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宇宙空母ギャラクティカ

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宇宙空母ギャラクティカ事典
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バトルスター ギャラクティカ(1st)
バトルスター・ギャラクティカ(2nd)
バトルスター・ギャラクティカ(3rd)
バトルスター・ギャラクティカ(4th)

1978'9'17〜1979'4'29 

 映画『スター・ウォーズ』の大ヒットを受け、ABCテレビが作り上げたSF大作作品。存分に予算が取られ、色々なところにこだわりを感じさせる作りになっているのだが、SF作品のノウハウが足りなかったか、脚本の拙さが目立った作品だった。前半のいくつかの話はほとんど西部劇そのもので、何のためのSF仕立てなのかが全然分からない話が多く、かなり迷走を続けた。後半になるとかなり持ち直し、練られた脚本も出てくるようになったが、作品そのものの存続は出来ず。
 ただ、本編の最大の見所は物語云々ではなく、銀色に輝くサイロン兵士の電子ボイスではないかと思われる。あれが出ただけで「ああ、ギャラクティカね」と言われるくらいだから。

 実に四半世紀を経、後に「バトルスター・ギャラクティカ」(原題は同じ「BATTLESTAR GALACTICA」)として復活する。

主な登場人物
アポロ (役)リチャード・ハッチ。代表作は本作。新シリーズ「バトルスター・ギャラクティカ」でも囚人のトム・ザレック役で登場している。
 ギャラクティカ艦載機ヴァイパーのエースパイロット。アダマ艦長の長男で本作の主人公の一人。子持ちのセリーナという女性と恋仲になるが、セリーナは死んでしまい、ボクシーという息子を持つ事になる。
スターバック (役)ダーク・ベネディクト。「特攻野郎Aチーム」の“フェイスマン”ことテンプルトン・ペック役で有名。意外なところだと『怪奇!吸血人間スネーク』で悲惨な主人公役もあり。
 ヴァイパーパイロット。兵士レベルのもう一人の主人公。同じパイロット同士アポロとは親友だが、主に同僚のブーマーと行動を共にすることが多い。ヴァイパーの腕は良いが、女好きのためトラブルが絶えない。
アダマ (役)ローン・グリーン。1950年代からの息の長い役者。
 アポロの父でギャラクティカ艦長。冷静沈着で、移民団の安全を第一に考えて行動している。
ボクシー (役)ノア・ハサウェイ。『ネバーエンディングストーリー』のアトレイユ役。
 惑星カプリカに住む少年。母のセリーナと共に生き残り、ギャラクティカに収容される。セリーナとアポロが結婚したことでアポロの息子となる。
バルター (役)ジョン・コリコス。主に映画でのバイプレーヤーが多い。
 元十二惑星の元老院の一人だったが、サイロン人に人類を売った裏切り者。残った人類の支配者になることを約束されていたが、兵士からはあまり信用されてないらしい。
話数 タイトル コメント
第1話 ギャラクティカ発進!人類滅亡の危機を救え Part1
“Saga of a Star World”

  監督:リチャード・A・コーラ
  脚本:グレン・A・ラーソン
 人類が宇宙に進出して遥かに時間が過ぎ、故郷の地球の事は、もはや伝説になってしまった時代。12の植民惑星が緩やかな連合をもって人類の統合体を作っていた。だが、そんな植民惑星を凶暴なサイロン人が襲う。サイロン人と交渉の余地があると思い、油断していた人類は、電光石火のサイロン人の空襲になすすべもなかった…
 今回は紹介編。主人公となるアポロやスターバックと言ったパイロットの有能さや、植民地の危機が徐々に語られていくことになる。冒頭時点ではサイロンと植民連合はまだ緊張感はあるものの、均衡を保っているが、それが交戦状態となり、あっという間に植民地が消滅。その中で醜い人間関係が明らかになっていく。突然自分の生まれ育った星がボロボロにされ、宇宙に出て行かねばならない。なんて言われたら、やっぱり恨み言の一つも言いたくなるのが人情だ。
 とりあえず話は安っぽいけど、特撮には力が入っていることが分かる…どこか『スターウォーズ』っぽい…とは言ってはいけないことかも知れないけど。最初のサイロン人の声も実に良い。この声聞くと、「ああ、ギャラクティカだな」と思えたりもする。
<宇宙を舞台にした特撮は力が入っているのだが、時折巨大宇宙船が風に揺れてるかのようにゆらゆらしてるのが気になると言えば気になる。
 全員英語を喋っていて、更にここが植民惑星だと言うことが分かっていながら、地球の存在を知らぬ人々。そこに根本的な問題があるのではないか?
 サイロン人によってボコボコにされた惑星カプリカの地表に私用で、しかも息子を引き連れて降りていく艦隊司令官というのも、考えてみれば無茶な話だ。>
第2話 ギャラクティカ発進!人類滅亡の危機を救え Part2
“Lost Planet of the Gods: Part 1”

