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バトルスター・ギャラクティカ(2nd)

バトルスター・ギャラクティカ(2nd)事典
宇宙空母ギャラクティカ
バトルスター ギャラクティカ(1st)
バトルスター・ギャラクティカ(3rd)
バトルスター・ギャラクティカ(4th)

2005'7'15〜2006'3'10 

主な登場人物
アダマ (役)エドワード・ジェームズ・オルモス。
 ウィリアム・アダマ。ギャラクティカ艦長だったが、シャロンによって暗殺されそうになり、大怪我をした。
リー (役)ジェイミー・バンバー。
 リー・アダマ。コードネームはアポロ。アダマの長男でヴァイパーパイロット。ペガサスを接収した後、その艦長となる。
カーラ (役)キャット・サックオフ。
 カーラ・スレイス。コードネームはスターバック。ヴァイパーのエースパイロットだが、リーに惹かれるものを感じている。
ローラ (役)マリー・マクドネル。
 ローラ・ロズリン。船団大統領。船団の大統領選でバルターに敗北した。ニュー・カプリカでは保育園の教師をやっている。
バルター (役)ジェームズ・カリス。
 ガイウス・バルター。ギャラクティカに乗っている科学者。実は植民連合を壊滅させた張本人だが、その罪の意識からサイロンのナンバー・シックスの幻影を見続けている。意外に信奉者もいるらしく、大統領選で当選してしまった。
ナンバー・シックス (役)トリシア・ハルファー。
 度々バルターの前に幻想となって現れる人型サイロン。同じモデルがペガサスに拘留されていた。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 船団崩壊
“Scattered”

  監督:マイケル・ライマー
  脚本:ロナルド・D・ムーア
      デヴィッド・ウェドル
      ブラッドリー・トンプソン
      ジョエル・アンダーソン・トンプソン
      カーラ・ロビンソン
 コボル上空のベーススターで自分がサイロンであることに気づいてしまったブーマーはギャラクティカに帰還後アダマーを銃で撃つ。艦隊は副長のタイが引き継ぐが、そんなところに新しいサイロンのベーススターが現れ…
 第2期最初の話で第1期の衝撃のラストの直後から話が始まる。アダマは死んではいないようだが、艦はタイが引き継ぐこととなり、今回は艦長代行となったタイが話の中心となる。
 こういう話の常として、優秀な艦長を補佐する副長はあまり有能ではないということで、あっという間に危機に陥ってしまう。その中で苦悩することとなる。この人の場合、奥さんがとんでもない人だから、それでも悩まされてるみたいで、きつい描写が目白押し。
 反乱を扇動したとしてローラと、その取り巻きにされてしまったリーは監獄の中。
 最初の話としては、いかにも景気が悪い話で、ますます人類にとっては悪い状態になっていくのを克明に描かれていく。
 一方、コボルに取り残されたバルターはナンバー6により、幻の中で二人の間の子を見せられる。そしてスターバックを加えたカプリカでは、ここでのブーマーの処置をめぐり、ヒロとスターバックの間に軋轢が。話が一体どこに転がっていくのか全く見えない。
 一応最後に船団は合流し、なんとか船団としての体面は保てた。と言うところで終了。一応これもハッピーエンドなのかどうか…
 難民数は47,875人。10人も減ってしまった。
<相手がサイロンとは言え、女性を拳でぼかぼか殴る描写は、やっぱり観ていて気持ちいいものじゃない。>

VOL.1
第2話 暗闇の谷
“Valley of Darkness”

  監督:マイケル・ライマー
  脚本:ロナルド・D・ムーア
      デヴィッド・ウェドル
      ブラッドリー・トンプソン
      ジョエル・アンダーソン・トンプソン
      カーラ・ロビンソン
 船団合流は果たしたものの、船団には未知のコンピュータウィルスが入り込んでおり、更にサイロンの生き残りがギャラクティカに侵入したとの報が入る。
 現時点で大統領とギャラクティカの間に内戦。コボル降下兵との連絡途絶。人間型サイロンが多数潜み、更にアダマが狙撃されるという状況悪化状態は続いているが、ここにコンピュータウィルスとサイロンのセンチュリオンの攻撃と、ますます状況は酷くなっていく。
 その中でもギャラクティカの内部では初めてのサイロンのセンチュリオンとの交戦があった。その分かなり見応えはあり。久々にアポロが話の中心になってもいる。
 コボルの地表では、バルターがアダマの幻影を見るが、アダマはバルターとナンバー6の子供を殺そうとしてる。どうやらナンバー6による幻影のようだが、バルターの精神状態がどんどんおかしくなっていく。
 そしてカプリカでは今度はスターバックとヒロがコンビを組んで町を探索中。スターバックの家があって、そこで彼女の父親がピアニストだと言うことが言及されている。
 難民数は47,862人。やはりサイロンの侵入はかなりの人数の減少となった。
<サイロンのセンチュリオンを倒すには炸裂弾を使用するしかないと言うが、至近距離でセンチュリオンの爆発に巻き込まれなかったアポロは幸運というか、都合良すぎるというか。>
第3話 戒厳令
“Fragged”

