トロン 1982 |
1982米アカデミー衣装デザイン賞、音響賞 |
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スティーヴン・リズバーガー
ドナルド・カシュナー(脚)
ジェフ・ブリッジス
ブルース・ボックスライトナー
デヴィッド・ワーナー
シンディ・モーガン
バーナード・ヒューズ
ダン・ショア |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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4 |
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自己進化を行うことが可能という画期的なゲームを開発したコンピュータ技術者フリン(ブリッジス)。だが、そのプログラムは悪辣な社長によって取り上げられてしまう。怒った主人公は仲間と共にトロンという検査プログラムをシステムに送り込むが、ゲーム自身がトロンの存在を関知し、主人公までも取り込んでしまう。負ければ即死と言う過酷なゲームを戦い抜く主人公とトロンの未来はあるのか。
この年、アメリカのSF映画は映画史上第3回目のSFブームとなった(1回目が1968年で、2回目は1977年と考える)。1982年は話題になったSFに事欠かない。最大のヒットはスピルバーグの『E.T.』だが、同じ年にSF映画の傑作『ブレードランナー』もあるし、他に『スター・トレック2 カーンの逆襲』もあった。他にもSFホラー作品『遊星からの物体X』、『ビデオドローム』と、実に多彩なSF作品が登場している。本作も又、その中にあってはひときわ異彩を放った作品とも言えるだろう。ただ、本作の場合はむしろ反面教師の意味合いの方が強いのだが。
公開当時、私はアーケードゲームにはまりこんでいて、どうしても観ておきたいと思っていたのだが、皮肉にもそのために金が無く、観られずに大変残念に思っていた。結局大分経ってからビデオ(当時はレンタルも高かったものだ)で見ることになったのだが、あれ?私が期待していたのはこんな物だったのかな?と首を傾げる結果に。
確か主人公が造り上げたゲームの名前が「スペース・パラノイア」。それについて熱っぽく語った後、社長がいかに悪辣かを熱に浮かされたように語る主人公を見ていて思った。お前こそ、その名前に似合ってるよ。
当時としては斬新な取り組みでCGの電子バイクやタンクなどのワイヤーフレームに美術スタッフが着色して(主に中国への下請けにより)映像に仕上げている。
その部分は非常に綺麗だったが、反面キャラクターの動きがぎこちなく、「戦い」が詰まるところフリスビーだったりして、非常に興ざめた。
勿論、それは当時のスタッフに対してあまりに失礼だろう。現在と違い、劣悪な環境と精度の低いコンピュータとの兼ね合いを付けるのにどれほど苦労したかは想像に難くない。
これは実験映像。あるいはエポック・メイキング作品として観るべき作品なのだろう。少なくとも、本作の映像表現が優れていたのは事実だし、本作あってこそ、今のCG映像が成り立ったとも言える。
この作品の一番の見所。それは延々とスタッフロールに出てくる大量の中国人の名前かもしれない。
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