  監督:クリスチャン・ニービー
  脚本:グレン・A・ラーソン
 サイロン人の突然の攻撃により6つの植民惑星が陥落した。助かった人々は惑星を脱出し、宇宙空母ギャラクティカと220隻の宇宙船で放浪の旅に出るのだった。食糧補給のため植民惑星のキャロリンへと航路を向けるギャラクティカ。そこで思わぬ歓迎を受けるのだが…
 ここからが本編の始まりとなる。最終的な目的は地球であることがここではっきり語られる。ただし地球の位置は分からず、これからの旅の重さが思いやられる。
 とりあえず補給できる惑星キャロリンへと向かうことになるが、そこでの作戦は、機雷原を突っ切るという無茶な方法。具体的にはその作戦が描かれることになる。結局何のトラブルもなく作戦は成功。全然盛り上がらなかった。
 難民船の様子も描かれるが、なんか普通の旅客機に超過乗員と言った感じ。人は随分出てくるが、その中には昔の生活を崩そうとはせず、冨の格差が出てくるという話でもある。
 主人公アポロの立ち位置もこの辺ではっきりしていく。故郷を失ったことを悲しむよりも、実はこれからの冒険にワクワクしているらしい。
<SFでは結構使われる事が多い機雷原だが、宇宙空間の場合、本当に有効なんだろうか?
 ロボット犬のマフィット2が登場。ギーギー音を立ててはいるが、時折中に誰かが入ってる感じ。確かこのサイズの役者がいたっけか?
 難民船に乗れなかった人々の悲惨な様子を語るアダマ。でも、実際に見ている描写は一切無い。前回出てきた難民は収容されてるし。>
第3話 ギャラクティカ発進!人類滅亡の危機を救え Part3
“Lost Planet of the Gods: Part 2”

  監督:クリスチャン・ニービー
  脚本:グレン・A・ラーソン
 無事惑星キャロリンに到着したギャラクティカ以下の難民船。そこはサイロン人の襲来もなく、ギャンブルの盛んな場所だった。そこの先住民族である昆虫人間と交渉し始める人類だったが…
 今回の惑星はキャロリン。前回なんとかたどり着こうと努力してた惑星だが、なんかここはギャンブルも女も酒も食料もあって、堕落の都のような感じ。当然ながらこの事が問題になるわけだが。
 みんな浮かれている中、アダマだけが危機を訴えるが、その行動が全員を救うこととなる。今回はアダマが話の中心となり、アポロやスターバックはあんまり存在感がない。
 安逸な生活を続け、家畜として徐々に蝕まれていくか、それとも敢えて困難な道を進み、自由を得るか。究極の選択ではあるが、答えは明らか。まあ、ここで暮らすと言うことは昆虫人間の餌になると言うことだが。
 ただし、そこで話を止めておけばいいのに、サイロン人を出すことで話は中途半端になってしまった感じ。オチはなんと星ごと爆破という強引さ。サイロン人と人類、どっちが悪人だか分からないな。
 ここでネックになるのが前回豪勢な生活を崩さなかったユリ卿。憎まれ役にはぴったりなんだが、悪人としても中途半端。
 演出的に映画には及ばず。結果的に今ひとつの印象が強い。一応サイロン側にロボット従者のルシファーが登場したことくらいか?
 一応ラストで何故サイロン人が人類を憎んでいるのかが少しだけ語られる。どうやら前任の最高司令官が地球人によって殺されたらしい。それが何を意味するのか今のところ不明だが。
<顔が二つくっついてる異星人が登場するのだが、見てるだけで目が痛くなる。不思議な現象だ。
 初登場のはずのルシファーには何故か既知感が…ああ、大阪の食い倒れ人形か。>
第4話 銀河伝説!惑星コボルの秘密 Part1
“The Lost Planet of the Gods (1)””

  監督:クリスチャン・ニービー
  脚本:グレン・A・ラーソン
      ドナルド・P・ベリサリオ
 移民団に謎の病原菌が伝染し、戦闘パイロットの多くが感染してしまった。医療チームは感染源を調べるために、セリーナやアポロの妹アセナら女性たちから成る新米パイロット部隊の護衛で小惑星へと向かうが…
 今回はギャラクティカ内で話は終始。基本はアポロとスターバックの二人が艦隊からはぐれてしまうことと、ブーマーが病原菌を持ち帰ってしまう事が前半の中心。たまたま遠出してしまったためにアポロとスターバックの二人だけが病原菌に感染しなかったため、後半はその二人が新米パイロットの訓練に当たる風景が中心となる。
 早くもアポロはセリーナにプロポーズする姿が描かれる。それに触発され、アセナがスターバックに迫る姿もあり。その直後、いきなりセリーナがパイロット訓練生になってるとか…なんだか話が少々迷走してないか?
 これまで後ろ姿しか無かったが、今回初めてサイロン人皇帝の顔が見えた。人間と同じだった(後にこれは影武者だったことが判明するが)。
 話はここでは終わらずに次回持ち越し。
<ブリーフィングルームが狭いため、あっという間に伝染病にかかってしまうパイロット達。こういう場合の隔離措置とかきちんと取られないのはいかがなものかと。でもブーマーは宇宙服を着た状態でどうやって病原菌に感染したんだろう?
 ヴァイパーパイロットの新米候補生はみんな女性。そんないい加減な設定で良いんだろうか?しかも男は偶然パーティに出席してなかった主人公二人だし。ご都合主義の固まり。>
第5話 銀河伝説!惑星コボルの秘密 Part2
“The Lost Planet of the Gods (2)”

