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大魔神カノン

大魔神カノン事典
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主な登場人物
巫崎カノン (役) 里久鳴祐果。テレビやビデオ作品に出演中。本作が初主演となる。
 田舎から東京にやってきた少女。自分の歌声で人々が幸せになってくれると信じていたが、恋人に裏切られて人間不信に陥ってしまう。彼女の歌こそがブジンサマを復活させる力を持つと言うが…
タイヘイ (役)眞島秀和。数多くの映画・ドラマに出演中。山形出身のため、訛りを自然に使えるというのが理由で抜擢されたと思われる。
 兜が転生したオンバケ。ブジンサマを復活させるため、いのりのうたを歌えるカノンを探し出した。兜を模した超人に変身できる。何かとカノンを心配して口を出す。
ブジンサマ (声)上條恒彦。代表作は「3年B組金八先生」の服部先生。特撮では「宇宙刑事シャリバン」の伊賀電の父伊賀電一郎役をしていた。
 埴輪型の巨大なオンバケ。大きな慈悲の心を持ち、悪霊を鎮める力を持つ。人間に絶望して今は眠りについているが、純粋な心を持った歌姫の祈りの歌によって復活すると言われている。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 歌遠

  脚本:大石真司
      澄川 藍
  監督:坂本太郎
 山形から上京してきた少女萬崎カノン。自分の歌でみんなが幸せにしたいという願いがあったのだが、東京の暮らしの中で裏切られ、傷ついていた。そんな時、人に恨みを持つ悪霊達が蠢き始めていた。そんな悪霊の活動に気づいた人間に友好なオンバケと呼ばれる妖怪達は、悪霊を鎮める存在ブジンサマを復活させようとするが…
 1966年に公開された映画『大魔神』堂々の復活。とは言え、舞台は現代で、主人公も女性だけでなく、それを見守る存在としての青年も登場。色々な意味で現代的な作品に生まれ変わってる。大魔神もブジンサマという名前に変わった。まだ出てきてないけど。
 テーマとしては歌と祈りというのが話の中心となっている事が分かる。
 いきなり長門裕之が出てたりと、妙に力が入ってるのも面白い。
 しかし、まず第1話としては、これからどんな方向に向かっていくのか全く分からない状態。このパターンは何となく生物彗星WoOっぽくもあるな。あるいは仮面ライダー響鬼か?微妙なところかも?主演の里久嶋祐果もかなり素人っぽいし。とりあえずのんびり見させてもらおう。
<マスコットキャラのブチンコはそのままハニ丸だな。「ハウハウハワ」とか言わないのもそれっぽいぞ。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 彼音

  脚本:大石真司
      澄川 藍
  監督:坂本太郎
 カノンが入った懐かしい雰囲気のするラーメン屋だいちゃんでカノンとタイヘイはすれ違う。その時タイヘイはいのりうたを歌える女性こそがこのカノンであることを確信する。
 話としては、悲しい過去を抱えるカノンの日常生活と、オンバケ達の日常を描くゆるゆるの話。一応オンバケとイパダタの戦いもあるのはあるのだが、これもなんか話に合わせたかのようにゆるい。
 とりあえずカノンの悲しい思い出とは、つきあっていた彼氏に女がいた事が分かって、一人で落ち込んでいただけっぽい。後、大切な歌が歌われてたってのもあったか。でも音楽に関しては問題無いんじゃないか?
 回想シーンではあるが初めてブジンサマが登場。過去に巨大なイパダタを封印したが、そこで力尽きて眠りに入っているとのこと。
<カノンの座った椅子の臭いを嗅ぎ、カノンを探そうとするトモスケ。一見単なる変態。>
第3話 寡音

