみにシンキング・ポーズは逆立ち…「あばれはっちゃく」を思い出してしまったよ。
 水で金属が切断できるというのが本作の肝であったのだが、一つ設定的な問題が。確かに水で金属は切れる。だけど、それやると周りにも激しい被害を及ぼすため、推理するまでもなくすぐに分かってしまうと言う…
第7話 サイレント・テレパシー

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 オフィス街に突如現れた巨大ロボット、エンバーンズ。退治に向かったデカレンジャーだったが、ビルを一つ消した上に、自らもテレポートで逃げてしまう。消えたビルは長野県八郎ヶ岳に移動させられ、しかもその中にいた人たちは殆ど消えてしまっていた。残っていたのは人形に変えられてしまった二人だけ。最初の戦いでエンバーンズの足下に一人の少年がいたことに疑問を覚えたジャスミンは、その少年を捜し出し、彼が超能力者であることを知るのだが…
 ジャスミンを主人公とした話で前後編。超能力を持つために周りから阻害されていたジャスミンの過去が描かれるが、好みの問題だけど、こういったトラウマもの、特撮にはあんまり出してもらいたくないところはあるな。それでも後を引かないからまだ救われるかな?
 今週のジャスミンの一言。「やってみそ」「さて、なんじゃらほい」「よござんすか、よござんすね」
第8話 レインボー・ビジョン

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 人間をフィギュア化してコレクションするというクォーター星人ダゴネールを追い、エスパーの少年氷狩を保護しようとするデカレンジャー達。だが、ダゴネールの依頼によって現れた最強の敵イーガロイドにたたきのめされてしまう。同じエスパーとして氷狩の哀しみが分かるジャスミンは怪我を押して捜査に向かうが…
 ストーリーは前回に続いてジャスミン(イエロー)が中心の話。特別な能力を持つがために一般の人間に受け入れられないと言うのは、とてもベタなのだが、そう言えば最近の特撮ものでここまでストレートにそれを描いたものはなかったんじゃなかったかな?でもトラウマの描写って特撮ではあんまり観たくないんだよなあ。
 しかし、未来の話のはずだが、セーラー服の高校があるってのは…スタッフの趣味?
 今週のジャスミンの一言。「大丈V」「バイなら」「この世に止まない雨はない」
第9話 ステイクアウト・トラブル

  脚本:武上純希
  監督:坂本太郎
 監獄衛星プリズロンから凶悪爆弾犯のザムザ星人シェイクが脱獄した。シェイクが地球に潜伏中の恋人マイラに会うため、地球に向かっているとの情報を入手したドギー長官はバンとウメコに張り込みを指示する。だが、持ち前の正義感から地球人に襲われているマイラと接触してしまうバン…
 敵はザムザ星人シェイク。そして巨大ロボットのシノビシャドー
 主人公は一回りして主人公のバンに戻る。正義感溢れるのは元々だったが、惚れっぽいのもここで明らかにされる。人を騙すと言うことの重さを出したのは良かったね。
 凶悪犯人がマンションの中に現れるため、こっそりと集結する4人のデカレンジャー達。走り方が妙にこそこそしていてヒーローとはとても見えないところがなんとも(笑)
 これも前後編。最後は騙していたことが知られてしまい、バンがビンタを食うシーンで終わる。
VOL.3
<A> <楽>
第10話 トラスト・ミー

  脚本:武上純希
  監督:坂本太郎
 バンの嘘を知り、傷ついたマイラはデカレンジャーによる保護を断り、バンも拒絶する。実はマイラの持つパワーアップエナジーを狙っているザムザ星人シェイクはマイラに迫るのだが、そこにバンが現れる。
 敵は前回に続きザムザ星人シェイク
 若さ爆発って感じで熱いなあ。これ、嫌いじゃないぞ。
 好きになった人に誤解を受けたままじゃ我慢できないと言うバンと、それを諭して行かせるスワン。バンの真実を知り、バンを救うために敢えて悪役を買って出るスワン。それを超えて底力を出すバン…キャラを限定して、前後編にしたお陰でその描写がしっかり描かれてるよ。
 ラストのオチも強烈。特撮は熱さが信条!その熱さをこれだけ演出できたんだ。やっぱりこれ、良いぞ。
 どうでも良いけど、シェイクと戦うデカレンジャーの連携技って、ヒッポリュト星人と戦うウルトラ兄弟のアクションに酷似してる。もし意識したんだったら、作った人間はえらい!
 ここで面白いのはホージー。杓子定規な性格していた彼がバンの命令無視を「仕方ないな」で済ましてしまう。意外に細かいところで成長が描けてるのが嬉しいところだ。
 今週のジャスミンの一言。「もっと光を」。「ドーンといってみよう」。
第11話 プライド・ドライバー

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 ボスのドギーの出張中、デカベースを任せられたホージー。そんな時、宇宙船が地球に落下。そこから現れたのは候補生時代のホージーの親友でスペシャル・ポリスのヴィーノだった。旧交を温めるホージーとヴィーノ。だが、ヴィーノを入れたことで、デカベースに不穏な空気が流れる。そんな時、全宇宙指名手配犯の殺し屋ギガンテスが現れるのだった。そして、帰還したドギーがギガンテスの凶弾に倒れてしまう。
 今回ホージーが主人公。真面目なエリートがどれだけ崩れるかってのがホージーの話の特徴になるか?それだけ話が重くなるわけだが、考えてみると、この作品、ノリだけじゃなくてこういった重いのも結構多いんだよな。戦隊ものの常で1話〜2話で終わってくれるのが良いところだ…(仮面ライダー剣が話を引っ張りすぎるので、こちらの方がほっとするのは事実)
 敵キャラクターが巨大化するのは戦隊ものではこれも定番だけど、実はこれが初めてたっだりして。定番のようでいて、いろいろ新しいんだな。これは。
 それはそうと、巨大化したギガンテスを倒すホージーの台詞「Good-by forever and ever」は、ベタベタの日本語だから違和感ありまくり。
第12話 ベビーシッター・シンドローム

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 謎の物体が地球に落下中との報を受け出動したデカレンジャーロボがキャッチした物体の中から2メートル近くもある巨大な赤ん坊のような宇宙人が現れた。しかも現場に居合わせたウメコを「ママ」と慕ってくる。調査の結果、これはオカーナ星人の赤ん坊でエイミーという名前だと分かった。なし崩しにその面倒を看ることになってしまったウメコだったが…
 怪獣というか何というか、オカーナ星人エイミー。泣き声が超音波になっていて、「並の爆弾より破壊力がある」のだとか。あとは元々エイミーを輸送途中だったアブレラがウメコからエイミーを奪い返すために出した怪重機デビルキャプチャー3
 今回ウメコが主人公。このキャラが主人公になると、常にコメディになるが、最後は結構ほのぼの。
 いつも泡風呂に入ってるウメコなんだが、今回は風呂途中に呼び出しを食らう。何故かシャンプーハットをかぶったまま出動しようとしてボスと掛け合い漫才をするのだが、どうやってジャケットを着たんだ?(これは無用のツッコミ)
 今週のジャスミンの一言。「がちょ〜ん」「母よ、あなたは強かった」
第13話 ハイヌーン・ドッグファイト

