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吉岡平

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 岡山県立笠岡高等学校卒業、早稲田大学第二文学部中退。早稲田大学漫画研究会出身。在学中より編集プロダクションのスタジオ・ハードで学生バイト、フリーライター経験。1982年 秋田書店刊 マイアニメ11月号 別冊付録 アニメ資料館『魔境伝説アクロバンチ』等を担当した。それらの縁により1984年劇場版『コータローまかりとおる!』のノベライズ『ハチャメチャ痛快学園活劇 コータローまかりとおる』(講談社X文庫)で作家デビュー。その後、X文庫にて『ターミネーター』『スパルタンX』などの映画ノベライズを執筆。

しばしば作中の台詞ないし地の文で軍事・写真・特撮・アニメなどに関する蘊蓄を披瀝する。ただ、それらの薀蓄は必ずしも正しいものとは限らず、『突入! 痛戦車小隊』の後書きで展開した陸上自衛隊のTK-X(新戦車)に関する発言は、ほぼ全てが事実誤認に基くものとされる。

さまざまな分野の作品を発表し、多作家であると同時に執筆が迅速であり、一時は毎月新刊を出すことから「月刊吉岡」と呼ばれていた。

「北海の堕天使」「凍てる波涛」など、少数ながら架空戦記も手がけており、徳間書店の『奇想艦隊』では、架空戦記界の大艦巨砲主義者と称して横山信義と戦艦をテーマに対談を行っている。また、横山信義の作品『八八艦隊物語』においては、高速雷撃艇「瀑竜」の名付け親にもなっている。

吉岡は史実では活躍の機会を得ずに終わった兵器を偏愛し、特に「俺が好きになってやらなきゃ誰も好きにならない」ようなマイナー兵器・欠陥兵器(ボールトンポール デファイアント が代表例)ほどその傾向が強い。『宇宙一の無責任男』シリーズに登場する艦艇の名前は大日本帝国海軍を始めとする各国海軍の命名法を踏襲しつつ、実際には建造されたことのない艦名を主に使用している。同作で「信濃」という宇宙戦艦を登場させたことに関して、後書きで「建造されなかったようなもんですからねえ」などと語った。代表作となった『宇宙一の無責任男』シリーズはアニメ化もされ、『無責任艦長タイラー』となって朝日新聞出版とエンターブレインから再刊行されている。

『宇宙一の無責任男』シリーズの第2巻「明治一代無責任男」は、主人公のタイラー達がタイムワープの影響で明治時代(日清戦争時)の日本にタイムスリップするストーリーであるが、この作品にはマコト・ヤマモトの直接の先祖として山本権兵衛が、他に東郷平八郎、森鴎外、谷干城等が登場する。また、森田思軒も登場しており、これについては、後書きで「同郷ということもあって登場させた」という旨のコメントをしている。

また、『超時空要塞マクロス』のリン・ミンメイから取った林明美名義でアイドル評論も手がける。

2023年1月13日に死去。62歳没。
 Wikipedia
 数多くの著作を持つ著者だが、なかなか読む機会が無く、「宇宙一の無責任男」読んだのも、刊行してから20年くらい経過してからだった。面白い作家ではあるが、一気読みに合う作風で、一旦読むのが滞ってしまうと駄目のようだ。
ソフト関係 映画・OVA
TV
シリーズ
宇宙一の無責任男
旋風のカガリ

宇宙一の無責任男

06'02'19 無責任艦長タイラー 宇宙一の無責任男1
 惑星連合宇宙軍にその人ありと謳われつつ、その実強運とゴマスリで出世したと言われるジャスティ・ウエキ・タイラー。彼が指揮する乗艦“阿蘇”が、彼のお陰で被った被害と赫躍たる戦果。そして宇宙軍の宿敵ラアルゴンとの戦いの行方を描く、無責任男第一作。

 ライトノベル発掘の中で読んでみた作品。思えばこれが出てから17年か。単に都築和彦のイラストが気に入らないというだけの理由でこれまで読んでなかったのだが…これは大失敗。17年前にこれを読んでいたら、これまでに読んだライトノベルの数は跳ね上がっていただろう。何でこんなにツボにはまる作品をここまで読んでなかったのやら。
 後書きで分かったんだけど、大昔に『クレイジー大逆転』と『海底軍艦』(1963)の二本立てを映画館で観て以来、このカップリングで小説を書いてみたかったとか…道理でツボにはまる訳だ。
 多分、これまでの空白期間を埋めるために次々と読んでいくことになるだろう。
<A> <楽>
06'05'25 明治一代無責任男 宇宙一の無責任男2
 連戦連勝の英雄となり、結婚も決まったタイラーだが、相変わらずのお調子ぶり。そんな彼が旧阿蘇の乗り組み組員と合流した時、宇宙空間に一隻の蒸気船を発見した。それはなんと明治時代フランスから日本に送られ、その途中で行方不明となったという曰く付きの船“畝傍”だった。しかもこれを調査中に大規模な時空震に巻き込まれてしまい、タイラーとクルー達はなんと明治時代の日本にやってきてしまう…

