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ジャッカー電撃隊

ジャッカー電撃隊事典
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1977'4'2〜12'24 

 「秘密戦隊ゴレンジャー」に続くグループヒーロー作品。
 全世界を股にかけ暗躍する国際犯罪組織・クライム。アイアンクロー率いるロボット部隊から日本を守るため、国際科学特捜隊日本支部長官の鯨井(田中浩)は最強のサイボーグ部隊の編成を開始、自ら隊長ジョーカーを名乗り、スペードエースの桜井五郎、ダイアジャックの東竜(伊藤平山)、ハートクイーンのカレン水木(ミッチー=ラブ)、クローバーキングの大地文太(風戸祐介)という4人の若者からなるメンバーを選出した。彼らはそれぞれ核・電気・重力・磁力のパワーを操る戦士に変身、ジャッカー電撃隊としてクライムの野望を打ち砕いていく。
 必殺技はジャッカーハリケーン(四人が手を組んでぐるぐる回るだけの技)、電撃キック(単なるキック)、ジャッカーコバック(四人が怪人を取り囲んで、ぐるぐる回ってたらいつの間にか敵が爆発してくれる。押しくらまんじゅうに見える)。この辺はひどく地味だが、後半になってビッグワンによるビッグ・ボンバーが出てからは派手さが極端に増す。
 本作の最大の特徴は前半と後半で雰囲気ががらっと変わるという点にある。前半部分のストーリーはかなり硬質。敵組織クライムの目的は兵器の開発と騒擾を引き起こすことで、その主な目的は新型兵器を売りまくることにあった。結局は金儲け(なんとこれは江戸時代からの悪の組織の伝統芸ではないか!)、それに対し、ジャッカー電撃隊は地道な捜査を行って、証拠固めをしてから戦う。と言うことをしていたので、その分没個性になってしまった(カレン水木はハーフなので言葉も片言。それなのに個性が低い)、リアル指向で地味なのが前半の特徴だった。又、登場人物がそれぞれプロフェッショナルなので、個性を出せずじまいだったのも問題で、時折クローバーキングがギャグメーカー的な言動をする程度。
 結局この地味さが視聴率の低迷を呼んでしまい、てこ入れが必要となった。
 それがジョーカーに代わって登場する宮内洋演じるビッグワンの存在感で、彼の登場により、それまでのリアル指向を捨て、キャラクターを立たせる事に成功してる。これはおちゃらけとも言えるため、評価が分かれるところだ。前半部分相変わらず四人が地道な捜査をやって、敵を発見!しかも四人ではとうてい敵わない。そこに「ビーッグボンバー」のかけ声と共に颯爽と登場するビッグワン。その後の展開は全部彼に持って行かれてしまう。前半部分であれだけ苦労した四人の努力があっという間に無駄になるのも虚しいというか…
 それと本作を特徴づけるものとして、戦闘シーンの多彩さはあげておこう。他の作品と較べてもはるかに戦闘員との戦いのシーンが長いのだ。それぞれの必殺技を用いてメリハリを付けたのは、前半も後半もかなり面白いのだが、所詮戦闘員相手だと弱いものいじめになってしまうため、後に残る印象が薄い。
 前作ゴレンジャーの影響が強すぎたのも問題かも?概ねで言えば、決して成功した作品とは言えないが(決して私は嫌いじゃないし)、ここで蓄積されたノウハウが後の戦隊もののフォーマットを作っていったのだろう。

