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トロン

トロン:レガシー


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ジョセフ・コシンスキー(監督)
 デジタル業界で新分野を切り開いたエンコム社社長ケヴィン・フリン(ブリッジス)は一人息子のサムを残し、突如姿を消してしまった。それから20年が経過し、27歳となったサム(ヘドランド)のもとに、ケヴィンから謎のメッセージが届く。父の営んでいたゲームセンターの地下にあった秘密の部屋に入ったサムは、そこから突然コンピュータ・システムの世界に入り込んでしまう。そこにはサムの記憶のまま若いケヴィンがいたが、彼から命をかけた危険なゲームを強制されてしまう。クオラ(ワイルド)という謎の女性によって死のゲームから抜け出せたサムだが…
 『トロン』の正統な続編で、かつて主人公のケヴィン役ブリッジスが続投。
 あの作品は当時のディズニー・ピクチャーズが総力を挙げて造り上げた画期的なSF作品だった。予告編を観ただけで「とんでもない時代が来たんだ」と心わくわくさせるものをこの作品は持っていた。とにかく画面の一つ一つがいかにもコンピュータ時代の映像と言った感じで、当時ドットゲームにはまっていた身としても、「これぞ未来のゲームの姿」などという夢想を抱かせてくれた。
 だが、本編は…画面は良いのだ。だが、問題として物語性が悲しいほどに低かった。結果として物語そのものはどうでもよく、ただ画面だけ観る作品になりはてた。
 これを一種のカルト作と言っても良いのだが、はっきり言えば、
失敗作。であった。

 それが実に30年近くの時を経て新世紀に復活。これはディズニーのリベンジか?流石にあれほど見事に失敗したのだから、かなり凄いのが出来るんじゃないか?という思いはあった。ましてや『アバター』(2009)の後発。あれを超える映像が提供されるに違いない。
 気が付くと心がわくわくしていた。いや、頭のどこかでは「このパターンはで『トロン』味わったものだから、注意が必要だ」という声も聞こえてた気がしていたが…

 で、その結果だが…
 少なくとも前作と比べれば、
遥かに物語は良くなった。おまけ付きで言えば2倍くらいに凄くなってる。
 だけど、3倍くらいに凄くなってる映像と比較してしまうと…
 結局
物語と映像の差がますます広がっただけのような気がしてきた。
 脚本については先に「良くなった」とは言ったが、それはある意味SFオタク的な意味でであり、この用語の羅列は一見さんお断りの看板を立ててるようなもん。しかも物語そのものが80年代のサイバー・パンクをモティーフにしたようなもので、相当に古くさく見えてしまう。
日本のアニメだったら、もう20年前に通り過ぎてきた物語だ
 そんな古くさい物語を最新の映像で造り上げたものだから、もの凄い違和感が生じてる。
 何のことはない。これじゃ前作のバランスの悪さをますます悪化させただけではないのか?ほんとにディズニーは『トロン』の失敗に学ばなかったのだろうか?というか、『マトリックス』(1999)の失敗という前例もあったのだが?
 何より困りものなのが、タイトルにあるトロンが何の活躍もしてないと言う所じゃないか?結局単なる敵の一人として出てきて、最後に正義に目覚めたのは良いけど、そのまま退場では寂しすぎる。あるいは続編も考えてるのかな?出来ればいいけどね。

 ただ、クオラ役のオリヴィア・ワイルドだけは良かった。
『マトリックス』のトリニティよりも遥かに草薙素子っぽいし。

 