  監督:セルジオ・ミミカ・ゲザン
  脚本:ロナルド・D・ムーア
      ドーン・プレスウィッチ
      ニコール・ヨーキン
      ジョエル・アンダーソン・トンプソン
      カーラ・ロビンソン
 コボル降下班はサイロンがミサイル基地を建設するのを目撃。隊長のクラッシュダウンはこれが船団の脅威となると判断し、発射台破壊を命じる。一方ギャラクティカではアダマの容態は依然危険なまま。指揮官代行のタイは徐々にその重圧に耐えられなくなっていた。
 依然話はきついまま。特に自分自身が指揮官の器ではないことを知っているタイが責任を負わされるため、そのストレスを観る話になってる。酒飲んで酔っぱらい、変人の妻の言うとおりにやっていけないことをやってしまうとか、指導者としてはあるまじき行為もあり。何というか、タイを観てると自分自身のことを思ってしまい、身に迫る辛さがある。たまたま撃たれる直前にローラを監禁してしまったため、その事後処理に追われるのも残された人の宿命。かなりきつい。
 ただ、この話の場合、中心はコボルのミサイル発射台を破壊することだから、アクション主体ではあるのだが、これもストレスのあまり極端なことを言うようになったクラッシュダウンの勝手のため、作戦の前には同士討ちというきつい話になっていた。
 難民数は47,861人。前回から死亡者は一人だけ。クラッシュダウンのこと。出来ない命令を強要したため、バルターによって殺されてしまった。
<弱気になったバルターに対してナンバー6が言った台詞は「男になりなさい」だった。これはマッチョ的な意味ではなく、来るべき赤ん坊の父親として自覚しなさいって意味かと思う。でも今時珍しい台詞だ。
 センチュリオンはロボットではあるが、コンピュータの同期とかはやらないらしい。そのため武器とか全部手動で操作してる。>
第4話 レジスタンス
“Resistance”

  監督:アラン・クローカー
  脚本:ロナルド・D・ムーア
      トニー・グラフィア
      ジョエル・アンダーソン・トンプソン
      カーラ・ロビンソン
 戒厳令が布告された難民団。そんな中、惑星コボルから無事生還したチロル。だが恋人であるブーマーがサイロンであることが発覚したため、サイロンの疑いが持たれて監禁されてしまう。一方、カプリカの三人は、生き残ったレジスタンスと接触する。
 物語は戒厳令下の難民団が舞台で、重責に押しつぶされそうになってるタイのストレスがどんどん上がっている。独裁者として君臨するって、本当に大変なことだ。
 ギャラクティカ内ではチーフが中心になってる。サイロンである疑いが持たれ、タイによって尋問が行われるが、タイは酒飲みながら罵ってるとか、酷い尋問シーンだ。それでブーマーと一緒の牢に入れられるのだが、ここでも二人の間にストレスが溜まりっぱなし。
 そして前回命を助けた代わりクラッシュダウンを撃ってしまったバルターもやっぱり色々微妙な立場に置かれてる。思いあまってチーフを殺しかけるシーンまであり。凄いな。
 カプリカではまだ結構生き残りはいるらしいだが、今のところ53人だけ。地上でボールゲームであるピラミッドをやってるシーンもあるけど、これもオリジナル同様ポートボールのようだ。
 難民数は47,857人。戒厳令下で発砲騒ぎが起こり、4人が死亡。
第5話 ファーム
“The Farm”

