読書日誌
2024’7~9月

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24'12'29 俺物語!!12
河原和音 (検索) <amazon> <楽天>
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 猛男の親友砂川に妙に馴れ馴れしく近寄ってくる田中という転校生がいた。悪い奴ではなさそうだが、行動が変なのをいぶかしんだ猛男は無理矢理二人の間に入って話を聞くことにしたが、調子の良いことだけ言って本心を語ろうとしない。

 前巻ラストの話の続きで、妙な転校生の話が前半。転校ばかりで人間関係を上手く築けないが、コミュニケーション能力はあるために調子が良いだけという、実際普通にいそうな人間が猛男の濃い人間性に巻き込まれるというパターン。後半は大和が家の都合でスペインに引っ越すことになっての混乱。これはラストまで引っ張る話になるのだろう。
<A> <楽>
24'12'25 家-魔象
霜島ケイ (検索) <amazon> <楽天>
 都内に格安のマンションを見つけた“私”は、仕事の忙しさにかまけ、寝に帰るだけの生活を送っていた。そんなある夜、“私”は不気味な夢を見てしまう。なんとなく気になったので、それを霊感を持つと言う友人に話したところ、すぐに家を出るように言われる。

 家の怪異の話で、一切の感情抜きに怪異に対応するだけという、かなり目新しい話だった。着眼点が良いが、短編だからできる話だった。
<A> <楽>
24'12'22 業物語 物語シリーズ20
西尾維新 (検索) <amazon> <楽天>
 「あせろらボナペティ」忍がかつて本名キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという名前をつけてくれた、彼女にとっては親に当たる吸血鬼との関わりを描く。
 「かれんオウガ」師匠から滝行を命じられた阿良々木火憐は軽い気持ちで原生林生い茂る山登りを始める。軽い気持ちで始めたは良いのだが。
 「つばさスリーピング」阿良々木暦の命を救うために忍野メメを捜す旅に出た羽川翼がヨーロッパで出会った怪異。

 前作「愚物語」に続き阿良々木暦があまり登場しない短編集。忍の本名の由来が分かった。随分長い名前だが、結局名付け親の問題だった。
<A> <楽>
24'12'18 パタリロ!50
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 マリネラでの職務に嫌気が差してヒューイットをからかいにアメリカまでやってきたパタリロだが、何故かそこでヒューイットにまつわる事件に巻き込まれてしまう。

 今回は舞台がロンドンではなくアメリカなので、バンコランとマライヒのやりとりが少なく、ヒューイット絡みと、現地のタマネギの活躍というか被害をえがく。基本的にはいつも通り。
<A> <楽>
24'12'15 千日手
松浦寿輝 (検索) <amazon> <楽天>
 仕事帰りに特段どこにも行くところもない榎田は偶然夜中までやっている将棋クラブを見つけ、そこで夜半過ぎまで時間つぶしをするようになった。そこには隆司という小学生の男の子が必ずおり、二人で将棋を指すのが日課になっていく。

 幽明境を異にするというタイプの作品で、雰囲気から最初からオチが分かってしまう問題があった。いかにも掌編といったところ。
<A> <楽>
24'12'12 紅殻のパンドラ1
士郎正宗 (検索) <amazon> <楽天>
六道神士 (検索) <amazon> <楽天>
 世界で数少ない全身サイボーグ体の七転福音は知り合いの博士に呼ばれてリゾート島セナンクル・アイランドに船で向かっていた。そんな彼女の出自を見抜いた、偶然同じ船に居合わせたウザル・デリラという女科学者が彼女に声を掛けるのだが…

 原作士郎正宗、作画六道神士という不思議なコンビで始められた近未来SF話。ずっといつ読むかタイミングを計っていたのだが、だいぶ遅れてしまったが完結を機に読み始めることにした。一巻目となる本作は主人公が事件に巻き込まれるだけなのだが、随所に脱力系のギャグを混ぜ込んで、不思議な雰囲気を持つ作品になっていた。
<A> <楽>
24'12'09 さあ、気ちがいになりなさい
フレドリック・ブラウン (検索) <amazon> <楽天>
 新聞記者のパインは編集長から精神病院への潜入レポートを書けと命じられ、入院するために自らがナポレオンであると主張し、妄想患者を装うことにした。ところが演技が真に入るにつれ、あるはずのないナポレオンの記憶を思い出し始める。

 かなり人を食った物語で、ナンセンスSFの見本みたいな作品だった。オチはかなり強引だが、こう言うのもありだろう。
<A> <楽>
24'12'05 ドカ食いダイスキ!もちづきさん1
まるよのかもめ (検索) <amazon> <楽天>
 ドカ食いによる多幸感にはまってしまったOLもちづきは、今日も空腹とドカ食いを繰り返している。そんなもちづきさんの日々を描くグルメ?漫画。