  脚本:大石真司
      澄川 藍
  監督:鈴村展弘
 新しいバイトを見つけたカノン。妙にノリの良いバイト先の先輩達に、なじめないままだった。一方いのりうたを嫌っているカノンに、戸惑いを隠せないタイヘイだが…
 カノンとブジンサマとの関係はとりあえず置いておいて、生きていくためにバイトを始めるカノンと、そんな彼女を温かく見守るチーフの物語が展開中。昔のタイヘイとカノンの出会いもちょっと描かれていた。こどもの頃のカノンはとても明るい少女だったのだが、今の姿とは随分ギャップがある。
 とりあえずカノンが人間嫌いになったのは、自分の歌を盗作されたことからだそうだ。著作権がある訳じゃないので、それは盗作とは言わないのでは?
 タイヘイの任務とは、要するにいのりうたを歌える子を探すことだけだったらしい。カノンと偶然出会ったら、それで任務完了。
<人付き合いがとにかく悪いカノン。こんなのでロックバンドのボーカルなんかよくやってられたな?>
VOL.2
<A> <楽>
第4話 過飲

  脚本:大石真司
      澄川 藍
  監督:鈴村展弘
 老人が邪険にされているのを見て悲しみを覚えるカノン。そんなカノンを温かく見守るバイトの先輩達。そんなカノンの家に入り込んだブチンコは他のオンバケ達と連携しながらカノンの帰りを待っていたが…
 相変わらずぬるぬるした物語が展開中だが、飲み会を設定され、嫌々参加しながら、いつの間にかチーフの優しさに甘えていく辺りは、リアルな雰囲気あり。なんだかんだでいい人のバイトのチーフに癒されているカノンの姿あり。
 前回から都会の人間の冷たさというのが強調されるのだが、やってることは老人を転ばせて平気な顔してる若者と、自転車とか傘を盗む人とか、後は幸太郎がカノンの歌を盗んだという事実か。別段それって東京でなくても問題無いとも思うけど。
 今回の魂式はでっかい虫みたいなので空も飛べる。タイヘイとの戦いは見所ある。それで魂式とカノンが接触し、ついでに魂式を追ってきたタイヘイとも出会ってる。
<自転車泥棒から自転車を取り戻したタイヘイだが、鍵もかけずにそのまま置き去り。又すぐ盗まれるんじゃなかろうか。
 酔ってることを強調するため、頬を赤く染めるメイクをしてるけど、本当に頬の一部だけ赤くしてるので、とてもわざとらしく見える。>
第5話 苛恩

  脚本:荒川稔久
  監督:清水 厚
 ホールチーフの翼の家で目覚めたカノン。しきりに恐縮するカノンに、正直なカノンが羨ましいと呟く翼。一方魂式が急に増えたことに危惧を覚えるオンバケ達…
 カノンの周囲がやや騒がしくなってきたが、やっぱり物語は殆ど進んでない。そんな中、妙にほのぼのした日常を送るタイヘイとブチンコ。
 とりあえずここではカノンの大学生活が描かれるのだが、幸太郎とも大学で知り合ったらしい。間違ったことが嫌いなカノンにとって、代返を頼まれたりするのは心理的に大きなプレッシャーのようだが、それで友達がいなくなってしまう。まあ、それで浮いてしまうのはリアルと言えばリアル。
 今回は落ち込んだり体鍛えたりするタイヘイの姿がとりあえずの見所だろうか?全然戦いとかもないので、まったり過ごしているのを観る事くらいしかできない。
<カノンは大学生だが、7週間も大学に行ってないとか。そんなのでバイトに精出して良いのかね?まあそんな人も結構いるけどさ。>
VOL.3
<A> <楽>
第6話 加音

  脚本:荒川稔久
  監督:清水 厚
 タイヘイの歌を聴き、思わず逃げ出してしまったカノンだが、バイトでもあぶれてしまう。一方オンバケ達は次々に放たれるイパダタの魂式に苦戦していた。
 カノンの方は都会の中の孤独なイメージでまとめられ、寂しい街中を彷徨っている。「くたびれた」と言ってるけど、それが「人と関わらない」事への決意になってしまった。特撮ヒロインとしても人としてまずい領域に入り込もうとしてるような?人と関わることが疲れるならば、関わらないことでも余計疲れてるみたいだ。
 一方どうしてもカノンとの距離を縮めることの出来ないタイヘイ。他のオンバケ達がイパダタと戦っているのに自分だけ何も出来ない事に苛立ってる。ほとんどストーカーになってしまってるけど。
 結局カノンとタイヘイの二人の距離というのがこの話の中心になるのだろう。少女マンガを地でやってる感じだな。最後にようやく二人は話をすることが出来た。
 一応今回も戦いがあるが、今回はハシタカがイパダタを追い、空を飛ぶ魂式と戦ってる。
第7話 歌隠