  監督:クリスチャン・ニービー
  脚本:グレン・A・ラーソン
      ドナルド・P・ベリサリオ
 パイロット全員の謎の病原菌罹患により、女性のみの急造パイロット達がギャラクティカを守らねばならなくなった。アダマはサイロンの襲撃から移民団を守るためにレーダーの効かない暗黒宙域へと入り込む。
 一応前話の続きとなっているはずだが、話はむしろレーダーの効かない宙域で戸惑う船団をどう指揮を執るかと、謎の惑星コボルの探索が話の中心。
 前半部分では、前回サイロンを撃退した女性パイロット達のはしゃぎっぷりとぽつんとのろけ話をしてるアポロとスターバックの痛々しい会話が展開。その後何故か敵に向かっていき、勝手に捕虜になってしまうスターバック。もちろんこれは移民団を守るための措置だが、その辺の説明が全然無いため、とても無意味に見えてしまうのが問題。更に交渉の材料としてあっけなく戻ってるし。
 そして後半は惑星の探査になるのだが、何故かピラミッドとか古代エジプト風味。何が何だか分からないうちに探査は終わり、その星自体は実は地球に向かうための道しるべだった。というオチが付いた。一体何の意味があったんだ?
 あと、割と簡単にバルターが裏切り者だとスターバックに知られてしまった。もうちょっとこの設定引くかと思ったんだけど。
 アポロとセレナの結婚式が行われた。危機感たっぷりの中なのに、随分悠長な結婚式風景だが…と思ったら、そのセレナ、あっけなく死んでしまう。改めて考えると、死亡フラグが立ってたんだな。
 前々回から登場したサイロン人のルシファーだが、なんだか皇帝に対して含むところがあるような発言もあった。
<人類誕生の星はコボルと呼ばれているが、それって確か1話でサイロンと和平交渉が行われていたと話があった星の名前じゃなかったっけ?違った?
 ところで暗黒宇宙の中に一つある惑星だが、どっから光が来てるんだろう?普通の昼間みたいだけど。それでその星に降りたら、いきなりピラミッドとかがあって、アダマは普通にエジプトの説明を始めてる。この人の知識ってよく分からない。それにしても何でエジプト?
 よく分からない星を探索するのに司令官のアダマと唯一のエースパイロットのアポロとセレナの三人だけで探検してる。人材不足ったって、これはなかろう。
 形状からすれば、宇宙専用としか見えない戦闘機ヴァイパーは意外にも地上を飛べる。あの羽根でどうやって?>
第6話 サイロン・アタック 惑星イクアレスの決闘
“The Lost Warrior”

  監督:ロッド・ホルコム
  脚本:ハーマン・グローブス
 サイロン軍から逃れつつ航行する移民団。偵察のため先行したアポロはサイロンの攻撃を受け、イクアレスに不時着するが、そこにはサイロン人を手下に住民を支配している人間がいた。そこで貢ぎ物を納めつつ、細々と暮らす親子と遭遇するアポロだが…
 今回の惑星はイクアレス。人間によって治められている惑星だが、レッドアイというサイロン人を使って支配している。
 アポロだけが惑星に着陸し、西部時代のアメリカに似た生活を送っている人々と交流する話。SFドラマでは当たり前にある話だが、話の構造そのものがモロに西部劇なのはオリジナリティがない。というか、『シェーン』の出来の悪いパクリでしかなく、安っぽすぎる。
 ただ、ここでははぐれサイロン人らしきものが登場。電子音の声がたっぷり聞けるのはなんか嬉しい。サイロン人はロボットなので、プログラムを変えれば、自在に扱えると言う事なのだろうが、その説明もなかったし、これが後に意味を持つ訳でもない。
 一方、ギャラクティカではいなくなったアポロを心配するボクシーを、なんとかごまかそうとするスターバックの姿が見られるが、一番心配しているのがスターバックだったりするのが面白い。
 民惑星は12個と言っていたが、他にも結構あるらしい。知られてない植民惑星なんて設定は無茶のような気がするが。
<冒頭、アポロの行く方向に船団があると判断したサイロン人は全員そちらに向かう。ヴァイパーの行動範囲のどこかにいる。と考えるサイロン人が誰もいないとは。
 ブーティスは昔着陸したマーティンからアポロのことを聞いていたらしいが、マーティンは完全土着してるのだが、それって何年前の話だ?
 わざわざ不時着した宇宙船を探しにまで来ているのに、完全なよそ者のアポロを素直に受け入れるのはおかしいんじゃないか?
 結局最後までレッドアイが何故ここにいるのか説明が無かった。>
第7話 スペース・コンバット!妖星プロテウスの反乱
“The Long Patrol”

  監督:クリスチャン・ニービー
  脚本:ドナルド・P・ベリサリオ
 新型ヴァイパーの性能テストを兼ねてある惑星までパトロールに出ていたスターバックは輸送船が襲われているところを目撃し、その輸送船が不時着した惑星に向かう。だがそこで密輸業者と間違えられて捕まってしまった。一方、盗まれたヴァイパーはサイロンに発見され…
 これも未知の惑星での住民との遭遇が描かれる。囚人惑星を舞台に、自由を求めて囚人達を扇動するスターバックが描かれることになる。間に合わせ程度にサイロンも登場するが、これと言って特徴はない。スターバックを単独で動かすための話だろう。
 女好きのスターバックはライジング・スターのラウンジで美女をひっかけよろしくやってるところにアセナが登場。そんでなんとか二人をごまかしてよろしくやろうとする訳だが、やっぱりばれて…まあ現実、ドラマ双方によくあるパターンの話だ。
<新型ヴァイパーには高性能コンピュータが搭載されているが、どうやら搭乗者を識別してないらしい。簡単に盗まれてしまった。
 ヴァイパーを盗まれたスターバックは旧型の貨物船を操縦した際「コーラが恋しい」とか言ってるけど、先ほど合ったばかりだろ。
 泥棒はヴァイパーを自宅付近に降下させているが、その角度だと、確実に背後の建物を破壊しないと着地できないはず。VTOL機能まで搭載されてるのか?>
第8話 悪魔の新兵器!サイロン軍団総攻撃
“The Gun on Ice Planet Zero (1)”