  監督:ロッド・ハーディ
  脚本:ロナルド・D・ムーア
      ジョエル・アンダーソン・トンプソン
      カーラ・ロビンソン
 意識を回復したアダマはタイと共に状況打破のために行動を開始する。一方サイロン占領下のカプリカではスターバックがギャラクティカ帰還のためサイロンの基地を襲おうとして、逆に撃たれて重傷を負ってしまう。
 船団の出来事とカプリカの出来事に話は分断。どちらもギリギリの状態で話が展開中。
 船団ではアポロが牢からローラを逃すことには成功したものの、反逆者として逃亡生活を余儀なくされ、一方反逆者をいぶり出そうとするアダマによって、親子の断絶が起こっている。
 難民数は47,858人。一人増えてる。
 一方カプリカのスターバックは、不思議な医者によって治療を受けているのだが、その医者というのが、なんでも見透かすような言動をして、幼少期のスターバックの嫌な思い出を掘り返してしまう。スターバックが子供嫌いなのは、幼少期のトラウマが元らしい。結局この医者はサイロンであることが分かったが、そうなると、今後も登場してくるんだろうな。
 サイロンは神からの教えとして子を為す事を目的としているが、サイロンだけでは子供が作れないため、人間を使って子供を作ろうとしていることが分かった。バルターとナンバー6の間の子もその目的の一つと言うことか。
<船団に対し大統領がメッセージを送る際、その記憶装置はカセットテープだった。なんともレトロな。>
第6話 地球への道(前編)
“Home: Part 1”

  監督:セルジオ・ミミカ・ガザン
  脚本:ロナルド・D・ムーア
      デヴィッド・エリック
      ジョエル・アンダーソン・トンプソン
      カーラ・ロビンソン
 アダマが完全復帰したが、タイのローラ大統領に率いられ、1万8千人が船団を離脱。コボルへとジャンプした。そんな時船団に戻ってきたスターバックだが…
 未だ惑星コボルで足止めを食っている船団は、アダマとローラの二派に分かれて完全な膠着状態に。アポロはその時ローラの側に付いているのだが、この辺りがこの作品の面白いところと言える。もはやサイロンとは関係ないところで人間同士いがみ合ってるだけ。結局どこに行っても人間は人間でしかないと言うのがオチだろうか?
 こんなところに帰ってきたのがスターバック。あの状態のカプリカから無事帰ってこられたのはおかしいのだが、やっぱりこれもサイロンの意志が働いているのだろうか?ただ、一緒にヒロとブーマーことシャロンも一緒。最早こいつがサイロンだと分かってるので、立ち位置は相当に微妙。
 スターバックはそもそもスターバックをカプリカに送り出したのがローラなのだから、当然ローラの元に帰ってくる。それは良いのだが、本当にローラの予言が当たっているかどうかはまだ未知数。
 一方、アポロ達が抜けた穴を埋めるので一生懸命のアダマ。こっちはこっちで軍事クーデターを起こした訳だから、そのフォローが大変そうだ。
 今回はスターバックが帰ってきて、そこからやっぱり膠着状態のまま。アポロがスターバックに対し会話の途中で「愛してる」と言ってることくらいが進歩かな?
 後は後編を乞うご期待といったところ。
 難民数は47,855人。惑星コボルでサイロンと戦って死んだ3人。
第7話 地球への道(後編)
“Home: Part 2”

  監督:ジェフ・ウールナフ
  脚本:ロナルド・D・ムーア
     デヴィッド・エイック
      ジョエル・アンダーソン・トンプソン
      カーラ・ロビンソン
 アテナの墓を探すためにローラはアポロらを率いてコボルに降下する。だがその道は困難を極め、道無き道をひたすら歩き続ける。一方ローズの思惑を知ったギャラクティカのアダマは、彼らを引き戻すためにやはりコボルに降下しようとしていた。
 アテナの墓にアポロの矢を置く時、地球への道が示されるという予言の解決編。矢を正しい場所に置いた時、彼らは地球にいるビジョンを見つける。それは12コロニーの星座が見える場所つまり地球で言うところの十二宮が見える場所…って、それだけじゃほとんど分からないのと一緒。
 物語は二つの方向性で進行中。ローラとアポロ、ザレックはコボルでアテナの墓を目指して行軍中。一方、船団を再び一つにしようとするアダマも又コボルへと降下。アダマとローラとの和解によってここで二つの方向が一つにまとまった。
 相変わらずバルターにしか見えないナンバー6は、バルターの脳にはチップなど埋め込まれておらず、精神を病んでいるから自分の姿が見えると言っている。他にもこの独房で希望の子が生まれるとも…これはブーマーとヒロの間の子なのだろうか?
 ヒロと行動を共にしているブーマーがギャラクティカで死んだブーマーの恋人チーフと再会。このブーマーもチーフと恋人であったことを覚えていると言っているが、これも何かの伏線だろうか?
 細かいところだが、ザレックとマイヤーの会話はいろんな引用が込められてるが、マクベスらしい引用もあった。
 難民数は47853人。一人はマイヤーか。
<前回まで怪我の後遺症で身動きもほとんど取れなかったアダマが降下作戦の陣頭指揮を執ってるのだが、怪我は大丈夫なの?
 ザレックとマイヤーの会話で「(この星で)多くの仲間が死んだ」と言ってるが、実際には前回の2人じゃないのか?>
第8話 真実の報道
“Final Cut”

