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快傑ズバット

快傑ズバット事典
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1977'2'2〜9'28

 探偵にして日本一の男、早川健は親友の青年科学者飛鳥を何者かによって眼前で殺され、復讐を誓う。宇宙開発を念頭に置いて飛鳥が開発を進めていた強化服と強化車を自らの手で完成させ、快傑ズバットとして飛鳥を殺した悪の組織を追い求める。

 邦画におけるいわゆる“無国籍映画”を意識した作りの作品で(他に時代劇の影響も強い)、相手が怪獣や怪人でなく、単に“自称日本一”強い人間という設定や、スーツを着込まなくても充分に強い主人公。更に一歩間違えば完全にギャグになる主人公の格好良さのバランスなど、間違いなくヒーロー作品に一石を投じた名作。本作を支えた脚本の長坂秀佳の功績もある。
 プロ野球の応援でよく流れるので、耳によく馴染む主題歌。高らかに笑い、ポーズを決めながら「ズバッと参上。ズバッと解決。人呼んでさすらいのヒーロー。解決ズバーット」という名台詞や「日本一」を名乗る用心棒を相手に「残念だが、日本で二番目だぜ。ヒュ〜。チッチッチ」とやるその格好良さ。とにかく熱い作品であり、今観ても全く色あせない魅力を持った作品である。特撮のヒーローとしては、おそらく最多出演の宮内洋の(現時点での)最高傑作であることは間違いなし。
 他のヒーローと違い、ズバットスーツは強化服なので、変身シーンは無し。どうやら白いギターから取り出した後、瞬きする間に着ているらしい…確かに普通の着替えになるから、変身シーンがあったらちょっと興醒めか?

主な登場人物
早川健
ズバット
(役)宮内洋…「仮面ライダーV3」のV3風見志郎。「ジャッカー電撃隊」の行動隊長ビッグワンこと番場壮吉。「秘密戦隊ゴレンジャー」の青レンジャーこと新命明などなど様々な役をこなしている。同年に公開された『惑星大戦争』(1977)では金星の敵基地に突っ込んで殺される役をやってるが、これは使い方を間違っていたような…
 職業は私立探偵。だがどうやらアームチェアディテクティブとは無縁らしく、どこか歩いていると事件と勝手にぶつかる。これはこれで特異体質かもしれない。何事においても日本一の腕前を誇り、その腕前を頼りにどんな場所にも格好良く登場する(歌唱力に関してはちょっと違うらしいが)。
 親友である天才青年科学者飛鳥五郎を何者かに殺害され、その復讐を誓って飛鳥の開発していた宇宙用強化服をズバットスーツとして完成。又同時にやはり飛鳥の開発していた特殊自動車をズバッカーとして開発し、それを武器に日本中を放浪し、飛鳥の仇を討たんとする。
 ズバットスーツの耐久力は5分で、それを過ぎると爆発してしまう(第11話でその威力が示される)。フェイスガードを解除することで爆発は免れるが、スーツは力を失い、鉛のように重くなる(その割りに1分も戦わないで時間切れになったり、10分くらい戦ってたりすることもあるが、それはそれ(笑))。通常は飛鳥の形見である白いギターの中に収納されている(よく音が出るもんだ)が、あれだけ軽々とギターを持ってるのに、鉛のように重いとはいかに?
 無国籍映画のヒーローを題材とするだけに、格好良い演出がなされていて、それが気障と取られる部分もあるが、気障結構!こういうひたすら“格好良さ”を追求したヒーローがあってよい。
飛鳥五郎 (役)岡崎二朗。東映の任侠もの映画ではよく登場していた。後に日活に移籍の後、フリーで現在も活躍中。
 早川の親友。第1話のみ登場だが、OPでは毎回登場し、常に宮内洋に「飛鳥〜」と絶叫される。ここまで人に思われるキャラクターは、ある意味幸せだと思う。
 科学者だが、一体何を開発していたのか、少々不明。宇宙服や万能自動車など、まるで兵器を作っていたようにも思えるが…。登場シーンで見られたように、早川とは良いライバル関係にあるらしい…とすると、彼はあらゆる事にかけて日本で二番目から三番目の男と言うことになるのだろうか?
 最終話で明らかになるが、ダッカーの首領の本当の姿を知ってしまったため、総統Dその人に射殺される。
飛鳥みどり (役)大城信子
 飛鳥五郎の妹。兄の死は早川に責任があるとしてなじるが、兄の形見の白いギターを早川に渡したり、こっそりと早川の後を追ったりと、ストーカーばりの行動力もあり。良く事件に巻き込まれる。後半は単なる見物人の一人になってしまうのが少々残念。
寺田オサム (役)中野宣之
 早川の腕前に惚れ、みどりと共に行動する少年。別段飛鳥とは何ら関係を持たないようだし、みどりと行動しているからには、学校にも行ってないように見えるし、様々なバイトもこなしてる。むしろ彼の存在が一番の謎なのかも知れない。
東条進吾 (役)斉藤真
 警視庁の敏腕刑事で、早川とは大学時代からの親友でもある。何故かダッカーの事件がある時は必ず現場にいて、日本全国を飛び回っているらしい…一体この人の管轄ってどうなってるんだろう?
 ズバットの正体を知る唯一の人物ながら、あれだけ悪人を殺している早川を逮捕することもなく、その正体を誰にも漏らしてないと、刑事とは思えない行動を取っているが(多分それが必要悪であることをよく知っているのだと、フォローを入れておこう)、正義感と仕事にかける情熱は人並み以上で、恋人をも顧みないほど。クールを装ってる割に熱血漢。
首領L (役)はやみ竜次
 毎回登場。各地に散らばる悪の組織の総元締めダッカーの首領であり、各地の組織のボスは必ず彼の前に出て、そのお言葉をいただく。どの悪の組織を見ても、毎回出てくる工作員は同じ服を着ているので、工作員を貸し出しているのも彼だろうと思われる。
 基本的に“怪人”(“怪しい人”という意味だったらたくさん出てくるけど)が出てこない本シリーズにおいて、唯一怪人らしいキャラクターでもあった。
ズバッカー (役)??
 キャラクターじゃないけど、この車の存在感は無茶苦茶に高い。ズバットを乗せてどこからともなく現れる正義の車で、どうやら多少の意志を持つらしく、早川が呼ぶとやってきたりする。
 元々飛鳥が宇宙用に作ってた自動車のはず(?)だが、車の後ろに大きな風車が付いていたりと、宇宙用にしては不自然な部品が多い気はする。