主な登場人物
スペードエース
桜井五郎
(役)丹波義隆。丹波哲郎の息子。いくつもの映画でバイプレイヤーとして活躍。
 核エネルギーを操り、四人の中では最もパワーはあるはずだが、原子力なんて物騒なものをどうやったら武器に出来るのかスタッフも考えあぐねたからか、技は大変地味になってしまった。 
 元近代5種競技の金メダリストで、その抜群の運動神経を買われて、国際科学特捜隊にスカウトされる。一旦サイボーグ化に対して断るが、最後は正義のために進んで改造を受ける。熱い心を持つ正義漢だが、意外に冷静な面も持ち、あらゆる危機に対処する。
 武器は鞭と弓どちらにも使えるスペードアーツ。必殺技はそれを用いたアトム撃ち。ただの鞭ではなく、何らかの作用で核を用いているのだと思うけど、別段爆発を起こしてるようでもないし、放射能をまき散らしてるようにも見えない。
 戦いの中の台詞は「ジャンプ一閃赤い風。唸って踊る核の鞭」(前半)、「真っ赤に燃える正義の血潮。悪を切り裂くアトム撃ち」(後半)
ダイヤジャック
東竜
(役)伊藤平山。出演作は本作のみ。
 元ジュニアウェルター級のボクサー。ある事件で殺人の汚名を着せられるが、鯨井長官に晴らしてもらい、サイボーグ手術に合意する。冷静なように見えて行動派。休日には少年野球のコーチもやっている。趣味はジャズミュージックを聴くこと。
 電気を操ることが出来る。車のバッテリーが切れたからと言って自分の身体にコードを直結して車動かしたりする。
 武器はダイヤソード。電気を用いた多彩な技を用いる。
 戦いの中の台詞は「スピード一番青い星。ギラリギラギラ電気剣」(前半)、「怒りのエレキで鍔鳴りさせて、守ってみせるぜ青い地球」(後半)
ハートクイーン
カレン水木
(役)ミッチー・ラブ。志保美悦子主演の「女必殺拳」シリーズなどに登場。
 クライムの麻薬ルートを追う女刑事だったが罠にはまり右手を失う。その際桜井五郎に助けられ一命を取り留め、自ら進んでサイボーグとなった。空手の達人であり、武道を通じての友人・知人も多い。
 動力源は磁力。ライフルの弾丸の威力を軽減したり、弾道をそらしたりと言った技を使うがやや地味な技。
 武器はハートキュート。これを掲げることによって発動する磁力パワーは相手の動きを自在に操ることが出来る。これを食らったクライム戦闘員は土下座して逃げ出していく。
 戦いの中の台詞は「ひらり一転桃の花。咲かせて散らす磁力盾」(前半)、「娘18涙を捨てて戦場(いくさば)に立つ桃の花。(ここに「可愛いわよ」と付くことがある)」(後半)
クローバーキング
大地文太
(役)風戸佑介。いくつかの映画でバイ・プレイヤーとして活躍した。
 海洋学者で、海底捜査中に事故死するが、鯨井長官の手により蘇生手術を受け、メンバーとなる。幼い妹を亡くしている過去を持つ。
 ジャッカーの中ではコメディリリーフ的な位置づけで、ドジっぷりを見せながら、それでも締める時は締める。
 動力源は重力。こんなもんどうやって動力にするのか、謎ではあるが、これがもし実現したら世界のエネルギー政策は全く変わるだろう。
 武器は左手をハンマーに変えるクラブメガトン。敵を殴りつけるだけでなく、地面に叩きつけて小さな地震を起こして攻撃することもある。他のメンバーのことを考えてないんじゃないか?
 戦いの中の台詞は 「パンチ一撃緑の火。目から火の出る重力パンチ」(前半)、「凄いパンチが唸りをあげりゃみどりの風が渦を巻く」(後半)
ジョーカー
鯨井大助
(役)田中浩。時代劇現代劇を問わず、映画ではよく登場していた。
 国際科学特捜隊日本支部長官でジャッカー電撃隊の隊長。自らの顔で4人の若者をスカウトし、サイボーグ手術を施す。
 生身の人間なのでさして武器があるわけではないが、21話では身を張ってジャッカーを助ける。
 22話で、ニューヨークにある科学技術庁長官に任命され、アメリカ本部へ栄転する。
ビッグワン
番場壮吉
(役)宮内洋。特撮界では有名人。代表作は丁度本作の直前(あるいはかぶってるか?)まで放映していた「快傑ズバット」。それ以外にも「秘密戦隊ゴレンジャー」の青レンジャー、「仮面ライダーV3」の風見志郎など。東映特撮を語る上には欠かせない人物。
 23話より登場。アメリカ本部に転属された鯨井の後任として着任する、ジャッカー電撃隊の行動隊長。変装の名人で、しばしば妙な格好で登場して敵の目をあざむく。強化カプセルなしでチェンジでき、4人の動力源を体内に持つ優秀なサイボーグ。空を飛べる事から「白い鳥人」と呼ばれる(一説には彼だけはサイボーグではなく、人間が変身しているとも言われている)。
 このキャラクターの登場により、番組の方向性ががらっと変わってしまい、おちゃらけた感じになってしまうが、なんせ直前まで「快傑ズバット」やってた宮内のこと。ノリはそのまんまで大変楽しませてくれる。
女性隊員9号および10号 (役)高瀬夕子(9号)、芦沢道子(10号)
 名前を呼ばれることが最後まで無かった二人だが、特に後半になると重要な場面でよく登場。スパイ活動を行ったり、ジャッカーの乗り物を運んだり、番場壮吉の変装のサポートをこなしたり(?)と、なかなか活躍の場が多かった。32話では二人のレオタード姿も拝める。1号〜8号までの存在は不明。
姫玉三郎 (役)林家源平。本業は落語家だが、多くのテレビや映画にも出演。「男はつらいよ」シリーズでは半分以上に出演している。
 番場壮吉の着任と共にジャッカー基地へ調理師としてやってきた訛りの強い男。ただ、作ってるのはいつもインスタントラーメンとカレーばかり。なんかジャッカーを弱体化させるために存在してるような気もする。小咄をやろうとしていつも止められている。コメディ・リリーフとしての起用らしい。
アイアン・クロー
鉄の爪
(役)石橋雅史。TV特撮では主に悪人役で大活躍していた。風貌にとにかく特徴あり。
 クライムの指揮官。アイアン・クロー、鉄の爪どちらの名前も用いられる。地球上の軍需産業を手玉に取り、富を手中にするが、それらは全てシャインと呼ばれる宇宙人からの指令によるもの。変装の名手で番場壮吉と変装合戦をすることも。シャインには絶対服従だったが…
シャイン  クライムを影で操る謎の存在。実はシャイン星と呼ばれる星からやってきた宇宙人である。光か悪魔の如きシルエットで登場するが、最終回で明かされたその実体は単なる通信機械に過ぎなかった。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 4カード!!切り札はJAKQ

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 東京を犯罪に染めようと暗躍する国際的犯罪組織クライム。その魔の手から世界を守るため、国際科学特捜隊日本支部は4人の若者からなる最強のサイボーグ部隊「ジャッカー電撃隊」を編成する。
 初の敵はデビルキラー。一話目に登場してるくせに、ジャッカーが名乗りを上げた時「きさまらが噂の!」と叫ぶ。しかし、誕生したばかりのジャッカーがいつ噂になったのだろう?
 最初に若者達をサイボーグにならないかと誘う国際科学特捜隊のジョーカー・鯨井。なんかまるで新興宗教っぽい勧誘姿がなかなか良いぞ。田中浩のあの濃い顔で迫られる事を考えると…やっぱり笑ってしまうよな。更に軍服を着ると、ますますいかがわしくなるのも良い味出してる。
 サイボーグへの改造シーンは結構良い感じ。なんかサバトやってるみたいで…事実、人間の改造というのはそう言う部分があるな。
 とりあえずここでは顔見せ程度。
<鯨井長官自らがジャッカーの勧誘をしてるのだが、あの濃い顔で迫られると、逃げるためにも思わず頷いてしまいそうに思える。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 2テンジャック!!秘密工場を電撃せよ