  監督:ロバート・M・ヤング
  脚本:ロナルド・D・ムーア
      マーク・ヴェレイデン
 タイが船団を率いていた時に起こった海兵隊による民間人殺害シーンのテープを手に入れた女性ジャーナリストのディアナ・ビアーズは、そのテープを編集中にローラとアダマからの呼び出しを受ける…
 タイトル通りの“真実の報道”について。これは実に難しい問題をはらんでいて、報道の自由がない国家は民主国家とは言えない訳だが、非常時にそれは危険過ぎる。この辺真面目に作ってしまうと、軍事国家礼賛になってしまいかねるので難しい。で、この話だが、やっぱり相当話作りに苦労してるみたい。難しい素材をよくやったよ。で、ラストシーンは相当に意外。実際これは驚いた。
 それで槍玉に挙げられるのが、その時に船団の指揮を執っていたタイだが、凄いプレッシャーだな。この状態だと胃がおかしくなりそう。
 海兵隊は命令で人を殺すが、同時に普通の人間でもある。一人一人がそのバランスを取ろうと苦労しているのが見える。結果として薬に逃げたりする人もいる。
 今回登場したのがディアナというジャーナリストだが、それ以外に新米パイロットのキャットがやたら出てくる。今まであんまり出てこなかったが、えらくエキセントリックなキャラだ。
 そんで取材中にも様々な事が起こってる。ヴァイパーの着艦試験の失敗、タイへの襲撃、サイロンの襲撃、そしてブーマーの破水…色々詰め込んでるな。
 難民数は47853人。
<カプリカで売られていた雑誌はカプリカン・タイムという。遙かな未来で地球とも関わりがないのに、やっぱり雑誌はタイムか。>
第9話 ブラックバード
“Flight of the Phoenix”

  監督:マイケル・ナンキン
  脚本:ロナルド・D・ムーア
      デヴィッド・ウェドル
      ブラッドリー・トンプソン
      デヴィッド・ウェドル
 ギャラクティカ内でコンピュータシステムの誤作動が続発していた。調査を進めるアダマはそれがサイロンに仕込まれた不正プログラム「ロジックボム」によるものだと知る。そんな中、かつてのブーマーの恋人チーフは新型機の開発に着手していた。
 タイトルは昔の映画『飛べ、フェニックス』より(『フライト・オブ・フェニックス』でリメイクもある)。
 どんどん疲労度が増していくギャラクティカ。その中で更にサイロンの罠が張り巡らされ、人間関係がますます悪くなっていく姿が観られる。
 今回はヒロとチーフが物語の中心。二つの記憶を持つブーマーだが、こちらにいるのはヒロと恋人の方。ヒロからチーフのことを聞かされ、愛しているのはヒロの方だとはっきり言っている。複雑な人間関係。
 そんな中、馬鹿にされながらもチーフが新しい戦闘機を作り出そうとしている。絶望の中にあるからこそ、新しいことをしようというのは人間社会にとって大変重要なこと。絶望故に出来る話だ。
 今回はレイダーの大群が登場するが、ブーマーの活躍でウィルスを送り返し、それで動けなくなったところをヴァイパーで撃ちまくり。初めての大勝利となった。
 今回登場したサイロンの罠であるロジックボムはトロイの木馬式のコンピュータウィルスだが、結構回りくどい罠になってる。ヒロとブーマーの間の子を産ませることがサイロンの目的である以上、ギャラクティカを壊す訳に行かないので、人類の疲労度を増すことだけが目的だったのかも知れない。
 難民数49605人。死人がこんなに出てるのに増えたのは、次回の話につながるから。
<ブーマーが自分の手を切って光ファイバーと自分を直結するシーンあるけど、手のひらをナイフで切るのは観ていて結構きつい。>
第10話 ペガサス
“Pegasus”