 

話数 タイトル コメント
第1話 さすらいは爆破のあとで

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 地獄竜率いる地獄組に襲われた幼稚園児たちを守った青年科学者の飛鳥五郎は、バス爆発に巻き込まれ、更に入院した先の病院で何者かによって殺害されてしまった。そこに居合わせた飛鳥の親友で私立探偵の早川健は、飛鳥が開発中の強化服と強化車を完成。ズバットスーツを着用し、快傑ズバットとなって真犯人を追い求める旅を開始する。
 敵は地獄竜。用心棒の早撃ちのランカーク。
 マカロニ風味満載で送る孤独なヒーロー。
 さすが第1話…主人公早川の親友飛鳥の死亡と、その復讐の過程が丹念に描かれている…のだが、全体的に笑える演出が多用されている。
 飛鳥が研究していた宇宙用スーツの開発が終わった後、いきなり崖に立って、ポーズを決めながら「これが、ズバットスーツ」と言うのは真面目な顔してる分、笑える。飛鳥の妹みどりに突き放され、泣きながらギターを爪弾く姿も、言っちゃなんだが、やっぱり笑える。
 ここでのズバット登場シーンでいつもの口上が登場。しかし、まだ誰も見てないはずなのに、「人呼んで、さすらいのヒーロー」ってのは、変じゃないか?
 更に5分の着用で爆発してしまうズバットスーツだが、「あと一分」と言った後で3分近く戦ってる…この大味さがこの作品の魅力なんだが。
<地獄組が幼稚園バスを襲う描写は、まさに昭和ヒーローの醍醐味なのだが、問題は、その理由が全く語られていなかったという点にある。確かに地獄竜は悪人には違いないが、明確に倒される理由がない。
 宮内洋はヒーロー性を体現したかのようなキャラだが、発音の変さも全開で、ここでは「ズバットスーツ!」と叫んでいるのに、聞こえるのは「ズバッスー」としか聞こえない。
 ここで凄いのは女性や子供に向かって地獄竜が先を割った竹棒でどつくシーン。SMかいな?今だったら児童虐待だと言われかねないぞ。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 炎の中の渡り鳥

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 とある町に流れ着いた早川は、町を牛耳るブラックハート団の嫌がらせを受けているレストランを救う。だが、彼の努力むなしくマスターを殺され、その首謀者を挙げるため、早川は敢えてブラックハート団に用心棒として潜り込むのだった。
 敵はブラックハート団のブラックスター。用心棒は風流之助
 1作目に引き続き、冒頭からマカロニを意識した作りで、内容もいかにもって感じ。身分を隠して敵方に付くってのは良いけど、見え見え。
 ここで用心棒として現れる風流之助はミスター特撮の異名を持つ天本英世。この人が枯れた良い演技を見せてくれる(この年代で既に「枯れた」と言ってしまえるのがなんだが(笑))。ハート形に相手の服を切り抜くと言ったお茶目な面も見せてくれる。
 ここでは名台詞の一つ「あまつさえ」が初登場。
<オープニングでいきなり早川、馬に乗って登場。なんかもう、はまりすぎっていうか、このケレン味こそが本作の最大特徴だと言うことを本当によく知っていて狙ったとしか思えない。
 寝返ったふりをして敵陣に乗り込むというのは、西部劇や時代劇などでは普通なのだが、問題はこれを30分でやると、見え見えというか…これも狙った?>
第3話 悲しき純金の天使

  監督:奥中惇夫
  脚本:長坂秀佳
 金バッチ連合に襲われていたしずかを助ける早川健。しずかは時価300億円という「純金の天使」を狙った金バッチ連合の悪事を暴こうとして殺された新聞記者の妹だったと、言い、早川に助けを求めるのだった。
 敵は金バッチ連合の金仮面。用心棒はナイフ投げの名人、殺し屋ジョー。
 今回はなんとヒロインが殺されるというショッキングな内容。しかし、実はそれは裏切りであり、その悪女ぶりもなかなか堂が入ってる。
 内容は結構ハードとは言え、用心棒の対決はやっぱり笑える。特にジョーの台詞「ミスター・ハヤカワのおっしゃるには、ミーのナイフ投げは2番目だと! それじゃあ日本一は誰なんだ? ハァ?」。これが又味だな。
第4話 涙の敵中突破

  監督:奥中惇夫
  脚本:長坂秀佳
 兄の敵を追い、早川とは別に旅を続けるみどりだったが、ある町で高熱を出し、そこで純朴な青年、誠に助けられる。だが、誠の人の良さを悪用し、博打に引きずり込むため鬼勘一家が迫る。
 敵は鬼勘一家の鬼の勘三。用心棒は拳法使いのワルツ・リー(ね、ネーミングが激笑)。
 これまで3話に渡り、濃い内容だった分、ちょっと月並みって感じの話。敵の目的が“割合”合法的。博打に誘って身上を巻き上げるなんて、現実の暴力団みたいな手口じゃないか。その辺が世界観と合わなかったのかも?
 今回の対決も殆ど手品。ワルツ・リーが石灯籠をまっぷたつにすれば、早川はバラバラに灯籠を吹っ飛ばし、逆さに着地させた上でまっぷたつにする。
 任侠スタイルで殴り込みを駆ける早川の姿が拝める。
第5話 花売り少女と白い粉

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 夜の街でマッチと花を売る少女ミチルに絡んでくる紅バラ連盟のチンピラ。それを救った早川だったが、ミチルは誘拐され、更に紅バラ団のボス、紅蜘蛛が善人であると信じ込ませられる。巧妙な罠にかかり、苦しめられる早川だったが…
 敵は紅バラ連盟の紅蜘蛛。用心棒はビリヤードとキュー使いのハスラー(まんまかい)。
 ハスラーと早川のビリヤード対決。ハスラーはクッションボールをジャンプさせ、2本のビール瓶の上に乗ったボールを両方とも落とす。一方早川は二つのボールを落としただけでなく、そのボールをちんぴらの顔にぶつけ、更に元通りビール瓶の上に乗せる。
 善人は利用されやすい。しかもこのミチルという女性、本当におとぎ話から抜け出したようなキャラクターだから、狙いはピッタリと言ったところだろう。
<ところでこの回は演出がもの凄いのでも有名な作品だが、特に凄いのは、ズバットが登場する時、鉄骨に絡めた鞭が完全にほどけるのが見えていながら、いつも通り登場させるという、かなりやっつけ仕事が見受けられる回であった。>
第6話 海にほえるマシンガン

