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栗本薫

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栗本 薫(くりもと かおる、1953年2月13日 - 2009年5月26日)は、日本の女性小説家、評論家。日本SF作家クラブ会員、日本推理作家協会員、日本ペンクラブ会員、日本文藝家協会員、日中文化交流協会員。

代表作は『グイン・サーガ』、『魔界水滸伝』、『伊集院大介』シリーズなど。『グイン・サーガ』は序盤が英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語、韓国語に翻訳されている。

また、中島 梓(なかじま あずさ)名義で、評論活動や作詞作曲、ピアノ演奏、ミュージカルの脚本・演出なども手がけた。本名は今岡 純代、旧姓は山田。夫は『S-Fマガジン』第6代編集長を務め、天狼プロダクションを経営する今岡清。母方の又従兄弟(祖父の姉の孫)に 梶原一明(経済評論家)がいる。 …Wikipediaより。
 
キャバレー(1986)

グイン・サーガ

02'08'30 運命の糸車 グインサーガ86
 いよいよグインとイシュトヴァーンとの対決。そして重大な変革をもたらす出来事を描く、乗りに乗るグインサーガ・シリーズ最新刊。

 世界最長記録を更新中の本シリーズ。この作品に出会ったのは高校時代だったが、それから随分長いことかかって読み続けてきたわけだ。間違いなく現時点では生涯に最も読んでいる作家でもある(大体「グインサーガ」は外伝を含めると100巻を超えてる)。
 考えてみれば、このサイトを作るに当たり、いくつかの候補を考えてきたが、その候補の一つとして、この作品を考えていたこともあった。
 しかしながら、既にこの作品についてのサイトはかなりあるし、何より、この作品、昔ほどの情熱を持って読んでる訳じゃない。それに最近の文体の乱れはちょっとばかり目に余るし…
 ストーリーは好みだし、最長記録更新に私も与っていると言う思いがあるからこれからも読み続けていくことになるのは確実。
<A> <楽>
03'01'05 ヤーンの時の時 グインサーガ87
 パロの地で全面激突したゴーラ軍とケイロニア軍だったが、ケイロニア王グインの采配で和解にこぎつけることができた。そしてついに、ゴーラに囚われているナリスとグインはまみえる。両巨頭の会談。これは後の中原の運命そのものを決定づける事となった。

 著者も大分今巻は思い入れがあったらしく、今巻の後書きは愚痴る愚痴る。それだけに重要な意味を持った作品となった。むしろ感情面の方に強調点を置いているため、最近よく出てくる変な描写もなりを潜めているので(この作品はファンタシーじゃなくてSFだと言うのは良いとして、既成の言葉を何の衒いも無く使いまくるから違和感が出まくってる)、それでかなり素直に読む事が出来た。
 とにかくこの二人の会談というのは一体いつになるやら。と10数巻の時に考えてたわけだから、それから何と70巻を経て、ようやくそれが叶ったわけだ。しかし、なんつー長さだ。それにつきあってる私も私だが(笑)
 ギネスを更新中
<A> <楽>
03'03'18 星の葬送 グインサーガ88
 パロ聖王国王ナリスの葬儀が行われようとしていた。だが、国として最早機能していないパロ聖王国には葬儀の余裕もなかった。全ての責任を負う事になったリンダはこれからの事に思い悩む。そんな彼女の前に入れ替わり立ち替わり、それぞれのキャラクターが会いにやってくる…

 何の進展もない巻だったのだが、そんなのでよく丸々1巻分の物語を作られるもんだ。だからこそギネスものの長さに出来るんだろうとは思う。動きがない分、キャラが多数出演してるから、それなりに楽しめた巻。
<A> <楽>
03'05'07 夢魔の王子 グイン・サーガ89
 和解を経、パロ首都のクリスタルに向けて進撃を開始したケイロニア軍とゴーラ軍。統率の良くとれたケイロニア軍であったが、クリスタルに近づくに連れ、様々な精神的攻撃が加えられていく。そんな中、陣中にあってパロ王子アモンの訪問を受けたグインだったが…

 いよいよ89巻。ギネスを次々と塗り替えているが、どう考えてもこのペースだと100巻で終わらないことは決定してるよな。大体ここまできて外伝の1巻にまだ至ってないってのだから、凄いもんだ。この巻だって殆ど動きらしい動きがなかったんだが…それにしても毎号ちゃんとつきあってるよな。私って。
<A> <楽>
03'07'14 恐怖の霧 グインサーガ90
 クリスタルへと進撃を続けるケイロニア軍。だが、武力を誇る彼らに対し、魔の子アモンは精神攻撃をもって彼らを足止めしようとする。常に平常心を失うことのないグインでさえ、夢の回廊で目前に妻シルヴィアが出された時、激しく動揺を見せてしまう…