  監督:マイケル・ライマー
  脚本:アン・コンフェル・サンダース
      カーラ・ロビンソン
      ジョエル・トンプソン
 壊滅したはずのコロニアル艦隊の信号をキャッチしたギャラクティカ。その船と合流したところ、その船はギャラクティカの同型戦艦ペガサスだった。ケイン提督との邂逅を果たしたアダマに、ケインはサイロンに対する反撃を持ちかけるのだが…
 オリジナル版の12、13話にあったペガサスとの合流が描かれる。どこかでやるとは思ってた話だが、艦長のケインは女性であり、しかもアダマの上官に当たる提督。オリジナルで男性だったキャラがかなり女性に置き換わっているが、これは大きな変更点だ。しかも若い(ミシェル・フォーブスが演じている)。仲間と思って近づいたら、人類同士でいがみ合うことになると言う物語もオリジナルと同じ。
 難民船団ではなく、単艦で活動してるペガサスは攻撃に特化している。そんな事で好戦的で実力主義者なのだが、何でも命令で済ませてしまうので、当たり前だがギャラクティカクルーには受けが悪い。アポロとスターバックもペガサスのヴァイパー隊に組み入れられてしまうが、その屈辱の中、自分の出来る事をしようとしている二人の行動が面白い。
 単なる人間同士のいがみ合いだけでなく、サイロンの捕虜の扱いについても。ペガサスにも捕虜がおり、その姿はなんとナンバー・シックスの同型で、虐待を受けて精神が崩壊してる。これを見た時のナンバー・シックスとバルターの表情の変化が見物。でも自分の同型がどこにいるのか、ナンバー・シックスは知らなかった事になる。ブーマーの場合はそういう風に作られていたと思うんだが、ナンバー・シックスもやっぱり同型がどこにいるか知らないの?そしてペガサスと同じやり方で尋問しようとすると、話は性的なものになってしまうことも。こどもには見せられない話だな。
 難民数49604人。一人亡くなってるが、それはソーンの事らしい。
第11話 再生船(前編)
“Resurrection Ship, Part 1”

  監督:マイケル・ライマー
  脚本:マイケル・ライマー
     アン・コンフェル・サンダース
 事故によってペガサスのソーンを死傷させた罪でヒロとチーフをペガサスに引き取り、死刑を執行しようとするケイン艦長。だがそんな時にサイロンの大艦隊が迫っているとの報が入る。好戦的で独断的なケインに危機を覚えたローラは、ケインを暗殺するようアダマに進言する。
 ペガサスとの邂逅の第2回目。オリジナル版では一方的にケインが悪い事になってるが、ケインを殺さなければこちらが殺される事になると悟ったアダマもケインを殺してペガサス乗っ取りを画策するので、こちらではどっちもどっち。
 いずれにせよ、最も怖いのは機械ではなく人間である。と言う点においてはオリジナル版もこっちも同じだが。
 実力主義のケインは役に立つなら門戸を広く開ける。いきなりスターバックをヴァイパーのリーダーに抜擢したりするが、スターバックもまんざらでない表情してる。まあ彼女が裏切ることはないと思うんだが。
 ここで何故ペガサスが民間船を連れず単独で行動しているのかが示された。かつては民間船も一緒だったそうだが、必要な物資を奪って後は放置してきたのだとか…きっついな。
 あと、ペガサスにいたサイロン人(ジーナというらしい)が言っているのだが、サイロン人のアンドロイドは全ての記憶を継いで再生する。つまり拷問を受けたサイロン人は、その記憶を永遠に持っていかねばならない。だからジーナは再生船を破壊し、自分を復活させないように頼んでる。これ又きつい話だ。
 難民数49604人。

VOL.2
第12話 再生船(後編)
“Resurrection Ship, Part 2”