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 高速道路を走る車が次々と襲われる事件が勃発。クライムによる新型銃によるものだと当たりを付けたジャッカーだったが、銃の行方は知られないまま。そんな時、ダイヤジャックの元に事件の鍵を握る人物から電話が入る…
 敵はデビルドリル
 クライムの開発した新型銃によりまるで消し炭のようになって殺されてしまう被害者。何というむごい…でも、炭になってるって、要するに顔に炭塗ったくっただけでは?むしろ笑ってしまう。
 ラジオでピンクレディのSOSがかかってるあたり、時代を感じる。
 ビルを上り、エレベーターを伝い降下する。ジャックタンクの雄志が見られる。兵器に乗ったら、何かする度にポーズを決めるのは当然である。
第3話 5フラッシュ!!ほえろパンサー

  監督:奥中惇夫
  脚本:上原正三
 ハートクイーン殊、カレン水木は先輩空手家のナツコと逢い、そこで彼女の弟で、やはり空手家の隼人について話し合う。実は現金輸送車襲撃事件を捜査している過程で隼人の存在を知ったのだ。
 敵はデビルマイト。ダイナマイトを模した怪人だが、よく見ると本人の強さでは全くないんだよな。
 今回はハートクイーンを中心とした話なのだが、そこに登場したのはなんと志保美悦子ではないか!この人、私が子供の頃のあこがれの的だったんだよ。なんかこれだけで嬉しくなってしまった。スタント無しで空手を使える女優ってやっぱ貴重だったよ。ヌンチャクまで使ってる。それだけでなくしっかり大葉健二(この時点では高橋健二)も出てる。豪華なゲストだ。
 一般人が電波を受けてクライムのコマンドとなってしまうと言う設定は結構惹かれるものがある(人間爆弾にされてしまってるし)。無茶苦茶暗い話なんじゃないか?
第4話 1ジョーカー!!完全犯罪の死角

  監督:奥中惇夫
  脚本:上原正三
 クライムにより旅客機墜落事故が起こった。墜落事故が起こる直前、そこに搭乗しようとしている少女に死んだ妹の面影を見た大地文太は、怒りに燃える。
 敵はデビルガン。デザインセンスは今ひとつ。
 クローバーキングが中心となる話で、回想形式で大地文太の悲しい過去が語られる。
 そして死んでしまった少女のために真相究明を目指すのだが、やってることが研究所のなかで飛行機の破片を一つ一つ調べるという大変地味なもの…リアルなんだけど、ヒーローものにしてはちょっとばかり地味過ぎなのは事実。
 ジャッカー電撃隊を前にしてデビルガンが叫んだ言葉は「よくも商売の邪魔をしてくれたな!」これがクライムであり、リアリティとなってるのは確かだ。
第5話 3スナップ!!裏切りのバラード

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 ジャッカー本部にスパイが潜入し、スペードエース桜井五郎のサイボーグカルテが盗み出された。盗んだのはジャッカー本部職員の小山順子。自分の後輩の裏切りにショックを受ける桜井だったが、その資料によって弱点を得たクライムの攻撃は容赦なく彼を襲ってくる。
 敵はデビルレスラー。体育会系っぽく、腕力はたいしたものだが、性格は極めて単純(差別的か?私も体育会系で育ったが)
 ジャッカーを撃退したことで驚喜するクライム。なんか牧歌的だよな。
 ヒロインが死んでしまうという、重い内容なのだが、変に笑わせようとしてる演出が多発するので、今ひとつバランスが良くない。
第6話 9ポーカー!!美女の罠

  監督:竹本弘一
  脚本:押川国秋
 日本列島に地震と異常な遭難が次々と起こり、犠牲者が海岸に打ち上げられていた。実はこれは日本中の電力を奪おうとするクライムの陰謀であったのだが、クライム内での内紛に乗じ、ジャッカーは海底都市へと潜入する…
 敵はデビルアマゾン
 冒頭ハートクイーンのカレン水木とダイヤジャックの東竜が泳いでるシーンが出るんだけど、こいつらサイボーグだったんじゃなかったか?
 この作品は地道な捜査をしっかり描くのが特徴だが、今回はなんと半年も捜査に費やしたという描写があり。それが良い部分でもあるんだけど、やっぱ地味だよな。
 必殺技のジャッカーハリケーンがお目見えする。手を組んでぐるぐる回るだけ…離れたら全く必殺技の意味が無いような…
 ダイヤジャックの透視能力で相手のカードを盗み見るシーンがある。何故か“透視”のはずなのに、数字とか元通りってどういう事だろう?
VOL.2
<A> <楽>
第7話 8スーパーカー!!超速300キロ

  監督:奥中惇夫
  脚本:上原正三
 国際科学特捜隊日本支部が開発中の高性能爆弾ジャッカーエックスがクライムに盗まれてしまう。オートバイで逃走するクライムライダーに対し、マッハダイヤ号を始めとする世界のスーパーカーたちが追跡する。
 敵はデビルエレキ
 ジャッカーエックスの性能試験を行うダイヤジャックだが、そこを襲撃され、ジャッカーエックスも盗まれてしまう。あれ?なんでこいつ、血を流してるんだ?
 世界のスーパーカー大集合。そう言う時代なんだが…うわあ。なんだか凄い懐かしいぞ。当時ブームだったんだよな。登場するオタク少年がなかなかほほえましい。ただこれだけスーパーカーが出てる割りに追跡劇は非常に退屈。
 デビルエレキの必殺技は「エレキ責め〜」…なんでかちょっとイヤらしく聞こえてしまうので(?)、聞いてるこっちもちと恥ずかしい。
 尚、本話は再編集され、劇場公開もされた。
第8話 6ターゲット!!爆発する花