 ギネス記録を更新中のシリーズもいよいよ90巻となった。本当に良くつきあってるな。
 今巻はまるで外伝のような魔法が前面に出た話となっている。その分見栄えはするが、よく考えてみたら、前巻と今巻って全く違ってなかったような…もしこれを読んでなかったとしても、あれがとりあえずの仲間になったという一点を除けば全く問題なく次の話を読めるぞ(笑)
 しかし、話数から見ると、著者の宣言の通り、絶対100巻では終わらない。一体どれだけの巻数が出るのか、これからも興味深く見守らせていただこう。
<A> <楽>
03'08'26 魔宮の攻防 グインサーガ91
 ついにクリスタル宮へ入り込んだケイロニア軍。だが、この都市は既に“魔王子”アモンの支配する魔界へと変じていた。攻め込んだはずが逆に取り込まれてしまったグイン達。グインの前に現れたアモンはグインの部下全員を人質として、グインに古代機械を操作することを強要するのだが…

 いよいよ91巻か。100巻まで残り僅かに9巻。本当に来年には到達してしまうだろう。しかもこの展開の遅さから言って、とてもそれで終わるわけがないことも分かってしまっている。一体どこまで続くのやら、楽しみにさせてもらおう。
 ところで本巻は著者お得意のどんでん返しが最後に待っているが、やっぱりこうきたか。ここまで引くならそれしかないと思ってたよ。推理小説出身の(いや、今でも書いてるけど)著者の描き方ってのは独特のリズムみたいなもんがあるから、それに慣れたのかな?
<A> <楽>
03'11'06 復活の朝 グインサーガ92
 「古代機械を破壊する」衝撃的な言葉を発したグインは古代機械の内部に魔王子アモンを誘い、二人ともにクリスタルから消え去る。アモンが消えたことにより正常を取り戻すクリスタルだったが、指導者を失ったパロ、ケイロニア双方、本当に大変なのはこれからだった。

 いよいよ92巻。いよいよ見えてきた100巻まで残り8巻だよ。よく書いたもんだ。
 前巻のラストがラストだっただけに、一体どうなるのか結構期待は高かったんだが、ふたを開けてみたら月並みに終わってしまっていた。やや残念かな?ま、なんにせよこれでパロ編は後1巻程度の戦後処理で終わりだろう。一エピソードにしては長すぎた話だったな。
<A> <楽>
04'03'10 熱砂の放浪者 グイン・サーガ93
 転送装置によりパロからノスフェラスに飛ばされたグイン。彼を探しに来たグラチウスと合流したグインは、グラチウスの勧めもあり、ノスフェラスの中心、グル・ヌーの探索へと向かった。たった一人を除き、生きるものは踏み入れることが出来ないとされるグル・ヌーに足を踏み入れたグインは、そこで死んだはずの“北の賢者”ロカンドラスとまみえる。

 いよいよ後7巻で大台。既に前人未踏の道行きを一人進むシリーズと化しているが、しかしまた、全然話が進んでない。
 いや、そりゃ確かにいきなりパロからノスフェラスへ。突然な移動で展開は早いように思えるのだが、実質やってることと言ったら…
 これこそがサーガとして、正統的なストーリーとなってるのは確かとはいえ、要するに「続き」の過程でしかない。結局次巻を待つしかないって事か。
<A> <楽>
04'05'10 永遠の飛翔 グインサーガ94
 ついにその姿を現した宇宙船にアモンと共に閉じこめられてしまったグイン。宇宙船のコンピュータはグインをグランド・マスターとして認めるのだが、グインとアモンの持つあまりのパワーに負荷がかかりすぎ、なんと宇宙に向けて出航してしまう。これを幸い、宇宙にまで自分の力を拡大させようとするアモンに対し、グインの取った行動は…

 一人ペリー・ローダンの異名を取るシリーズもいよいよ94巻。あと6巻で当初の目標の100巻になってしまう。考えてみると凄いもんだなあ。
 いつも思うのだが、著者が描くSFは無茶苦茶だな。底が浅すぎて日本のSFの質そのものを落としてるような気がしてならない。結局著者の魅力とは、設定ではなくドラマと細部の描写にこそある(ついでに言えばねちっこさも(笑))。ストーリー展開は意外なんだが、全体的な設定の浅さのため、今ひとつ。
<A> <楽>
04'07'01 ドールの子 グインサーガ95
 グインが姿を消した後の中原。パロ、ケイロニア、そしてゴーラの3国はそれぞれの思惑をはらみ、事後処理に追われていた。パロ王子ディーンとケイロニア王女オクタヴィアの娘マリニアの処置、そしてゴーラではイシュトヴァーンとアムネリスの息子、ドリアンを巡り…

 政治的要素が強く、ドラマ性の極めて薄い作品となったが、こういう点をしっかり書くのが本作の一番の魅力だと思う。私としても、ここのところの馬鹿げた物語連発より、はるかにこっちの方が面白いと思えたし。
 残りいよいよ5巻で当初予定の100巻へ。
<A> <楽>
04'08'26 豹頭王の行方 グインサーガ96
 ケイロニア大使のランゴバルド公ハリスと会見するパロのリンダとヴァレリウス。パロを覆った戦後処理についての話し合いだったが、話題はどうしても消えたグインの所在についてになっていく。そんな会見途中で突然彼らの前に現れたグラチウス。彼はグインの居場所を知っていると言い、ノスフェラスに起こった異変のことを告げるのだった。