  脚本:大西信介
  監督:坂本太郎
 カノンの歌が盗まれたと言う事を聞かされたラーメン屋だいちゃんに集う面々。彼らに促されるまま、いのりうたを歌うカノン。だがタイヘイはその声にためらいがあることを感じ取る。
 これまですれ違いが続いていたカノンとオンバケ達が少し和解してきた。物語は着々と進んでいるって事だろうか?相変わらずカノンは人に関わると傷つきっぱなしだが。
 今回はタイヘイが頑張ってる。カノンに歌を気持ちよく歌って欲しいと、盗まれた歌を返してくれるように0℃を探してるけど、まっすぐすぎるため、ちょっとずれた行動をしてる。まあ今回はそのまっすぐさが上手く行ったのだけど。
 一方カノンの元カレ幸太郎は、イパダタになっただけでなく、毎晩悪夢にもうなされているよう。過去のトラウマが今の状態を作り出したってことなんだろうけど、やっぱり人のものを盗んだ人間は不幸になるって因縁話になってるんだろうな。
 今回イパダタの成長についてちょっと語られている。今のところ幸太郎に憑いているのはヒトタマという初期段階。しかしその状態でこれまでにないほど強力な力を持っているらしい。成長したジッタマになったら最強になるらしい。
<カノンの部屋にいたと思ったら、次のシーンではブジンサマのところにいるブチンコ。瞬間移動でも使えるのか?>
VOL.4
<A> <楽>
第8話 渦音

  脚本:大西信介
  監督:坂本太郎
 ますます強くなっていく魂式の力をもてあまし始めるオンバケ達。その根のイパダタを断たねばならないのだが、その手がかりは全く無かった。一方、カノンに素直な歌を歌ってほしいと願うタイヘイは0℃に接触しようとするのだが…
 話はようやく核心へと向かい始めているが、やっぱり話自体は静かに静かに進行中。これまで文句ばかり言っていたけど、ちゃんと話は進行してるので、そこまで悪い作品じゃないのかも。
 カノンがいのりうたを歌えなくなったのは、単に歌を奪われたからと言うだけではなく、信じるものがなく迷ってしまっているからだとか。自分に向き合い始めているようだ。それに対し、ラーメンを食べに誘っているタイヘイ。なんか良いコンビになりつつある。
 そしてタイヘイからいのりうたの事を聞いたサキは、それをライブで観客にぶちまけようとするが、観客の盛り上がりを前に、言い出せない。やっぱり売れてくるとこんなもんなのか?こちらは心の闇にとらわれつつあるか。
<0℃のコンサートは大入り満員だと言うのだが、外の行列は20人くらい?流石にここまで動員できないか?>
第9話 夏音

  脚本:関口美由紀
  監督:大峯靖弘
 夏祭りの日。家に帰ったカノンは、家の中にだいちゃんの常連達がいることに驚く。いつの間にか馴染んでいる面々に、カノンの心もほぐれていく。
 夏祭りの日のオンバケ達の活動を描いた話で、箸休めのような話になっている。これはこれで良し。
 オンバケ達の過去の話もあり。オンバケ達の持ち主は同じ役者がやってるので、なるほどそれに合わせて人間体になった事が分かった。タイヘイは戦国武将、トモスケは医者、サワモリはアイヌ人。ハシタカは女鷹匠、イケチヨは花魁だった。
 カノンの浴衣姿が拝めるが、なかなか様になってる。勿論軽く浮いてもいるけど。
<カノンの部屋でそこら中を嗅ぎ回るトモスケ。犬のオンバケだけど、素に変態っぽいぞ。
 イパダタの出現に、それぞれ変化するオンバケ達。でも全員褌が取れてない。これおかしくないか?>
第10話 稼無

