オネアミスの翼 王立宇宙軍 1987 |
|
<amazon>
<楽天> |
末吉博彦
井上博明(製)
末吉博彦
井上博明
山賀博之(脚) |
森本レオ |
弥生みつき |
村田彩 |
曽我部和恭 |
平野正人 |
鈴置洋孝 |
伊沢弘 |
戸谷公次 |
安原義人 |
島田敏 |
安西正弘 |
大塚周夫 |
内田稔 |
飯塚昭三 |
徳光和夫 |
|
|
★★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
5 |
4 |
5 |
5 |
5 |
|
|
どこか別の星のいつかの時代。大陸の軍事国家オネアミスにある王立の宇宙軍。今まで打ち上げに失敗続きで隊員もやる気なし。その名誉を挽回すべく友人飛行を試みることに。たまたま知り合った無垢な少女リイクニから羨望の眼差しを向けられたことにいい気になっていたシロツグは即座に志願する。彼の熱意に巻き込まれる形でロケット製作に取りかかる仲間達だが、外の世界では国家間の緊張は増していた。ついに始まる戦争の中で、ロケットは打ち上げられる。
これを観て皆はどのように思うのか、少々疑問。確かにこれは分かりやすいように作られた作品ではないし、ウケを狙ったものでもない。GAINAXの面々が作りたいことを作りたいように作った作品である。普通こう言うのは「失敗」と言うものだが、どうしてもそれが言えない。この作品には不思議なハーモニーがあって、それがギリギリ危ういところで調和をとっている感じを受ける。
細かいところを見ると、面白いことも多い。設定自体この地球ではないどこかの星が舞台となっていて、しかもそこにいるのは紛れもなく人間であるため、どこかこの地上のものと似ている、そしてどこか違う小物が数多く登場する。戦闘機を初めとして、貨幣や自動販売機、ネオンやゲーム、酒や食べ物と言った本当に細かいところまでそれが徹底されている。そこが設定マニアにはたまらない(この設定を作ったのはとにかくたくさんの数の人間がどんどん持ってきて、それを取捨選択したのだとか。設定マニアってのはオタクには多かった時代の名残だな)。この画面には明らかに同類の匂いがするのだから。何度も観て、そしてこれはどう言うことなのだろう?とその使用方法を考えるもの面白い。必ずちゃんと理由がくっつけてあるはずだ。又、描写も精緻を極めている。特にお勧めはロケット発射シーンの氷乱舞。あれを手書きでやってしまったと言うことだけでも凄い。
ストーリーはロケットを飛ばすまでの話が描かれているだけで、苦労の末打ち上げに成功してめでたしめでたし。と言えばそれまでだが、その過程を細かく描いているため、不思議な説得力を持つ。
実に魅力ある作品なのだが、いざそれを口に出そうとすると極めて難しい。
GAINAXはゼネラル・プロダクツがこの映画を製作するために立ち上げた社名。結局ゼネプロは無くなり、GAINAXの方が残ることになる。製作アニメにはかなりのヒット作があるが(「トップをねらえ」「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」など)、その原点がこの作品だと言えるだろう。
|