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 何者かの暗殺の対象となってしまい、一般社会への影響を恐れ、考え込むドギー。地底から巨大な塔と怪重機テリブルテーラーが現れ、街は大混乱に陥る。これは地脈を刺激して大地震を起こす装置で、広大な更地を作ろうという宇宙の地上げ屋の仕業だと分かる。だが、その混乱の最中、スワンが攫われる。残されたメッセージから、ドギーを暗殺しようとするのは、カジメリ星人ベン・Gである事が分かる。スワンに爆弾を仕掛け、ドギーを強迫するベン・G。ついにドギーが立ち上がる。
 敵は怪重機テリブルテーラーとカジメリ星人ベン・G。かつてドギーから逃走中に事故を起こし、死んだと思われていたが、肉体の90%をサイボーグ化してドギーに復讐を誓う。スワンを人質に取り、アブレラから購入した100体のドロイドをデカマスター=ドギーに差し向ける
 ドギーの強さが遺憾なく発揮される回。かつて「地獄の番犬」と呼ばれたドギーはデカマスターへと変身できる。この格好良さは伊達じゃなく、無茶苦茶熱い!「百鬼夜行をぶった斬る。地獄の番犬デカマスター」という名乗りも良いね。しかし、日本語を使うからって、「引導を渡してやる」って…宇宙人だろ?お前は。それにどう見てもドギーの口はマスクの中に収まりきれないんだが、その辺は?
 いきなり100体の戦闘員をぶった切ったり、炎をまとって突進したりなど、演出も最高の回(どう見ても100体もいるように見えないけどね)
 今回のジャスミンの一言。「どーんと行ってみよう」(コント55号)。「はいそれまでよ」(クレイジー・キャッツ)。
VOL.4
<A> <楽>
第14話 プリーズ・ボス

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 ボスであるドギーがデカマスターに変身することを知ったデカレンジャーは、ドギーの特別訓練を受けが、デカマスターのあまりの強さに、「いざという時はボスに任せれば」と頼りきりになってしまう。だが、ドギーはそんな彼らの態度に敢えて、殺人犯・クリスト星人ファーリーの前に危機を迎えた5人を突き放すのだった。
 敵はクリスト星人ファーリー。狼のような風貌で、えらく強い。朝日に弱いという弱点を持つため、身体の周囲を暗闇に変えてしまうルナメタルを奪おうとする。それと怪重機デビルキャプチャー4。何度も登場するシオマネキ型の怪重機。
 強すぎるボスに頼り切ってしまい、弱体化してしまったデカレンジャー達。前回でデカマスターの強さを見せつけただけに、これは必要な回だろう。そうでなかったらデカマスター一人の話になってしまうしね。ラストで、これ以上の敵が現れることを暗示しているが、それも良い演出。
 今回のジャスミンの一言。「私、負けましたわ」(元ネタは無いけど、回文となってる)。「ダイナマイトどんどん」(元ネタは映画『ダイナマイトどんどん』(1978)。そのまんまか)
第15話 アンドロイド・ガール

  脚本:武上純希
  監督:渡辺勝也
 地下に張り巡らされたネットワークが何者かによって破壊され、都市機能が麻痺してしまった。その調査に向かったデカレンジャーの面々は、そこで一人の少女とティタン星人メテウスを発見する。問答無用で襲いかかってきたメテウスを撃退するが、保護した少女をデカベースで調べたところ、彼女はアンドロイドであることが発覚する。センはこのアンドロイドが感情を持ち始めていると推測し、フローラと名付け、彼女を育ててみることにした。
 敵はティタン星人メテウスと怪重機キャノングラディエーター
 なんだか育成ゲームのような物語となってる。う〜ん、センちゃん、こんな趣味があったとは…
 キャノングラディエーターはデカレンジャーではなく、デカベースを狙ってくるのだが、デカベース自体に攻撃能力があり、更に動くことが…って、地下にある施設はどうなってるんだ?
 今回のジャスミンの一言。「能ある鷹は爪を隠す」…別段受け狙いではないか?他にウメコの方が「地震、雷、アリエナイザー」と言ってる。
第16話 ジャイアント・デストロイアー

  脚本:武上純希
  監督:渡辺勝也
 地球の地下でティタン星人メテウスの開発したマシンモンスター、ギーガスは巨大に成長していた。ギーガスの頭脳体であるフローラを守ろうとするセンだが、フローラは自己の責任を自覚し、自らの手でギーガスを破壊するためメテウスの元へ行く。
 デカベースが巨大ロボになってしまうと言う豪快な話。デカレンジャーロボと較べ、その大きさは倍以上もある。これだけスケールの違うロボットを出すのは戦隊ものでも初めてじゃないか?
 センが主人公で、珍しく人間味あふれる発言をしてるのも特徴か?(アンドロイドが相手ってのがらしいところだが)。
 今回のジャスミンの一言。「これじゃダイダラボッチに針の剣」「あじゃぱー」
第17話 ツインカム・エンジェル

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 悪魔のスパイスと呼ばれる物質が地球で取引されることを突き止めたデカレンジャー達は取引現場へと急行するが、ウメコのドジでみすみす犯人を逃しそうになってしまう。生まれ変わろうとしたウメコは早速ジャスミンの真似を始めるが、様にならず。その悪魔のスパイスが使われたと思しきレストランに潜入したバン、ホージー、センの3人だったが、その料理を食べることを止められなくなってしまう。彼らの前にオズチュウ星人イーアルが姿を表すが…
 敵はオズチュウ星人イーアル。ゲストキャラのダンディ板野が演じているが、明らかに脱力系。最初から最後まで「ゲッツ」しっぱなし。
 ウメコとジャスミンの二人が主人公の話。お互いに足りないところをうらやましがってる二人が微笑ましい。
 デカレンジャー達が揚げ餃子にされそうになると言う変な話。酒飲めば飲むほど強くなると言う宇宙酔拳に対し、ウメコまで酔拳で対抗。「お酒は二十歳から」とか「飲んだら乗るな。乗るなら飲むな」とか、死ぬまで「ゲッツ」やってる宇宙人とか、妙に脱力する演出がなされる。いや、それが面白いんだが。
 今回のジャスミンの一言。「ちかれたびー」「って言うか」「びっくりしたなあ。もー」「たいしたたまげた」「レッツラゴー」…多すぎ。
VOL.5
<A> <楽>
第18話 サムライ・ゴーウエスト

  脚本:荒川稔久
  監督:坂本太郎
 未確認飛行物体の目撃情報が続く京都に派遣されたデカレンジャー達。そこには鎧兜に身を包む変な宇宙人ゾイナー星人ベートニンが暴れ回っていた。実は新撰組の時代に京都にやってきていたベートニンはバンの先祖で、新撰組の隊員だった赤座伴之進と140年前に出会っていたのだ。バンを赤座伴之進に変装させ、説得して星に帰らせようとしたデカレンジャー達だったが、それが嘘であるとベートニンに見破られてしまう。昔懐かしい京都が亡くなってしまったと嘆くベートニンの前にアブレラが現れ、「新しい京都を作ってみたらどうか」との誘いを受けるのだが…
 宇宙人ゾイナー星人ベートニン登場。武士に憧れ、武士道精神を持つキャラクターで、なかなか良い奴。勘違いばかりしてたようだけど。それと怪重機ビグドローワー。京都の国宝をキャプチャーして新しい京都を作ろうとするが、デカベースロボに破壊される。
 バンが主人公の話で、バンの御先祖様が新撰組だったと言うもの。色々言いたいけど、変に突っ込むのは止めよう。
 京都太秦にある東映撮影所が舞台で、江戸時代っぽい演出がなされる。そう言えば戦隊もので時代劇っぽいのをやるのが多いのはこのためか。
 今回はジャスミンの一言は「にんともかんとも」
第19話 フェイク・ブルー

  脚本:荒川稔久
  監督:坂本太郎
 都内に現れたウージョン星人ジンチェ操る怪重機シノビシャドー2を倒したデカレンジャー達。だが、捕獲されたジンチェはホージーを襲い、精神を入れ替えてしまう。ジンチェの姿となったホージーは留置所に入れられてしまい、ホージーの姿を取ったジンチェは素知らぬ顔をして仲間の元へ…
 敵はウージョン星人ジンチェ。語尾に「だっつーの」を付けるのが特徴で、姿を入れ替えることが出来る。それと怪重機シノビシャドー2。これは冒頭であっけなく倒されてしまう。
 今回はホージーが主役の話だが、入れ替えのお陰でなかなか面白い話になってる。惜しむらくは30分だから、物語の展開が早すぎると言うところか?これは2話続けるべき作品だったかも。
 今回のジャスミンの一言。「敵もさる者」…ここに「ひっかくもの」とつくと木の下籐吉郎ですな。「そうだそうだと言いました。まる」。「不埒もの」「本気と書いてマジ」「大きいことは良いことだ」
第20話 ランニング・ヒーロー

