虹を掴む男
The Secret Life of Walter Mitty |
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サミュエル・ゴールドウィン(製)
ケン・イングランド
エヴェレット・フリーマン(脚)
ダニー・ケイ
ヴァージニア・メイヨ
ボリス・カーロフ
フェイ・ベインター
アン・ラザフォード
フローレンス・ベイツ
サーストン・ホール |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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出版社に務め、それなりの実績を上げているウォルター・ミフィ(ケイ)。夢想癖がある彼は「パケト」という音を聞く度に夢の世界へと入っていく。そんな彼の夢想の中には常に一人の女性の姿があった。ところがある日、現実世界彼は夢で見た彼女を発見する。早速彼女に近づこうとするのだが、そのお陰で宝石に絡む大事件に巻き込まれる羽目に…
ジェームズ・サーバー原作短篇の二度目の映画化作品(一作目はバスター・キートンによる『成功成功』(1922))で、ダニー・ケイの日本初登場作。原題を直訳するなら『ウォルター・ミティの秘密生活』となるが、それではぱっとしない。良い邦題をつけたものだ。
私にとってもダニー=ケイ主演の初作品。昔に観た時はさほど面白いとは思えなかったのだが、本作も後になってじわじわと評価が上がってきた(そう言う作品は結構多いけど)。
初見で面白くないというのは然りで、この映画の笑いの部分はあまりにも多くの映画やテレビに引用されていたため、見てみると新味が感じられなかったため(「めぞん一刻」の主人公の五代君ってなんだかよく似てる気もするし)。これがオリジナルだと分かってくると、自然と評価は上がるし、ここで書いていて思い出すと、キャラクターの個性も非常に良くまとまっていた事も分かる。キャラクターではやはりどこか抜けたヒーローを飄々と演じたケイの魅力に尽きるが(後で知ったが、クレイジー・キャッツの谷啓の名前の由来となっているそうな。なるほど。歌って踊って笑わせる。方向性はぴったり合ってる)、謎の美女を演じたメイヨも悪女と清純さの二面性を併せ持つ小悪魔的な魅力があったし、どう見てもまともには見えない医者役にボリス=カーロフが演じているというのもポイントが高い。(特撮好き故か)妙にマッドサイエンティストが好きなので、見事なマッドぶりを見せるカーロフにも拍手を贈りたい。特に主人公の頭がおかしくなっていると言うことを納得させるために馬鹿なことを大まじめにやってる表情が実に良い。
ストーリーは話そのものにかなり無理がある上に、途中途中に挿入される夢の内容も他愛のないものばかり。結果、それを上手く笑いに消化させることが出来たダニー=ケイの魅力あってこそ。の映画。今となっては古くさい部分は確かにあるけど、コメディとはそもそもこういうものなのだ。と言う事を知るには重要な作品とも言える。
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