 とうとうここまで来た本シリーズ。なんとあと4巻で本当に100巻いってしまうよ。
 それにしてもこのシリーズは何か事が起こって盛り上がる時よりも、その合間の方が面白いと、改めて感じさせられた。なにせこれは全編において何が起こったと言うことが無く、ほとんど全てが会話で構成されてるし。しかし、これがかなり面白い。
 ところでグラチウスの言葉「やだ」はないだろ。駄々っ子か。
<A> <楽>
04'10'29 ノスフェラスへの道 グインサーガ97
 グイン救出のため急遽救出部隊が編成されるケイロニア。そしてその部隊に同行するパロの魔道士達に紛れ、かつてケイロニアを出奔したマリウスの姿が…妻オクタヴィアと娘マリニアと出会い、自分の心情を吐露するマリウス。

 前人未踏の長期シリーズの第97巻。今回はマリウスが中心となり、オクタヴィアやアキレウス大帝との和解(と言うか呆れられるというか)が語られる話で、実質的にはほとんどストーリーは進展していない。しかし、こんなペースで進んでいって、一体本当の終了は何巻になるんだ?
<A> <楽>
05'02'05 蜃気楼の旅人 グインサーガ98
 記憶を失ってセムの群れの中で生活を続けていたグインは、まるで何かに押し出されるように、一人中原に向けて旅立った。途中合流した灰色オオカミの王ウーラと大鴉のザザを友に、ケス河へと向かったグイン達一行が、そこで見たものは…

 前人未踏のシリーズは続き、いよいよ98巻。話は全然進んでないのだが(笑)、やはりここから100巻に至るまでは本来の主人公であるグインが主体となっていくようだ。しかしこれって、どう見ても100巻で終わるようには思えないな。最後まで付き合うつもりでいるけどね。
<A> <楽>
05'02'18 ルードの恩讐 グインサーガ99
 記憶を失ったまま、イシュトヴァーン率いるゴーラ軍の手に落ちたグイン。イシュトヴァーンとの会話の端々から自らの記憶を紡いでいく。だが、あまりのイシュトの気紛れと、同じく捕らえられたモンゴールのハラスの拷問を見かね、ついに脱走を敢行するが…

 これでいよいよ99巻。おおよそ信じられないほどの巻数が進んでいる訳だが、この展開内容からすると、次の100巻が単なる通過点になってしまうのではないか?物語そのものが実は全然進捗してないという恐ろしい事実。一体これからどうなるやら。
<A> <楽>
05'04'12 豹頭王の試練 グインサーガ100
 ルードの森で再びゴーラ郡に捕らわれてしまい、今度こそ逃げられない状態で、しかも記憶の混乱に苦しめられるグイン。しかしそんなグインの前に二人の魔導師が現れ、更に意外な人物が…

 とうとう100巻目に到達。しかも話自体はつなぎに過ぎないと言う恐ろしい事実…大体このストーリー展開にするんだったら、前巻で出来ただろうに。しかし、最後の最後に出てきた人物にはかなり驚かされる。全く考えてもいない人だったからなあ。
 そう言えば後書きに「これが折り返し地点」とか書いてあったけど…おいおい。
<A> <楽>
05'06'11 北の豹、南の鷹 グインサーガ101
 ルードの森からグインを救ったのは、はるか南の草原地帯の黒太子スカールだった。あたかもなにものかに導かれるように出会った二人だったが、ルードの森は出たものの、ゴーラ軍の追撃は厳しさを増していった。強大なゴーラ軍に囲まれた二人だったが…

 100巻が物語的に通過点に過ぎず、ここでも本来物語の節目となるはずの物語があっさりと過ぎ去ってしまい、しかもグインの記憶喪失のお陰で不発という妙な物語となってしまった。ここまで来てまだ話を引っ張るというのか?というか、著者は本当に終わらせるつもりがあるのかどうか、そちらの方が心配だったり。
<A> <楽>
05'08'14 火の山 グインサーガ102
 イシュトヴァーンに重傷を負わせたことで、ゴーラ軍から逃れることが出来たものの、今度は山火事に巻き込まれてしまうグインとスカール。炎にまかれ、絶体絶命の危機が二人を襲う。一方、グインの剣により重傷を負わされたイシュトヴァーンは、生死の境を彷徨う…

 ここに来てようやく一段落。少なくともイシュトヴァーンは死を越えることで安定を取り戻したように見える。このイベントを起こすためにグインとイシュトヴァーンを戦わせる意味があった訳かと納得。面白かったが、本来これって100巻でやるべきだった気がするのだが…
<A> <楽>
05'11'12 ヤーンの朝 グインサーガ103
 グイン捜索を続けるケイロニア軍の前に突如グラチウスとイェライシャの魔力のぶつかり合いが始まった。魔術の嵐に巻き込まれたヴァレリウスはそれを何とか止めようと試みるのだが、結果的にそれはイェライシャ側にヴァレリウスは立つことになり、グラチウスとの決別を意味していた。そして嵐が収まった時、グインの姿は…