  脚本:手美智子
  監督:竹本昇
 エネルギー研究所が爆破された。その直後犯人からデカベースに連絡が入る。その正体はゲルマー星人バイズ・ゴア。地球のある場所に惑星破壊爆弾を仕掛けたことを告げ、デカレンジャーに“爆弾探しゲーム”の挑戦状を送りつける。デカレンジャーの中から1人がプレイヤーとなり、バイズ・ゴアが指定したポイントまで時間内にたどりつき、タイマーをストップできたら爆弾をセットした場所のヒントを与えるというものだった。そしてドギーが選んだメンバーはバン。バイズ・ゴアの指示通り、町を駆け回り、その背後では他のデカレンジャー達がバイズ・ゴアの設置した爆弾を探し回る。
 敵はゲルマー星人バイズ・ゴア。これまで数々の惑星でスペシャルポリスに挑戦し、いくつもの星を破壊してきたという。携帯電話でバンに指示を与え、バンを駆け回させるが、実はその携帯の中に入ってたというオチがつく。そして怪重機キャノングラディエーター2。居場所を知られてしまったバイズ・ゴアが搭乗するが、あっけなく動けなくされ、ジャッジメントでデリートされる。
 今回はバンが主人公。『ダイ・ハード3』(1995)を地でいく話で、話としては本当にそのまんま。テレビだから許されるパターンだな。
 今回のジャスミンの一言はなし。
第21話 マッド・ブラザース

  脚本:武上純希
  監督:竹本昇
 非番のジャスミンは公園で絵を描いている女性と出会う。彼女の描いている絵は東京の崩壊が描かれていた。その本体を表したリバーシア星人サキュバスと戦うデカイエローだが、その強さはイエローを圧倒するが、何故かジャスミンを気に入ったサキュバスは自分の仲間になれと申し出る。その頃サキュバスの兄ボンゴブリンが現れ、残り四人のデカレンジャーに挑戦する。圧倒的な力で四人を歯牙にもかけないボンゴブリンに加え、長兄のブリッツが現れる。
 ヘルズ三兄弟と呼ばれる三人の兄弟アリエナイザーが登場。長男ブリッツ、次男ボンゴブリン、そして末娘のサキュバス。サキュバスは人間の精気を吸い取る力を持ち、ボンゴブリンはゴムのような体を活かし、デカマスターさえ互角以上に戦う。気に入った星を見つけるとそこに住み着き、極悪非道な行為を続けた後、飽きると星を破壊するというもので、これまで79の惑星を破壊してきた。“特キョウ”こと特別指定凶悪犯対策捜査官が追っている特別凶悪犯。そして現れた怪重機はゴッド・パウンダー。デカレンジャーロボを圧倒し、ついに破壊寸前にまで追い込む。
 ジャスミンが主人公の話で、珍しくかなり重めのストーリーとなっている。このキャラクターには合ったストーリーかも。
 今週のジャスミンの一言はなし。
 ブリッツ役は「忍者戦隊カクレンジャー」サイゾウ役の土田大。
VOL.6
<A> <楽>
第22話 フルスロットル・エリート

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 ヘルズ三兄弟の長兄ブリッツの攻撃力はすさまじく、デカマスターさえ太刀打ち出来なかった。デカレンジャー達に恐怖をじわじわと与えてやると言い残し、彼らの前を去っていく兄弟達。デカベースに帰ったデカレンジャー達にデカレンジャーの本部から通信が入り、通称“特キョウ”を一人地球に派遣したという。到着が遅れるという通信が入ったため、街に現れたボンゴブリンと戦うデカレンジャー達だったが、巨大化したボンゴブリンの前に、なすべくもない彼らの前に、新しいマシン、デカバイクが現れた…
 新しい仲間、デカブレイクの紹介の話。オリジナルメンバーが絶体絶命の危機に陥った時に現れるのは特に戦隊ものではパターンとなっていて今回もそれを踏襲してる。それで現れたデカブレイクこと姶良鉄幹は、大変率直な性格をしているが、素直な分、相手を全く思い遣ることができないという性格がなかなか良い設定だ。これがどう変わっていくかが、もう一つの本作の見所ってところだろう。
 今回のジャスミンの一言。「平凡じゃないパンチ」…これは相当昔の雑誌を知ってる人だったら分かる台詞だ。
第23話 ブレイブ・エモーション

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 ヘルズ三兄弟の次男ボンゴブリンをあっさり倒したデカブレイクことテツはこの件は全て一人で処理すると言い放ち、デカレンジャーの面々を「足手まとい」と言い放つ。街に現れたヘルズ三兄弟の長兄ブリッツと長女サキュバスを相手に互角以上の戦いを繰り広げるデカブレイクだったが、妹のサキュバスを犠牲にしたブリッツの攻撃に、ペースを崩され、大ピンチに陥ってしまった。そこに現れたのは、邪魔者扱いされたデカレンジャーの面々だった。
 敵は3話続けてのヘルズ三兄弟と、怪重機ゴッドバウンサー。基本的にゴッドバウンサーはブリッツを乗せて逃げるだけだが、デカレンジャーロボとデカバイクロボに倒されるだけの存在でしかなかった。
 この話でデカブレイクが正式に仲間となる。冷静で感情の力を知らなかったのが、不屈の闘志を見せられ感動する。とてもベタな展開なんだが、このベタさが特撮の醍醐味といえる。
 デカブレイクが不遜な態度をとり続けたのは善悪の判断が付かないためで、感情を知ることで成長していくわけだな。
 こんな単純な物語で熱くなれるのが本作の良さであえる。最初から最後まで演出が良い…
 デカバイクにまたがるデカレンジャーロボ。なるほどね。こういう合体の方法もあったか。
 今回のジャスミンの一言。「びっくりしたにゃあ」…あれ?これってアニメの?
第24話 キューティ・ネゴシエーター

  脚本:武上純希
  監督:辻野正人
 グラビドン爆弾を手に街で暴れるアリエナイザーのバリス星人アルパチの交渉に当たるウメコ。仲間からは不安がられたが、何を言ってもちんぷんかんぷんのアルパチに、その言葉は全て逆さ言葉であることを見抜き、彼の要求は地球署に捕まえられた彼の息子アルパチJrの釈放だった。しかし、アルパチJrは地球署どころか、宇宙のどこの警察署に収監されていないという。これは囮であると見抜いたセンにより、本当の敵ドラド星人ゴルドムを突き止める。
 登場宇宙人はバリス星人アルパチアルパチJr。そしてドラド星人ゴルドム。3人も出てきた。それと怪重機テリブルテーラー2
 今回ウメコが主役で、この人が主役だと、大体お笑いに走ることになるが、ギャグとしてはまあ今ひとつ。しかし、ウメコの魅力ってのはよく分かる作品だ。このシリーズの面白いところはここまで来て未だキャラクターに新たな魅力を付加していくことだな。やっぱり上手くできた作品だと思うよ。
 今回のジャスミンの一言。「駄目だこりゃ」…いかりや長介か。それと「あっと驚くタメゴロー」クレイジーキャッツね。「賛成の反対の反対なのだ」バカボンパパ。多いな。
第25話 ウィットネス・グランマ