  脚本:荒川稔久
  監督:鈴村展弘
 オンバケ達に受け入れられ、カノンの表情も和らぎ始めた。バイトの仲間とも仲良くなり、平穏な日が戻ってきたのだが、そんな時大学でカノンとタイヘイは自殺未遂を起こした男を保護する。
 前回がターニングポイントとなり、カノンが明るくなってる。それでタイヘイと一緒に大学に行くなど、恋人っぽい姿があり。
 今回登場した守谷という男は、過去のカノンを思わせる疲れきった男で、こういう男を見ると放っておけないタイヘイと、それでもやっぱり人と関わることを怖がるカノン。なんか良いコンビになりつつある。カノンもタイヘイを見ていると、自分に何が出来るものかと考えているようだ。
 今回カノンは珍しくイケチヨと二人で話し込んでたりする。
 オンバケの方も、新しい仲間が増えそうな感じ。さて、一体どんな風に物語が展開していくか。
VOL.5
<A> <楽>
第11話 憾温

  脚本:荒川稔久
  監督:鈴村展弘
 人間不信に陥った守谷を励ますタイヘイはストリートミュージシャンとして守谷をデビューさせる。そんな二人が動画サイトに投稿され、いつしか二人は有名に。だが、守谷は大学からお呼びがかかり…
 前回から登場した守谷が突然有名に。しかし、それで守谷が歌えなくなったため、タイヘイがぶち切れてしまう。好意の押し売りがお互いに傷つけ合ってしまうことになる。人間の社会のことが分かってないタイヘイならではの物語だが、観ていてちょっときついな。
 それを応援するカノンが妙に明るい。いつの間にやらキャラ変わってないか?でも傷つくタイヘイを見ていられず、涙を流すカノンを見てるイケチヨは「ちょっとだけ強くなった」と称してる。
 ジュウゾウの回想シーンではあるが、ブジンサマが登場。人間のために畑を耕してた。こういうキャラなの?
 前回もちらっとタイヘイの本当の姿をカノンに見せてしまったが、今回モロに…これが引きかよ?
第12話 化恩

  脚本:大石真司
  監督:北村拓司
 タイヘイが人間ではないことを知ってしまったカノン。だがそれよりも守谷に裏切られたタイヘイの心を心配する。そんな時、オンバケの存在を知る若松という男と知り合うカノン。
 前回の引きが引きなので、オンバケとは何か?と言うところで話が相当展開するかと思ったら、そっち方面ではあんまり展開してなかった。妖怪とか全然気にしてないカノンって、やっぱりどっかずれてるな。
 ただ、色々話が新しく展開中。未だにいのりうたを歌えないカノンに代わる歌姫を見つけるため、オタキが旅に出ることになったり、新キャラが登場したり。
 田舎から出てきたジュウゾウとショウタがカノンと初邂逅。そして刀の柄のオンバケであるトウベイとハーモニカのオンバケであるフクマツが登場。トウベイは冗談みたいな姿をしてる割には強力なオンバケだった。
 そしてオンバケ達はついにイパダタを捕らえることに成功。随分話が進んでいる。
<正体を現したオンバケ達は、縦に並んで上半身をぐるぐると回転させてる。EXILE?
 格好のことを気にし始めたタイヘイに、「何を今更」とか言ってるオタキ。確かに今更だ。
 トウベイが真の姿を現すと、本物の刀になる。それでオンバケのみんなが刀を振るうのだが、その前に魂式の尻から出てきたんだけど…汚いとか思わないものなのか?>
VOL.6
<A> <楽>
第13話 囮怨

  脚本:大石真司
  監督:北村拓司
 サワモリらは激闘の末イパダタを捕らえることに成功した。
 人間側ではカノンに若松という男が加わり、話はますますまったりと。元々オンバケ達は人なつっこいので、正体を知られても全くいつもと変わらずにカノンと
 一方、戦いという意味では随分話が展開している。イパダタに取り憑かれた幸太郎を救うため、幸太郎の中野イパダタを取り出そうとするオンバケ達。その方法はサワモリが人柱となり、イパダタを自分の体に取り憑かせようというもの。術自体は一旦は成功したものの、オンバケの力が強すぎて霊体の方を逃がしてしまった。まだ第二段階に変化してないのに、それ以上の力があると言うことらしい。
 イパダタの過去は冴木賢人という人間。これは第1話でテレビに出ていた男で、親殺しの連続殺人犯。
 そしてジュウゾウからブジンサマの過去が語られる。なんでもブジンサマは体が大きいだけで、基本的に他のオンバケと変わりがない。踊ったりしてる姿もある。しかし、逆に人間に恨まれてしまったため、動きを止めたとのこと。今の岩になった姿は、その時以来だという。
 でもようやく本格的に面白くなった気はするな。
<モロにオヤジキャラのトウベイ。サワモリと旅に出ることになったのだが、飛んでいった先は何故かハシタカの胸の谷間だった。色っぽい声あげてるけど、深夜枠だから大丈夫…なのか?>
第14話 霞音