  監督:奥中惇夫
  脚本:押川国秋
 原子力発電所に運ばれる濃縮ウランを狙いクライムが暗躍する。そのために邪魔なジャッカーを倒そうとするクライムだったが、間違えてカレンの親友久美子を殺してしまう。怒りに燃えるカレンだったが…
 敵はデビルフラワー。クライム最強のロボットなのだそうだが、デザインもやってることも間抜け。
 オープニングでジャッカーの面々がクライムに殺されるシーンがあるのだが、それって実はクライムの妄想。はあ。
 確か元々クライムの目的は一人一人ジャッカーを分断し、個々に殺すはずだったのだが、何故か全員をひとまとめに爆殺しようとしたりとか、やってることに一貫性がない。
 今回も地味な捜査がメインなだけに、観ていて爽快感は薄い。
第9話 7ストレート!!地獄の必殺拳

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 南米奥地に生育するドリームフラワーと言う植物から取られる麻薬に溺れた若者たちの犯罪が多発していた。麻薬Gメンの兄をクライムに殺された勝也は、クライムの内部に潜入しようとするのだが、親衛隊となるべくカンフーに出場。後を追ったジャッカーも秘密の製造工場へ潜入する。
 敵はデビルスパイダー。ドリームフラワーの毒を相手に送り込む恐ろしい敵だ。が、デザインセンスは悪し。
 第3話の志保美悦子に続き、今回は真田広之がゲストとして登場。今や国際派スターとして実力派スターとなった真田広之も、こんな青い時代があったんだな。
 カレン水木役のミッチーのコスプレ(?)が拝める回でもあるが、真田広之を「馬鹿!馬鹿!」と叫びつつどつく。サイボーグにあれだけどつかれてたら、多分こいつ死ぬぞ。更にその特訓シーンって、岩をその拳に打ちつけるという恐ろしいもの。ど根性ものだな。
 地味な本シリーズのなかではかなり面白い話だが、主人公をジャッカー以外の人間にしたことで成功した話でもある。
 ジャッカーがそれぞれ技に解説を付けてるのもなかなか面白いぞ。
 一応全部書いてみよう。
 「ジャンプ一閃赤い風。唸って踊る核の鞭」
 「スピード一番青い星。ギラリギラギラ電気剣」
 「パンチ一撃緑の火。目から火の出る重力パンチ」
 「ひらり一転桃の花。咲かせて散らす磁力盾」
第10話 11コレクション!!幸福への招待

  監督:竹本弘一
  脚本:曽田博久
 ダイヤジャックが港をパトロール中、襲われた女性太田ミキを助ける。孤児院で育ったという彼女は、実は高名な浮世絵画家ヘンリー太田の遺児であり、時価800億円と言われる相続権を持っていたのだ。彼女を狙うクライムの凶弾。
 敵はデビルケーン
 カレンが変装した女性。ハーフ役が純日本人に化けるなんて大分無理があるんじゃないか?やっぱりサイボーグだけに
 「女は先天的に嘘つきなんだな」という妙な台詞が聞こえるのが面白い。
 今回はクライムの地道な捜査が目立った回。悪の組織のやってる事って、意外に地道だ。その地味さが本作の特徴には違いないが。
 敵のデビルケーンはデザイン的には結構良いんだが、やられるためだけに登場。ちょっと情けない。
第11話 13ジャックポット!!燃えよ友情の炎

  監督:奥中惇夫
  脚本:高久 進
      新井 光
 人間が衣服のみを残して消える事件が続発する。ジャッカーはこれをクライムの仕業と直感し、捜査を開始する。スペードエースの桜井は蒸発剤の研究をしていた親友の若宮の姿を発見するのだが…
 敵はデビルギャング。ロボットのくせに、人間以上に存在感持ってる。「デビルマシンガン十面撃ち」という、必殺技に名前も付いてるし。あくまで悪人は人間だったシリーズの印象をやや変えてくれた。
 硫酸や塩酸の数百倍の酸とか言ってるけど、それ物理的に無理。しかも衣服を遺して人間だけ消すなんて…でも、そう言うあり得ないのを平気で出すのが特撮の醍醐味ではある。
 今回ジャッカーの名乗りはビルの外階段で踊り場に一人一人仁王立ちして。ケレン味たっぷりで面白い演出だ。戦い方もビルの地形を利用してるし、
 人間ドラマも結構ちゃんとしてるので、小粒ながら見所の多い話である。
第12話 10ピラミッド!!黄金仮面の迷路

  監督:奥中惇夫
  脚本:上原正三
 東京で開かれた黄金のアフリカ展に展示されていた黄金のマスク。カーメン文化長官に依頼され、黄金のマスクを守るために桜井が飛行場まで移送することになるが、既にそれは察知されており、桜井はクライムに拉致されてしまうのだった。
 敵はデビルスフィンクス。黄金の仮面の回だからって、それに合わせたんだろう。ひねりはないけど。
 自白剤をうたれる桜井。しかし、サイボーグにそんなの効くのか?…あ、サイボーグ用の自白剤か。そんなものがあるならばだけど。
 更に拷問のあまり、精神に異常を来した桜井を「クレイジー」とか言う描写が…今じゃ出来ないなこれは。カレンの健気さが光る回だった。
 任務に失敗したクライムボスに対し、アイアン・クローの死の制裁が下る。彼の鉄の手は伊達じゃないってことだな。
VOL.3
<A> <楽>
第13話 青いキークイズ!!密室殺人の謎・なぞ

  監督:平山公夫
  脚本:上原正三
 若いデザイナーが密室のはずの自宅のマンションで殺された。謎を追うジャッカーはそれがファッションショーの裏で行われる宝石密輸を嗅ぎつける。
 敵はデビルグー。グーって、顔が手の形してて、それが握り拳だから。さらに四人にはねとばされた瞬間、「ま、負けた」と叫ぶ…ちょっと情けなさすぎる敵だ。
 クローバーキングが主体の回。大地はジャッカーのなかではコメディリリーフ的な存在だけに、色々と面白い演出がされてる。例えば大地が生け花をカレンに教えるシーンがあったり、変な変装したり(レゲエ風の格好したり女装したり)、下着を着けたマネキン人形を人混みのなかで運んだりと…なんか他のキャラクターと較べるとえらく酷い扱いされてるな。でも、あんまり笑う回が少ないシリーズだから、こう言うのがあって良いと思う。
 今回のジャッカーの名乗りは什器に乗って。戦いの音楽も変わってる。
第14話 オールスーパーカー!!猛烈!!大爆走!!

