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2006 | リトル・ミス・サンシャイン 共同監督▲ | |
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1988 | ザ・メタルイヤーズ 製作 | |
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1957 | 7'7 カリフォルニア州アラメダ・カントリーで誕生 |
80点 | 劇場 | ||||||||||||||||||||
ジョナサン=デイトン、ヴァレリー=ファリス(監) グレッグ=キニア、トニ=コレット、スティーヴ=カレル、アラン=アーキン、ポール=ダノ、アビゲイル=ブレスリン | |||||||||||||||||||||
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リトル・ミス・サンシャイン 2006 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2006米アカデミー助演男優賞(アーキン)、脚本賞、作品賞、助演女優賞(ブレスリン) 2006英アカデミー助演男優賞(アーキン)、オリジナル脚本賞、作品賞、助演女優賞(ブレスリン、コレット)、監督賞(デイトン&ファリス) 2006LA批評家協会ニュー・ジェネレーション賞(デイトン&ハリス&アーント) 2006ワシントンDC映画批評家協会脚本賞、アンサンブル演技賞 2006NYオンライン映画批評家協会アンサンブル演技賞、監督賞、トップテン 2006ゴールデン・グローブ作品賞、女優賞(コレット) 2006インディペンデント・スピリット作品賞、監督賞(デイトン&ファリス)、助演男優賞(アーキン、ダノ)、新人脚本賞(アーント) 2006放送映画批評家協会アンサンブル演技賞、脚本賞、若手男優賞(ダノ)、若手女優賞(ブレスリン)、作費sの右、助演男優賞(アーキン)、コメディ作品賞 2006東京国際映画最最優秀監督賞(デイトン&ファリス)、最優秀女優賞(ブレスリン) 2006セザール外国映画賞(デイトン&ファリス) 2006ナショナル・ボード・オブ・レビュートップ10 2006アメリカ製作者組合実写部門 2006アメリカ俳優組合アンサンブル演技賞、助演女優賞(ブレスリン)、助演男優賞(アーキン) 2006アメリカ脚本家組合オリジナル脚本賞 2006AFIベスト 2006オンライン映画批評家協会助演女優賞(ブレスリン) |
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アリゾナ州のフーヴァー一家はリチャード(キニア)シェリル(コレット)の両親と思春期の息子ドウェーン(ダノ)とミスコン優勝を夢みる小さな妹オリーヴ(ブレスリン)にお爺ちゃん(アーキン)を加えた5人家族だった。そんな時に恋人の男に振られて自殺未遂をしたゲイの叔父フランク(カレル)を居候させることになった。それぞれに問題を抱えて心がバラバラになっている家族だったがそんな時、オリーヴに念願の美少女コンテスト“リトル・ミス・サンシャイン”出場のチャンスが訪れるのだった。一家はオンボロのミニバスに家族全員で乗り込み、開催地のカリフォルニアに向かうのだが… インディペンデント映画ながらサンダンス映画祭に出品されて評判を呼び、スマッシュ・ヒットを記録。アカデミー賞にまでノミネートされた作品。 一見して思うのは、本当に本作は頭からつま先まで徹頭徹尾インディペンデント作品だということ。明確な盛り上がりもなく、終わり方もどこか中途半端。エンターテインメント作品を最初から指向してなかった事がはっきりしている。これがアカデミー賞にノミネートされたと言う一点で、アメリカの映画がどれほど力を失っているかと言うことを如実に知らされた気分になった。実際オスカーを得たのも元が香港映画のリメイクである『ディパーテッド』だったし、2005年のオスカーだって俳優は豪華ながら、物語自体は完全にインディペンデントの『クラッシュ』(2005)だった。エンターテインメント作品が力を発揮出来ないと言うことは、やはりハリウッドが力を失っていることを感じさせてしまう。 しかし、だからといって本作が悪いか?と言えば、決してそんなことはない。むしろ私はこういったインディペンデント映画が大好きだし、本作の作りも非常に好感を持てる。特に家族の再生を扱った主題は私にとってはモロにストライクゾーン。 ただ、本作の場合は簡単なお涙ちょうだいにしないように上手くコントロールされており、まるで北欧映画のようにはっきりとした解答は与えられないまま。まるでダルデンヌ兄弟作品みたいだ。実際物語が終わっても、物理的にはなんのハッピーエンドにもなってない。だが、確かに目に見える明確なものはなくても、精神的な成長という点で観ると、本当に見事に良いものを手に入れているのだから。 家族というのは、普通の人間関係と較べて大変な所がある。本来の他人であるはずの人間が強制的に物理的近さを強いられる。特に現代は個の大切さが叫ばれ、家族は“最も近い他人”と言われることがあるが、それはつまり、お互いに引くことを覚えない限り、距離感を保つことが出来ない。と言うことをも意味する。 特に本作の場合、家族の心は見事なまでに全員バラバラ。しかも全員が自分の主張を通そうとして勝手な言い分ばかりを繰り返し、どうせ自分の意見は聞かれない。と思えば引きこもるしかできなかった。 だけど、この旅を通し、狭い所に閉じこめられて初めて彼らは“距離感”を得ていく。物理的な旅は一人一人が精神的な成長を遂げる精神的な旅でもあるのだ。明確に和解とまではいかないまでも、本来あるべき距離を取り戻していく。それが静かな感動を呼ぶ。 本作の上手さはその距離感を上手く演出出来たことが一番だが、他にも多くの魅力がある。 先ほど北欧映画との類似を書いたが、舞台をカリフォルニアに取ったことで、北欧映画にありがちな陰鬱な町の描写とは一転し、明るい太陽と陽気な人間達が多く登場。しかもピンポイントでコメディ的要素を入れることで、決して暗くはならない。お陰で本作はアメリカだからこそ出来るロードムービーに仕上がっている。更にインディペンデント映画の良さで、個々の主張がメジャー系では気を遣って出来ないようなかなり過激なレベルになっている所もあり。インディペンデントだからこそ出来ることを上手く使っている巧みさも感じ取れる。 キャラクタの上手さもあり。元より濃すぎるキャラではあったが、アーキンは老人になっても濃さは変わらないね。不良老人を嬉々として演じていたよ。むしろ老人になって最もはまり役に当たったかな?少女役のブレスリンの上手さも光る。決して可愛いとか美人とか言えないのに、だからこそ自然な子供っぽさが出ていたよ。 |