  脚本:荒川稔久
  監督:坂本太郎
 人を信じろと言う祖母の言葉を思い出していたカノンは、再びいのりうたを歌えるようにと、タイヘイを呼び出して歌の練習を始めた。一方イパダタが抜け、抜け殻のようになってしまった幸太郎を気遣うオンバケ達。
 いよいよ現実へと向かい合う用意が出来たカノンはいのりうたを歌い始める。だがタイヘイによればまだまだ。それで力づけようとしてるタイヘイもいるのだが、なんかこの二人良い感じになってるような?
 オンバケを探すサワモリたちは現在茨城へ。そこで他のオンバケ達と合流して探索の旅を続けている。
 又新しいオンバケが登場。一人目がタメキチ。金庫のオンバケで、調子が良くサワモリとコンビを組んでたと言ってる。もう一人がドウカン。タメキチの頭の金庫の中にいる銭のオンバケ。本人曰く「年寄り」で、占いが出来る。
 オタキがいなくなっただいちゃんはジュウゾウが切り盛りしてる。でもそのラーメンというのがでっかい唐辛子が浮いてると言うもの。そんなもん食べたトモスケは悶絶していた。
 ラストは意外なことに、0℃のサキがカノンに接触。いのりうたの盗作を謝った上で、ユニットを組まないか?と申し出ている。本当に意外な展開になってきた。いや、これは然るべき着地点なのかも?
VOL.7
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第15話 華音