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 港町の銀行をギャングが襲撃した。そこに居合わせた健によって素顔を暴かれたギャング達は首領Lの指令で目撃者の抹殺にとりかかる。海賊党首領のキッドと用心棒レッドボワによって瀕死の重傷を負わされた健にも、追っ手がかかるのだった。
 敵は海賊党の海賊キッド。用心棒はトマホーク投げのレッドボワ
 レッドボアの描写はまさに昔言われてたネイティヴ・アメリカンそのもの。今だったらやっぱりこれ放映できないぞ。「お前、○○の人。レッドボア、○○の人ぞ」…やべえなあ。それにしても敵が「海賊」と言ってる割には船が出てこないぞ。
第7話 悪い風だぜ港町

  監督:田中秀夫
  脚本:滝沢真理
 港町のホテルを脅迫し大金をせしめようとするマイナス団は、ホテル従業員の弟・ワタルを誘拐し身代金を要求。身代金の受渡しを引受けた健は、マイナス団のボス・不死身の道斉と用心棒グレートコングに捕らえられ、過酷な拷問を受ける。
 敵はマイナス団の不死身の道斉。用心棒は怪力のグレート・コング
 最初のグレート・コングとの対決は普通の戦いで、どっちが一番とか言う問題では無かった。更にトンファーを使う不死身の道斉の方が強いように思えるんだが…
<逆さづりにされて竹の棒(又かよ)にしばかれる主人公を見ていると、宮内洋の役者魂を見せられるようだ。> 
第8話 哀しみのプロパン爆破

  監督:奥中惇夫
  脚本:長坂秀佳
 ダッカーの幹部である「まむし平和会」のボス・ミッキー蛇山が市長選挙に立候補する。その悪事を知り、当選を阻もうとする市民団体の小屋がガス爆発で破壊されてしまった。早川健は彼らの復讐のために立ち上がる。
 敵はまむし平和会のミッキー蛇山。用心棒は仕込み杖居合いの地獄市
 冒頭でいきなりブルドーザーに乗って(しかも刃の上)、「るるるる〜」と歌ってる宮内洋には爆笑。なんでブル?誰が運転してるの?とは言っちゃいけないんだろうな(笑)
 用心棒の地獄市はしゃべり方まで勝新太郎に似せてるところも大笑い。更に早川に対し、「ギターを抱いた渡り鳥さんよ」とは…うわあ。勝新太郎対小林旭の対決かよ!あら?オチは北野版『座頭市』(2003)か?しかも「あと3分」と言っておきながら、その後でカー・チェイスまでやってるし。
 全般的に笑える要素満載…でも死人も出たり(しかも冒頭で正義のために働いてる人たち)、女性の目を潰す描写まであるのだが。そのギャップが魅力か。
<ズバットアタックが股間を相手に押しつけるの(笑)から、普通のキックに変わった。>
第9話 涙の河を振り返れ

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 中根博士が研究中に偶然作り出した毒薬を狙うTTT団のボス・鉄の爪は、罪もない子供たちを中根博士の眼前で次々と殺し脅迫する。殺人犯として捉えられそうになった中根博士の涙に、早川健は立つ!だが、彼の前には卑劣な罠が待っていたのだ!
 敵はTTT談の鉄の爪。用心棒は殺し屋釣り師十兵衛
 殺し屋で釣り対決ってなに?って感じで始まるが、どう考えても用心棒よりボスの鉄の爪の方が強そうじゃん(その割りに攻撃がセコいけど)。それで罠に落ちた早川健だが、マシンガンで撃たれまくってるんですけど…死んでるってよ。おい
 釣り師十兵衛は爆死か。すげえ演出。
<無力になった鉄の爪を徹底的にどつくズバットの姿も凄いぞ。殆ど弱いものいじめの世界だ…
 で、生身のままでマシンガンで撃たれた傷はどうなったの?>
第10話 野球の敵を場外へ飛ばせ

  監督:奥中惇夫
  脚本:長坂秀佳
 プロ野球のスターで子供のあこがれである石森選手の公開誕生パーティーをダッカー幹部の黒やもりが狙う。その野望を阻むため、早川健はテレビ公開会場へ向かうのだった。
 敵は黒ヤモリ。用心棒はペット吹きのトミー。ゲストに原作者である石森章太郎を迎える。
 日本一のホームラン王で名三塁手、「栄光のヒップハンズは永遠に不滅です」という言葉を残したと言う…明らかに長嶋を意識してるんだが、石森章太郎本人にこんなのをよくやらせるよ。
 石森章太郎自身は役者としては当然素人だから、まともな演技は出来ないんだが、これもサービスということで。
 元々宇宙開発用に作られた車がなんで大きな風車なんか付けてるの?とか(笑)
 そうそう。ここでいつも早川が爪弾いている「二人の地平線」が飛鳥の作曲であることが分かった。
 そう言えば、この回だけ、敵の組織の名前が無かったような?ダッカー本部が仕掛けた唯一の事件だったのか?
<今回はズバッカーが大活躍。しかし、普通に道を走ってるだけで絶対違和感を感じる。>
第11話 死ぬな友よ!危機一秒前

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 銃器密売を行うタイガー団を潰すため、自ら囮となってタイガー団に潜入する東条だったが、だが、タイガー団は逆に東条を罠に嵌め、ズバットをおびき寄せる。一方の早川健は5分しか活動の出来ないズバットスーツの改良を試みるのだが…
 敵はタイガー団のゴッドタイガー。用心棒の殺し屋ゴルファー、サタン
 常に後手に回り続けた警視庁の東条が主役…どーでもいいけど、ズバットが活躍するのはどう見ても田舎が多いんだけど、いつも警視庁が出張ってくるのはなんで?まるでインターポールの銭形警部(笑)。それにいくら悪人とはいえ、ズバットって随分人を殺してるし、その正体も知られてるんだけど…
 ズバットスーツを装着していられる時間が5分であることをダッカーに見破られた回でもある。
<ここでも早川は銃弾の嵐を身体に受けていながら、次の瞬間ケロッとしてる。ズバットスーツ作る時、肉体も改造したのだろうか?>
第12話 死刑執行10秒前

