バッタ君町に行く
Mr. Bug Goes to Town |
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マックス・フライシャー(製)
ダン・ゴードン
テッド・ピアース
イシドア・スパーバー
ウィリアム・ターナー
カール・マイヤー
グレアム・プレース
ボッブ・ウィッカーシャム
キャル・ハワード(脚)
ポーリン・ロス
スタン・フリード
ジャック・マーサー
テッド・ピアース
カール・メイヤー |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
5 |
4 |
4 |
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ブロードウェイの外れにある邸宅の一隅に虫たちが住んでいた。音楽家で旅に出ていたバッタの青年ホピティが帰ってきて、恋人の蜜蜂のハニー・ビーと再会した。ところがそんなホピティを狙うギャングの親分であるカブトムシのビーグリー・ビートルが子分の蚊のスマックと蝿のスワットを使ってはホピティの邪魔をし、ハニーの善良な父親であるミスター・バンブルをいじめるのだった。だがそんな中、この館が壊されることになってしまう。
世界的なアニメ映画史において外せない作品はいくつか存在するが、その中で本作は最重要の作品の一つだろう。ディズニーによって開発発展したアニメーションはディズニー独自のものではないことを示してくれたことで、アニメーションの可能性を示すことが出来たのだから。
本作の特徴を言うならば、動物の擬人化と、台詞の重要性があるだろう。擬人化については既にディズニーによってなされているが、基本それは台詞よりもパフォーマンスの方に偏ったものだったが、ドラマ性を深めるためには台詞が必要不可欠。そこにディニズニーにはない魅力を詰め込もうとした感じで、とにかく軽快な会話が身上の作品になった。その結果ストーリーも面白くなった。
そしてもう一点が、擬人化と共に演出のデフォルメがある。アニメーションをよりリアルに近づけるのではなく、省略することで、アニメーションならではの演出を入れたこと。具体的に言うならば、昆虫たちの生活の中で時がどんどん過ぎているのだが、彼らは基本的に普通に動いているのに、背景だけがめまぐるしく展開するようなシーンがあるが、よくこのような動きを考えついたと感心したが、これによって演出がとにかく上手く出来ている。この演出方法は後の日本アニメーションに取り入れられていった。も力が入っているので、文句の言いようない上手い作品になっていた。
話そのものは他愛ないものかもしれないけど、地上げ屋とかギャングとかアダルトな話題をふんだんに使って、全世帯に観られる内容になってるし、これもアニメーションならではの省略によってテンポが良いので、意外に内容が詰まっていて良い具合。
なにせ突出して演出が上手いので、今の時代に観ても全く遜色ない。特にアニメ好きだったら、これはなんとしても観て欲しい作品でもある。 |
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