シェルブールの雨傘
Les parapluies de Cherbourg |
1964米アカデミー外国語映画賞
1964カンヌ国際映画祭パルム・ドール(ドゥミ)、国際カトリック映画事務局賞(ドゥミ)、フランス映画高等技術委員会賞(ドゥミ)
1965米アカデミー脚本賞、ミュージカル映画音楽賞、歌曲賞ミネート) |
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マグ・ボダール(製)
ジャック・ドゥミ(脚)
カトリーヌ・ドヌーヴ
ニーノ・カステルヌオーヴォ
マルク・ミシェル
エレン・ファルナー
アンヌ・ヴェルノン |
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| ★★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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4 |
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シェルブール通りにある傘屋の娘ジェヌビエーブ(ドヌーヴ)と自動車整備士のギイ(カステルヌオーボ)はお互いに深く愛していた。だがある日ギイに召集令状が来て、アルジェリアでの二年間の義務兵役に発つことになる。だがその二年が経ってもギイは帰ってこず、ジェヌビエーブにはギイとの間に出来た子供が残った。そしてその子を含めて結婚しようと言う優しい金持ちカサールの申し出を受け、ジェヌビエーブは彼の妻となる。だがそんな時に、負傷して今まで外地の病院から出られなかったというギイが帰ってくる…
映画初となる全編歌曲によるミュージカルということで有名な作品。
エスプリの効いた恋愛劇のミュージカル映画。よくは知らないのだが、実はフランスのミュージカルというのは数少なく、そのなかでドゥミ監督は敢えてそれに挑戦しつつづけているのだそうだ(最近でも『8人の女たち』(2002)なんてミュージカルの佳作が出ているのに、フランスでミュージカルが受けない理由はよく分からない)。
本作の場合、敢えて受けないはずのミュージカルに挑戦しているのだが、新しい試みもふんだんになされている。
あらゆる局面で音楽が用いられ、なんと台詞までが歌になっているというのは画期的。黙っているか歌を歌っているかだから、オペラに近い作品と言えるのかも知れない。それにもう一つ。これは面白い効果も生んでいる。通常ミュージカルのダンスシーンは感情の盛り上がりを表すために行うが、本作の場合は通常の場面でも用いられているため、静かで落ち込むような曲調も多い。ミュージカル映画で静かな音楽が多く使われる事も珍しい。
それがどうやら私には上手く働いたようだ。私が恋愛ものが苦手な理由の一つは、男女関係見ている内に決まり悪くなってしまうためだと思うのだが、本作の場合は苦手なドロドロした人間関係が描かれているにもかかわらず、話はすっきりまとまり、華やかさともの哀しさが上手くミックス。画面の華々しさに目を奪われている内に、決まり悪さを感じるまでもなく、素直に受け止める事が出来た。私にとっては珍しい作品。
ところで主演のドヌーブは前年にヴァディムとの間に未婚の子を産んだばかりで本作に主演。それを考えると、まるでその心境を演じているかのように思える。
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