  脚本:荒川稔久
  監督:坂本太郎
 一緒にユニットを組みたいというサキの申し出に戸惑うカノン。サキの歌声に圧倒されてしまうが、やはりいのりうたの事にわだかまりを捨てきれないカノンは、どうしても首を縦に振ることが出来なかった。そんなカノンの家に一人の男が上がり込んでくる。一方、イパダタを追うサワモリ達は、成長したイパダタが次々と宿主を変えている事を知る。
 自分で口にすることが出来ない複雑な思いに苛まれるカノンが、その一歩を踏み出すまでが描かれる。具体的にその一歩というのは、サキと共に歌うことなのだが、そのために役立っているのがカノンの父ばろくだった。
 このばろくは結構な傍若無人であり、その押しの強さがカノンに不思議な力を与えているようだ。少しずつではあるが前進してる感じ。悪くは無いかな?
 一方、イパダタを追うサワモリ達は次々に依代を変えるイパダタに翻弄されっぱなし。こっちはこっちで戦いが本格化してきた感じ。
<イパダタの炎攻撃に晒されたタメキチを救うため、ジモンジが水をかけて消すのだが、仁王立ちになって、股間から水が出てくるような描写は…やっぱり狙ったのか?>
第16話 価音  父ばろくの出現で何かとカノンの身の回りは忙しくなってきた。それでもまっすぐ生きようとする力を取り戻しつつあるカノン。一方イパダタをなかなか捕らえられないサワモリ達。
 カノンの日常は相変わらずだが、新キャラも又出てきている。イパダタ憑きだった幸太郎もようやく現実に復帰できたようだ。
 今回カノンが出会ったのはクララという少女。ピアノの英才教育を受けているが、ピアノを弾くことが何よりも好きだという。だけど、人間に対してはぶっきらぼうで、なんか前のカノンに似た雰囲気がある。そんな彼女に拒絶されてもあんまり落ち込んでないようなので、随分ポジティブな考え方になってきたみたい。
 ただ、そのクララの母というのが強烈なキャラで、何でも自分の思い通りにならないとキレてしまう。いわゆるモンスターペアレントの極端な姿。この話が少し続くのかな?
 一方イパダタ探しのサワモリの方だが、姿を現さないイパダタがかなり強くなっているようだ。本当に姿を現さないので、そっち方面の物語は全く進んでないけど。
VOL.8
<A> <楽>
第17話 枷音  くららのことが放っておけないカノンはくららの家に寄ってみた。音楽のことを話している内に少しずつ心を通わせ始める二人。一方多数の魂式を使えるようになったイパダタに苦戦するサワモリ一行。
 カノンとピアノ少女くららの心の交流が描かれる。単なるお節介のようだが、実際はくららの弾いていたトゥー・ザ・トップによってカノンの心が癒されていると言うのがあるらしい。結局これもカノンの成長か。
 それでくららの母親は相変わらず強烈。だいちゃんにたむろっているオンバケ達を迫力だけで意のままに動かしている。こういう教育ママっぽい親子関係の話って最近では珍しい感じがするな。
 新しく出てきたオンバケのカエンジだが、火を出して攻撃する。そのためにコンロのつまみを一々操作しないといけないのはややこしい。折角登場したのにあっという間にやられてしまった。死んでる訳では無いようだけど。
 イパダタの過去が出てくるが、そこでもやはり教育ママに圧迫受けてる元の人格が出ていた。成る程つながってる訳ね。
第18話 叶遠  くららを助けることが出来ず、サラから頼まれていた歌もなかなか作れない状態で、カノンは少々へこみ気味。そんな中、不意に歌ったいのりうたがブジンサマを目覚めさせることに成功させてしまう。だが…
 くららの話は結局カノンを落ち込ませる以外の役は果たしてなかったが、そんな中でも話は三つの方向で進行中。一つがカノンを取り巻く状況。もう一つオンバケとイパダタの戦いがあったのはこれまでと同じだが、ここに幸太郎の物語が入り込んできた。
 幸太郎はイパダタを育てる以外の役割を果たさないのかと思ったら、こんなところで物語に関わってきた。これまで一切カノンと接触がなかったのに、突然カノンの前に現れたりもしてる。
 そして突然ではあるが、カノンのいのりうたによってブジンサマが目をさました。ただし、その歌は「嘘ばかり」と言い、その際自分の本名を「オオマヒト」と名乗った。
 しかし、これらの事を通してカノンはもう半端なことをしない。と宣言。随分強くなったな。明らかに成長してる。
<タイヘイが故郷に帰ってしまったため、トモスケが共に行動することになった。くんくん臭いを嗅いで「女の子の良い匂いがする」とか。カノンは「おじさん臭い」と言ってるけど、そう言う問題か?>
VOL.9