 102巻までが一区切りで、ここから新しい展開へと移っていくことになる。しかし、ここでグインがいきなり逐電とは又意外なことを。ここからパロに行ってケイロニアに帰ってくるまで一体どのくらいかかるんだ?未だ外伝の1巻にも至ってないんだけど、一体それは何巻分を消費するんだろう?
<A> <楽>
05'12'26 湖畔のマリニア グインサーガ104
 グインとマリウスの二人の旅が始まった。ユラニア山中で降られた雨をしのぐためにマリウスは一軒の家を訪れるのだが、そこに住んでいたローラとシェティ親子の正体はあまりにも意外な人物だった。それでも歓待を受け、マリウスとグインは二人の家にとどまることにしたのだが…

 いつの間にやら105巻が出ていて、慌てて二冊まとめて買ってきた。このペースは異常だな。
 冒頭部分からしばらくは「これは外伝でやるべき内容では?」と思ったものだが、中盤からしっかり本編の方にかかってきている。これだけ長く描いてきて、まだこんな驚きを隠していたというのは凄いが、しかし、このキャラを出すことはほぼ裏技だよ。
<A> <楽>
05'12'28 風の騎士 グインサーガ105
 グインとマリウスが逗留したガウシュの村に突然やってきた軍隊。風の騎士を名乗るそのリーダーは何故かローラのことを知っており、彼女と息子のスーティを探し回っていた。未だ記憶の戻らぬグインの前に次々に現れる、彼のよく知っていたはずの者達…

 前巻で突然死んだはずの人間が現れて驚かされたものだが、今度はこいつかよ。1巻から登場していつつ、完全に忘れ去られた…というか、出すべき所を逸したキャラだったが、忘れてはいなかった訳ね。グインが記憶失っている間に本編で忘れ去られた人間を次々に出しておこうと言うことか。さて、一体どんな展開をさせてくれるやら。
<A> <楽>
06'02'21 ボルボロスの追跡 グインサーガ106
 フロリーとシェティの存在を知ったアストリアスは、モンゴール再興の切り札として二人の身柄を確保しようとする。一方リギアと合流することが出来たグイン達は逃避を続ける。追っ手を完全にあきらめさせるべく、グインは大胆不敵な手を敢行する。

 単なる偶然の出会いのはずが、フロリー、アストリアス、リギアと、これだけ重なると些か引く。どこにいようと、グインいる所がいつの間にかそこが中原の運命の中心になると言う展開はいつも通りか。たとえ記憶を失っていてもグインはやっぱりグインだったし。
 それより本作の中身はともかく、早川の宣伝で「永遠の戦士エルリック」のチラシが入っていたのに驚かされた。エルリック・サーガは昨年まで続いていたんだね。エターナル・チャンピオン・シリーズは昔無茶苦茶はまったもんだから、これはとても楽しみ(全7巻中3巻が新作)。
<A> <楽>
06'04'26 流れゆく雲 グインサーガ107
 幼いイシュティを連れてのグインの逃避行は続いていた。一方中原の歴史もやはり動いている。人材不足著しいパロでは女王となったリンダが全責任を双肩に負い、孤軍奮闘中。そしてようやく本来の主であるイシュトヴァーンが戻り、新しい歩みを始めようとしているゴーラ。そしてグイン失踪後、少しずつその悪影響が出始めているケイロニア…それぞれの国での問題を描く。

 丸々一巻を使って息抜きをやってしまった話で、本編であるグインがどれだけそれぞれの国々に影響を与えていたのかよく分かる話になっている。
 ただ、こう言っちゃなんだけど、この話って、お気楽な主人公に振り回される周囲の物語という漢字の物語になってしまった。これってひょっとして栗本薫版「無責任シリーズ」か?
<A> <楽>
06'06'27 パロへの長い道 グインサーガ108
 ゴーラの追っ手に追われるグイン一行は追っ手をまくため街道を離れて山中に入るが、そんな彼らの前に姿を現す不気味な城。明らかに怪異の気配のするその城に、まるで誘われるように入っていくグイン。その城の当主コングラス伯爵から告げられる恐るべき内容とは…

 グインのパロ入りを前に、やや外伝的な物語が展開する。確かにこういったファンタジー色が本作の売りだし、こういう脇道も楽しいので、充分楽しめた。色々と中原の秘密みたいなことを喋るコングラス伯爵の存在も、実際の物語には関わってこないっぽいし、好き放題書いたって所か?明らかに「続く」というラストの展開は、ここまで巻数が進んでもまだまだ健在。
<A> <楽>
06'09'01 豹頭王の挑戦 グインサーガ109
 パロへの路を行くグイン一行はついにクムへとやってきた。だが、グインの背格好はどのように隠しても隠しおおす事が出来ず、一行は苦境に陥ってしまう。そこでマリウスは奇手を思いつく。それは何とグインにグインの真似をさせた旅芸人一座を装うというとんでもない方法だった。