  監督:田中秀夫
  脚本:田口成光
 山奥の郵便局員である信治は、町民会館建設資金の保管任務中に警官を装った強盗に襲われ、命を落としてしまう。そして信治の許婚である山本夕子の父で郵便局長の良介は犯人として逮捕され死刑を宣告されてしまうのだった。警察署長が黒幕であることを突き止めた早川健だったが、逆に暗闇組の罠にはまり、留置所に入れられてしまう。
 敵は暗闇組。用心棒のブーメラン使い、ブーメランジャック
 ブーメランジャックとの対決で、早川の放ったブーメランはダッカーの戦闘員のズボンをズリ落とす…
 実は警察署長が黒幕ってのはドラマを複雑にするのに一役買ってる。
 しかし、なんで裁判もなしにこんな簡単に死刑が?しかも13階段?処刑人の格好も黒頭巾とは…笑える笑える
 ズバッカーに意志力が存在することを示した回でもあった。
<今回も用心棒対決は冴えに冴え、戦闘員のズボンをズリ落とすのだが、はっきり言って、男のパンツなんて見たくねえ!>
VOL.2
<A> <楽>
第13話 少年殺し屋のバラード

  監督:小西通雄
  脚本:長坂秀佳
 父親殺しの濡れ衣を着せられた少年・山浦京介を殺し屋としてスカウトしようと企むさそり組のボス・毒さそりは、彼の周りで次々と事件を起こし、それらを京介のせいにする。京介の純粋さを信じ、なんとか更正させようとするミエ子と、早川健。だが、毒さそりの罠は過激さを増していく…
 敵はさそり組の毒さそり。用心棒は尺八ボウガンの八郎太
 不良の京介をなんとか更正させようとする女学生ミエ子(セーラー服がまぶしい)に対し、早川健の台詞は「お礼は、君のその涙で良い」…探偵って事は、それで商売してるんじゃないのか?なんとキザな。でも、そのキザさが本作の品の魅力だ。
 ズバットスーツの寿命が5分であることはばれているので、それが指摘されるようになってきた。
<用心棒八郎太の必殺技は尺八ボウガン…単なるボウガンだろ?なんで尺八にする必要あるんだ?それに後半の戦いはボウガンじゃなくて空手で戦ってるようなんだが?>
第14話 白羽の矢 涙の別れ

  監督:小西通雄
  脚本:長坂秀佳
 山間の町で神の生け贄に娘を差し出すという奇習が行われようとしていた。だが、その裏にはヒヒ大権現の使いと称するヤクザ・赤耳一家の企みが隠されていた。白羽の矢を立てられた美しい娘・美登を守るため、健は赤耳一家に立ち向かう。
 敵はヒヒ大権現の使い赤耳。用心棒は殺し屋カーペンター陣十郎
 敵の名前は毎回ストレートなんだけど、ヒヒ大権現って、今回はちょっとやばいんじゃない?
 毎回前半の見所、殺し屋との対決は、なんと大工の腕を競うというもの…凄いぞこれは。しかも陣十郎が作ったのは拷問道具(笑)。変な凝り方だよな(しかもしっかり早川の攻撃で、自分がその威力を味わうことになる)。
 子供向きの作品で「娘をさらってどこかに売り飛ばす」とか、「美少女の密輸出」なんて台詞が出るのはちょっとやり過ぎっぽくて良いぞ。これを見た子供がお父さんあたりに意味を聞いたらどうするんだろう?
 「私のことは構わないからそいつらをやっつけて」と言う台詞は、常套文句なんだが、それを言う人間の容姿って重要だと言うことを改めて感じさせられたり(笑)
<白無垢姿の宮内洋が見られる貴重な作品でもある。しかも諸肌脱いで爆発の中を駆け抜ける…見たくねえって(笑)>
第15話 哀しき母の子守唄

  監督:小西通雄
  脚本:長坂秀佳
 街を荒らす狼党から老婆を救った早川健。行方の分からない一人娘を待ち続けるこの老婆は、町の人からほら吹き呼ばわりをされていた。健の前に現れた狼党の用心棒である曲ゴマ師駒大夫だったが、実は彼女こそ老婆の娘だったのだ!
 敵は狼党のウルフガイ。用心棒は曲ゴマ師の駒大夫
 かなり物語は重い。早川以外の手によって用心棒が殺されるというのも珍しい。
 その割りにはツッコミ所は満載。
<ここに登場する老婆は、お婆ちゃんとか言ってる割にはえらく若い。まあ、走らせたりする都合上、本物を使う訳にはいかないようで。
 狼党の格好ってSS?その旗がえらくちゃちくて、殆ど暴走族のコスプレにしか見えない。更に首領の名前がウルフガイって…>
第16話 殺しのぬれぎぬ 哀しみの健

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 ナチス連合会を内偵している刑事・松島を暴行から救った健。だが、犯罪の証拠を手に入れた松島は射殺されてしまい、駆けつけた健が犯人と疑われる。やがてニセの早川健が出没し悪事を働きはじめた!
 敵はナチス連合会のナチスジャガー。用心棒は大酒飲みのバーテン左京次
 シェイカーとダイスを用いた勝負なんだが、バーテンの腕試しって殺しと何の関係が?それにしても殆どこの対決って、手品合戦のようにしか見えない。
 誤解を受け、一般人から殴る蹴るの暴行を加えられる早川。こういうシチュエーションが好きだ。
 早川健の偽物登場。偽物って言うからどんな顔かと思ったら、本当にそっくり(二役だから)。ここまで本物に近い「偽物」を出したのは特撮史上でも初じゃないか?ズバットスーツまで着こなしてる。
 偽者と左京次の連続攻撃を受けて絶体絶命の危機に陥る早川の姿で今回は終了。初めての前後編で、内容的にも盛り上げ方も一級品。
第17話 嘆きの妹 ふたりの健