 第2巻にして外伝的な作品になってしまい、当時流行っていたIF戦記ものっぽく仕上がった。著者の趣味が徹底的によく出た作品で、著者のマニアぶりが良く出ている。ま、これはこれで結構面白いけど。
<A> <楽>
09'09'17 ワングの逆襲 宇宙一の無責任男3
 深刻化するラアルゴン軍との戦いに、地球連邦は唯一の連戦連勝男タイラーを中将に昇格。更に超弩級戦艦“信濃”の建造を開始した。だが完全コンピュータ制御の信濃は模擬戦中、なんと自我を持ってしまう。一方、ラアルゴンの反逆者ワングは暴走した信濃を手なずけることに成功する。タイラーに恨みを持つワングと信濃は…

 前作が外伝っぽい話だったが、今巻は通常の話に戻る。何とこれまでトントン拍子に上り詰めたタイラーが二等兵に降格という話で、タイラー絶体絶命の危機が描かれていく…のだが、肝心の主人公がいつもの通りなのだが。
<A> <楽>
10'02'24 無責任元帥タイラー 宇宙一の無責任男4
 ラアルゴンと地球の和平から3年。これと言った戦闘もなくタイラーはすっかり退屈していた。軍の風当たりも強くなり、引退を考えるほどだったのだが、そんな時、謎の艦隊が地球、ラアルゴン双方に現れ、その通商網をずたずたにしていった。地球とラアルゴンは双方、休戦協定無視を主張し、戦端が開かれようとしていたのだが…

 一応前回の話で地球とラアルゴンの構造は終了。今巻から新しい敵の登場の序章となる。新キャラも多数登場し、これで物語のお膳立ては終わったというところ。序章みたいなものなので、物語性はやや低く、結局新キャラの紹介で終わってしまった感じはあり。
<A> <楽>
10'06'05 銀河無責任時代 宇宙一の無責任男 外伝1
 銀河連邦にその人ありと恐れられる存在。ジャスティ・ウェキ・タイラー。出世街道を突っ走る彼の、その出世の糸口となった事件。そして彼の元に集まった一癖ある仲間達との出会いのエピソードを描く、本編の前史を描いた外伝。

 本編では最初から大佐。艦長として登場したタイラーだが、勿論そこに至るエピソードもあった。トントン拍子に出世するタイラーの、その強運を描いた物語。ちょっと読むのは遅かったかも。
<A> <楽>
 

 

旋風のカガリ

06'05'03 旋風のカガリ1
 古代日本に似た世界。軍事国家サキホの第13皇子として生を受けたカガリは他の兄弟達に疎んじられ、犬死にを前提に隣国ヤイソの偵察任務に派遣された。だが持ち前の剣さばきと天性の人心掌握能力、そして何より強運を武器に生き残っていった。そんな彼をますます疎む兄弟達の中、カガリは動乱の時代を生き抜いていく。

 古代の日本を思わせる舞台設定で、何故か時代齟齬な設定やキャラが山ほど出てくる作品。こう言うのは基本的に馬鹿にするタイプなのだが、何故か妙にはまってしまった。セオリーを無視し、継ぎにどんな展開が来るか全く予測出来ないのがとにかく面白い。
 元々は「無責任艦長」の続編探しに行って見つからなかったから。というだけの理由で買ってきた作品だが、これはこれで別種の楽しさがあるな。
<A> <楽>
06'06'29 旋風のカガリ2
 サキホの大君ヤガシラが暗殺された。第一皇子トヨホノホが新しく王に即位したが、海を越えてやってきたグラン・リタニア軍の攻撃によってこれもあっけなく殺されてしまった。一方、謀略によりヤガシラ殺人の下手人にされてしまった事を知らないカガリはヤイソの地でヤイソ軍とリタニア軍の挟撃に遭ってしまう…

 1巻ラストでえらく話が飛んだと思ったら、ここで話は無茶苦茶に錯綜。あとがきによれば著者自身も考えてないとか…まあ、著者に筆力があるので、次にどんな話がやってくるのか見えないので、一気に読んでしまえるのが強味。
<A> <楽>

  

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