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ツェン・ファン
岑范
Cen Fan

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阿Q正伝 1981
1982カンヌ国際映画祭パルム・ドール(ツェン・ファン)

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チェン・パイチェン(脚)
イエン・シュン・カイ
リー・ウェイ
朱莎
揚宝河
闕雲祥
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
阿Q正伝(書籍)魯迅
 1911年。淅江省の農村で地主の趙太斧(李偉)から仕事を請け負って日銭を稼ぐ何でも屋の阿Q(厳順開)は、村人からも馬鹿にされ続け、女達も彼を避けて通った。だが、彼は深く物事を考えること無しに常に飄々と生活していたのだが、ある時趙太斧からも疎まれて村から追い出されてしまった。放浪の中、阿Qは不思議な光景を目にする。何と金持ちを集団で弾劾する所を見てしまったのだ。これが“革命”というものだと聞かされた阿Qは、早速自分も“革命”を始め、故郷の村人にそれを伝えに行く…
 現代中国文学を作り上げたとされる
魯迅の代表作を本国中国製作で丁寧に作り上げた作品。作品自体が当時の人々に自分自身を思わされたと言われ、魯迅は一気に友達を失ったとも言われている。
 この小説、実はかなり早い時期に私は読んでる。実は両親の書斎に置いてあった作品で、小学校の読書感想文の宿題出された時、私はこんな難しい作品を読んでるんだぞ、と得意になって読んだ作品だった。
 当たり前の話だが、
訳分からなかった。大体カクメイとかそんなもん、子供に分かるはずはないし、話も、勧善懲悪からはほど遠い、何も知らない人間が一番悲惨な目に遭うというそれだけの作品。短くはあっても大変読みにくかった。それでも母親に手伝ってもらって感想は書いたはず…何を書いたかはもう完璧に忘れてるけど。
 その後、もう一度本作を読んだのは大学の時。この時になると、小学校の時に分からなかったことがようやくよく分かったし、なるほど。と納得。これは辛亥革命に対する農村の反応を描いた風刺劇であると共に、だから革命は民衆をないがしろにしてはいけない。と言う啓蒙を目して描かれた作品だったのか…中国のいわゆる“革命”が本当にそうなのかどうかはともかくとして。ある意味、最初に読んだ時の私は
阿Qと同じ立場に立っていた訳だな。

 しかし、改めて映像化されたものを観てみると、話そのものは本当に原作通り、丁寧に作られているのが分かるのだが、丁寧に作れば作るほど、実は魯迅が目指した
啓蒙の意味合いはすっぱりと抜け落ちてしまい、単なる皮肉に満ちた話にしかならなくなってしまった。なるほど、これが小説と映像の差ってやつか。
 実はこの事実が一番の皮肉なのではないだろうか?
 小説で可能なことで、映像には出来ないことと、その逆のこと。色々考えさせていただいた。
 とにかく本作は多くの人に観てもらいたい良作であるとは言っておこう。

 本作は中国が初めてカンヌ国際映画祭に出品した作品であり、本作を皮切りに、それまで沈黙を保っていた中国が国際映画界へ進出を開始するようになった、記念すべき作品でもある。

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