  脚本:武上純希
  監督:辻野正人
 怪重機が飛来したとの報を受け、デカレンジャーとデカブレイクは現場に急行するが、肝腎の怪重機ハンタージェットは突然機能を停止してしまう。内部に入った6人はそこで空の魔法瓶のようなものを見つける。実はこれはガス状のアリエナイザー、スピリト星人ビョーイだと、そこに居合わせた少女が言う。だが少女は突然老婆のような宇宙人に変化し、自分はシンハー星人ハクタクだと言い、自分だけがビョーイを見つけることが出来ると言う。彼女をデカベースに保護するが、狙撃されてしまう。デカベース内にビョーイが侵入していることを察したセンはハクタクを連れ、外に出るのだが、ドロイド達に襲われてしまう…
 センちゃんが主人公の回で、スピリト星人ビョーイがデカレンジャーの誰かに乗り移った可能性を考えるのだが、一応他のメンバーはちゃんと考えてるのに、ホージーだけ「あいつは前回のことがある。アリエナイザーに乗り移られやすい体質かも」…それって推測になってないぞ。それに、センが推測する段になって、ウメコから「又ホージーさんじゃないの?」とか…可哀想に。センちゃんの推測は今回も冴え渡る。普通の人間はクシャミがでる薬と騙して、結果的に乗り移られてる人間を見事推測している。
 しかし、オチはなかなか強烈。まるで浦島太郎…それに被さる「これからも地球の危機を守ってくれ。センちゃん」…この姿では無理です
 センちゃんの活躍の分、今週のジャスミンの一言はなし。
VOL.7
<A> <楽>
第26話 クール・パッション

  脚本:横手美智子
  監督:坂本太郎
 どうもホージーに嫌われてるのではないかと疑うテツはホージーのパトロールについていくが、街中でビース星人ビーリングが暴れているところに遭遇。その姿にテツは非合法の筋肉増強剤“メガゲストリン”を飲んでいることを見破り、アリエナイザー同士を戦わせる“イーガルマッチ”が地球で行われていて、そこで麻薬が売買されていることを突き止める。黒幕タイラー星人ダーデンはチャンピオンにしか会わないと聞きつけ、ホージーは現チャンピオンであるバンダレ星人ジーバに挑むが、メガゲストリンを飲んでパワーアップしているジーバに軽くいなされてしまう。自分の意地を賭け、そしてダーデンを逮捕するため、リターン・マッチに挑むのだった。
 今回アリエナイザーが多い。最初に出てきたのがビース星人ビーリング。麻薬中毒で暴れるだけの緑色の怪人。次にホージーと戦うことになるイーガルマッチのチャンピオンのバンダレ星人ジーバ。日本の鬼を思わせるデザインで、メガゲストリンを過剰服用することでトゲトゲが増える。そして黒幕のタイラー星人ダーデン。こいつは怪重機アルティメットイビルに乗って逃げるだけ。そのアルティメットイビルは極端に身が軽く、デカレンジャーロボの攻撃をことごとく避けるが、スーパーデカレンジャーロボによりデリートされてしまう。
 ホージーの意地と、テツの成長が描かれる作品…テツの女装姿も拝めるが、これもやっぱり「成長」の一環だろうか?
 ここでついにデカレンジャーロボとデカバイクロボが超特捜合体。スーパーデカレンジャーロボに変形する。
 話としてはありがちだけど、こういう合体ってのは、もっと危機が訪れてから行うもんじゃないのか?ま、いいか。それに合体してあんなにでかくなったら、スピードが増したとは思えないのだが。
 今回のジャスミンの一言。「ドキがムネムネする」。「スワンさんの辞書に不可能という文字はない」
第27話 ファンキー・プリズナー

  脚本:荒川稔久
  監督:坂本太郎
 美術館にバリゲ星人ミリバルが侵入した。竜巻を巻き起こして設備を破壊し、デカレンジャーの奮戦虚しく財宝を強奪して逃げてしまう。ミリバルの残した美術品よりジャスミンはミリバルと監獄惑星アルカポで仲の良かったワンデ星人ニワンデというアリエナイザーがおり、ミリバルの逮捕のため、ニワンデの協力を仰ぐが、ニワンデはやたら調子の良い奴で、同行したジャスミンとテツはあきれかえってしまう。
 敵はバリゲ星人ミリバル。宇宙警察刑務所の脱獄囚で、ツイスター・アタックという超大型台風並みの竜巻を起す力を持っている。人間に擬態することが出来、更に台風のエネルギーを体内に取り込むことで巨大化も出来る。又、ジャスミンが協力を要請したワンデ星人ニワンデはジャスミンの接触テレパスも効かないおちゃらけた奴だが、実はそれは擬態。ミリバルを説得するためにその本性を現す。精神さえ防ぐことが出来る強力なバリアを張ることが出来る。実際は二人は元義賊だったが、ミリバルが凶悪犯罪になってしまったため、ニワンデが二人で投降する。
 ジャスミンが主役の回で、ハリウッドの刑事物や日本の任侠映画の影響がかなり強い。物語のバランスが良いため、なかなか魅せる話になった。このシリーズ、確かにいい話が多いわ…そりゃ羊たちの沈黙(1991)を地でいってるとは言え(笑)
 ジャスミンが主役なのに、今回はジャスミンの一言は既出の「駄目だこりゃ」のみ。
第28話 アリエナイザー・リターンズ

  脚本:武上純希
  監督:竹本昇
 人間をデジタル化してネットの世界に取り込むという事件が発生する。かつてデリートしたはずのリコモ星人ケバキーアの手口と酷似していることに気付いたデカレンジャーは、確かに目の前で母親を取り込もうとしたケバキーアの姿を目にする。かつて母親を失った記憶のあるテツは激情するが、一方、それだけでなく、アンリ星人ベイルドン、リドミハ星人カーサス、ダゴネールまでもが出現。その姿を追ったデカレンジャー達は、アジトらしい部屋に行き着き、そこで2年前にテツが逮捕したスペキオン星人ジェニオの記事が散乱していたのだ。実はジェニオこそがテツの両親を殺した犯人であり、今はアルカポ刑務所に収監されていた。この事件を捜査するため、テツはジェニオと面会する。そこからの情報で、この一連の犯人はパウチ星人ボラペーノであると伝えられるのだが…
 敵はこれまでデリートしたアリエナイザーが6体。それにペキオン星人ジェニオパウチ星人ボラペーノ。ボラペーノは一個の細胞があればどんなアリエナイザーにも変身出来るという。その実体は顔のない真っ黒な姿をしたアリエナイザー。ただ、本作の本当の敵はペキオン星人ジェニオの方で、大変な知能犯で、デリートすることさえ不可能というし、ちゃっかりテツの弱点を突いて脱獄してしまう。それとボラペーノが搭乗する怪重機ゴットパウンダー。
 テツの過去、これまでのアリエナイザーの多量登場。そしてペキオン星人ジェニオの存在感と、大変盛りだくさんの話となったし、更に次回に続く。それはそうと、前回に続き、『羊たちの沈黙』(1991)のみならず、『セブン』(1995)『コピーキャット』(1995)までパクってるぞ。これだけ色々パクっていながら今週のジャスミンの一言はなし。
第29話 ミラー・リベンジャー

  脚本:武上純希
  監督:竹本昇
 自分の失策のためスペキオン星人ジェニオをアルカポ刑務所から逃がしてしまった責任に苛まれるテツ。しかもジェニオは度々鏡を通してテツに語りかけ、「死以上の苦しみを君に与えよう」と語りかけるのだった。そして次々とデカレンジャー達を鏡の世界に引き込んでいくジェニオ。最後に残ったバンが激昂するテツに言ったこととは…
 敵は前回に続いてスペキオン星人ジェニオと、怪重機メガロリア。ジェニオは宇宙最高の知能犯で、光の反射するものだったら、どんなものにも入り込める…ミラーマンかいな。それとメガロリアは珍しい女性型の怪重機で、すっきりしたデザインしてる。しっかり定番オッ○イミサイルまで装備してるのが嬉しい(?)。乗っているのがイーガロイドのくせに結構強い。ちなみにメガロリアは「ビーロボカブタック」のテントリーナの着ぐるみの流用であり、中の人もテントリーナ役の橋本恵子だったとか。
 テツ単体が主人公の話で、テツのトラウマと、仲間を思う気持ちが逆手に取られてしまう。
 自称天才のジェニオだが、テツに対して「死以上の苦しみ」を与えると言っておきながら、やってることは仲間を誘拐することだったので、相当手ぬるい。更にデカレンジャー達に言い負かされてしまってる。流石自称。更にジャッジメントされそうになった時、「水戸黄門」に時々出てくる往生際の悪い悪人よろしく抵抗してるのも天才っぽくはない。
 ところで、テツのことを「後輩」と呼ぶバンだけど、実際は版の方が後輩のはずだろ?
 今回はジャスミンの一言は「世界のどこでもこんにちは」。他にバンの「天網恢々」
VOL.8
<A> <楽>
第30話 ギャル・ハザード

