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つかこうへい

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韓国名:金 峰雄(キム・ボンウン、朝鮮語: 김봉웅)1948年4月24日 - 2010年7月10日)は、日本の劇作家、演出家、小説家。大韓民国国籍。

福岡県嘉穂郡嘉穂町(現・嘉麻市)牛隈生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科中退。★☆北区つかこうへい劇団主宰。生前は東京都北区に在住し、同区の親善大使も務めた。血液型A型。 Wikipedia
 たしか最初は誰か演劇をしている人から薦められて読んだのが最初だったかと思うが、かなり面白かった記憶。その後『蒲田行進曲』を映画で観てから本格的に読み始めた。正直なことを言えば、苛つく性格の人間を書かせたら名人芸だと思うのだが、その苛つく人間を巧くコメディに使い、しっかりした小説や戯曲を書いている。私にとっては大好きな作家の一人でもある。特に下記の「広島に原爆を落とす日」はマイ・ベストノベル。
ソフト関係 映画・OVA
蒲田行進曲(1982) 原作・脚本
二代目はクリスチャン(1985) 原作・脚本
熱海殺人事件(1986) 原作・脚本
青春かけおち篇(1987) 原作・脚本
この愛の物語(1987) 原作・脚本
ペエスケ ガタピシ物語(1990) 脚本
幕末純情伝(1991) 原作
寝盗られ宗介(1992) 原作・脚本
リング・リング・リング 涙のチャンピオンベルト(1993) 原作・脚本
菜の花配達便(1996) 原作・脚色
薔薇ホテル HOTEL ROSE(1996) 原作・脚色
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その他

02'11'14 寝盗られ宗介
 芸能界の吹きだまりのような旅回りの一座。面倒見の良い座長市ノ瀬花之丞はそう言った人間を集め、一座を何とか作っていた。彼には大学時代からつきあってきた内縁の妻レイ子がいたが、花之丞は何故か次々とレイ子を一座の男と駆け落ちさせていた。彼の真意は…

 複雑な家庭環境に育ち、大学で演劇を学んだインテリでありながら、場末の劇団を率いる座長を主役に、一座の一人の男が婚約者に出した手紙という形で構成された作品。映画にもなった『蒲田行進曲』の著者は、こう言った芸能界の吹きだまりのような所を描くのが本当に上手い。著者自身が劇団を率いてたからこそ、描ける作品なのだろう。こんな舞台での人間関係が本当に上手く描けてる。
<A> <楽>
03'08'07 広島に原爆を落とす日
 朝鮮の李王朝につながる名家でありながら、日本による創始改名により日本人にされ今は広島に住む犬子恨一郎。日本人として育てられた彼は民族的コンプレックスをバネとし、海軍の中でも一目置かれる存在となっていった。今は故郷の広島で戦艦大和の開発指揮を執っている彼には見初めた女性がいた。離れ島に住む被差別部落の娘、髪百合子。だが、彼女には出生の秘密によって彼とは結婚できないことを宣言し、更に彼女は密命を受けドイツに旅立つのだった…

 丁度広島の原爆記念日と言うことで読み出した作品だったが、これが又!とんでもなく面白い。思わず久々に明け方まで本を読んでしまった。今年読んだ小説ベスト1は間違いなくこいつ。
 勿論本作はフィクションであり、ファンタジーと言っても良いし、設定的なアラも多いが、その内包するパワーはとんでもないもので、戦争や民族差別を辛辣に笑いしてしまう描写に圧倒されてしまった。
 ところで、在日に対する民族差別を主題とした作品は日本人が書いてはいけない。と言うのが日本の文壇では不文律となっている。本作の主人公も在日朝鮮人で(創始改名の際、自分の姓を変えるのは犬子にも劣る。と言う意味で「犬子」という姓が、そして日本人への恨みを忘れないようにと言う意味で「恨一郎」という名前になったとある)、彼がどれほど日本に忠義を尽くし、どれほど日本のために役立ったとしても、決して報われないと言う描写が克明に綴られており、「おお、日本人でもこんなのを書いた人がいたんだなあ」と思っていたら、実は著者は在日だったと知り、二度びっくり。今まで全然知らなかった(ペンネームは在日に対する「いつか公平」という願いを込めてつけたものだと知る)。著者がますます好きになったぞ。
 色々書きたいことは詰まってるけど、果てしなく続きそうだ。追々どこかで使わせてもらおう。
<A> <楽>
<A>