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第19話 敢温  カノンは幸太郎に利用されてることをかなめに告げるが、彼女はカノンの言葉に耳を貸そうとしない。更に相変わらず自分の事しか考えない幸太郎の言動にくじけそうになってしまう。そんな時、幸太郎が良からぬ事を企んでいることを知ったカノンは…
 積極的に人の人生に関わることにしたカノン。そしてそんなカノンをサポートすることになったオンバケ達がメインの話。随分積極的になったが、「偽善者」と呼ばれることは、人として最も侮辱された思いになるものだ。少なくとも人混みの中泣きながら「馬鹿野郎」と叫べるようになっただけ、すごく成長してる感じ。もう少し話を引っ張るかとも思ったけど、この話は割と早く終わってしまった。というか、ここまで引っ張っておいて、いきなり幸太郎の逮捕のニュースで全部終わりってのはいい加減じゃないか?
 最初からこんなカノンだったら、多分痛々しくて観てられなかっただろうから、ここまでやってやっと話に説得力が出たかな?
 もう一方ではイパダタと戦い続けるサワモリ達は、どんどん強くなっていくイパダタに全く敵わなくなってしまう。今回に関してはほとんど戦いのシーンは無いけど。
第20話 枯音  又一歩踏み出すことが出来たカノンは、ブジンサマから拒否されたことは、本当の自分自身を出してなかったからと思う。そんな時老人介護施設で働くあかりと言う女性と知り合ったカノンは、その施設で父ばろくの姿をみかける。
 又新展開で、現在カノンの部屋に居候(?)してるばろくの話になってる。舞台は東京にある山形の県民施設で、ちょっとだけ東北弁が出てくる。あんまり上手くないけど。
 そこで知り合いが出来て、施設にやってくるカノンだが、まるで孫を見るかのようにカノンの回りに集まってくるお婆ちゃん達。なんか妙にほのぼのした話になってる。
 一方、なかなかイパダタを捕らえることができないサワモリは、封印の儀式を急ぐことにするが、なんかオンバケ達にかなりの覚悟を強いるものらしい。そしてカノンは自分自身も知らないながら、ブジンサマと関わりを持つらしいことを臭わせている。こちらの方は最終回に向け加速中なのかも。
VOL.10
<A> <楽>
第21話 佳音  父ばろくが好きになったあかりは、施設の仕事に穴を開けることが出来ないとばろくのプロポーズを拒否する。そんなあかりを見た施設のコーラスの女性達は、あかりさんに幸せになって欲しいと…
 カノンの側では父ばろくの話が展開中。何をやっても努力が報われなかったカノンの歌が今回初めて奇跡を起こした。今回は自分で歌った訳ではないので、まだもうちょっと話を引っ張るのかな?
 声帯を失った女性がそれでも一生懸命歌おうとする姿は、それだけで見所ではある。
 イパダタ退治の方はついにイパダタが巨大化し、大イパダタへと変化した。現時点だとでっかい顔だけしか出てこないけど。あと、キリノハがちょっと嫌な女になってた。
<ばろくに続いてカノン、更にタイヘイまで施設にやってきてたけど、部外者そんなにホイホイ入れてしまって良いのかね?>
第22話 貫温  父ばろくとあかりを結びつけた事で、ようやく心から歌を歌いたいと思えるようになったカノン。一方五十の魂を手に入れ、巨大化したイパダタに立ち向かわねばならないサワモリらオンバケたちだが…
 今回は総集編。イケチヨが人間の若松の勤める水族館に行ってこれまでの物語を振り返るというもの。前半の説明はイパダタとオンバケ達の戦いに特化している。特撮作品の割にアクション部分が少ない作品なので、一度くらいはこれやっておくべきだったんだろう。
 今回の新撮りはイケチヨと若松の会話だけで、いのりうたのイケチヨバージョンが聴ける。ちなみにイケチヨ役の長澤奈央はかつて「忍風戦隊ハリケンジャー」でハリケンブルーの野乃七海を演じていたので、特撮慣れはしてるが、随分色っぽくなった。
第23話 環因  あかりへのプロポーズが成功したばろくは一旦実家の山形へと戻ることに。そしてカノンは今度は自分なりの想いを持って“いのりうた”を書き直すことを決意する。一方、もはやオンバケでは抑えきれなくなりつつあるイパダタ。
 前回の総集編を受けてか、物語はかなり加速。カノンとタイヘイの関係が新たな段階に入る。タイヘイの説明がちょっと足りないこともあって、タイヘイが打算で自分に近づいたのではないか?と勘ぐりもするが、これまでのタイヘイとの関係に思いを馳せたことで、新しい関係を築くことになる。
 そしてブジンサマを呼び起こすため、カノンは今度こそ自分の“いのりうた”を作り始める。
 それでカノンもばろくの結婚を機に一度山形に向かうことになるのだが、これから舞台は山形へと移るのかな?