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 無差別殺人を繰り返すニセ早川。一方、ナチス連合会の手を逃れた健はニセ早川と対決。果たしてニセモノの正体は誰なのか?意外な人物の姿が浮かび上がる。
 早川はトレードマークのギターを失い、口笛を吹いて登場する。
 「しおりさん自身が嫌がってるんだ」…「それでも俺は守るんだ!」なんて格好良い台詞なんだ。宮内洋の男ぶりには感動ものだ。
 今回二回目の左京次との対決。前回がダイス勝負だったが、今回はナイフとフォーク…確かにバーテンらしい対決方法なんだけど。ものがものだけに、やっぱり笑える。
 ここで偽早川の正体が暴かれるが、これは二重のばらしになっているのが特徴。兄が妹を殺そうとすると言う設定もハードだ。
 みどりに真相を知らさず、「お兄さんはナチスジャガーと戦った、実に立派な町長でした」そう言って去っていく早川の姿は感涙もの…この作品に関しては、これをクサいと言っちゃいけない!
第18話 危うし!シャボン玉の恋

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 草の実学園の園長アンヌの遺産を狙う黒ひげ党は、園内の花壇に毒ガス噴出装置を仕掛ける。アンヌに想いを寄せる青年である白野が疑われるのだが、犯人は実はアンヌが心惹かれた紳士・栗須こと黒ひげ党のボス・黒ひげだった。
 敵は黒ひげ党の黒ひげ。用心棒はアメリカン・フットボールの名手死に神サミー
 爆弾入りのボール(?)で岩を破壊する荒技を使うが早川は砂地にボールをめり込ませ、離れた場所のサミーに直撃…
 アンヌが好きで、栗須の悪事を暴こうと四苦八苦する青年白野の空回りぶりがほほえましい。
 毒ガスを持って走る早川。彼は、不死身だ『バットマン』(1966)で同じ演出があったため、なんかとても微笑ましかった。
<用心棒の名前はサミーだが、髪の毛を金色に染めただけの明らかに日本人。
 ところで、ズバットスーツは宇宙用のはずだが、あんな簡単に毒ガスを通して良いんだろうか?>
第19話 悲恋 破られたラブレター

  監督:広田茂穂
  脚本:長坂秀佳
 テニスクラブの新也に憧れる少女いぶきは、偶然新也の父の石上社長がデビル団に殺害される現場を目撃してしまう。デビル団の企みによって警察に犯人と間違えられて追われるいぶき。真相を知る早川健は彼女をかばおうとするのだが、新也にまで犯人扱いされてしまういぶきに…
 敵はデビル団のセントデビル。用心棒は鎖鎌師レッドフォード
 いきなり真夜中の野球場にぱっと光が灯ったと思ったら、ギターを弾きつつ現れる早川健。演出が笑えるが、相変わらず格好良い。
 今回も機関銃で蜂の巣にされる早川…よく生きてるよな。
 レッドフォードとの二度目の対決では、先に早川の使った技を駆使してズバットを苦しめることになる。
 「2月2日、飛鳥五郎という男を殺したのは貴様だな」。この台詞は痺れるよな…でも、敵もよくその日何をしていたか覚えてるもんだ。毎度だが、敵が嘘ついてたらどうするんだろ?
 妙に女の子に優しい早川の姿も良いよ。それで少女も成長する。なかなか演出も良いぞ。
<夜中に健が殺し屋レッドフォードと出会った次の瞬間、昼になってる。>
第20話 女ドラゴン涙の誓い

  監督:広田茂穂
  脚本:長坂秀佳
 かつて弟を殺した十文字青兵衛を倒すため用心棒のレッドドラゴンになりすます女刑事令香。彼女と対峙した早川健は、彼女の思いを知り、彼女に協力しようとするが、
 敵は青十字軍の十文字青兵衛。用心棒は八卦掌の名手レッドドラゴン
 冒頭のダッカー戦闘員との戦いの際、奪った銃を戦闘員に突きつけるのだが、銃の弾がない。「格好悪いなこりゃ」と言う早川健の姿は実は一番格好良かったりする。
 意外なところで登場する用心棒レッドドラゴン。八卦掌というのは中国拳法の一派だが、この名前が有名になったのは90年代になってから。先見の明があったね。
 ここで初めて早川が負けた!と思わされたんだけど…おお。こんな演出が!
 改めて中国拳法の勝負は狛犬の目玉を落としたりくっつけたり。やっぱり手品やん。更に後半の女同士の戦いも見所充分。アクション風味に溢れた作品に仕上がった。敵の青兵衛もどこかカマっぽいしゃべり方が上手くはまってる。挿入歌もオープニングソングのフル・バージョンが流れるし、演出が素晴らしい。シリーズ中でもかなり完成度が高い作品だ。
第21話 さらば 瞼の母

  監督:広田茂穂
  脚本:長坂秀佳
 夜桜組に拉致されようとする婦人を救った早川健は、その顔を見てはっとする。彼女こそ22年前に生き別れとなった実の母千代だったのだ。翌日大喜びで千代に会いに行く健だったが、財界の大物と再婚して娘もいる千代は、健を突き放す。そんな母の姿に涙する健だったが…
 敵は夜桜組の夜叉丸。用心棒は皿と包丁投げの伊魔平
 早川の母が登場する回。しかし、なんと切ない…
 珍しい早川のはしゃぎっぷりと、感情を押し殺して突き放す母親の千代。なんともウェットな。「俺の母さんは日本一、いや世界一優しいんだ」と泣きながら走る早川の姿はぐっとくるなあ。
 皿と包丁投げって…そんなの競ってどうすんねん。と言うツッコミはなし。フリスビーのように皿を投げ、今平が積み上げた皿を手元に返すという、無茶苦茶な技を使う。二度目の対決で包丁を投げつつ、それが返されてふんどし一丁の姿に剥かれてしまうのがなんとも。
 今回はメインが早川本人のお話なので、アクション部分はかなり抑えめ。それはそれで成功だと思う。
第22話 少年ボクサー涙の父