ISO
【あいそー】
 Isomorphic Algorithmsの略。突如コンピュータ内空間に現れた自立型プログラム。デジタル生命体であり、ケヴィンは彼らに人類の進化の可能性を認めているが、クルーによってバグとして処理されてしまった。現在クオラ一人だけが生き残り、ケヴィンの元に身を寄せている。 甘崎
アイデンティティ・ディスク
【あいでんてぃてぃ-でぃすく】
 グリッドに住む人間型が持っているディスク。通常背中に装着され、それが認識コードであり、過去の行いを記録している記録媒体でもある。武器として使うことも出来る。 甘崎
アラン
【あらん】
 かつてのケヴィンの相棒プログラマーで、トロンを創造した。ケヴィン無き後のエンコム社の社長。数年前に引退したが、サムの親代わりをずっと続けている。 甘崎
エドワード
【えどわーど】
 エドワード・デリンジャーJr.。元エンコム社社長のエドワードの息子。エンコム社のソフトウェア開発チームのチーフ。 甘崎
エンコム
【えんこむ】
 ケヴィンが立ち上げたゲーム会社だったが、現在は世界中のコンピュータに画期的なソフトを供給し続ける巨大企業に成長している。サムも大株主として在籍している。 甘崎
エンド・オブ・ライン
【えんど-おぶ-らいん】
 身分の低いプログラムが集まるクラブ。オーナーはキャスター。 甘崎
キャスター
【きゃすたー】
 クラブ「エンド・オブ・ライン」オーナー。レジスタンスとのパイプ役として知られる。 甘崎
クオラ
【くおら】
 ケヴィンを慕いサムを助ける女性型プログラム。実はISOと呼ばれる自立型プログラムで、彼女たちが何故この世界に現れたのかは謎。 甘崎
グリッド
【ぐりっど】
 ケヴィンがコンピュータ内に造り上げた空間。ケヴィンは創造主だったが、反乱を起こされ、今はグリッド内で隠遁生活を送っている。 甘崎
グリッド・ゲーム
【ぐりっど-げーむ】
 前作にも登場したバイクレース。走行の軌跡を物理的な壁として用い、敵バイクを破壊することが勝利条件となる。 甘崎
グリット・バグ
【ぐりっど-ばぐ】
 グリッド内を徘徊する飛行機体。壊れたプログラムを見つけてクルーに報告するのが任務。 甘崎
クルー
【くるー】
 正式名称クルー2.0。かつてケヴィンが造り上げた監視用プログラムで、完璧な世界の創造をプログラムされている。そのために不必要とされるプログラムは排除し、自らがグリッド世界の王となった。「不完全」な人間社会をグリッドの法則に従わせることを目論む。 甘崎
ケヴィン
【けう゛ぃん】
 ケヴィン・フリン。前作の主人公で、コンピュータ内部世界に精通する人物。20年前に突然姿を消したが、それは自分自身の造り上げたコンピュータの内部世界を監視するためだった。自分の分身であるクルーの暴走を防ぐため、自らを封印して隠者のような生活をしている。 甘崎
サイクル
【さいくる】
 グリッド内の時間の単位。 甘崎
サイレン
【さいれん】
 グリッドの案内のために存在しているプログラム。女性の姿をしている。 甘崎
サイレン・ジェム
【さいれん-じぇむ】
 サイレンの一人。キャスターの知り合いで、町に出てきたサムをキャスターの元へと連れて行く。 甘崎
サム
【さむ】
 サム・フリン。ケヴィンの息子で、父親譲りの天才的なハッキング技術と度胸を持つ青年。自分を捨てていなくなってしまった父ケヴィンを恨みに思っているが、父の残したメッセージを探っていく内にグリッド世界に放り込まれ、そこで父のことを知る。 甘崎
ジャービス
【じゃーびす】
 クルーの部下で、モヒカンヘアーにフードをかぶっている。 甘崎
ズース
【ずーす】
 反クルーのレジスタンスリーダーとされている人物。実は実態はなく、その正体はキャスターだった。 甘崎
ソーラー・セーラー
【そーらー-せーらー】
 兵士運搬用の巨大船。グリッドの海を越えることが出来る。太陽のないグリッドの世界で何故「ソーラー」という名前が付けられてるのかは分からない。 甘崎
ディスク
【でぃすく】
 グリッドのプログラム人間達が背中に付けている円盤。個人情報が全てここに入っている。フリスビーのように武器のように使うことも出来る。 甘崎
ディスク・バトル
【でぃすく-ばとる】
 プログラム人間が自分のディスクを武器として使って戦うゲーム。 甘崎
デレズ
【でれず】
 プログラムの削除を意味する用語。グリッド内では処刑を意味する。 甘崎
トロン
【とろん】
 かつてケヴィンを助け、グリッドに平和をもたらしたプログラム。クルーに強制的に従わされ、サム達を襲ってくる。 甘崎
トロン・シティ
【とろん-してぃ】
 クルーが統治するグリッド内唯一の都市。 甘崎
ポータル
【ぽーたる】
 グリッドと現実世界をつなぐ門。現実世界からのみ開くことが出来る。グリッドから出るためにはケヴィンのディスクが必要だが、これさえあればプログラムであっても現実世界に実体化できる。 甘崎
マスター・キー
【ますたー-きー】
 ケヴィンの持つディスクのことで、これを使うと現実世界とグリッドを自由に行き来することが出来る。 甘崎
ライト・サイクル
【らいと-さいくる】
 グリッド世界内で用いられる大型二輪車。軌跡を壁とすることで敵のサイクルをぶつけるというゲームに用いられる。バトンを展開させることによってプログラムされる。 甘崎
ライト・ジェット
【らいと-じぇっと】
 グリッド内で使われる個人用の小型戦闘機。三人乗り。 甘崎
ライト・バトン
【らいと-ばとん】
 全長30センチほどのスティック。これを展開させることによってライト・サイクルやライト・ジェットを作り出す。 甘崎
ライト・ランナー
【らいと-らんなー】
 ケヴィンが自宅で作った高性能車。クオラが操縦し、グリッド・ゲームで窮地に陥ったサムを救出した。 甘崎
ライト・リボン
【らいと-りぼん】
 ライト・サイクルの後尾から出る光のリボン。これに相手のライト・サイクルをぶつけて破壊するのがゲームとなる。 甘崎
リンズラー
【りんずらー】
 クルーの部下。常にマスク姿でその表情は最後まで分からなかった。 甘崎
レクティファイアー
【れくてぃ-ふぁいあー】
 クルーが乗った大型戦艦。多数の武器を積み込んでおり、これで現実世界を攻略しようとする。 甘崎
レコグナイザー
【れこぐないざー】
 漢字の「門」に似た形状を持つ飛行ビークル。グリッド内の監視と不良プログラムを回収する任務を受けている。 甘崎
ワンマンライト・ジェット
【わん-まん-らいと-じぇっと】
 グリッド内で使われる個人用の小型戦闘機。ライト・サイクル同様バトンによって展開する。 甘崎
名称
【】
  甘崎