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 二体の怪重機が戦っているという通報を受け、現場に急行したデカレンジャー達はそこでデビルキャプチャー5とナイトチェイサーの戦いを目撃する。ナイトチェイサーはあっけなくデビルキャプチャー5を倒すと姿を消し、残されたデビルキャプチャー5から救出されたのはガングロの少女だった。彼女はスロープ星人ファラウェイ(愛称:ファラ)で、万引きの常習犯であり、宝石の運び屋をしていたところ、その宝石を自分のものにしようとして逃げていたのだった。だが実はその宝石と見られていたものはミサイルの標的で、それを飲み込んでしまったファラに向かって惑星破壊ミサイルが飛んできていたのだった。
 敵として怪重機ナイトチェイサー。これはイーガロイドが操縦するもの。それと今時もはや絶滅したガングロのギャル(笑)、スロープ星人ファラウェイと、その恋人のスロープ星人ピロジー。ファラはギャルって言うにはちょっと歳食いすぎてる感じだが、それがまあ、この作品の狙いなんだろう。
 実はこの回、今まで陰に隠れていたアブレラと実際にデカレンジャー達が顔を合わせた最初の話となる。あれ?こんなに後になってたんだ。
 しかし、解説でファラの事を「ギャル」って、いったいいつの時代の話だ?
 それにしても変なお話だった。
 今週のジャスミンの一言。「聞いてないよ」
第31話 プリンセス・トレーニング

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 パトロール中に女性の悲鳴を聞いたバンは転落しそうになった少女を助け出すが、その顔を見てバンは驚愕する。なんとその顔はウメコにそっくりだったのだ。実は彼女はトカーサ星人のイオ・ヨンマールイッチ王女であり、王家の伝統行事が地球で行なわれるため極秘裏にやってきたらしいが、そこから逃げ出したらしい。犯罪のにおいを感じ取ったウメコは王女にそっくりなのを利用して身代わりを申し出るが…
 敵はプコス星人ジャッキル。宇宙の暗殺者で、実はイオ王女の侍従のマチカに雇われていた。ウメコ怒りのケリを食ってあえなく倒される。スナイパーと言うだけあって、肉体的にはあんまり強くないらしい。それとジャッキルの操縦する怪重機キャノングラディエイター3
 ウメコが主役の回だが、実は受難の回でもある。儀式に必要な訓練というのは、体を荒縄で縛られ、頭にツボを乗せた状態で4時間正座するというもの。更にその後、壺を頭に乗せたまま滝に打たれたり、ウィリアム=テルの真似させられたり、バンジージャンプさせられたり火の輪くぐりをさせられたり…ほとんどSMの世界だな。こりゃ。
 今週のジャスミンの一言。「なんじゃらほい」。これは前にも出たキレンジャーの台詞だな。他にウメコが「ちかれたびー」。これもジャスミンが前に使った台詞だ。
第32話 ディシプリン・マーチ

  脚本:横手美智子
  監督:辻野正人
 カラカズ星人サノーアが、大量破壊兵器のエネルギー源となる鉱石“ギュータニウム”の取り引きを行なうことを知ったデカレンジャーは現場に突入。サノーアを捕らえる。サノーアからギュータニウムの隠し場所を聞き出したデカレンジャーはサノーアにその場所を案内させようとするのだが、突然見えない敵から攻撃を喰らい、サノーアを逃してしまう。その陰に武器商人のアブレラがおり、アリエナイザーの武装を強化していることを知ったドギーは惑星カダでスワットモードを習得するため特殊カリキュラムを受けるように指示する。彼らの前に現れたのは教官トート星人ブンターが現れるが、その直後、宇宙船が撃沈されてしまう…
 敵はカラカズ星人サノーアボッツ星人ゾータク。サノーアは宇宙マフィア“スンダーズ・ファミリー”のドンで、きわめて冷静沈着な性格をしているが、冒頭であっけなく捕まってしまう。又ゾータクはサノーアの部下で、本人は臆病なお調子者だが、アブレラから購入したマッスル・ギアにより強力な力と姿を消す能力を得ている。
 冒頭からスーパーデカレンジャーロボが出てくるというかなり掟破りの話だが、これもデカレンジャーのパワーアップのために敢えてこういう展開にしたのだろう。
 いつもデカレンジャーの面々が登場する番組後のラストはなんとアブレラが登場。マッスル・ギアの宣伝をしてる。
 ところで教官として登場したブンターの姿はバナナが好きな猿。あれ?ボスが犬で長官が鳥、そしてここで猿だから…桃太郎?
 今回のジャスミンの一言。「スワット登場。スワット解決」おいおいおい「おやつは一人300円まで」
第33話 スワットモード・オン

  脚本:横手美智子
  監督:辻野正人
 惑星カダスでスワットモードになるため、教官ブンターの元、本式の訓練が開始された。空気の薄いこの星で弱音を吐く四人を尻目に、バンのみが次々ブンターの試練をクリアしていく。しかし、ブンターはバンに対し、「宇宙一のSPとはお前には見えない」と宣言する。一方、ボッツ星人ゾータクに襲われた街を救おうとするデカマスターとデカブレイクだったが、マッスルギアで強化されたゾータクに歯が立たない。テツを人質に取られ、ドギーまでもがカラカズ星人サノーアに捕らえられてしまう。
 オープニングはほとんどフルメタル・ジャケット(1987)ばりの訓練が展開される…というか、意識したんだろ?
 努力と根性だけでなく、戦隊シリーズにはもう一つ、チーム・ワークが必要。その事を端的に現した回で、実際これだけ明確に答えを出したのは珍しいんじゃないかな?結構いい話に仕上がってる。「宇宙一のSPとは、宇宙一のチームの一員になることです」か。
 そしてスワットモードが初登場。スーツの上に装甲を増したもの。
 ところで、あれだけ強かったデカブレイクとデカマスターが割合あっさりと負けてしまう描写はちょっと悲しいものがある。
VOL.9
<A> <楽>
第34話 セレブ・ゲーム

  脚本:武上純希
  監督:鈴村展弘
 アルティメットイビル、エンバーンズ、ミリオンミサイルの三機の怪重機が街に出現した。早速出動したスーパーデカレンジャーロボだったが、ミリオンミサイルは変形して空高く舞い上がっていった。怪重機が飛び去ったその同時刻に高級住宅地の上空を怪重機が飛び回っているのが発見されるのだが、聞き込みを開始したセンはサウザン星人ギネーカとその友人であるデーチョもシロガーから「何も見てない」と言われてしまう。その帰り道、チャンベーナ星人ギンという男の子と出会った。事情を聞いたところ、三機の怪重機が現れた場所で宝玉を拾ったのだが、それから何者かに命を狙われるようになったという。
 敵はサウザン星人ギネーカデーチョシロガー。そしてアルティメットイビルエンバーンズミリオンミサイルの三機の怪重機。ミリオンミサイルは空を飛ぶことが出来るため、スーパーデカレンジャーロボでは敵わず、新しくデカウイングロボが登場する。
 今回はスワットモードとなったデカレンジャー達が新しいロボットを手に入れる話。こういうのは二話でやるもんだという気もするが、話自体がそんなに大きいものでないのでこれで良いのかな?
 今回のジャスミンの一言は「飛んで飛んで」
第35話 アンソルブド・ケース