  監督:マイケル・ライマー
  脚本:マイケル・ライマー
     ロナルド・D・ムーア
 ケイン殺害をアダマに依頼されたスターバックは、アポロに援護を依頼する。そのことを承諾はしたものの、父の真意を測りかね、直接アダマに話を聞くことにする。だが、当のスターバックは、徐々にケインに尊敬の念を持ち始める。
 サイロンの再生船への攻撃が描かれる話だが、その前にたっぷり人間関係が展開する。まずヒロとチロルはペガサスの乗員によって拷問を受けかけ、スターバックはケインの心情を垣間見、アポロはアダマと会見、そしてアダマは捕虜となっているブーマーにサイロンが何故人間を憎むのかを聞く。それぞれ生きるギリギリの中で辛い決断を下してきた人間達が、今をどう生き抜くかを考え続けているのが描かれる。
 そして行われる再生船攻撃。見事にサイロン船団が壊滅していくが(無数の人間型サイロンが宇宙に放り出され、燃えていく描写まである)、だけど、ここでも互いに暗殺を命じ合っているアダマとケインの双方の緊張感が続く。そんな中、ブラックバードのアポロが事故に遭ってる。主人公だから死ぬことはないが、戦火の中、宇宙を漂い続けるアポロは、海に沈む自分のビジョンを観てる。
 そして、アダマとケインのお互いへの暗殺計画は、お互いに考え直して無しになったが、ケインの方はナンバー・シックスのコピー体によって殺されてしまった。こんな終わりなのか?結局これでアダマは提督に昇進し、更にペガサスを手に入れたことになる。
 アダマがブーマーにサイロンが何故人間を憎むのかを聞いた時、「憎んでいるのとは違う」と言っていたが、あるいはサイロンにとって人類はたいした問題ではないのかも知れない。ただ自分たちが次世代に命を繋ぐため不必要な部分を間引きしたと言うのが正しいのだろうか?
 難民数49598人。再生船への殴り込みでの死傷者と思われる。
第13話 啓示
“Epiphanies”

  監督:ロッド・ハーディ
  脚本:ジョエル・アンダーソン・トンプソン
 ガンが進行し、ついに倒れてしまったローラ。ドクターのコトルからは手術を薦められるが、その決断は付かなかった。そんな時、コトルからブーマーのお腹にいるこどもは遺伝的異常が見られると通告される。
 ローラとブーマーが中心となる話。当然ながらローラ側ではアダマが、ブーマー側ではチーフとヒロが話につながっている。そしてこの二人に共通して関わっているのがコトルとバルター。バルターは副大統領という立場なので、ローラが倒れたら大統領代理となるわけだし、更にナンバー・シックスからブーマーの胎児を守れと言われるし。
 そしてこの話はつながっており、その胎児の遺伝異常はガンの特効薬になるという…ずいぶんと都合のいい話だ。
 一方、ギャラクティカ内部のサイロンによる破壊工作は続いている。今回はあっさりと犯人は確定されたけど、まだまだギャラクティカの中にはたくさんいるらしい。
 前回死に損なったペガサスのナンバー・シックス、ジーナはいつの間にかギャラクティカの中で平和活動家になってた。
 難民数49597人。一人減ってるが、これは捕まったサイロンアンドロイドだろう。
第14話 欲望の構図
“Black Market”

  監督:ジェイムズ・ヘッド
      マイケル・ライマー
  脚本:マーク・ヴェレイデン
 船団内で闇取引が横行していた。ガンを克服し政務に復帰したローラは状況を改善すべく新たな通商政策を打ち出し、軍に闇取引の取り締まりを依頼する。そんな時、ペガサスの艦長となったフィスクが殺害される事件が起こる。
 本作ではサイロンとの戦い以外にも人間同士の争いがよく描かれているが、本作はその部分をしっかりと描いた話となる。はっきり言って細論が出てこない方が話がきつくなる。
 どこででも闇取引というのは起こるもの。特に物資窮乏状態の中では横行する。彼らにとって権力よりも重要なのは物資になるため、アポロをも殺そうと図ったり、アポロも小さな悪は見逃した方がいいと判断したりで、こちらもきつかったり。
 こういう話になるとアポロが活躍…というか、交渉役になることが多い。今回も闇取引の首魁と対話しなければならなくなるが、その過程でザレックと話したり、振られたりと、何かと忙しい。なんか子連れの娼婦らしき女性と良い感じになってはいるのだが、元々が根が真面目な癖にそう言う搦め手を強いられるので、こういう場合はやっぱり貧乏籤引かされる役割だ。
 一方、政務復帰したローラはバルターに副大統領職を辞任するようにと強いているシーンもあり。
 今回は人身売買まで話の中にあり、しかも幼女買収まで。きつい話だ。
 難民数49593人。4人が死んだのか。
第15話 傷跡
“Scar”