  監督:平山公夫
  脚本:平山公夫
 莫大な財産を保有するフェルナンド国の要人ボーンがクライムによって殺害された。しかし、彼の財産の鍵を握る車は行方知れずとなる。クライム、ジャッカー共にその車のありかを求めて活動を開始するのだが…
 敵はデビルドッグ。リベットを顔中に付けた顔は、敵っぽくて良い。変装したり、「暗闇地獄」なる必殺技を使う。
 第7話に続き、スーパーカーを題材とした話。スーパーカーは細かいデータが必要なので、クライムも随分と車に詳しいようで。「ポルシェ930ターボ」「フェラーリーBB」と連呼される言葉に、当時の世相が見える。
 戦いの音楽がこの話から変わり、ジャッカーコバックの演出も少ししつこくなった。
 舞台はスーパーカーのレースが延々と続けられるので、それを面白いと思うかどうかで評価が変わるんじゃないかな?今観たら、結構退屈だった(笑)
第15話 真っ赤なオカルト!!怪談・吸血鬼

  監督:奥中惇夫
  脚本:上原正三
 黒マントをひるがえして、いずこともなく消え去る暗闇の怪人が出没する。次々と若い娘を襲う怪人の目的は?
 敵はデビルミイラ。顔とかかなり怖いのだが、今ひとつ個性が感じられないな。ちょっと勿体ない。ついでにマスコットキャラとしてのサイボーグハムスターが仲間入り。
 カレン水木が意外に恐がりだと言うことが明らかになる。
 ところで、最初にみんなでコーヒーを飲むシーンあるけど、サイボーグがそんなもん飲んで良いのか?
 クライムが今回作っているのは粉末状の人工血液。これって科学の発展のためにはプラスとなってるよね(血液粉末が赤いのはご愛敬か)。
 この作品は敵ロボットとの戦いより、戦闘員との戦いが長く取られるのが特徴だが、今回はそれで笑える要素も多くて、結構見応えあったよ。
第16話 黒いベースボール!!襲撃する魔球

  監督:奥中惇夫
  脚本:上原正三
 クライムの兵器工場を奇襲し、敵ロボットのデビルボールを倒し、兵器工場も破壊に成功したジャッカー。だが、クライムは東の監督するリトルリーグ会場に紛れ込む
 敵はデビルボール。冒頭からジャッカーコバックで殺されてしまうが、デビルボール2として見事に復活する。
 冒頭からいきなり戦いから始まり、敵ロボットのデビルボールまでジャッカーコバックで倒してしまう。定式を打ち破った展開は面白いし、敵のデビルボールの個性もなかなか面白いぞ。結構笑わせてくれる。ラストは鉄球に変化したデビルボールにジャッカーコバックをかけるのだが、どこから出したか全員がバットを持って鉄球をどつき、最後は「ジャッカーコバックホームラン」という技で締めくくる。多分これで感触を掴んだので、後半のビッグワンの登場となったのだろう。 
第17話 黒い悪魔つき!!怪談・地獄の家

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 秋月家に夜な夜な現れる不気味な影。死んだはずの少女が手毬歌を歌う姿が現れるのだ。偶然その現場に居合わせた大地は悪霊の正体を見極めようとするのだが…
 敵はデビル悪魔…おい。なんだこのネーミングは!デビルってのは「悪魔」の意味じゃないのか?実際に登場してしまうと単なる変なキャラクター。
 長いシリーズの特撮作品だと大概1話はある(笑)怪談話。この手の作品だとコメディリリーフが主人公となる場合が多い。これも定式に則って(?)、クローバーキングが主人公の回。
 子供の幽霊の演出など、結構怖い演出はあるけど、展開が早すぎるので、今ひとつか。
第18話 青いうず潮!!秘密スパイの顔

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 海水から水爆をつくるというドルフィン計画が海洋研究所で進められていた。それを狙うクライムは研究所員佐田の弟をさらい、更にその研究員になりすまして計画の設計図を奪取しようとする。
 敵はデビルフィッシング。魚の顔をして手にした釣り竿でなんでも釣り上げてしまう。最後は逆にエースのスペードアーチによって逆に釣り上げられてしまうのがちょっと間抜け。
 クライムの目的は武器を売りさばくこと。だから水爆を作ったとしても、それによって破壊計画を進めようとするのではなく、それを売ることが目的。この辺がリアリティだな。
 冒頭でクライムの野望を打ち砕くジャッカー達。クライムの工作員に海に引きずり込まれそうになってクイーンに抱きつくキング。「何するのよ。エッチ!」…この台詞に時代を感じるなあ。
 尚、ここでは「あまつさえ」と言う台詞が聞けるが、なんか『快傑ズバット』を思い出す。
 あんまり目立たないけどジャックの新しい必殺技電気スパークが登場。
VOL.4
<A> <楽>
第19話 真っ赤な大冒険!!底なし魔境の鬼退治