 久々に文庫の売り上げがトップをキープしていたと著者本人が自分のサイトで言っていたが、なるほどそれもよく分かる。この長いシリーズで、こんなに気持ちよく読めた話は今までになかった。何というか、見事なサクセスストーリーとなっていて、実に楽しい話に仕上げられている。ハードな話も好きだが、時折で良いから、こういう話を織り交ぜてくれると読んでいて楽しいものだ…100巻を超えてますます盛んな展開っていうのも異常極まりないが。
<A> <楽>
06'11'09 快楽の都 グインサーガ110
 クムの各地で大好評を博したマリウス一座の噂を聞きつけた、快楽と悪徳の都タイスの支配者タイ・ソン伯爵からお呼びがかかってしまう。逃げることは出来ず、その招待に応じることとなるが、タイスは聞きしにまさるとんでもない場所だった。そこで彼らが見ることになるのは…

 前巻が明るく楽しい話で、本巻もそれに準じているが、少々きな臭い感じになってきた。実際これが本シリーズの本来の味だ。しかし、よく考えてみると、丸々一巻使って、ストーリーはほとんど進んでないという恐ろしい事実。だからこそ100巻を超えて続けられるんだけどね。
 都市の微に入り細にいたり徹底的に書くのは著者の好む所だけど、これこそが実は私が一番好きな部分。もの凄く楽しめたよ。
<A> <楽>
07'01'11 タイスの魔剣士 グインサーガ111
 タイスに滞在中のグインは他の一行から引き離され、成り行きで剣闘士として試合を強要されてしまう。なんとか自分は弱い事を示そうと考えはするのだが、グインの強さは群を抜いており、タイスの強豪達を次々と倒してしまう。ついには「タイスの四剣士」と称えられる剣士達とも試合を余儀なくされてしまうのだが…

 たった半日の出来事、しかも本筋とは関係のあまり無い話を丸々一巻を用いて描いてしまった。ここまでの長寿シリーズだからこそ許されるお遊びなんだろうけど、著者の暴走が凄い。それで最大の問題は、純粋に剣戟ものとして面白いという点にあるんだが(笑)
<A> <楽>
07'03'11 闘王 グインサーガ112
 クム最大の祭りである水神祭りが近づいてきた。剣闘士として大会に出なければならなくなるのを危惧したグインは祭りの前に逃げ出す算段を立てる。試合を通し友情を得たドーカスと言う剣闘士の助けを借りた作戦は上手くいくものと思われたのだが…

 途中まではクム編が中途半端で終わるか?と思っていたが、やはり一筋縄ではいかず、とにかく引っ張ってる。スイランの正体を明かすのが思った以上に早かったが、やはりこれは本編でやるよりは外伝っぽいな。
<A> <楽>
07'08'04 もう一つの王国 グインサーガ113
 なかなかクム脱出の妙案が浮かばないグインは、タイス公の屋敷で怪異に出会い、そこから地下水道に入る事が出来る通路を発見した。誰も逃げ得た者はいないとされる地下水路になんの勝算もないまま足を踏み入れるグインだったが…

 表題はラストに関わる冒険的なタイトルだが、こういう展開になるとは思いもせず。意外性と言えばこれほど意外性のある物語もないのだが、一方、一体いつまでこの話続けるんだよ。と文句も言いたくもなってくる。完全に暴走してるとしか思えない。
<A> <楽>
07'09'23 紅鶴城の幽霊 グインサーガ114
 波乱含みでどんどんクムに取り込まれていく他の同行者たちを尻目に、幽閉されて蚊帳の外に置かれていながら、唯一安全な立場にあったフロリー。だが偶然外の空気を吸いに外に出た所、なんとクム王タリクと遭遇してしまう。それで何故かタリクに気に入れられてしまったフロリー…

 本来全部合わせても外伝か、せいぜい1〜2巻あれば終わるはずの話がどんどん拡大していく。いい加減にしろ。という感じで話が展開していくのだが、こんな回り道ばかりしていて本当に著者が生きている間に終わるんだろうか?だんだん本気で心配になってきたぞ。
<A> <楽>
08'01'12 水神の祭り グインサーガ115
 クム名物の水神の祭りが始まった。完全に囚われの身で身動きが取れず、更にフロリーまでもが連れ去られてしまったグイン一行。ますます逃げられない状況に追い込まれてしまうのだが、そんな時彼らの宿舎からスーティまでもが忽然と消えてしまった。祭りで浮かれる街の中、何とか脱出の方法を模索するグイン…

 まだクムの話は続く。本巻はほとんど祭りの描写だけで終わってしまい、物語自体はほとんど動いていない。それで丸々一巻使ってしまうのがこの作品の凄い所だな。
<A> <楽>
08'03'09 闘鬼 グインサーガ116
 クムの水神の祭りは進み、同時に闘王候補となったグインは順当に試合を勝ち進んでいた。そして恐るべき最強の闘王ガンダルとついに試合場まみえることに。引くことは出来ず、さりとて勝つことも出来ない。そんな状態に置かれたグインの取った策とは…

 最近では珍しくなったアクション一辺倒の話となった。ただ、こういう時はやっぱり著者の力量を感じるところで、ぐいぐい読ませてくれる。クムのクライマックスは次の話になるはず。この状態でどうやって逃げ出すんだか。
<A> <楽>
08'05'21 暁の脱出 グインサーガ117
 ガンダルを倒しクムの闘王となったグイン。だが死闘の末、グインも左肩に深手を負ってしまうのだった。そしてその表彰式の時、突然現れた“白のマロール”は満場の会衆と王の前でタイ・ソンを告発する。