  監督:アラン・J・レヴィ
  脚本:ジョン・アイランド
 氷の惑星アルクタにサイロンの超巨大砲"パルサー砲"があることが分かった。人類の生き残りを賭け、地上への特殊部隊を結成するが、選ばれたのは服役中の犯罪者ばかりだった…
 氷の惑星アルクタを舞台に、サイロンの設置した武器を破壊する話。同じ話が「宇宙戦艦ヤマト」にあるが、そちらの方が年代は早いため、この話はまんまパクリになってしまった。ならず者が重大使命を帯びるというのは後の『アルマゲドン』でも使われている。
 そう言ったならず者をてなづけつつ、共に任務を完遂するアポロとスターバックの二人が今回の中心。設定はベタでもシチュエーションにはぐっとくる。ただ、ここにボクシーが密航したことによって話の焦点がずれ、今ひとつになってしまう。後編に期待しよう。
<予備のため二機の降下艇を降ろすギャラクティカだが、隊長の二人(およびブーマーとボクシー)は同じ降下艇に入ってる。随分偏りのある人選だな。
 宇宙から長距離砲が確認できたんだったら、ミサイルで破壊するとか、もっと単純な方法があった気がする。どうせ無人惑星なんだし。
 ところでクローン人間と称されている女性は同じ画面に3人出ているけど、これってやっぱり三つ子かな?>
第9話 氷の惑星アルクタの要塞
“The Gun on Ice Planet Zero (2)”

  監督:アラン・J・レヴィ
  脚本:ジョン・アイランド
 サイロンの長距離砲を破壊すべく氷の惑星アルクタに侵入したアポロ達。だが輸送機が撃墜され、基地遠くに不時着を余儀なくされてしまった。そこで出逢ったクローン人間達を自分たちの仲間に出来ないか画策するアポロだが…
 惑星は前回に続きアルクタ
 前後編の後編。今回はいよいよその目的である長距離砲の破壊と、クリーの救出が描かれる。その前にまず交渉となるのだが、ここのクローンを管理しているラバショルが一筋縄には行かない人物で、アポロとこのラバショルの会話が前半の見せ場。一方、ここにやって来た犯罪者達にも不協和音があり。
 それで助力が得られてからは後半はひたすら緊張感あるアクション。ほぼやってることは『宇宙戦艦ヤマト』だけど。盛り上がりそうで心に来ない。どうも私の感性とは噛み合わなかったようだ。
<こんなところでも女好きを発揮するスターバック。クローンを次々に口説いてるけど、あんまり物語とは関係ないな。確かに綺麗だけど。>
第10話 荒野の大砂塵!ボーレイとの死闘
“The Magnificent Warriors”

  監督:クリスチャン・ニービー
  脚本:グレン・A・ラーソン
 サイロン軍によって農耕艦が攻撃され、作物が全滅してしまった。失われた種を求め、惑星セクターに降り立ったアポロ。だがここの入植者は満月の日に略奪に訪れる“ボーレイ”という部族に怯えていた。
 今回の惑星はセクター。食料を求めて頑張る面々の姿が描かれる話。前半部分はその交渉の任に当たるアダマが植民惑星の女性にたじたじとなる姿が描かれ、後半は無法者の襲撃に怯える町を助けるスターバックという西部劇調の話が展開する。
 この移民団の実質的なリーダーであるアダマは、割と頭が固いところがあり、女性に求められて戸惑う姿がある。この描写は一応コメディ的になるのかな?
 後半はほぼ完全に普通の西部劇。ここではアポロとアダマが交渉に頭を抱えている脇で、女好きで、つい大きな事を言ってしまうスターバックが罠にはまって町の保安官をやらされる話となる。しかし、SF作品なのに、何でこんな普通の西部劇みたいなのをやるんだろうか?
<惑星セクターに交渉に向かうのはアダマとアポロ、スターバックとブーマー。移民団の中心人物だらけだが、全員が行って移民団は大丈夫なのか?
 いつも思うのだが、それなりに自給自足が成り立っている植民惑星に移民団を少しでも残すという考えはないのだろうか?それとも見えないけどやってるのかな?>
第11話 バイオレンス・ウォーズ! サイロン基地大爆破
“The Young Lords”