  脚本:武上純希
  監督:鈴村展弘
 テンカオ星人ヤム・トムクンが暗殺された。ヤム・トムクンは13年前に地球で起きた連続殺人事件の容疑者で、13年前にその事件を捜査した刑事チョウがやってくる。ヴェテラン刑事のチョウは残り二人の容疑者テンカオ星人ゴレン・ナシとラジャ・ナムナンを見つけ出すが、チョウについていったジャスミンは自分のエスパー能力により、チョウの行動の不可解さを感じ取る。どうやら13年前の事件でチョウは一人娘を亡くしていたらしいそのことを口にしたジャスミンだが、チョウにより意識を失わされ…
 敵はテンカオ星人ヤム・トムクンゴレン・ナシラジャ・ナムナンの三人。と怪重機ナイトチェイサー2
 前回に続き、30分じゃたいしたことは出来ないまでも出来るだけ推理劇にしようと努力が見られる話。地道な捜査はやはりセンかジャスミンと言うことになるのだろう。引退間近のヴェテラン刑事が自分自身の精算のため、犯行に手を染める話なのだが、どうもこのチョウを見ていると、『踊る大捜査線』のいかりや長介を思い出させるんだが…意識したのかな?
 今回のジャスミンの一言。「カ・イ・カ・ン」
第36話 マザー・ユニバース

  脚本:横手美智子
  監督:渡辺勝也
 スワンの元に宇宙警察科学捜査研究所から宇宙警察一の科学者に贈るサイテック賞のメダル受賞の知らせが届いた。バンたち6人とボスの強い勧めもあり、ニューウェル星での表彰式に出席することになったが、そこで久々に再会したブンターより、かつてスワンと共に研究所に勤めていたハイマルの噂を耳にするのだった…
 今回の敵はポッペン星人ハイマル。かつてスワンの同僚で、一方的にスワンをライバル視していたが、スワンのマシンより更に性能の優れたマシンを作り上げようとする。それでデカレンジャーロボとデカバイクロボのデータを解析し、古い怪重機を組み合わせて自らが開発した動力炉ハイマル・リアクターを搭載した怪重機フランケンザウルスを完成させる。ちなみにこのフランケンザウルス、ジャスミンの言葉によると、「ファンクラッシャーのお腹に、デビルキャプチャーのハサミ、ゴッドバウンダーのブースターに、テリブルテイラーの腕?そしてシノビシャドーの足に、ミリオンミサイルの胸。なんだか・・・ごちゃ混ぜ君?」 だそうだ。ちなみにハイマル・リアクターは大変危険なもので、間違えて破壊してしまったら、地球の半分が破壊されてしまうほどらしい。
 今回はスワンさんが主役の話で、とうとうここでデカスワンに変身。しかもこの手の話では定番ながら強い。ん?そうすると13話で人質になることも無かったんじゃないか?
 なんとハイマル・リアクターを解除する際にスワンが使った道具とは、なんとソロバン。これがあるからこのシリーズは楽しい。
 今回のジャスミンの一言。「金なら一枚。銀なら五枚」。他にスワンがデカスワンになった時にテツから質問を受け「乙女のたしなみよ」うう。まあ、深くは考えないことにしよう
第37話 ハードボイルド・ライセンス

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 特キョウ昇進試験を前のホージーは、クラブの歌姫マイク星人テレサの励ましもあり、ウキウキ気分だった。そんな時、地球で若い女性を狙った犯罪が起こっており、長官のヌマ・Gはホージーに特キョウの最終試験としてこの事件を48時間以内に解決するように命じるのだった。だが、その背後にはテレサの弟クロードの影が…
 敵はマイク星人クロード。触手から特殊な種子を放つ能力を持ち、特定の営巣祖を取り込むことによって医療に用いることの出来る花を咲かせることが出来る。地球の若い女性ばかりを殺しているが、それには訳があり、病身の姉テレサの命を救うため、女性の栄養素を必要としていたのだ。
 ホージーが主人公の話であり、愛と職務の板挟みに悩むという大人の物語が描かれる。結構練り込まれた話で、一話くらいこんなのがあって良いのではないだろうか?どことなく「滝の白糸」に似てるような気もするが…
 そう言えばちょっと前の33話でチーム・ワークの大切さが語られていながら、ここで一人抜け駆けしているホージーが描かれているのも結構面白いんじゃないか?
 今回はジャスミンの一言はなし。
VOL.10
<A> <楽>
第38話 サイクリング・ボム

  脚本:武上純希
  監督:竹本昇
 鍵開けの天才ファルファ星人ヤーコがデカベースに保護を求めてきた。その風貌を見てバンは「子豚ちゃん」とご機嫌。実はヤーコはその腕を買われ、宇宙盗賊のアラドン星人ギャンジャバによって育てられ、相棒となったのだが、悪事をするのが耐えられないと言う。ヤーコは乗り物酔いが激しいため、バンは自転車で護送することになったが、なんとその自転車にはギャンジャバによって時速20キロ以下になると爆発する爆弾が仕掛けられていたのだ。
 敵はアラドン星人ギャンジャバ。隠し金庫の暗号を知るために普通の地球人に変装してバンの自転車に爆弾を仕掛ける。それとファルファ星人ヤーコ。金庫破りの天才で、子豚のような風貌をしているがこれは幼体。彼女を救うべく必死のバンの姿を見て、「ハートに火がつく」ことで天使のごとき成体へと変形する(「チェンジマン」かい!)。それとキャノングラディエーター4。
 脚本の趣味か、様々な映画からの引用が大変多い話。話自体がスピード(1994)だったし、アリエナイザーの名前がジャン=ギャバンからの引用。隠し金庫を開ける暗号が「現金<げんなま>に手を出すな」などなど。
 今回バンが中心の話で、熱血および笑いがほどよく盛り込まれていてバランスは大変良し。他のキャラクタにジャッジメントまで任せていて、最後はしっかりバンで決める辺り、演出がよく分かってらっしゃる。
 ところで今回キャノングラディエーター4を倒す際、デカベースロボがボルカニックバスターで屠ってるんだが、あの角度だと(デカベースロボは大きすぎるため、射角を下にしてる)、デカバイクロボを巻き込むか、そうで無かったとしても、街に甚大な被害をもたらしたと思うのだが…
 今回のジャスミンの一言はなし。
第39話 レクイエム・ワールド

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本昇
 デカベースで警報が鳴り響き、一人ウメコは司令部に駆けつけるが、そこにはボスや他のデカレンジャーの仲間達がボロボロになって倒れていた。しかもウメコの前に現れるデカピンク…実はこれはユルイワー星人ミーメによる幻覚であり、実際のウメコは捜査のため自ら志願してミーメの罠にはまり、意識不明の重体に陥っていたのだ。魂を持って行かれたウメコを必死に助けようとするジャスミンを始とするメンバー達だったが…
 敵はユルイワー星人ミーメ。対象者の夢をあやつり、虜にしてしまう。そのために人間を睡眠状態に陥りやすくする薬を「若さを保つ薬」と称して町中にばらまく。実体は静止衛星にいるのだが、ウメコとジャスミンの活躍によって居場所を突き止められてしまう。
 夢を題材とした話で不条理劇が展開されるが、どことなく『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)の後半部分に似てる。演出もなかなか良し。
 オチはやっぱりチームワークで、今回はウメコとジャスミンのコンビの話となった。
 今回のジャスミンの一言は「と、日記には書いておこう」「バイ、ナラ」
第40話 ゴールドバッヂ・エデュケーション

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 パトロール中のバンとテツは火事を目撃。現場に駆けつける二人の前に放火魔のアリエナイザー、パイロウ星人コラチェクが現れた。チェンジした二人は先ず消火活動に専念するが、その前に突然金バッヂを持つデカブライトという特キョウが現れた。コラチェクを追って地球にやってきた彼女はテツの師匠であり、テツに対しノーマルバッヂに従っている事を叱り、コラチェクを逮捕し次第テツを連れて帰ると言い切るのだった…
 敵はパイロウ星人コラチェク。神出鬼没の放火魔で、特キョウが捜査をしていた。実はパイロウ星人は実体がなく、炎そのものが彼らの本体。スワットモードのデカレンジャーを歯牙にもかけず、追いかけてきた特キョウのデカブライトをも瀕死に陥れるなど、その実力は極めて高い。又、アブレラに特注した超LLサイズフレイムギアに乗り込むことで、巨大化も可能。
 コラチェクを追ってデカブライトが登場。テツの師匠とのことだが、極めて冷静な判断を下すキャラクタとして設定されている。ただ、相変わらず、冷静さは、“正義の心”には敵わなかったのだ。ちゃんちゃん。
 コラチェクの炎攻撃を喰らい、人間には耐えられないほどの高温になったデカウィングロボの中でバンが叫んだ台詞。こんな恥ずかしい台詞を格好良く言い切れるのが特撮の醍醐味。しかし、最近ここまでの熱い台詞を吐けるキャラは少なくなったからなあ。
 今回のジャスミンの一言は「クリビッテンギョウ」
第41話 トリック・ルーム