 実に丸々9巻を用いて展開したクム編がようやく終了。なんだかいつの間にかグインにとっては一番良い形で終わってくれた。この部分だけでも他の小説だったら“大長編”と呼ばれる長さなのだが、このシリーズではちょっとした寄り道に過ぎないというのもとんでもない話だ。まあこれでようやく本編の方の物語が動き出すとは思うが。
<A> <楽>
08'06'20 クリスタルの再会 グインサーガ118
 記憶の戻らぬままリンダという名前に導かれ、ついにグインはパロへと到達しようとしていた。一方パロに近づくにつれ気分が落ち込んでいくのがブランとマリウスだった。グインを裏切りたくはないが、使命との狭間で悩むブラン。そしてここでパロに戻ってしまえば、もう外には出られなくなることを恐れるマリウス。それぞれの思いを乗せ、一行は運命へと向かっていく。

 パロ到達によって劇的な出来事が起こるのかと思ったのだが、少なくともこの巻ではほとんど動きはなく、本当にグインがリンダと再会した。と言うだけの話になってしまった。物語が本当に動くのは次巻になるのかな?
<A> <楽>
08'08'29 旅立つマリニア グインサーガ120
 かつての記憶を取り戻した代わりに、直前までの全ての記憶を消去されてしまったグイン。ヴァレリウスはこれを逆に利用しようとフロリーとスーティを旅に出してしまい、パロの危機の芽を摘んでしまおうと考える。フロリー、スーティ、マリウス、そしてグイン。これまでの仲間達が再び自分自身の道を歩み始める。

 物語そのものは通過点と言った感じで、メインのストーリーにはほとんど関わらないのだが、こんなもので丸一巻使ってしまうのが著者らしいところ。本作の場合、新たに不気味な集団としてミロク教団というのが出てきた。どうも又変な形で物語に関わりそうだが、なんで風呂敷を畳もうと考えない?
旅立つマリニア
<A> <楽>
08'10'23 サイロンの光と影 グインサーガ121 記憶の戻ったグインは国民の待つケイロニアへとついに帰還を果たす。病床にあったアキレウス帝も床を出られるようになり、国民や廷臣の喜びもひとしおだった。だが大喜びする国民とは裏腹に、グインの前に姿を現そうとしない妻シルヴィアを心配し、グインは単身無理矢理シルヴィアの寝室に足を踏み入れる…

 ここでついにグインは自国へと帰還。前半はその喜びが描かれ、後半は一転。グインの苦しみが描かれることになる。酷い物語だが、これを描いてしまう著者も凄い。決して読みやすい訳じゃないけど。
<A> <楽>
08'11'27 豹頭王の苦悩 グインサーガ122
 シルヴィアが産み落とした不義の子について、その事実を唯一知るハゾスはこれからどうすべきか悩む。だが一方、その事実を何も知らされなかったグインの方が苦悩は深かった。ケイロニアにいなくてはならない存在として、一方シルヴィアの夫としてグインの取るべき道とは…

 一体どうなるかと思ったら、意外な結末を迎えてしまった。苦悩が続いていた割に終わりとあっさり目。あのラストが外伝でのグインの性格変化につながっていたことが分かる。しかし、考えてみれば外伝の1巻ってもう30年近くも前の話だったよな?ようやくここまで来たのか。
<A> <楽>
09'02'07 風雲の序章 グインサーガ123
 シルヴィアに対する責任から王を辞す覚悟を決めたグイン。だがアキレウス大帝がグインに下した決定とは…一方新都イシュタールで傷を癒すイシュトヴァーンは、これまでの自分を振り返り、これから覇王としての歩みを始めることを決意していた。

 調整のために使われた話で、グインが本当の意味でケイロニア王となり、これまで単なる暴れん坊に過ぎなかったイシュトヴァーンが、やはり王としての自覚を得るまでが描かれる。
 しかし、ここまで連載開始から30年。ようやくここで30年前に書いた外伝の1巻につながる事になった訳だが、そこまで来るのに123巻?しかもここまで来て「序章」などという単語がタイトルに使われる事自体とんでもなく異常なことなんだけど。
<A> <楽>
09'03'25 ミロクの巡礼 グインサーガ124
 イシュトヴァーンの息子イシュティがミロクの聖地ヤガにいるという情報を得たカメ論はブランに命じて偵察隊を送る。丁度同時期、パロの要職から身を引いたヨナも、巡礼としてヤガへと向かっていたが…

 少し前から突然話に上るようになってきたミロクとヤガ。それが話の中心になっていくことになる。展開として意外なことだが、著者の寄り道はいつものこと。どうせ又長く続くことになるんだろう。
 しかし、そろそろマジで著者が生きてる間に終わらなくなったような…
<A> <楽>
09'06'02 ヤーンの選択 グインサーガ125
 スカールと行動を共にすることになったヨナは騎馬の民の習慣に徐々に慣れつつ、ヤガの道を進んでいた。一方ゴーラのイシュトヴァーンは、リンダと結婚するという己の考えに取り憑かれ、突然パロに向けて出発してしまう。諫める立場にあるカメロンでさえ止められないイシュトの進撃は続く。