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 世界チャンピオンのカネアスとのタイトルマッチを控えたボクサーの矢川元だったが、飲んだくれの親父の丈二がいつもジムに顔を出すのが鬱陶しくてたまらない。そのカネアスを用心棒とし、巨額な賭をしているZ団は丈二に時限爆弾付きの殺人ベルトをはめさせ、元に負けさせるようし向けるのだった。実は父がボクサーであり、しかも元が原因で世界チャンピオンになれず、ボクシング界からも追放されたという事実を早川から知らされた元だったが…
 敵はZ団のミスター・Z。用心棒はボクサーのカネアス
 勝負は拳銃の弾をグローブで落とすと言うものだが、早川はそれをキャッチする。まあ、ひねりはなかったな。ズバットになってしまってからの用心棒の戦いもなし…ボクシングの世界チャンピオンという設定はちょっと無理が。
 あと30秒で爆発する地獄ベルトに対し、「ズバットの鞭に出来ぬことはない!」と宣言し、あっという間に外してしまうのが見所か?
 概ねベタな作りだけど、むしろこういったベタな作品が映えるのが本作なのかな?
 世界チャンピオンに対し、「日本で二番目」と言える早川が凄い。と、言うことは少なくともライト級においては世界一のボクサーと言うことになる。
<ところでこの少年の矢川元ってのは、やっぱり狙ってる?>
第23話 大神家一族の三姉妹と天一坊

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 50億の遺産を巡り、大神家の三人姉妹がの涙と欲望。遺産を狙う紅狐党も絡み、次々と怪事件が発生する。そんな時、行方不明のはずの相続人・天一と称する謎の包帯男が現れる。だが、包帯男の正体は紅狐党のボス・紅フォックスの用心棒・ダンディハリーだった。
 敵は紅狐党の紅フォックス。用心棒の地獄の手品師ダンディ・ハリー
 前回がベタでまともなストーリーだったのだが、今回はぶっ飛びまくり。おい!これモロ『犬神家の一族』(1976)だろうが。スケキヨまで出てくるし、物語自体もパクリだ。早川を完全に食ってしまってたよ。しかし、あんな惨殺死体の演出は必要だったか?面白いけどさ。偽物のスケキヨ天一、ハリーが実は…と言うストーリー展開も面白い。悪の組織の仲違いで、しかも妹をかばって殺されるなんて演出もなかなか泣かせる展開だぞ。
 ダンディ・ハリー(おい!)との手品合戦。ハリーが炎を出す手品を見せると、早川が爆発を起こす。二度目の戦いは手品って言うより、単純に手榴弾やマシンガンで戦ってるのは演出不足か?
 この作品は『犬神家の一族』(1976)をベースに、『ダーティハリー』(1971)を絡め、更にオチは『アダムス・ファミリー』(1991)と言う、実に映画っぽい作品?
 紅フォックスが2月2日やってたことは「シシリー島でスパゲッティを食べていた」のだそうだが、よくそんなどうでも良いこと覚えてるな。
VOL.3
<A> <楽>
第24話 涙の健見知らぬ街の恋人

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 山中で美しい女性、白鷺れい子を救った早川健は彼女に恋心を抱く。実は彼女こそ、東条の婚約者だったのだ。
 敵は天山会のドン天山。用心棒は筮竹使いのウリ・ケラー(当時超能力って流行ってたからなあ)。
 早川健の恋が描かれる回。東条の婚約者への恋心に揺れる早川の心情が切ない。東条のうろたえぶりも珍しい描写だ。ラストは当然二人を祝福して颯爽と去っていく。格好良いな。
 オープニング、川でギターを爪弾く早川の暗殺騒ぎが起こる。それでれい子を救ってやれなかったことを悔やむ。全てを自分に負って生きる健の生き方を「自意識過剰」と言ってはいけないだろうな。
 用心棒の武器が筮竹って…そりゃ武器じゃないだろ?しかも名前がウリ・ケラーって…まあ、確かに超能力みたいな技を使うってなら、その通りだけどね。一旦負けたウリ・ケラーがリベンジで早川に挑むが、その際、筮竹に爆弾を仕込んできた…どうやってじゃ?
 久々に宮内洋の歌が聴ける…が、残念ながら相変わらず歌はあんまり上手くない(笑)。
<今回も女性に対する拷問の描写があり、「目に(筮竹を)刺せ」とか、とんでもない台詞が出てくる。現代ではこれNGだよね。>
第25話 荒神山 涙の別れ

  監督:広田茂穂
  脚本:長坂秀佳
 山奥で宇宙開発用の強力な爆薬「ウルトラマイト」を完成させる成年化学者の吉良崎。だが、そのウルトラマイトを決起党の鬼大尉が狙っていたのだ。誘拐した吉良崎が口を割らないため、決起党の魔の手は吉良崎の婚約者、希久子に迫っていた!
 敵は決起党の鬼大尉。用心棒は二刀流フェンシングのダルタニアン
 まるでニトログリセリンのようなウルトラマイト。最初にそれを河原にばらまく吉良崎の描写。化学者というのはなんと恐ろしいことを平気でやってしまうんだ。
 巻き毛の鬘をかぶり(違う?)、貴族のような話し方をするダルタニアン。コテコテの日本人顔なのがちょっと残念(笑)
 恋人の身を守るため、わざと「君なんか好きじゃない」と言って彼女の頬を張る吉良崎。こいつも漢や。さもなければ「一緒に死のう」とまで言うという。なんと激しい二人の愛情か。よくテレビ特撮でここまで描く!凄いぞ。
 ここでも拷問描写があるけど、刺叉とはなんとマニアックな。
 ズバットとダルタニアンの戦いはすさまじい。フェンシングの剣でダルタニアンの目を潰した上に、ウルトラマイトの地雷原に放り出して爆死!
 色々な意味で、挑戦的な作品だった。
<今回の早川のギターにはエコーがかかってる。誰か同じ曲を弾いてる奴がいるのか?
 何の説明もなくこんな山の中にまで登場する早川の事件の嗅覚は驚くばかり。>
第26話 許せ我が子よ!

  監督:広田茂穂
  脚本:長坂秀佳
 正義感の強い町医者、小山内は悪の手から町を守っていたが、それを煙たく思ったブラック連合は、小山内の息子のきよしの愛犬カクに強力な毒性を持つ狂犬病ウィルスを注射する。カクに噛まれたきよしにも発病の可能性があった。小山内は苦渋の選択を強いられる。
 敵はブラック連合のムッシュ神。用心棒はメス使いの名人ドクウッティ
 冒頭で子供をどつくシーンが出たり動物虐待のシーンがあったりして、現代ではとても作れないような演出が冴える。
 ドクウッディの必殺技はメス投げ。子供の着ているストライプの服、その白の部分だけを切り取って木に縫いつける。それに対し、早川はたった一本のメスで縫いつけた服を再び子供に着せる。
 少年が、兄弟のように育った犬を殺さねばならないとか、狂犬病にかかったかも知れない自分も死ぬしかないと決心する、人間の決断というものを真っ正面から捉えた、重すぎる作品だった
 そこに早川が絡むことで、話が展開していく。これが本作の醍醐味なんだろう。
<「俺はその時ドイツにいた」と主張するムッシュ神に対し、「本当のことを言え!」と言いつつ、返事も聞かないままズバットアタックを決める無茶苦茶ぶりとか、最後まで狂犬病がどうなったのか解明されなかったりとか、ややツメが甘いのが残念。>
第27話 意外!飛鳥殺しの犯人?!