  監督:ドナルド・P・ベリサリオ
  脚本:ドナルド・P・ベリサリオ
 サイロン戦闘機と交戦後スターバックが不時着した惑星アッティラ。そこでスターバックはある姉弟に命を救われるが、父親をサイロン人に人質に取られた姉弟はスターバックをサイロンの手に渡さねばならなくなる…
 今回の惑星はアッティラ。辺境の植民惑星で、そこの住民はあたかもファンタジー世界のような面持ちをしている。ユニコーンまで登場する。
 今回もスターバックが中心の話で、又しても不時着した惑星で困難に遭う話。同じタイプの物語ばかりなのは本当に何とかして欲しいもんだ。これも西部劇でネイティブに捕まった騎兵隊と言った感じ。
 で、今回スターバックを助けた人達は、スターバックの回復と同時にサイロンに売り渡すような人物として描かれていた。ただ、それで自分の誤りを知った途端、スターバックを指揮官としてしまうあたり、やっぱり物語は単純。
 得体の知れぬ人物(?)として描かれているサイロン人のルシファーと同じ姿をしたサイボーグが惑星アッティラにはいる。サイロン人にはこう言うのがぞろぞろいるのか?ルシファーとは違い、道化服のような派手なコスチュームだが。ルシファーは自分たちのことを「ILシリーズ」と呼んでることから、サイボーグじゃなくてアンドロイドなのかも知れないな。
<いかにも「ファンタジー」と言った雰囲気の格好がたくさん出てくるけど、これって結局ピーターパンの格好を真似してるだけ。あるいはこの星は元々テーマパークだったのかもしれないな。さもなければ脚本家の頭の中がお花畑で出来てるとか。>
第12話 対決!空母ペガサス 決死の大作戦 Part1
“The Living Legend (1)”

  監督:ヴィンス・エドワーズ
  脚本:グレン・A・ラーソン
 謎の戦闘機と交戦したヴァイパーは、その戦闘機が失われた第5艦隊の空母・ペガサスからのものだと分かる。移民団と合流したペガサスの艦長ケインはギャラクティカと協力して、サイロンの基地がある惑星・ゴモレイを攻撃するチャンスだとアダマ司令官に訴える…
 今回の惑星はゴモレイ。サイロンの基地がある惑星。現時点では名前だけで直接降下はしていない。
 最初友軍との邂逅に喜び合う面々だったが、何故ペガサスが生き残っていたかというと、逃げたからだと分かり、現在はサイロンを相手に海賊のようなことをしているとか。この辺を前提に交渉していく矛盾が描かれることになる。戦いに特化した立場と、移民団を守る立場。どこまでが味方でどこまでが敵なのか、その緊張感を楽しむ話。シリーズの中ではかなり面白い話になってる。
 その分いつものバルターとルシファーの漫才がかなり後退してるが、どうせこれは鬱陶しいだけだから、これも良し。
 とりあえず今回はギャラクティカとペガサスの共闘が最後に成功したところまで。さて、これがどのように変化するのか。
 何かと良く出ていたカシオペアは実はケイン艦長の元恋人だったことが発覚。なんかスターバックが妙な嫉妬してるのが分かる。
<最初にいつもの通りヴァイパーの交戦から始まるが、どう観ても同型機同士で戦ってる。何で戦い始まるまでお互いが人類だと気づかない?
 自信満々でギャラクティカに攻撃をかけようとするバルター。今まで散々負けておいて、その自信はどこから来る?>
第13話 対決!空母ペガサス 決死の大作戦 Part2
“The Living Legend (2)”

  監督:ヴィンス・エドワーズ
  脚本:グレン・A・ラーソン
 空母ペガサスの助力で危ないところを救われたギャラクティカ。だがペガサスはそのままバルターの母艦への攻撃を続け、ゴモレイ基地の殲滅を提唱する。だが移民団の安全を考えるアダマーとは真っ向から対立してしまう…
 今回の惑星はゴモレイ。いよいよ今回は地上戦が描かれることになる。
 空母ペガサスの後編。あくまで上から目線だったアダマーが同じ立場の人間と舌論をかわすところがこの話の見所。こう考えてみると、これまでの話が全部アポロかスターバックのミニマムな話でまとまっていたから全然面白くなかった事が分かる。マキシマムな視点で移民団を見ている話ってのがやっぱり必要なんだ。
 今回はアポロとスターバックによるヴァイパー部隊の地上戦もあって、両面の描き方のバランスは取れてる。地上戦がちょっとしょぼいけど、それは許容範囲だろう。
 こういう話だとパターン的にもう一体の空母は破壊されて終わるはずだが、やっぱりこの話でペガサスは特攻かけてサイロンの母艦数隻を巻き込んで自爆。
 結果、たまたまギャラクティカの方にいたケイン艦長の娘シーバだけが生き残った事になるが、これはスターバックとのフラグかな?
<ゴモレイの基地を破壊するために選抜されたメンバーはギャラクティカ側が3人とペガサス側が2人。ペガサス側にとっては総攻撃のはずだが、ずいぶんと貧弱だ。それでも成功するんだけどね。>
第14話 サイロン帝国の逆襲
“Fire in Space”

  監督:クリスチャン・ニービー
  脚本:マイケル・スローン
 サイロン戦闘機の自爆攻撃によりギャラクティカに火災が発生する。このままではギャラクティカが自沈してしまう。しかしアダマは先の攻撃で負傷して生死の境を彷徨っていた。ギャラクティカの危機に、残された乗組員は…
 これまでの危機は個人的なものが多かったが、この話ではギャラクティカそのものが危機に陥る。やっぱり空母が主体なんだから、このくらいやって欲しいよね。サイロン人が特攻を行うなんていう描写まであり。
 司令塔であるアダマが戦線後退してしまうと、ギャラクティカは上手く機能しない。やっぱり司令官は重要なのだ。結局他のキャラはどんなに頑張っても、結局アダマーを頼るしかないという展開も納得。
 今回は珍しくブーマーが中心となり、ギャラクティカの避難民の誘導なんかを行っている。バイプレイヤーに徹することが多いキャラだけに、結構貴重なショットだ。そしてもう一人大活躍したのがロボットのマフィット。危うく壊れるところだったが、なんとか生き残ったらしい。
<戦闘状態にあるギャラクティカ内部の娯楽室でくつろいでいるボクシー達。危機感なさ過ぎるぞ。
 この絶体絶命の危機に沈黙しているサイロン。それが何故だか一言あっても良いんじゃない?物語の出来が良くても詰めが甘いんだよな。>
第15話 クリスタル・スター!神々の戦い Part1
“War of the Gods (1)”