 前半部分がヨナとスカールの旅。後半がゴーラに行って今度はパロとの関係と、話はゆっくりと進んでいる感じ。イシュトヴァーンはおそらく振られてしまうんだろうけど、どういう話の持って生き方をするんだか…というか、決着は付かないことになってしまったが。
<A> <楽>
09'07'08 黒衣の女王 グインサーガ126
 突如パロに進軍してきたイシュトヴァーンは、突如リンダに求婚してくる。まともにゴーラを相手に出来ぬほど国力が衰えているパロは、とりあえずイシュトヴァーンの入国を受け入れるしかなかった。当のリンダは昔の想い出に流されぬよう必死に自らを縛めるが…

 本当にどうでも良いような話に丸々一巻使ってしまった感じだが、それでもやっぱり読めてしまうのは文章が慣れてしまっているんだろうな。しかし、このつきあいもそろそろ終わりになるか。寂しいものだ。
<A> <楽>
09'09'10 遠いうねり グインサーガ127
 首尾良くミロクの聖地ヤガに入ることが出来たスカールとヨナ。しかしそこはヨナが考えていた聖地とは趣が大きく異なっていた。その違和感の出所がなんであるのか探りを入れる二人。一方、息子イシュティがヤガにいると睨んだイシュトヴァーンも又、軍勢を引き連れヤガへと向かおうとしていた…

 著者急逝の前に書かれた話。思ったよりも春香にヤガの話が長引いている。しかし、この巻で重要なのは、噂でケイロニアの上空に巨大な顔が出た。という描写だろう。これは外伝の1巻に出てきた事なので、ようやくここまで来て話が追いついたと言う事になる。しかし何というタイミングで死んでしまった事か。
<A> <楽>
09'12'13 謎の聖都 グインサーガ128
 ヤガで半ば軟禁状態に置かれたヨナとスカール。逆にその立場を利用し、変貌したヤガで何が起きているのかを見極めようとする二人。ヨナは偶然からフロリーとイシュティの二人とめぐり逢うことには成功したものの、今度はヨナ故人を取り込もうとする勢力が立ちふさがる…

 もうほとんど後がない作品だが、いきなりヤガで大ピンチ。どうやらパロに続き、ここがキタイの次なる標的になっているらしい。一方、ケイロニアにもグラチウスがちょっかいを出しているように見える。盛り上がりかけている所なんだが。
<A> <楽>
10'02'03 運命の子 グインサーガ129
 魔都と化したヤガから逃れるべく行動を開始したヨナとスカール。しかし突然現れた魔道師によってヨナは拉致されてしまう。しかもスカールに連れられたフロリーも又、別の魔法生物に行く手を阻まれてしまった。それらの魔法生物はどこから?そしてヤガの目的とは?

 いよいよ後が無くなってきたが、なかなか巧妙な終わり方で終了してしまった。ヨナは捕らえられてしまったため、その点は中途半端だが、外伝1巻のケイロニアに現れた七人の魔道師の末路が描かれていた。あの魔道師達の力を増していたのは、やっぱりヤンダル・ゾックによるものだったらしい。ケイロニアとヤガの二つの物語が見事につながった。結局最終の部分で最初の話にくっつくとは、面白い構造になってる。
<A> <楽>
10'05'11 見知らぬ明日 グインサーガ130
 パロからヤガに向けて出発したイシュトヴァーン。しかしまっすぐにヤガに向かうのではなく、何故かパロに向けて小隊で戻ってくるのだった。一方、魔人によって捕らわれてしまったフロリーは…

 これが本当の最終刊。いつもの半分の長さ。更に途中で話がぶった切られてるのだが、これを書き上げられなかったのは著者にとっても無念だっただろう。世界最長の物語だけに、どこかでこんな日が来るだろうとは思っていたが、改めて突きつけられてみると、寂しい限りだ。
 考えてみると、この作品のつきあいは20年を超え、更にこのシリーズがあるお陰で間違いなく一番読んでる作者になってる。本当にご苦労様。
<A> <楽>

グイン・サーガ外伝

02'11'16 宝島 グインサーガ外伝17
 イシュトヴァーン19歳。彼は義兄弟のちぎりを交わしたランという青年と共に、自分の船を持って大海原に乗り出す。目的は呪いのかかったと噂されるクルドの財宝。首尾良くその情報を手に入れることが出来たイシュトだったが、彼の動きはレントの海の海賊に知られることになり…

 久々の外伝であり、著者の思い入れがたっぷりと詰まった作品となった。それは確かだ。
 ただ、著者が思い入れたっぷりに描くと、嫌味なほどにベタベタな作品となるため、私は好きじゃない。特にイシュトヴァーンの若い頃の活躍というのは、私が一番読みたくない作品なので、ほとんど消化のために読んだようなものだ。物語自体の出来は、そう言う思い入れの部分を突き放して読めば可もなく不可もなし。あまりにも古くさい手法の物語ではあったな。
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<A> <楽>
04'01'26 消えた女官 グイン・サーガ外伝18
 ナリス15歳。若くしてマルガの離宮で既に蟄居同然の生活を強いられていたが、彼はこれを雌伏期間として捉えていた。毎日が何事もないように思えるマルガで、女官が次々と消えるという怪事件が起きる。侍女のラウラからその話を聞いたナリスはその解決に乗り出すのだが…