  監督:広田茂穂
  脚本:長坂秀佳
 飛鳥殺しの犯人を追い、ある町にやってきた早川健は、オロチ党から次々に殺し屋が送られ、眠ることも出来ない。そんな早川の前に綾子という女性が現れる。元報道カメラマンという綾子は飛鳥の殺された現場をフィルムに収めたという。しかし、そのフィルムには意外な人物の姿が…
 敵はオロチ党用心棒は弓の名手である風の右近と雷の左近
 飲まず食わず寝ることも出来ぬまま戦い続ける早川。その凄惨な姿を映し出す冒頭。
 最初の風の右近との戦いで「儂より上手い日本一がいるというのか?」という台詞が出てくるんだけど、なんだか変な日本語。彼の技は女性の頭に乗せたリンゴを何本もの矢で射抜くと言うもの。それに対し早川はギターの弦を使って矢を飛ばし、なんと女性の背後からリンゴを打ち抜く…出来ねえ!飛んできた矢を箸でつまむとか、面白い演出が映える。
 それに何より。私が一番好きなシーンは味噌汁をかっ込むシーンだな。ああ言った犬食いは一番すきなんだよな。
 ラスト近くの右近左近の連係プレイは目を見張る。任侠ものの世界だよ。
 最後まで謎のままだった左近とは実は…と言う演出がなされるのもおもしろい。
 …が、ツメが甘いなあ。ダッカーは早川=ズバットだと未だに気付いていないのだから、早川を殺したと思って安心する訳がないのに。
第28話 そして、誰も居なくなる

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 吉村教授率いる五人の海底地質調査団は海底ウラン鉱を発見。だが、すぐに邪悪党に狙われてしまうことになる。この中に邪悪党に情報を流した奴がいると疑心暗鬼に陥る仲間達。
 敵は邪悪党の悪天坊。用心棒は手裏剣使いのブラックローズ
 ブラックローズの手裏剣の技はあんまり冴えてないけど、早川の技はブラックローズの胸に手裏剣を張り付かせるという、ほとんど芸当の域。ブラックローズの口調まで真似てやがる。
 タイトルから分かるとおり、ストーリーは推理ものなのだが、クリスティより横溝正史に近いような…それも面白いか。
 ちょっとだけ伴直弥が登場してるのも嬉しい。
 ズバッカーがいつものバンクではなく、ちゃんと海岸を走ってるじゃないか!
<邪悪党の悪天坊は「2月2日」に「インドで修行」してたそうだ。これが東宝だったらレインボーマンになるんだが(笑)>
第29話 父母なき子 涙の復讐

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 2年前に幼い我が子タケルから引き離されて赤永会に捕らえられていた湯川技師と妻のレナは秘密書類を手に組織から脱走を図るが、逃走中の傷がもとで命を落としてしまう。死の直前出会ったタケルに預けた秘密書類を巡り、赤永会の魔の手が迫る!
 敵は赤永会の闇の黒兵衛。用心棒はテニスの天才陣太郎
 いつもの「ただし、その腕前は日本じゃあ二番目だ」という早川の台詞に対し、陣太郎の台詞「馬鹿も日曜祭日に休み休み言いたまえ」…不覚にも爆笑してしまった。
 テニスの腕前合戦では、陣太郎が積み上げたビール瓶にボールを撃ち込み、瓶をまっぷたつにした上に重ねると言う技だが、早川はそのビール瓶を一旦空中に飛ばした上でボールの上に重ねるという技を使う。
 ズバットに対し陣太郎は今度は爆弾ボールを用いるのだが、見事に打ち返されて、あえなく爆死…いいのかな?
 いつものタイトル曲は今回2番まで。
第30話 悲しき生と死の間に

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 グレン団の実験場となった町は細菌兵器BRGペストに冒されていた。孤軍奮闘する乙部医師は娘の美樹に東京からワクチンを運ばせようとするのだが、車で町に向かう美樹の前にグレン団ボス、キングボーが立ちふさがる。
 敵はグレン団のキングボー。用心棒は槍の名人ガラバー。白の長袖シャツに見事にふくらんだ腰ミノ姿という特徴ありまくりのボス、キングボーのしゃべり方が一体どこの訛りか?と言うくらいに特徴あり。「おっじょおさぁん、私たちはグレェンだぁんと申しましてねえ。そのワァクチィンが欲しいんでしてねえ」更に早川のギターに合わせ、手に持った傘を爪弾く。ズバットと出会った時にはズバットの決めポーズの真似までしてくれる。町に伝染病を流行らすと言う極悪非道なことしながら、やってるのが笑いを取っていて、そのミスマッチが魅力的(?)。これも演じる大泉滉の人徳(?)だろう。
 ガラバーは「槍の名手」と言ってる割に、槍の穂先を飛ばして攻撃…どこが槍だ?早川はその穂先を奪い取ってガソリンの入ったドラム缶を射抜き、その後ライターで火を付ける…あんまり派手じゃないな。それでも二度早川と対決してる。二度目は槍の穂先に爆弾をつけて…やっぱりどこが槍の名人だ?
 乙部医師の娘、美樹は志半ばで死亡。かなり重い物語だが、キングボーの存在が良い息抜きになってる。
第31話 対決!真犯人首領L