  監督:平山公夫
  脚本:上原正三
 鬼が住み、人を食べると言う噂の鬼山で行方不明者が続発する。ジャックタンクで調査に向かうジャッカー達だが、そこには父親が行方不明になったという太郎という少年が忍び込んでいた。
 敵はデビルアスレチック。イヨマンテか中米あたりのお面にそっくりな顔つきしてる。風貌は特殊だが、あんまり個性がないな。珍しくクライムボスが登場せず、デビルアスレチックが全ての管理をしてるのが
 冒頭がホラー風味満点なのだが、何故か基地で遊んでるジャッカーたち。苛立つジョーカーの姿が微笑ましい(なんか「こち亀」の大原部長を見てる感じ)
 強制労働させられるエースとキング、地下に埋められて酸素不足になるジャックとクイーン(サイボーグなのに)など、ジャッカーの受難の話だな。
 「大江山の酒呑童子ならいざ知らず、宇宙に人間が旅をする現代に鬼騒動とは笑止千万。我ら四人の桃太郎が退治してくれるからそう思え」とはエースの台詞だが、こっちの方が遙かに時代錯誤だぞ。
 戦闘員との戦いが一番面白いのが本作の特徴でもあるが、ここでは戦闘員が全員棍を持ってるのが今回の特徴。
 ダイヤソード唐竹割が登場。
第20話 暗黒の使者!!透明怪人が闇を走る

  監督:平山公夫
  脚本:押川国秋
 時価数億円とも言えるシガール王室サファイヤの護衛を依頼されたジャッカー。そして東京見物にきていたシガール王女に、クライムが襲いかかる。
 敵はデビルベム。蠅男のような風貌で、姿を消すことが出来る。クライム基地で「デビ〜ルベム」とか名乗りを上げて華々しく登場した途端、アイアンクローに叱責される姿が結構間抜け。
 相変わらずキングがぼけてハムスターとジョーカーがツッこむのは定番。しかし、「それだけ日本が安全って事だ」と笑うジョーカー…これだけクライムの攻撃喰ってながらそんなことを言えるジョーカーはなかなかの惚けっぷりとも言える。
 子供を使ったり、敵の奇矯な行動や所々笑いの要素を入れるなど、そつない出来に仕上がるが、その分あまり個性が感じられず。
第21話 バラ色の野球時代!!クライムの強打者

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 河原で野球に興じるこども達の前に現れた怪人。だが、何と彼は善意でこども達に野球を教え始めるのだ。一応基地にデビルバッターを連れてくるのだが、不審な点はまるでなく、特にジャックは彼を信用しかけるが…
 敵はデビルバッター。何故か良い奴(笑)。野球ばかりやってるため、クライムを追放されたと言う。夢は巨人軍に入って王選手とプレイすることだとか。一人で投げて打ってキャッチするという一人野球を得意とする。更に一色一飯のお礼にみんなのために働いてるとか。CVの永井一郎の声と相まって、妙にほのぼのしたキャラクター。必殺技は戦闘員をバットで打って飛ばすデビルホームラン。「秘密戦隊ゴレンジャー」の時の野球仮面と言い、永井一郎はこういう役の声がよく似合う。
 冒頭、自転車に乗って現れるデビルバッター。しかもいきなり海岸で遊んでる子供と仲良くなったりする。本人は至って善意のつもりなのに、周りに誤解されて通報され、ジャッカーにどつかれる。更に「良いふりしてる奴こそ悪い奴なんだ」とかキングに言われたり。尤も、基地深く潜入してから本性を現すという悪役ぶりを発揮し、ジャッカー基地を自爆して破壊しようとする。結構泣かせるキャラかも知れない。
 多彩な技を持つジャックの電光キックが登場。
第22話 赤い大逆転!!自爆軍団を攻撃せよ

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 ジャッカーを倒すべく、クライムは新軍団“スクラップ軍団”の養成に余念がなかった。数々の格闘技を習得し、いざとなったら自爆までするスクラップ軍団は、ジャックの友達の少年一郎を誘拐し、変身しないままのジャッカーを呼び寄せる。
 敵はデビルスクラップ。スクラップ軍団を率いるボス。だが、本人はそんなに強くない。
 キングがジョーカーをどう考えてるのかよく分かる回。ジョーカーがいない間、散々悪口を言って皆を笑わせている内に、後ろにジョーカーの姿が…ジョーカーって、愛されてるんだなあ(笑)
 ジャッカーを変身させないため、スクラップ基地なるものの周りにバリアを張るんだが、こりゃ、「マジンガーZ」の光子力研究所のバリアだな。懐かしい。
 今回はジョーカー大活躍。いつもは基地の中から動かないんだけど、今回は変装して単身敵の基地に忍び込むとか、押し寄せる敵に対して落ち着いてダイナマイト投げるとかなかなか凝った事してくれる。酔っぱらったふりして「ジャッカーに言いつけてやるから」なんて台詞も使ってくれる。変装してることが分からないジャックにどつかれたりもして…
 ところで、強化カプセルって、四人それぞれに違うエネルギーを与える専用のはずなんだけど、ジョーカーが持ってきたのは一つしかないように見えるんだが…
 多彩な技を持つジャックの電気剣。今回は「電気剣六人斬り」を披露してくれる。
 ちなみにジョーカーがこれだけ露出したのは、これが一応の最後の登場だかららしい。次回からはついに…
第23話 白い鳥人!ビッグワン

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 資金集めを終了したクライムはいよいよ地球侵略に向けて動き出す。これまでのロボットを越える性能を持つアトミック魔女に対し、ジャッカーコバックさえ通用せず、ジャッカーは処刑されようとしていた。だがその時白い閃光が走る!
 敵はアトミック魔女。ジャッカーに挑戦状を送り、ジャッカーコバックさえも通用しないという恐ろしい敵。クライムの上部組織からやってきたと言うことを印象づける。更に国際科学特捜隊の基地を次々に潰していく。必殺技は手にしたヴァイオリンによるサイボーグノイズ。
 それに対し、番場壮吉こと、ビッグワンがジョーカーに代わって登場し、冒頭の歌もちょっとだけ変わる。更にクライムのボスであるアイアン・クローに影の上司がいる事が明らかになる。ついでに姫玉三郎なる訛りたっぷりの青年が本部に配属される。いろいろと新機軸を打ち出した回だ。
 突然ここでビッグボンバーなる新兵器が登場。どう見ても間に合わせだが、それなりに盛り上げようとしてるのは分かる。
 番場壮吉は、無茶苦茶な気障…ってか、これじゃまんまズバットだよ。
 今回のビッグボンバーは単純に弾丸を撃ち出すだけだが、後にいろいろ変わっていく。
 ところで、最強のサイボーグ、ビッグワンは任意に変身できるようなんだが、それだと強化カプセルが必要だったこれまでのジャッカーの変身って無意味になってしまう。
 ここからジャッカーの決めぜりふがそれぞれ変わる。
 エース「真っ赤に燃える正義の血潮。悪を切り裂くアトム撃ち」
 クイーン「娘18涙を捨てて戦場(いくさば)に立つ桃の花。可愛いわよ」
 キング「凄いパンチが唸りをあげりゃみどりの風が渦を巻く」
 何故かジャックは変わらず。
第24話 悪魔か?天使か?!不思議な笛吹き男