 そもそも著者は本格推理で小説デビューを果たしているので、推理小説はその本領発揮とも言えるのだが、どうも私は著者の推理ものって好きになれない。こればかりは相性ってものなんだろうけど、これもやはり私には合わなかった。著者の作品の多くは好きなんだけど、不思議なものだ。
<A> <楽>
04'06'05 初恋 グインサーガ外伝19
 ナリス19歳。パロの重責を担う重要人物となったナリスは父の愛人であったフェリシア夫人との情事に身を任せていたが、未だ恋を知ることはなかった。ある舞踏会で出会った一人の少女に目を付けたナリスは一夜の遊びのつもりで彼女に声をかけるのだが…

 又ナリスかよ!とか思ったものだが、読み進んでいくと、結構面白かった。物語自身はなんと言うこともないが、人の上に立つ事を運命づけられた人間の苦しみというものを久々に読まされた感じ。著者の場合、このパターンのストーリー展開が一番面白い。
<A> <楽>
06'01'30 ふりむかない男 グインサーガ外伝20
 レムスとナリスの政治的な確執によって混乱が起こっている時代のパロ。その中で潰された塾と、新興塾との間で行われた肝試しが元で四人もの死者が出てしまった。生き残った塾生も錯乱したまま「ふりむかない男がふりむいた」と繰り返すばかり。時ならぬ幽霊話にパロは包まれていく。弱った宰相のヴァレリウスは動くことの出来ないナリスに助言を求めるのだが…

 外伝で展開中の「アルド・ナリスの事件簿」の第2巻。外伝でも20巻に当たり、これだけでも充分に大作なんだけど、本当に好き放題やってる感じだ。前の話はナリスがまだ若い頃の話だったが、この話は動けなくなった時のナリス。これこそ究極のアームチェア・ディテクティヴで、多分著者はこれをやってみたかったんだろう。和風のネロ・ウルフってところか。そうするとやっぱりヴァレリウスがアーチーか…結構はまってる気もする。
<A> <楽>
07'12'06 鏡の国の戦士 グインサーガ外伝21
 七人の魔導師事件も過去の話となり、ケイロニア王グインの愛妾ヴァルーサはグインの子を身籠もっていた。そんな中、グインの周囲には怪異が相次ぐ。この世ならざる妖魔とグインとの戦いを描いた三編の中編「蛟が池」「闇の女王」「ユリディスの鏡」を収録する。

 これまで何と最も初期に書かれた外伝の1巻が時間軸では最も先を行っていたのだが、ついにそれを超えるものが出た。ここではなんと外伝1で出会った踊り子ヴァサールの間に子供が出来た事が発覚。しかし、一体正伝ではどこまで行けばここに来るんだろう?
 ところで著者の栗本薫は現在病気で入院中だそうで、本当に生きている間に全部終わるのか本気で心配になってきたよ。
<A> <楽>
11'11'08 ヒプノスの回廊 グインサーガ外伝22
 著者が生前様々なメディアに書きためておいた、グインサーガの断片を集めた、最後の短編集。「前夜」「悪魔大祭」「クリスタル・パレス殺人事件」「アルナ通り十番地の精霊」「ヒプノスの回廊」「氷惑星の戦士」の6編を収録する。

 古いのから新しいのまで、基本的にグインサーガシリーズに関わるものを集めて収録した短編集で、本当にこれが最後のシリーズ作となる。いかにも著者らしい作品と言えなくもないが、しかし今となると、やっぱり寂しいものだな。
<A> <楽>

 

その他

06'05'17 エーリアン殺人事件
 恒星間運送会社の宇宙船シーラカンス号の風紀は乱れきっていた。そんな空気に毒されないようにした挙げ句、すっかりアル中になってしまった宙航士ルーク=ジョニーウォーカーは、当直の時に遭難船を発見。保護する。しかしその船に乗っていたのは、なんとエーリアンだったのだ…

 私の読書履歴は70〜80年代のSF作品で育てられたもんだから、この時代の作品は大好きだが、それら全てが良いとは限らない。いや、この時代だからこそ駄作も多い。特に本作はどうにもこうにも…ギャグのつもりで書いているのがことごとく笑えないってのはやっぱり問題じゃないかな?自虐ギャグも今ひとつセンスないし。
<A> <楽>
14'09'04 黄昏の名探偵
 著者が自分のミュージカルのために書き下ろした歌をベースに描き出す短編集。「紅椿」「あの夏Morning Light」「黄昏の名探偵 望郷編」「タンゴ・トリステサ」「薔薇療園」の5編を収録する。

 「グインサーガ」の休載以来の著者作品となった。ノリだけで描いてしまえる著者の力量は凄いと思うのだが、内容が耽美過ぎてどうにもげんなりしてしまう。やっぱ耽美系はどうにも精神的に受け付けないようだ。そのくせ、著者の作品やたら読んでるという矛盾。
<A> <楽>

 

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