  脚本:武上純希
  監督:中澤祥次郎
 アサシン星人ジンギが宇宙マフィアのドン・ビアンコの命を狙っているとの情報を得たデカレンジャーは捜査を開始する。だが、現場に着いたデカグリーンが見たのはジンギ一人。ジンギの怒りを買ったグリーンはビアンコの不思議な技により密室に閉じこめられてしまう。SPライセンスも壊れ、変身も出来ないまま、他のデカレンジャー達の救出を待つしかないセンだったが…
 敵はアサシン星人ジンギ。自らをイレーザーと名乗り、不思議な技を使って対象物を消し去ってしまう。その秘密は頭の弁髪状の触手で、これに触れたもの全てを消し去ってしまう。その技のことを馬鹿にされると大変に怒る。又中国拳法を会得しており、それだけでも充分に強い。他に一瞬にして姿を消されてしまったギラーク星人ドン・ビアンコと、ジンギの雇い主で、やはり消されてしまったザブン星人ドン・ブラコ(なんだ、このネーミングは?)。そしてジンギの搭乗するアルティメット・イビル2
 センちゃんが主人公と言うことで、今回は推理もの。センちゃんが閉所恐怖症だと言うことも発覚する。
 ちなみにジンギの声をあてているのは高山みなみ。「名探偵コナン」のコナン役で有名だが、なんとそのジンギに対し、センちゃんが「この世に解けない謎はない」とコナンの台詞を使ってる。身内ネタ?(情報提供:水那岐さん)
 センちゃんの台詞が出たお陰で今回のジャスミンの一言はなし。そう言えばここのところ全然活躍の機会がなかったマーフィーがセンちゃんのSPライセンスを渡すために久々に登場。
VOL.11
<A> <楽>
第42話 スカル・トーキング

  脚本:荒川稔久
  監督:坂本太郎
 工事現場から謎の生物が出現したとの報を受け、現場に急行したデカレンジャーは凶悪な宇宙生物ブラウゴールと遭遇する。ディーバズーカをはねのけ、溶解液を吐くブラウゴールを取り逃がしてしまうが、現場に残された卵のかけらからそれは惑星を主食とする凶暴な宇宙生物で、今までにもいくつもの星が食べつくされていたということが判明。しかし、グロンチウムと言う鉱石がないと成長しないブラウゴールがグロンチウムのない地球で成長するのか。一方、ホージーは妹の戸増美和の結婚を控えつつ、事件捜査を続行する。
 敵はブラウゴール。惑星を主食とする凶暴な宇宙生物で、今までにもいくつもの星が食べつくされていたそうな。グロンチウムという鉱石のエネルギーにより成長する。そしてトゲトゲのサボテンのような姿をしたアリエナイザー。凶悪な宇宙生物ブラウゴールを、数々の星で繁殖させ売りさばいてきた。地球をブラウゴールの養殖場とするが、その際高名な天文学者モンテーン博士に変装した。
 バンとホージーの友情話。ただ、ホージーの妹の話がこの回ではあんまり上手く機能してなかった感じ。あるいはこの後の伏線なのか?
 今回のジャスミンの一言は「すっごいですねー」
第43話 メテオ・カタストロフ

  脚本:荒川稔久
  監督:坂本太郎
 デカレンジャー達が撃破したブラウゴールの卵は実は一つではなかった。地中にとけ込んだ最初のブラウゴールのエネルギーを吸収し、更なる強大な存在としてデカレンジャーの前に立ちふさがる。しかもこのブラウゴールは新たな隕石を呼び寄せようとしている。実はこれはアブレラの仕業で、隕石を地球にぶつけ、その巨大エネルギーを用いてブラウゴールを一気に繁殖させ、それを売りさばこうとしていたのだ。今度の隕石は100%間違いなく地球に衝突する。ホージーは一人、デカウィングロボで隕石を破壊に行くが…
 敵は前回に続きブラウゴール。今度は弟だが、兄のエネルギーを吸収しているため、スーパーデカレンジャーロボのダイナマイトアッパーも防ぎきる。更に攻撃を受ければ受けるほど巨大化する。なんとボルカニックバスターのパワーさえ吸収してしまった。結果的に4体のデカマシーンによるオールスター・アルティメットバスターにより撃破される。
 本作の一つの目玉でもあるバンとホージーの友情が描かれる回で、いつも「相棒って呼ぶな」とバンに言っているホージーだが、隕石に特攻をかけた(と思われた)バンのことをついに「俺にとって最高の相棒」と言った。なかなかぐっと来るシーンだけど、このパターンだと絶対生還するのが分かってるからなあ(笑)。最後に焼き肉屋ってパターンは結構多いけど、これはスポンサー牛○の都合(笑)
 今回ジャスミンの一言は「オールスターは良いことだ」それとバンの一言。「一人より二人の方が絶対良い」
第44話 モータル・キャンペーン

  脚本:武上純希
  監督:鈴村展弘
 ホージー、セン、ウメコの三人がディーソード・ベガに似た剣を持つ謎のアリエナイザーに襲われ、階級章を奪われてしまう。それはかつてドギーと共に銀河一刀流の剣の修行を積んだボクデン星人ビスケスの仕業だった。ビスケスは銀河一刀流の師匠である父からドギーが免許皆伝を騙し取ったとして恨みを抱いていたのだった。ドギーは自らの責任を感じ、一人でビスケスに立ち向かっていくのだが…
 敵はボクデン星人ビスケス。「塚原朴伝」?様々な惑星で最強とされる剣士に強引に決闘を申込み、卑怯な手を使い殺害してきた。性格は残忍にして卑怯。ドギーの収めた銀河一刀流の師匠の息子で、ドギーの弟弟子に当たる。アブレラと共にデカレンジャーたちの階級章を奪い、宇宙警察なんて怖くないキャンペーンを張る。階級章を奪う際、「メリー・クリスマス」と言ってるのがクリスマスらしい。
 一応ボスが主役の回だが、アブレラとの全面対決が描かれる話で、地球署全員が同時に戦うというのは、多分これが初めて。クリスマスだからと言うことか、大変力が入ってるのが分かり、エキストラの数も半端じゃない。テレビ特撮でここまで敵の数が出たのも珍しい。
 今回のジャスミンの一言。「右に同じ」「以下同文」
第45話 アクシデンタル・プレゼント

  脚本:横手美智子
  監督:鈴村展弘
 年末であわただしい地球署に送られてきた小包を開けると、そこには呪いの人形のようなものが入っていた。ジャスミンがその人形に触れると、「俺はお前を忘れない」という怨念のようなメッセージが…しかし「お前」というのが誰だか分からない。様々な可能性を考えるが、どれも決め手に欠ける。
 敵はアモーレ星人バーチョ。昆虫型のアリエナイザー。地球署の一人に一目惚れし、彼女を手に入れるために脅迫状まがいの贈り物まで送ってくる。しかし実は一目惚れした女性というのは、かつて(26話)の女装したテツだった。しかしアモーレ星人は雌雄同体のため、正体を現したテツに対し、男でも構わないと言って迫ってくる。あらゆるデカブレイクの攻撃を難なくしのいでしまう辺り、実はとんでもなく強いと言う話もあり。勿論デリートはされず。
 これまでの話の総集編を含め、コメディ要素満載で展開する作品。ホージーの二度目の女装姿が見られ、更に男だと正体を明かしても迫られる姿が描かれる。スワンのことになると頭に血が上ってしまうドギーの姿などもあって、なごみ系の面白い作品となった…ああ、なるほど、脚本が横手美智子か。
 今回のジャスミンの一言。「無茶苦茶でござりまするな」「署を捨てよ。町へ出よう」「その情熱は滝をも登り、岩をも砕く」。又ウメコがジャスミンを称する台詞で「これってオトナのミリキ?オヤジコロガシ?シュッテキー!」
第46話 プロポーズ・パニック