 SNSで有名になり、無料版は毎回楽しみに読んでいる漫画だが、単行本はやはり良い。机の片隅に置いて、ついつい読んでしまう。それにしても食べ物作ってる最中に傍らに死神のイメージが出てくるグルメ漫画とは前代未聞。
<A> <楽>
24'12'01 転生したらスライムだった件14
伏瀬 (検索) <amazon> <楽天>
 帝国軍全てを撃退し、多量の魂を手に入れたリムルはその魂を使って腹心の部下達を覚醒させて魔王レベルにまで力を高めさせた。一方東の帝国に身を寄せたユウキは帝国内部でクーデターを起こそうと画策していたのだが…

 前巻のあっけない戦いの後処理が終わり、部下達のパワーアップも果たした。これで強さがますますインフレ起こしていると思ったら、そんな部下達を一蹴するかのようなキャラまで登場。自軍だけでなく敵の強さもインフレ気味。それでまだ面白さを保っているところが流石。
<A> <楽>
24'11'27 パタリロ!49
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 パタリロの元に次々やってくる不思議な依頼。欲に目がくらんだパタリロはついつい面倒事に顔を突っ込んでしまうのだが、その度ごとに酷い目に遭わされる。

 いつもの短編集。江戸時代の旦那であったり、ロンドンで美術品を盗む仕事をしたり、アリバイ作りに巻き込まれたりと、話はあっちこっちに飛んでいるが通常運転。
<A> <楽>
24'11'24 文月の使者
皆川博子 (検索) <amazon> <楽天>
 精神病院から退院し、行き場を失った“彼”はあてどなく街を彷徨い目に付いた店に入っていく。しかしそこにいる人間はおかしい人ばかりで、いつしか死者の声まで聞こえてくるようになっていく。

 不思議で不気味な不条理世界。全般的にファンタジックさと不穏さが良い感じ。
<A> <楽>
24'11'21 アオイホノオ26
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 連載開始がなんと一月も早くなってしまった。焦る担当者三上と、状況が全く分かってないホノオ。だが徐々に状況が分かってくると、現在崖っぷちにある事が分かってくる。

 ここ何巻かホノオよりも担当の三上の方が目立ってるが、今巻でも何も知らないホノオにやきもきするばかりの三上という構図がメイン。後になって分かる担当の苦労話って感じだ。ただ、この当時連載していた「炎の戦士ダン」の無茶苦茶な作画に対して原作者の雁屋哲がノリノリでギャグ入れてるとか、裏話がかなり面白い。
<A> <楽>
24'11'17 沈黙と叫び
フレドリック・ブラウン (検索) <amazon> <楽天>
 汽車の乗り換えで田舎の駅ですることがなくなってしまった“私”に駅長が話しかけ、おしゃべりで時間潰すこととなった。駅長によれば、この町には耳の不自由な男がおり、彼が犯した犯罪について説明を始める。

 人が一人死んだのは犯罪か事故かという事で、色んな推測混じりの推理を行う話で、芥川龍之介の「藪の中」っぽさはあるが、これはこれで随分毛色が違う。相変わらず面白い発想だ。
<A> <楽>
24'11'13 金色のガッシュ!! 2
雷句誠 (検索) <amazon> <楽天>
 ガッシュをこの世界に呼び出し、魔物を狙ってくる怪物を撃退することに成功した清麿。復活したガッシュから、魔界が何者かに襲われており、この世界に何人かの魔物が逃げてきていることが分かった。

 1巻のラストでガッシュの復活が出てきたが、2巻になると普通にキャンチョメが復帰している。このパターンでまだ何人かが登場してきそうだが、敵と言うのが今のところよく分かっていない。彼らも複数やってきており、魔物達と戦っているが、何故魔物を滅ぼしたがっているのかとか、常にパートナーと行動しているのかとか。この辺は追々分かってくることになるのだろう。
<A> <楽>
24'11'09 濹東綺譚
永井荷風 (検索) <amazon> <楽天>
 小説家・大江匡は毎日東京をぶらぶらしつつ次作小説の構想を練っていた。そんな彼がふらっと入った玉ノ井の宿で出会ったお雪という女。なんとなく彼女が気になった大江は季節の変わり目になると度々彼女を訪ねつつ、小説を書き連ねていった。

 著者自身を投影した主人公の活躍というか行動を描いた半私小説のような作品で、不思議な恋愛小説のようで、むしろ自分のことしか考えられない男がひととき女と関わると言った方が良い。当時の東京の風景を切り取ったような描写はなかなか読ませる。
<A> <楽>
24'11'05 うちの会社の小さい先輩の話9
斎創 (検索) <amazon> <楽天>
 ついに正式にお付き合いを始めた篠崎と先輩。しかし同じ職場の二人はお互いに意識しあってしまい、ギクシャクしてしまう。そんな二人の様子を見ていた周りの連中は好奇心丸出しで二人を見ている。

 ここまでの展開で付き合いが始まったら作品も終わるかと思ったら、意外にもまだまだ続く。これまでのもどかしい展開とは違うが、だいぶ甘々の話になってる。
<A> <楽>
24'11'01 百物語
北村薫 (検索) <amazon> <楽天>
 人と一緒に眠りたくないという後輩の家に泊まることになった安西は、眠気覚ましに百物語をしてみようと提案する。それでお互いに一つずつ怪談を語り、灯りを消していくのだが…