  監督:広田茂穂
  脚本:長坂秀佳
 新繊維シルベールを完成させた飛鳥五郎の恋人・水奈川理沙を狙う悪の組織・ダッカー。東条の親友で国際秘密捜査官・神竜伸介が健に協力を誓った。首領Lとの対決を征したズバット。だがズバットスーツの限界を超えた健の前に強敵・ダッカーの最高幹部三兄弟が現れた!
 敵はダッカーの首領L。用心棒はマシンガンの名手竜山丸。そして竜海丸、竜天丸。ダッカー三兄弟
 ズバットスーツの10倍の耐久力を持つ新繊維シルベール。これがあればズバットスーツもパワーアップできるというのだが、結局それは早川に渡ることはなかった。
 竜山丸はマシンガンで石を人形に撃ち抜くが、早川はそれをマシンガンで復元してしまう。これもさほど派手とは言えない。
 途中早川を助ける謎の老人が登場。えらく若々しい老人だと思ったら、神竜という若い男でオチがついた。
 ところで、ダッカーの本部がここで登場するのだが、ダッカーの旗をこれみよがえしに表にはためかせてるのは何としたことか?今まで分からなかったのが不思議。
 最早隠す必要が無くなったか、ダッカー本部でスーツに着替える早川。そこで初めて首領Lは早川がズバットであることを知る…ってか、今まで気が付いてなかったのか?
<里沙はどうやってズバットの存在を知り、しかもズバットが恋人の仇を取ってくれる存在であるのかを何故知ったのかは謎
 ズバットスーツの限界を見極めて攻撃をかける首領L。だが、ズバットアタック一発であっという間に倒されてしまったり。ちょっと情けない。
 5分を過ぎたズバットスーツ。しかし爆発はせず、単に鉛のように重くなるだけ。設定が変わってるぞ。>
第32話 さらば斗いの日々、そして

  監督:広田茂穂
  脚本:長坂秀佳
 ズバットスーツの限界にダッカー三兄弟のマシンガンを喰らい、更に崖から転落する早川。一方、シルベールの秘密を守るため、東条、神竜はその設計図を隠そうとするのだが、あえなく神竜は撃ち殺され、奇蹟の生還を果たした早川も三兄弟の手により、再び崖から突き落とされてしまう。しかも生き残った東条の前に現れた三兄弟は、なんとシルベールスーツを身にまとっていた。
 敵は総統Dとダッカー三兄弟
 ボロボロの体になりながらも、ダッカー三兄弟に対し、いつもの「ひゅ〜、ちっちっち」をかましてくれる早川の姿は涙なしでは見られない。本当に格好良い漢の姿がここにある!
 三兄弟の持つステッキ状の武器はマシンガンになったり、仕込み刀だったり、爆弾を発射したりとなかなか使い勝手が良い。
 最後の総統D(これは英語読みで「ディー」と言ってはいけない。「総統」の後に半拍おいて、大きな声で「デー」と言うべき)との戦いは崖の上。観てるだけで危険なアクションだ。総統Dも必殺技ダッカーキック(ネーミングは今ひとつ)を持ち、ズバットスーツをボロボロにしてしまうほど。
 ラストシーンは飛鳥の仇を討った早川が「悪の大組織ダッカー全滅!」というメッセージを残して一人、去っていく。このラストも良い。
ダッカー三兄弟に対し、「日本じゃあ二番目」という言葉はおかしいんじゃないのか?
 変身した姿を見てない東条が「ズバットスーツはあと45秒しか保たない」とか言ってるのは何故だ?

 とにかく無茶な設定で楽しませてくれる本作だが、早川を格好良くするためには色々設定上の問題も出てきたりする。くだらない話になるが、いくつかそれら問題点を挙げ、私なりに解釈してみよう。

 1.早川はあらゆる事において”日本一”なのか。

  これは色々指摘もあるとおり、決してそうではない。
  例えば第一話でズバットスーツを作る時、「飛鳥、俺はお前ほど頭が良くない」と言っていた以上、頭の良さに関してはいくら頑張っても“日本で二番目”にしかならない。
  そもそも、ダッカーのマークを付けていつも現れる工作員を毎回見ていて、悪の組織の元締めのことが分からない時点で既に…
  更に言えば、歌唱力に関しては…まあ、いくつも日本一でないものはあるってことだ。

 2.何故早川の姿であれだけ強いのに、5分しか活動できない単なる強化服のズバットスーツを着なければならないのか。

   これは難しい問題だ。何せ機関銃で蜂の巣になっても一瞬の後、ケロッと現れる早川のこと。爆発の危険を伴うズバットスーツを着なければならない義務など無いはず。
   それでいくつかの回答を考えてみた。
   一つ目。ズバットスーツは親友飛鳥の遺品であるため、その弔い合戦のつもりで。ズバットスーツを着て真犯人を倒すことを自分に義務づけた。
   二つ目。敵が複数いると、どこからか流れ弾に当たらないとも限らないので、用心のため。
   三つ目。ズバットと早川は別の存在であることを隠したかったから。何人もの用心棒を殺してきただけに、問いつめられた時、
    「俺とズバットは別人物だ」と主張するためだとも考えられる。ズバットが自分であることを知っている唯一の人物、
    東条は絶対かばってくれることを見越してのことに違いない。
   四つ目。「あれは強化服なんかじゃない。早川の強すぎるパワーを押さえ込むための拘束具なのよ!」…すまん。
   五つ目。そもそもあれを着ないとタイトルが「快傑ズバット」ではなく、「さすらいのヒーロー!早川健一人旅」というタイトルになってしまうから。

 3.早川は何をやって生活しているのか。
   これは第1話で少しだけ語られるが、早川の職業は私立探偵。事務所を持たずに風来坊のようにぶらついてる内に事件にぶつかるので、それを解決しているのだろう。
  ただし、劇中どこを見ても、人様から金を受け取っているようには見えない(第21話では差し出された金を突っ返してもいる)。
  それに登場シーンは森とかが多いので、野宿をして過ごしてるとも考えられる。男の格好良さとは、やせ我慢から始まる。それを地でやってくれているのかもしれない。

 4.何故ダッカーは早川がズバットであることを最後まで知らなかったのか。
   これも答えるのがちょっと難しい問題。だって敵のボスを倒した後、早川は素顔を見せてるわけだし、いくら捕まったとは言っても、彼らから情報が漏れないのがおかしい。
   そうすると、ズバットに倒された組織のボス達は皆あっという間に死刑にされてるのか、あるいは凶悪犯人だから、完全に面会が禁止されてるからか。
   一つの解釈として、ズバットアタックはあまりにも威力が大きいため、ボス達は廃人にされてしまうため。
   あるいは前半のズバットアタックは股間を押しつけるタイプだった。その臭さも“日本一”だったから、脳細胞が破壊されているというパターンも…だと後半は足の臭さか?