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 たった一時間しか逢えないとはいえ、恋人が出来たウメコは最近上機嫌。早速密輸に使われた怪重機を粉砕し、恋人のヒロノブに会いに行く。そこで指輪を手渡されるのだった。一方デカベースで捕獲した怪重機を調べたところ、一時間だけ人の気持ちを見通して理想どおりの姿に変身出来るという宇宙きのこサイコマッシュだという事が発覚する。その匂いをマーフィーに嗅がせたところ、デート帰りのウメコに飛びかかっていく。それを見たセンちゃんはウメコを問いつめるのだが、ウメコはヒロノブを信じると言ってセンをなじるのだった…
 敵はスケコ星人マシュー。「スケコマシ」?。一時間だけ相手の理想の姿に変身できるサイコマッシュを用い、多くの女性を虜にし、その女性のピュアハートを吸い取ってしまう(吸い取られた女性は砂になる)。ヒロノブという人間に変装し、ウメコのピュアハートを狙う。それと怪重機ハンタージェット。相当に高性能の怪重機らしいが、密輸の道具としてしか使われてなかった。
 こんな最後近くになってメンバー単体での話が出るとは…とはいえ、今までほとんど接触の無かったウメコとセンの二人の話で、結果的に二人が恋人状態になると言うことは大事件か?話そのものも恋人に裏切られたりするという重めの話。短いけど一応恋愛物語になってる…あ、そう言えばセンはハクタクという恋人がいなかったか?(笑)
 ウメコが主役だけに、久々にお風呂のシーンあり。
 今回のジャスミンの一言。「飛びます飛びます」。「毒々キノコ」
VOL.12
<A> <楽>
第47話 ワイルドハート・クールブレイン

  脚本:武上純希
  監督:中澤祥次郎
 稲光と共に一般人が行方不明になる事件が続発した。かつてジャスミンとホージーがコンビを組んでいた時代にデリートしたはずのダイナモ星人テリーXの姿を見た二人は早速捜査を開始する。かつて地球署が出来たばかりの際、二人はダイナモの罠にはまり、殺されそうになったところを初代レッド候補のレオン星人ギョク・ロウに助けられ、その際怪我を負ったギョクは今は一線を退いていた。その事に責任を感じた二人は、何としてもテリーXをデリートすることを誓うのだが、その努力は空回りしっぱなし…
 敵はダイナモ星人テリーX。雷光と共に現れ、エスパーを乾電池にしてしまう能力を持つ。かつて地球署が出来たばかりの際、ホージーとジャスミンが事件を捜査したが、大爆発に巻き込まれ、死んだものと思われていた。アブレラの協力を得て一般人も乾電池化出来るようになってる。ダイナモを暴走させることによって巨大化することも可能。それとかつて地球署のレッド候補だったレオン星人ギョク・ロウ。地球署が出来たばかりの時のレッド候補。ジャスミンとホージーを救うため、自らが楯となり、大けがを負う。その後行方不明となっていたが、バンの説得により、二人の前に姿を見せる。
 ブルーとイエローが主人公で、オープニングの「燃えるハートでクールに戦う」という台詞が改めて提示された会となった。
 全然良いところ無かったセンちゃんだが、かつてコンビを組んでいたと言うことで、親しげにギョク・ロウに話しかけたところ「お前誰だっけ?」と言われてフリーズ。やっぱり良いところ無かった。
 そして最後に現れたギョク・ロウにより、バンにも試練が…
第48話 ファイヤーボール・サクセション

  脚本:横手美智子
  監督:竹本昇
 初代デカレッドのギョク・ロウに見出され、宇宙中のスペシャルポリスの中から特に優秀な刑事が選抜され、特殊任務を行うファイヤースクワッドへの異動が決まったバン。しかし、地球署に心を残すバンは今ひとつ乗り切れない。そんなバンが車泥棒のスドラ星人ギレーヌを逮捕。だが、ギレーヌは「俺がやったんじゃない」と叫びながら自殺してしまう。その後現場に駆けつけたデカレンジャーの面々にバンは銃を突きつける…
 敵はクラーン星人ジェリフィス。割と小さいアリエナイザーだが、他の宇宙人に寄生し、神経を操る。バンに寄生したため、デカレッドが敵となってしまった。
 メンバーの一人が敵に操られてしまうというのは割と戦隊ものでは定番で、物語自体もオーソドックスなものだが、大きなストーリーの流れとして、地球を離れる直前のバンだからこそこの話が映えると言う事実がある。この場所にこれを持ってきたことが大切。
 復活時に「火の玉のように燃える俺がいなきゃみんな今ひとつだ」というバンだが、意外にも自分の存在感というのがよく分かってるようだ。
 そして最後の最後、最終回に向けて話が展開していく。
 今回のジャスミンの一言。「明日はホームランだ」
第49話 デビルズ・デカベース

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本昇
 クラーン星人ジェリフィスが怪重機ミリオンミサイル2を呼び出し、スーパーデカレンジャーロボで対抗するデカレンジャー。だが、それはアブレラの罠だったのだった。地球署に突入する怪重機。そこにはアブレラを始めとする4人の傭兵部隊および無数のメカ人間達。ドギーは一人で彼らに向かっていく。だが、人質に取られたスワンを助けるために銃弾を受けてしまう。一方、ミリオンミサイルを倒し、基地に急ぐデカレンジャーの前に新たな怪重機アブトレックスが…
 ラス前。本当に盛り沢山の内容となった本作。出てくるアリエナイザーだけでもアブレラを始めとしてゲド星人ウニーガドラグ星人ガニメデジャーゴ星人スキーラギモ星人アンゴールの四人の傭兵と、ミリオンミサイル以外にドリル形態へと変形できる怪重機アブトレックス。今回はアブトレックスに乗ったアンゴールのみデリートされる。
 デカベースロボが乗っ取られたのみならず、宇宙警察によるデカベースへの破壊命令と、それに対し、スタンドプレイにより対抗しようとするデカレンジャー達。そして最後にアブレラにより真の目的が話される時…盛り上がる盛り上がる。
 全編がシリアスで構成される中、最後にハクタクが出てきてセンちゃんを応援してるところで和ませてくれる。
第50話 フォーエバー・デカレンジャー

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本昇
 デカベースはアブレラらにより占拠されてしまい、デカレンジャー達の返信も強制解除させられる。しかもアブレラは宇宙警察の主力艦隊を迎え撃つ用意を着々と進めていた。分断され、変身も通信も出来ず、デカベースに取り残されたデカレンジャー達だが…
 敵はエージェント・アブレラと彼を取り巻く3人の傭兵達。ゲド星人ウニーガドラグ星人ガニメデジャーゴ星人スキーラ
 いよいよ最終回。絶望的な状況の中、それぞれのメンバーが自分の得意な事をやってるのが大変特徴的。ジャスミンはテレパシーとジョーク。センちゃんはシンキングポーズ、ウメコは早変わりとお風呂。ホージーは射撃。そしてバンは熱血。そして最後は久々のディーバズーカーで決める。これだけ詰め込むとは見事な。
 これまで散々バンがホージーに対し「相棒」と呼び、ホージーが「相棒って言うな」と言ってきたが、今回だけ逆になってるのも良いアクセントになってる。
 最終回のラストだけ、デカスワンがちょろっと登場。そして以降の彼らの働きが語られるが、その中にはバンだがいない。実はファイアースクワッドの一員として働いているということ。
 今回のジャスミンの一言。「賛成の反対の反対」「どーんと行ってみよう」
 番組終了後、次回作のマジレンジャーにバトンタッチの描写もあり。最後まで凝ってたな。