  監督:マイケル・ナンキン
  脚本:ブラッドリー・トンプソン
      デヴィッド・ウェドル
 小惑星に貴重な鉱脈が見つかり、発掘作業に入るが、その護衛のヴァイパーがたった一機のレイダーによって次々に落とされていった。“スカー”と言う愛称が付けられたそのレイダーを落とすため、スターバックとキャットが調査に向かうが…
 今回完全にスターバックが中心になった話で、かつての新米パイロットキャットと組んでのバディ作品となる。犬猿の仲の二人だが、意外にコンビネーションは良い。
 スターバックにとってカプリカのレジスタンスは忘れられない思い出であり、いつか再び戻って彼らを助け出したいが、それを止められていることもはっきりと描かれている。
 スターバックの焦りと、前回完璧に振られたことから、アポロと肌を重ねようとはするのだが、この二人はうまくいかない。
 ギャラクティカはもう補給が出来ないため、失ったパイロットは補充できない。その事実もちゃんと語られている。やっぱりきつい物語なんだな。
 難民数49590人。3人は全員ヴァイパーパイロット。
第16話 悲劇の銃弾
“Sacrifice”

  監督:レイナルド・ヴィラロボス
  脚本:アン・コンフェル・サンダース
 船団の一艦であるクラウド・ナインでテロリストがラウンジを占拠し、客を人質に立てこもった。主犯のセシャ・アビネルは、軍はサイロンと結託していると批判した上で、シャロンの身柄引き渡しをアダマに迫るが、それに対しアダマは…
 大統領補佐官のビリーが中心となった話。これまでほとんどローラの背後にいた人物なのだが、ここに来てようやく目立ち始めた。ちなみに14話でアポロを振ったデュアラが恋人になったらしく、プロポーズまでしてる。
 そんな彼と、デュアラ、アポロとヘレンがいる時にテロリスト騒ぎが起こる。こんな時に巻き込まれるのはやっぱりアポロと言うことか。今回もやっぱり交渉者であり、こういう役割ばかり引き当てる存在らしい。結果としてそのアポロの機転が事態を好転させることになる。前回もそうだが、人間の最大の敵はやっぱり人間だ。
 テロリストとアダマの交渉はなかなか緊張感溢れるものとなってる。テロリストには屈しないと言うアダマの態度は立派で、政治家としてこうあって欲しいという姿ではあるものの、一方では非情な態度でもある。
 そんな交渉を台無しにしたのがスターバック。この人の空気の読めなさぶりは堂に入ってる。彼女の突入でアポロがテロリストに撃たれてしまった。
 それでブーマーに身柄引き渡しを要求するのだが、そのブーマー自身はアダマの重要な情報源であり、渡すには惜しい人になってるのが分かった。
 ラスト。アポロが死んだ?t思わせるシーンがあったのだが、結局九死に一生を得たようだ。これが「デッドゾーン」だったら幻視で終わらせられるのだが、流石にこれでは無理か。
 難民数49,584人。この事件で6人が死んだことになる。
第17話 ペガサスを継ぐ者
“The Captain's Hand”

  監督:セルジオ・ミミカ・ガザン
  脚本:ジェフ・フレミング
 深手を負って一月。ようやく傷が癒えたアポロは、飛行隊長となったスターバックをサポートするためペガサスへと向かう。だがそのペガサスでは新艦長となったガーナーとスターバックのいがみ合いが続いていた。
 話としてはペガサスでの戦いと、ギャラクティカでの政治が並行して描かれる話。
 前回スターバックに誤射されたアポロはようやく戦線復帰。なんか別れたはずのディーとはまた復縁したらしい。ただ、やはりスターバックとの仲はますます遠く。ついには怒鳴りあいの喧嘩までやらかした。
 今回初登場となるペガサス新艦長ガーナーだが、機関士上がりと言うことで、艦長としての能力は非情に低いのだが、機関士としては責任感のあるナイスガイ。自分の命と引き替えに機関を復旧。自分が招いたペガサスの危機を命を持って償った。
 船団の大統領選挙の話では、ザレックによって候補に祭り上げられてしまいそうになるバルター。
 そしてこのままだと人類がどんどん減っていくことに対し、堕胎の問題も出てきている。なかなか生々しい話だ。ローラはリベラル的立場にあるので、堕胎には賛成だが、この状況でそれが許されるのかどうか。
 そのローラの態度に怒りを覚えたバルターが大統領選に立候補…相当こいつもおかしくなってきてる。
 生存者49,579人。ラプターの死亡者か。
第18話 ダウンロード
“Downloaded”