  監督:ダニエル・ヘイラー
  脚本:グレン・A・ラーソン
 超高速で飛来する光が現れ、偵察機が失踪してしまった。アポロとスターバックはその探索のためにある惑星に降り立つが、そこにはイブリー伯爵と名乗る不思議な力を持つ人物が存在した。ギャラクティカへとやってきたイブリーは様々なものに興味を持つように見えたが…
 今度も又変わった惑星を舞台とした物語で、「スタートレック」のものとよく似た話が展開する。実際、人間の能力を超える存在が、何を考えているか。と言う事に焦点が当てられるため、本当に「スタートレック」の一エピソードみたい。ただ、前後編のためか、話が大変間延びしている。
 トライアッドというボールを使ったゲームが登場。設定的には色々ユニークなものを考えてるみたいだな。ポートボールとスカッシュを合わせたようなゲームだけど(むしろバスケットとアイスホッケーかな?)。
 これまでほとんど描かれてなかった移民団の悲惨な状況が少しだけ描かれる。こういう人達は軌跡に弱いと言う事を言おうとしてるみたい。
 今回サイロンはほとんど登場せず、バルターとルシファーが喋ってるシーンがちょっとだけ挿入される。
<ヴァイパーには高度計がある。なんで宇宙用の戦闘機にそんなものがあるんだ?
 トライアッドというゲームの制服は妙に露出度が高い。男ばかりだから何の目の保養にもならないけど。>
第16話 クリスタル・スター!神々の戦い Part1
“War of the Gods (1)”

  監督:ダニエル・ヘイラー
  脚本:グレン・A・ラーソン
 イブリー伯爵により、宿敵バルターを捕らえ、更に地球への道をも示された。喜びに沸く移民団だったが、アダマーだけはイブリーに不信感を覚え、アポロに再びイブリーを発見した惑星の調査を命じるのだった。
 イブリー伯爵登場の後編。サイロンに寝返ったバルターはイブリー伯爵の真実にどこか気づいているようだが、その正体はなんと、サイロン人の皇帝だったという。かなり作品の本質に近づいた話だと言えよう。この宇宙での人類とサイロンの戦いは、ある意味精神生命体同士の代理戦争のようなものであることも指摘されている。いきなり話がでっかくなったが、これはこれで70年代っぽくて良し。
 サイロン皇帝は1000ヤーレン(約1000年)も前に機械になったそうだが、それで生身が生きていると言うことは、彼は通常の生物の範疇にはないことが分かる。アポロによれば、彼こそがメフィストフェレスなのだとか。ちなみにこの時点での人類の寿命は200ヤーレンほどだとか。未来になると長寿になるのかね?前に一度登場した皇帝は、どうやら替え玉らしいな。
 一方イブリーがかねてから言っていた光についてだが、やっぱりイブリー伯爵と敵対するものらしいことが分かった。そこにいるのは全身しろずくめの不気味な者たち。いつの間にかアポロとスターバックは上位生命体にシフトできる存在にされてしまった。
<あっという間に移民団の人間の心を掴み、評議会議長にまでなりそうだというイブリー伯爵。そんな簡単なものなのか?
 かなり真面目な話ではあるのだが、今回アダマがアポロに超能力の話を延々としてるのが少々引く。これじゃまるで「May the FORCE be with You」だし。>
第17話 宇宙の侍ノーマン対9つの顔を持つ男
“The Man with Nine Lives”

  監督:ドナルド・P・ベリサリオ
  脚本:ドナルド・P・ベリサリオ
 宿敵バルターは降伏し、地球の座標も得られたことで移民団はお祭り騒ぎとなっていた。そんな中、ノーマンという人類以外の種族が突然移民団の船にやってくる。彼らはある人物を探しに来たと言うが…
 風変わりな一人の乗客と、宇宙からの侵入者との争いの二つの物語が展開。やがてそれが一つに収斂していく。と言うドラマの定式で作られた物語。これはこれでちゃんと物語になってる。なんか後半になってから物語性がかなり上がってきてるようだ。
 老人シメリオンは嘘つきだが、それでスターバックはころっと参ってしまう。なんか自分の父親を重ねてしまったらしい。
 スターバックが死別した両親の事を真剣に考えていたというのが分かるのだが、実はシメリオンこそ、本当の父親だったというオチはなかなか秀逸。結局スターバックのことを考え、シメリオンは去っていく姿が寂しくて良い。シメリオンを通して、いつの間にかスターバックとカシオペアの距離も縮まってるみたい。スターバックはてっきりシーバとくっつくかと思ったんだけど。
 ちなみにシメリオンは…あらら。フレッド・アステアじゃないか。この皮肉に満ちた顔、まさしくアステアだ。モロに詐欺師という役を上手くこなしてる。
<志願兵募集の宣伝が流れるシーンあり。この時代には結構珍しいシーンだ。ちゃんとこれも伏線なんだけど。
 ノーマンが使う武器はレーザーボールというもの。二つの玉の間にレーザー光線をつなげ、それをぶつけると爆発するそうだが、原理が全く分からない。玉自体は爆発しても無傷だし。
 そもそもシメリオンがどこで難民団に合流したのかがよく分からないのだが、そう言うことには無頓着なの?>
第18話 スターバックを救え!名探偵アポロ登場