 掌編だから許されるネタの話。長編の冒頭みたいだ。
<A> <楽>
24'10'28 パタリロ!48
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 度が過ぎたきれい好きのタマネギが入団し、みんなが辟易し始める。特に不潔が大好きなパタリロはそのタマネギを排除しようと画策する。

 今回は短編が三本だけ。きれい好きなタマネギが大騒動を起こす話とパタリロが前世を見る機械を作る話。そして盗難事件をパタリロが解決する話。前巻は丸ごとマライヒの息子フィガロの話だったが、今回はまたマリネラに全部戻ってしまった。
<A> <楽>
24'10'24 不死鳥への手紙
フレドリック・ブラウン (検索) <amazon> <楽天>
 とある事故によって極端に老化が遅くなってしまい、18万年という時間を生きている“私”は、これまで多くの文明の終わりを見てきた。その経験から、今のこの文明についての警告を与える。

 18万年という壮大な話を短編に収めたシンプルな作品。この経験から現代を批判的に見るのかと思ったが、そういう風にはしないのが著者らしさか。
<A> <楽>
24'10'21 大市民挽歌2
柳沢きみお (検索) <amazon> <楽天>
 70歳手前となり、自分自身の最期について考えを巡らすようになった山県。そんな山県が知り合った近所の高齢者から、遺産を受け取って欲しいと願われてしまう。

 1巻ではいつも通り食べて蘊蓄を語るパターンだったが、今巻となり、急にドラマが展開してきた。基本的に終末期についての話が大部分で、人生の綺麗な終わり方というのはなかなか難しいことを思わされる。明らかに「続く」なのだが、3巻はまだ出てないよね?
<A> <楽>
24'10'18 なりひら小僧
山中貞雄 (検索) <amazon> <楽天>
 たまたま手相を見てもらった易者から、自分を好いている女性がいると聞かされた左膳は、暇に飽かせてその女性を探して江戸市中をぶらつき回る。そこでこれぞと思った女性を発見したのだが、大きな問題に直面していた。それで江戸を騒がすなりひら小僧の事件に首を突っ込むこととなる。

 映画のシナリオとして書かれたもので、読んでるだけでもかなり軽快なチャンバラ活劇。もしこれが映画になっていれば。とは思ってしまう。
<A> <楽>
24'10'14 亜人ちゃんは語りたい9
ペトス (検索) <amazon> <楽天>
 ひかりの様子が何かちょっと違っていると言われ、ひかりを注意して見るようになった高橋。彼の目から見たひかりはなんと言うこともないように見えたが…

 ひかるが友だちの亜人たちが次々と自分なりの道を見つけていく中、全く変わらない自分自身に苛立ちを覚えていくという話。亜人達のリーダーとしてみんなを引っ張ってきたひかるだが、実はかなりのストレスが溜まっていたらしい。過去妹のひまりとの間に起こったことも含め、ようやくひかるの存在が出てきたので、そろそろ話も畳む頃合いか。
<A> <楽>
24'10'11 正月女
坂東眞砂子 (検索) <amazon> <楽天>
 心臓病を患い余命幾ばくもない“私”は最後の正月を嫁ぎ先で迎えていた。この地方では正月に女が死ぬと七人の女を地獄に連れて行くという伝説があり、死という理不尽を前に“私”は自分が死んだ場合、誰を連れて行くかと想像を巡らす。

 理不尽さと復讐とでまさしくストレートな怪談話。長編にも出来る話だが、敢えて短くしてシンプルにした感じ。
<A> <楽>
24'10'07 帽子の手品
フレドリック・ブラウン (検索) <amazon> <楽天>
 一室で酒を飲んで酔っ払ってしまった四人の男女。男の一人が手品を始めたが、酔っ払って手元がおぼつかず、その手際の悪さを笑っている内に、もう一人の男が手品をやらされることになってしまった。そこで男が見せたものは…

 ホラー絡みの作品で、ちょっと手を加えれば中編にしても良いくらいの内容があった。でも中途半端に終わるからこそ短編の良さってのもある。
<A> <楽>
24'10'03 巨匠と過ごす夏(前編)
記伊孝 (検索) <amazon> <楽天>
 1998年。デビューしたもののなかなか芽の出ない漫画家の著者は、行き詰まりを感じて宮崎駿の主催するアニメ演出志望者の私塾「東小金井村塾」に申し込んだところ、偶然にも受かったために、そこでアニメ演出について学ぶことになる。

 著者の自伝に近い作品なのだが、東小金井村塾で出会った同窓生や講師としてきた人を描くのがなんともリアル。特に「エヴァ」で燃え尽きてしまって、それでも講師に来た庵野秀明がひたすらネガティブな言動を垂れ流し続けてるとか、何故か呼ばれた押井守がモロに「ガルム」のダメージ引きずったままひたすら言動を垂れ流し続けるとか、まさにその時代ならではの出来事が色々。押井と宮崎を同じ部屋に入れて喋らせてはならないというのもよく分かるし、それを「コナンとジムシィ」と訳してるのがなんとも微笑ましい。
<A> <楽>