  監督:ジェフ・ウールナー
  脚本:デヴィッド・ウェドル
     ブラッドリー・トンプソン
 9ヶ月前、サイロンの襲撃でバルターと共に死んだはずのナンバー・シックスは再生室で新たな身体を得ていた。そしてその6ヶ月後、アダマを射撃して殺されたブーマーも又新しい肉体を得ていた。だがそのナンバー・シックスとブーマーは過去の記憶を引きずっており、サイロンの中でなじめずにいた。
 今回は異色作でサイロン側からこの物語を見た話になっている。その結果いくつもの事実が明らかにされるのだが、それによればバルターはナンバー・シックスと共に殺されたことになっている。あれ?そうするとバルターはなんなの?更に再生したナンバー・シックスはバルターの幻影まで見てる。不思議な状況だ。一方、再生したブーマーに関しては、完全に自分が人間だと思い込んでる始末。なんかカプリカの方でもサイロン側に不協和音が出始めてる感じだ。
 そしてサイロンの希望となるブーマーとヒロの間の子が生まれた。名前はヘラと名付けられたが、コトルによって死産とされて養子に出された。この子が一体どんな役回りとなるのか。
 尚、惑星カプリカでは現在もレジスタンスが元気で活動中。やってることがテロ活動なので、911以来のこの時代に良くこんなの作られたもんだな。
 生存者49,579人。ギャラクティカは舞台じゃなかったから。
第19話 審判の日 前編
“Lay Down Your Burdens, Part 1”

  監督:マイケル・ライマー
  脚本: ロナルド・D・ムーア
 バルターが大統領選に出馬してから一ヶ月が経過した。選挙参謀ザレックと共にローラとの候補者討論会に臨む。一方カプリカのパルチザンを救うため、志願兵を募っていた。
 2期も佳境。大統領選とカプリカへのジャンプが話の中心となる。このジャンプにはブーマーも同行するため、チーフにも話が振られている。
 深刻になれば成る程笑いの発作が起きるというローラの悪癖も出てきた。深刻な問題ではあるが、こういう癖を持った方が魅力は出てくる。
 カプリカへのジャンプでは何人もの脱落者が出てくる。ナビゲーターとして参加したブーマーのせいか?と言う疑問が出てきている。ただそのイレギュラーで居住可能な惑星を発見してしまう。
 残されたリーは随分凛々しくなってきた。既に経験は充分に積んでるので、艦長としての能力が発揮されている。
 最終的にスターバックはアンダースと再会。だが新しい惑星を見つけたことによって大統領選は混迷の度合いを深めている。
 生存者49,550人。
第20話 審判の日 後編
“Lay Down Your Burdens, Part 2”

  監督:マイケル・ライマー
  脚本: ロナルド・D・ムーア
 惑星カプリカに降り立ったスターバックはアンダースと合流を果たし、レジスタンスをギャラクティカへと連れ帰ることに成功する。だがその一人はサイロンの一員だった。一方大統領選が近づき、ギャラクティカではローラとバルターが自分の主張を明確にし、
 2期最終回。話はますます複雑化。人類側とサイロンの双方で何らかの思惑が展開している。サイロンはもう人類へのちょっかいは止めると言い、難民団はニューカプリカと名付けられた新しい惑星への移住を開始。
 その中で大統領選が行われ、新しい惑星への移住を決めたバルターの方がなんと当選してしまった。難民のみんなも疲れ切ってたんだな。バルターがサイロンと通じていることを知っていたローラは不正をして選挙に勝とうとするが、結局自ら非を認め、選挙の敗北宣言。
 そこでなんと話は一気に飛び、1年後…え?
 大統領となったバルターはその間何にもしようとせず、悪天候の中、人類はますます衰弱していく。
 そこに現れるサイロンの大群。戦っても勝ち目がないと見たアダマのギャラクティカとアポロのペガサスは逃げ、ここで2期は終了する。なんとも釈然としない終わり方だ。
 もう一人のナンバー・シックスのコピー体ジーナは自らに託された核爆弾を爆発させ、クラウド・ナインと共に爆発。単なる自殺かと思われたのだが、この爆発がサイロンを呼び寄せる。
 新天地で変わったことは、スターバックがアンダースと結婚したことと、ローラが教師をやってることか。ヒロとブーマーの子ヘラはオナシスと名を変えて順調に成長中。