Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス? 2004 |
|
<amazon>
<楽天> |
オードリー・ウェルズ(脚) |
リチャード・ギア |
ジェニファー・ロペス |
スーザン・サランドン |
スタンリー・トゥッチ |
ボビー・カナヴェイル |
リサ・アン・ウォルター |
オマー・ミラー |
アニタ・ジレット |
リチャード・ジェンキンス |
タマラ・ホープ |
スターク・サンズ |
ニック・キャノン |
ジャ・ルール |
|
|
★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
|
|
遺言書作成を専門とするシカゴの弁護士ジョン=クラーク(ギア)は娘が反抗期を迎えて少々ぎくしゃくしていること以外は妻のビヴァリー(サランドン)との幸せな生活を送っていた。だが最近、単調な毎日にどこか虚しさも抱いている。そんなある日、帰宅中の通勤電車から見えるダンス教室の窓辺に佇む物憂げな美しい女性に気がついた。次の日も同じ電車の中から彼女の同じ様子を見届けたジョンは思わず電車を降り、その女性ポリーナ(ロペス)のいるダンス教室に足を踏み入れてしまうのだが…
周防正行監督による『Shall We ダンス?』は日本にダンスブームを引き起こしたのみならず(私なりには、本作は邦画におけるエポック・メイク的作品だと思っているので高評価してる)、世界的にも高い評価を受けた。それでハリウッドがこの作品をリメイクしたのが本作となる。
元の作品が好きなので、観る前から結構楽しみ。
…うん。悪くないんじゃない?少なくとも、オリジナルの雰囲気を大切に、大きく崩すことはなかったし、役所広司初めとする日本版キャストとギアを初めとする本作のキャストはちゃんと共通する雰囲気作りをしていた。特にギアは昔のような「俺を見ろ。俺を見ろ!」という自己主張の固まりのような雰囲気が良い具合に抜け、それがかえって魅力的になったくらい。どこか女性に対して一歩引いて相手を立てようとする姿勢がうまくはまってるので、安心してみることが出来たし、むしろオリジナルに対する敬意をそこに見ることが出来たので、基本的に良作と言ってしまって良し。
ただ、それだけでは感想にならないので、ちょっと意地悪な目で本作を見てみることにしよう。
まず日本版では中流階級のサラリーマンが主役だったのだが、ここでは弁護士が主人公で、しかもかなりレベルの高い生活をしている人。こんな人が車社会のアメリカで電車通勤。しかも基本的に同じ席でのんびり座って通勤…ここにまず無理がないか?少なくとも、生活力と生活の間にギャップを感じるぞ。実際洗車してるシーンがあるから車は持っているようだが、それで何故敢えて電車通勤をしているのかと言う所の説明が欲しかった所。
キャラクターは特にオリジナルの竹中直人や渡辺えり子とそっくりな行動を取る脇は良いんだけど、肝心なポリーナが単純にミステリアスなだけで終わってしまったのが勿体ない。落ち込みを言葉と態度だけで説明するのではなく、これは映像化して、内に籠もる様々な葛藤や恨み辛みをもうちょっと前面に出して欲しかった。それがあってこそ、本当に美しさってのが映えるもんだろ?(オリジナルのそこが好きだったから)。ギア演じるジョンも健全すぎたしね。前半部分にもうちょっと下心を出して欲しかった(『シカゴ』(2002)であれだけ下心満載を演じたんだから、そこを期待していたもので)。
それと残念だったのが、物語の基調がそもそも内に籠もるタイプの作品なんだから、開放的なアメリカで撮影したのはやっぱり違いを感じてしまうんだよな。これがもしシカゴではなくロンドンで、イギリス俳優達に演じさせてくれれば、見事にはまっていただろうに。アメリカでリメイクするのではなく、イギリスでやってくれたらなあ。それがちょっと残念。
…これらの不満というのは、要するに、オリジナルの『Shall We ダンス?』が好きな私が「こうあって欲しい」という思いとちょっとずれていたと言うだけのことだけ。出来そのものは改めて言うこともなく、良い作品だよ。
ちなみに最初にキャスティングされていたのはギアではなくハンクスだったそうだ。確かにこちらの方がはまるのは確かだろうけど、ギアはギアで良かったかも。
|