  監督:ロッド・ホルコム
  脚本:マイケル・スローン
 トライアッドの試合で、故意にスターバックを狙って妨害をかけたオルテガという男が何者かに殺された。容疑者としてあがったのがスターバック。状況証拠の全てがスターバックが犯人だと告げている中、アポロはスターバックを助けるために弁護に立つ。
 突然法廷劇が展開。ストーリーの幅とも言えるけど、サイロンとの戦いが一段落してしまったため、こういう話を使って話数を稼いでるだけにも見える。
 結局スターバックを救うためバルターを牢から出したが、それで逃げたわけでも無し。なんか話自体が中途半端な感じだ。
 前回の話を受けてって事は無いだろうけど、カシオペアといつの間にか本物の恋人同士になってしまったスターバック。最初からこの設定をきちんとやっていれば、もう少し話に深まりが出たのだが。
<ギャラクティカ内部で使われてる拳銃は普通のリボルバー。「レーザー銃」と説明はされてるものの、この辺の細かさがないのがなんとも。>
第19話 超時空バトル!遠来の兄弟たち Part 1
“Greetings from Earth (1)”

  監督:ロッド・ホルコム
  脚本:グレン・A・ラーソン
 パトロール中のアポロは生命反応のある宇宙船を発見。そこには冷凍睡眠状態の6名の人間が確認された。地球人との関係が噂されるのだが…
 いよいよ地球に近づき、その関係を匂わせる人間が登場。
 ただし、物語としては冷凍睡眠状態の彼らを起こすか否か。その事を延々と続けることになる。前半部は本当にそれだけで終わってしまう。
 それで後半は起き出した男マイケルとの一触即発の交渉となる。緊張感はあるものの、ほとんど話が進行せずに終わってしまった。15分でやれる内容を45分に引き延ばした感じ。
<今更ながら、本作の予算はかなり低いようで、コールドスリープ装置がほとんど玩具みたいな安普請。
 冷凍睡眠状態だったのに、起きてすぐに活動を開始できるマイケル。すごい技術というか、かなりいい加減な設定だ。動けなくなったと思ったら、それは後遺症じゃなくて気圧の変化によるものだったし。>
第20話 超時空バトル!遠来の兄弟たち Part 2
“Greetings from Earth (2)”

  監督:ロッド・ホルコム
  脚本:グレン・A・ラーソン
 マイケル達が乗ってきた宇宙船を再び宇宙に戻すアポロとスターバック。宇宙船はパラディーンという惑星に到着するのだが、マイケルたちと敵対する東部同盟の宇宙船が後をつけてきていた。
 前後編の後編。しかし実際の放映は完全に一本の話で、シームレスに話は進行している。前回登場したマイケル達を無事目的地のパラディーンに送り届け、そこでの探索が前半。そしてマイケルの故郷ルナ7と敵対関係にある東部同盟との戦いが後半の見所だが、前半部分にあまりに時間取りすぎてしまったため、東部同盟が出てくるのがほんの少しで終わってしまった。
 ただ、何故マイケルをパラディーンに連れて行かねばならないのか。とか、そんなに感情移入してるのかと言うところが全然描けてないので、何でこんな危機に陥ってるのか説得力がないのが致命的。実際物語そのものも前半に戻ったかのようで、西部劇をベースにしてるみたいだし。いろんな意味で駄目駄目な物語になっていた。
 前半部はベクターとヘクターいうとぼけたパラディーン人が登場。どうやらアンドロイドらしいが、言うことなす事ずれてて面白い。それくらいかな?
<東部同盟の制服は第二次大戦時のドイツを思わせる軍服。狙ってのことかな?
 マイケル達は1/5気圧の星で生まれたため、1気圧環境では生きられないらしいが、いつの間にか普通に生きている。なんかその辺の設定もうちょっと細かくやって欲しいところだ。
第21話 バルターの再反乱!奪われたシャトルを救え

  監督:ウィンリッヒ・コルブ
  脚本:ドナルド・P・ベリサリオ
 サイロンの脅威からとりあえず解放された移民団の議員団はアダマの主張を無視して戒厳令を解いてしまった。だがそれを利用し、ギャラクティカに収容されていたバルターと東部同盟がが脱走し、なんとギャラクティカを乗っ取ろうとする…
 前回登場したのに全然活躍の機会が無かった東部同盟の面々が話の中心となり、独自の哲学を披露し、バルターと共闘を選び取った。ついでに言えば17話に登場したノーマン達も又それに同調してる。これまでの話の流れから、悪者だけを抜き取ってみました。と言う事らしい。
 現在移民団は戒厳令下にあるが、これはあくまで非常の措置であり、秩序が戻った時点で政治家に任せる。これは社会としては正しいあり方。でもドラマでそれが使われる場合、必ず話がかなり危ない状態になる。それを上手く示した話で、珍しく良作。一番嫌らしく見えるのが味方であるというのも皮肉が効いていて良い。
 東部同盟の哲学は人間を“強者”と“弱者”に分け、自分たちを“強者”とする。この考えはまさしく第二次大戦時のドイツの理論。これは明らかに狙ってのことだろう。
 脱走にはバルター、ノーマン、東部同盟がそれぞれ役割を担って成功する。今までの話をちゃんとフィードバックしてるんだね。17話ではほとんど使われること無かったレーザーボールも大活躍。
 それでバルターから人質を取り戻す方法は、なんとサイロン兵を修理して騙すという方法。修理が不完全なため、勝手に暴走してしまうというおまけ付き。そう言えばサイロンの電子音声も久々に聞いたな。
第22話 アポロ危うし!惑星テラへの潜入作戦