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 遊園地に現れた地獄天使が角笛を吹くと、こども達が寄ってくる。催眠音波に操られる子供たち。子供を攻撃できない桜井は罠にはまり、捕まえられてしまうが…
 敵は地獄天使
 冒頭で地獄天使が遊園地で遊ぶシーンが…あれ?このパターンは21話のデビルホームランと同じような…更に手の内を全部ジャッカーに明かし、その上で戦わずにジャッカーを潰そうとする。更に笛の音に合わせ、ジャッカー達が踊る…潔いような、卑怯なような…結構味のあるキャラクター。
 それで“ビッグワン”番場の言葉。「クライムの地獄天使が…こども達と踊ってる」。いくら渋く言っても、なんだか笑えるぞ。更に、「戦いたくない」と言う地獄天使に、「俺たちはクライムを倒す」と言うジャッカー達。なんだかジャッカーの方が悪人に見えてしまうよ。
 帰ってきたジャッカーの前でラーメンを啜る番場の姿(鍋から直接、しかも猫背で食ってる)が、妙に微笑ましい。更に女性隊員にバニーガールの格好させて付けひげ姿で現れる…なんじゃこのキャラクター描写は!面白いじゃないか(笑)
 っつーか、明らかにストーリーの指向が方向転換してるぞ。
 ようやくジャックの台詞が変わる。「怒りのエレキで鍔鳴りさせて、守ってみせるぜ青い地球」
VOL.5
<A> <楽>
第25話 勝利か?死か?!鬼将軍と機械化軍団

  監督:田口勝彦
  脚本:上原正三
 アイアン・クローによって呼ばれたアリンガム将軍はジャッカーの分断作戦を発動する。アリンガムの卑劣な作戦に一人、又一人と捕らえられてしまうジャッカーの面々…
 敵はアリンガム将軍。前回のラストで大々的に登場したくせに、冒頭であっという間にエースのスペードアーチに片目を潰されてしまう。その上で作戦はことごとく失敗。良いところ全然なし。
 作戦を練るアリンガム将軍の言葉で“エース”桜井五郎を「冷静沈着の熱血漢」というのがあったが…はて?矛盾してないか?クイーンの「変装術に長け、おしゃれ」ってのもちょっと妙な…
 子供を上手く使い、絶体絶命のピンチを回避するなど、こういったベタな演出が映えた回だった。
 前回のラーメンに続き、今回の番場は作戦室でカレーを食ってる。
第26話 インベーダーか!?謎の宇宙海賊船

  監督:田口勝彦
  脚本:上原正三
 東京の夜空に海賊船が現れた。通報を受けたジャッカーは捜査を開始するが、その行方は知れず、逆に謎の盗賊集団に襲われる。
 敵はキャプテンゴースト。ホログラムの幽霊船を出して幽霊騒ぎを起こす。変装の名人で数々のトリックを使う。妙な訛りがあるのも特徴か。意外に強く、ジャッカーの面々では歯が立たないのだが、ビッグ・ワン一人とほぼ互角…と言うことは、ビッグ・ワンはジャッカー全員よりも強いのか?
 お化け騒動が実は敵の攻撃だったと言うオチがつくのは本作に限らないけど特撮におけるパターンの一つ。他の作品との違いは、結局全部ビッグワンがおいしいところ取ってしまうところ(笑)
 玉三郎が全編に渡って登場するが、浮きまくって今ひとつしっくり来てない。
第27話 独裁者の野望!!砕け!死の収容所

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 国際科学特捜隊日本支部の高官達とその家族が次々にクライムによって拉致される。収容所の場所とそこで何が起こっているのかを知るため、東、大地、カレンは自ら囮になって、収容所に潜入するが…
 敵はクロコダイル総統。なんでも“総統”の生まれ変わりだそうで、凄え描写がなされてる。まるでドイツ軍の鉄仮面のようなものをかぶり、そこにはご丁寧にもハーケンクロイツが…あれ?ちがう。これは“まんじ”じゃないか。司令室の壁には双頭の鷲の壁画と、ここには本当にハーケンクロイツが!最後の台詞は「総統閣下、これよりお側に参ります」。うわあ。
 しかも収容所では強制労働をさせられ、「ガス室送り」なる言葉が…しかも番場壮吉がチョビ髭を生やし、ドイツ軍の制服を着て登場!やばいやばい。ようやるよ。絶対これ、輸出できないぞ。大笑いできるけどね。
 今回はキングの必殺技、キング重力プレスとジャックの稲妻ソード回転斬りが登場。今ひとつ存在がないものの、多彩な必殺技が戦闘に彩りを添えてる。
 ラストにクライムの真の支配者シャインが登場。その影を見たクイーンが「クライムの支配者は宇宙人だったのね」という台詞を吐くが、確か一言もシャインは自分を「宇宙人」とは言ってないようなんだが?
第28話 ぼくの秘密!ポケットの中の宇宙怪物