<フクマツの言葉でタイヘイの言葉を反芻するカノンだが、何故か思い出したのが全部歌に関することばかり。やっぱり歌を歌わせるために見えるんだけど。>
VOL.11
<A> <楽>
第24話 果縁  タイヘイと共に山形へと向かうカノン。そんな二人の間に微妙な空気が流れていく。そんな中、山の奥深くへとイパダタを追い込んでいくオンバケ達。
 自分の気持ちを歌に込め、新しい“いのりうた”を作り上げたカノンは、いよいよブジンサマへと近づく。そんなカノンにタイヘイはブジンサマが何故岩になったかを語っているが、これはもう既に語られていたこと。ただ、いのりうたはブジンサマを呼び出すために歌われた歌だったことが分かった。だから疲れ切った今それを聞くのは辛かった。と言う事は分かった。
 そして事情を知った上で自分の意志で歌うことを決意したカノン。これが最大の見所となる。ここまで物語が進んだからこそ、カノンがその役割を受け入れたことが自然となっている。
 カノンの割烹着姿あり。若い女の子が割烹着着てるって、なんか妙に良い感じだな。
 カノンとタイヘイがゆったりしてる間、イパダタはますます強力になっていく。ついに今回巨大化を果たした。まだ巨大化は不完全で、巨大なオンバケのゴンベエと戦ってる。
 そしてラスト。カノンはブジンサマの岩のところまでたどり着いた。さて、これでブジンサマを起こすことが出来るのか?
第25話 彼遠  岩になったブジンサマの前にやってきたカノンとタイヘイ。ブジンサマの前で新しいいのりうたを歌うカノンに、「何故歌う?」と逆に問いかけ、「我の思いをお前が知る必要は無い」と答えるブジンサマ。一方、ブジンサマ無しで最後の闘いに挑むオンバケたちだが…
 ラス前。ブジンサマとカノンとの対話が描かれる。カノンは歌によって人を幸せにしたいと素直に語るのだが、ブジンサマの心は頑なで、まだ復活しようとはしない。
 番組始まった時は人間不信に陥っていたカノンが今や素直に「人間が好き」と言っている。そこまで言えるようになったのも、ここまで長々と物語を展開してきたからとも言える。
 ブジンサマがイパダタを封印できるのは、ブジンサマ自身がいのりうたを用いてイパダタを鎮めてきたとのこと。いのりうたとはつまり、鎮めの歌であり、力で強引に押し込めてたのではない事がブジンサマ自身から語られているブジンサマが岩になったのは、人間に対する不信が募っていのりうたを歌えなくなってしまったため自らを封印したため。人が歌ういのりうたも遠ざけてきたらしい。
 一方オンバケとイパダタとの闘いは、ゴンベエが大活躍。イパダタはまだ体を取り戻してはいない不完全体だけに、まだブジンサマなしで可能だった。でも実はまだ終わってない。これが最終回への伏線となってる。
<今回可哀想なのはトモスケ。なんとかみんなの助けになろうと走り回ってるが、全部遅すぎ、ほとんど何の役にも立たなかった。>
VOL.12
<A> <楽>
第26話 歌恩  ゴンベエの活躍によって無事イパダタは封印されたかのように見えた。だが本体から分離したイパダタの一部は更に力を付けて山に潜伏していた。そんな事も知らず、父ばろくの祝言の席に出席するカノンだったが…
 最終話。やっぱり生き残っていたイパダタに対し、いよいよブジンサマがその姿を現す。結局現代で動いてるブジンサマが現れたのは今回のみとなってしまった。作りとしてはそれで良かったのかな?
 そのブジンサマの復活を促したのはやっぱりカノンの歌声。新しいいのりうたを得たブジンサマは、自分の歌を取り戻すことが出来たため長い封印から目を覚ます。カノンの吹っ切った歌こそが全てを解決させるという作りだが、最後までぶれずに作ってくれたことには評価したい。
 ブジンサマとオオイパダタの闘いは、物理的な闘いと言うよりも魂鎮めに近いため、ブジンサマとカノン達が一緒に歌うことでその凶暴性を抑えると言った感じ。歌いながら戦ってるブジンサマの姿もなかなか映える。
 これまで徹底して抑えていた分、特撮はかなり派手目。ただ、復活した途端にイパダタを鎮めるために又石になってしまったブジンサマは結構可哀想なのかも?
 カノンとタイヘイの恋模様は結局ここまで。人間とオンバケの間では恋は成就はしない。それで良い。
 ところでなんかえらくオダギリジョーに似た男がいるな?と思ったら本物のオダジョーだった。なんでこんなところに?テレビ特撮の出演は「仮面ライダークウガ」以来か。
<ブジンサマの肩に乗ってオオイパダタと戦うカノンの姿は、やっぱり…「薙ぎ払え!」みたいだな。あと歌いながら戦ってるのも「俺の歌を聴け!」っぽい。>