  監督:ロッド・ホルコム
  脚本:グレン・A・ラーソン
 脱出した東部同盟とノーマンを追ってルナ7へ向かうアポロは、その途上で超人類に再び出会う。「テラ人を救え」という言葉を告げられたアポロはそのままテラへと転送されてしまうのだった。
 いよいよ最終回が近くなり、移民団の目的である地球も目前に迫ってきた感じ。今回はその地球の候補であるテラを舞台とする。テラに住んでいるのは普通の人類のようだ。あんまり未来っぽくない。なんかアレンの「スリーパー」を観てる気分だ。
 物語そのものとしては、西部同盟の要であるテラが東部同盟と和解するか戦闘を続けるかの岐路にあり、その決断のためにアポロが遣わされたといった感じ。これは第1話の植民同盟とサイロンが和解するかどうかという事とつながっていて、和解は破滅を引き寄せる。という立場を貫くのが落とし所。まさに冷戦構造そのものであり、新世紀になるとこういう話はまず作れない。
 これまでほとんどギャラクティカの力というのが出てなかったが、なんと惑星全体を覆うバリアを張ることが出来る。今頃になってそんな設定出てくるか?
 16話で登場した超人類は人間の数十億年後の子孫だという事が発覚。超人類の一人はジョンと名乗り、アポロの子孫だと名乗った。ボクシーはアポロの血が入ってないので、他の誰かとの間に子をもうけることになるのだろう。
 そしてラスト。このテラという星は地球ではなかったと明らかにされる…最初に出たテラの姿はモロに地球そのものなんだが。
<設定では相当な未来のはずなのだが、70年代のアメリカにちょっと機械を増やしただけっぽいテラの描写は今ひとつ。
 しかし、テラが地球ではなかったとしたら、超人類がアポロにテラを救うよう頼んだ理由は?何も説明が無かった。>
第23話 SOSセレストラ号!銀河戦士の反乱

  監督:ダニエル・ヘイラー
  脚本:デヴィッド・G・アーサー
      ジム・カールソン
      テレンス・マクドネル
 移民団の小型艦セレストラ号で反乱が起こった。反乱そのものは偶然セレストラに来ていたアポロとスターバックにより収束したのだが、その首謀者の一人オーロラはなんとスターバックの元恋人オーロラだった。死んだと思っていたオーロラが生きていた事にショックを受けるスターバックだが…
 最終回前で普通の話が展開。前回がアポロに焦点を当てたため、バランスを取るためにスターバックを中心にしたのだろうが、話としては結構浮いてる。物語そのものが悪い訳じゃないんだけど、船団の混乱の話を持ってくるのであれば、初期にこの話が出てれば良かったと思う。
 具体的には独善的な艦長の下で我慢して従えるかどうか。と言う事で、サラリーマンの悲哀というか、人の行き方を問う物語になってる。
 ここではスターバックの元恋人が登場。カシオペアと恋のさや当てのような物語が展開。ただ、話そのものが移民団全体にかかるもののため、結構重い。
<合成がなんか下手で、レーザー光線が当たってるのに平気で動いてる人がいたりする。>
第24話 最後の決戦!ギャラクティカ対総統母艦
“The Hand of God”

  監督:ドナルド・P・ベリサリオ
  脚本:ドナルド・P・ベリサリオ
 ギャラクティカの展望室に入ったアポロらはそこで謎の信号をキャッチした。それは太陽系からのものであり、ついに彼らは地球を発見したのだ。だが惑星の陰にはサイロンの母艦が潜んでいた…
 ついに最終回なのだが、とりあえずはサイロン母艦を一隻破壊したっていうので終わりじゃ寂しい。ギャラクティカは空母なので、基本的に戦いは艦載機のヴァイパーによるもの。これも薄味の原因だろうか?
 最終回は当然ながらサイロンとの決戦となる。久々にサイロン人の電子音声聞けたよ。とりあえずここまで生かし続けてきたバルターの存在がようやく意味を持つことになる。たいして活躍した訳じゃないけど。
 ペガサスの話の時は例外として、サイロン母艦と戦ったシーンは無く、だからこそここでの母艦とギャラクティカの戦いを最終決戦に持ってきたのだろう(ただし、サイロン母艦はかなりの数あるので、話は本来続かせる前提だったと思われる)。
 最後はアポロ11号の月面着陸の映像で終わる。つまり、この太陽系が本当の太陽系だったと言う事なのだが、「確証が持てない」と言うことで船団は去っていく…何というオチだ。怪しいんだったら調査しろよ。
 結局はいくつもの謎を残したまま話は終了。サイロンの総統とか、超人類とか、色々あるんだけどね。
 いつの間にかシーバとの仲が進展してるアポロ。22話で超人類が言っていたアポロの子孫ってのはシーバとの間の子になるのか?
<100ヤーレンほど誰も来てないという展望室が使えるのは「修理したから」だそうだ。誰も来てないのにどうやって修理を?
 シーバによれば、アポロはセリーナの死後、危険な任務ばかりしてるそうだが、とてもそうは見えなかったぞ。>