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 いつも「三輪車」と馬鹿にされる運動音痴の少年イサムの元にやってきたテンタクルス入道。テンタクルスはイサムにオーブを渡し、その中に入り込むのだった。そのオーブを手にした途端、イサムはスポーツ万能少年に生まれ変わる。
 敵はテンタクルス入道。ネーミング通りタコの化け物のような姿をしている。液体に姿を変え、どんな隙間からも中にはいることが出来る。戦いの前に突然阿波踊り(キングに言わせれば「タコ踊り」)を始めるお茶目さも併せ持つ。更に本物のタコに変形し、毒の墨を吐く。必殺技はテンタクルスタコの手責めで、触手で攻撃する。最後は「ちゅうちゅうたこかいな」と叫んで爆死。かなり面白いキャラに仕上がってる。
 少年に自分が入るオーブを渡すテンタクルス。「坊や、驚くことはないよお」って…驚かないわけ無いだろうが。
 全般的に笑いの要素が多い。子供が主人公となるのはこのシリーズでは珍しいんじゃないかな?
 今回番場壮吉は白髪のカツラを付けた老科学者に化ける。こんな情けない役も結構はまってるじゃないか。
 毎回魅せる戦闘員との戦い。今回クイーンは戦闘員の服をはぎ取り、、みんな股間を押さえて走り回る。う〜む、良いのかな?更に「今までの天罰よ」との言葉に、「祟りじゃ祟りじゃ」と叫びながら逃げまどう。ジャックは電気スパークという新しい必殺技(海に剣を入れ、そこにいる戦闘員を感電させる)を披露する。更に戦闘員を一気に葬るために、「蛸壺作戦」を展開。小さな壺を砂浜に埋め、「一休みだ」と言って戦闘員が全員中に入ってしまったところを見計らって砂に埋めてしまうと言うもの。どこから蛸壺なんて出した?しかも「蛸壺作戦だ!」「おう!」って応対は情けないぞ。
第29話 行くぞ七変化!鉄の爪対ビッグワン

  監督:山田稔
  脚本:上原正三
 アイアンクローの儀式によって不死身にされたカマキリ大酋長がアパッチ軍団を率いてジャッカーに挑む。ビッグボンバーでさえ通用しないカマキリ大酋長を前にビッグワンは、鉄の爪の念力がその力の元と見抜く。
 敵はカマキリ大酋長
 突然飛んできた槍を見た桜井が「これはアパッチが先制攻撃で使った槍だ」と叫ぶ。えらい細かい話だ。
 今回の見所はビッグワンこと番場壮吉とアイアンクローの直接対決。互いに様々な変装術を駆使して翻弄する。
 番場がホテルのボーイ、片目の運転手(おい)、虚無僧、紙芝居屋に扮するのに対し、アイアンクローが蛇取り、美女(変装か?)、山伏、老婆に扮する。最後は銅像に扮した(ハナ肇?)アイアンクローに対し、掃除夫に扮した番場が水をぶっかけて正体を暴く。なんだかなあ。
 ジャッカーマシンコバックが初登場。全部のマシンが機関銃を撃つだけ。しかし不死身のカマキリ大酋長には通用せず。ビッグボンバーはここで初めて変化し、「蜘蛛の巣攻め」となる(網状になってカマキリ大酋長を絡め取る)。
第30話 死を呼ぶ暗号!猛毒コブラツイスト

  監督:山田 稔
  脚本:上原正三
 情報によりクライムの兵器工場基地に突入したジャッカーの面々。コブラ大神官の罠であった。強力な毒薬ハマドXを巡ってジャッカーとクライムの攻防が続く。
 敵はコブラ大神官。左手がコブラになってる。又多数のコブラを飛ばすコブラツイストという技を使ったり、額のコブラが毒針を吐いたりする。最初の任務に失敗した後、アイアン・クローの前で「かくなる上は腹かっさばいてお詫びします」等という古風な台詞を使う。
 ここに出てくる強力な毒薬ハマドXは旧日本軍のハマド部隊が開発したものらしい。ハマドXをめぐる暗号を解くわけだが、暗号そのものが無茶苦茶簡単だったりする。
 今回玉三郎がターザンの真似してふんどし一丁で登場するが、それに対し、コブラ大神官が拝んでしまう。又、番場壮吉がターバン巻いて笛を吹きながら登場。いきなり「こ〜ぶら、こ〜ぶら、わしゃコブラ。電線に、コブラが三匹止まってた。それを猟師が鉄砲で撃ってさ」と(デンセンマン音頭を歌いながら踊り出すコブラ大神官…馬鹿かい!
 ここからビッグボンバーが姿を変えるようになる。ここでは(ぬいぐるみの)アフリカ象に変化。コブラ大神官に抱きつくと、「アフリカ象嫌い」と言って爆死。
VOL.6
<A> <楽>
第31話 赤い衝撃!スパイは小学四年生

  監督:竹本弘一
  脚本:上原正三
 クライムは隠れスパイ作戦を敢行。アイアン・クローに派遣されたシャチラ汗は善人を装い、子供を仲間に付ける。
 敵はシャチラ汗
 シャチラ汗はクライムのスパイとして登場するが、最初からスパイとして派遣されてるから「騙す」って感じじゃない。場面毎にアイアン・クローが出てきて一々ポーズを決めながら「スパイの心得」を叫ぶのが何というか、変な感じ。
 今回の番場壮吉ははんてん姿の祭り人として登場。シャチラ汗と戦闘員を巻き込んで御輿担ぎをする。
 ピンクレディの物真似をするクイーン…時代を感じさせるな。
 今回のビッグボンバーは砲弾がトウモロコシに変わり、「おいしそう」とシャチラ汗がかぶりついた途端爆発。
第32話 どっちが本もの?!危うしビッグワン

  監督:竹本弘一
  脚本:長坂秀佳
 変装の名人カメレアン大隊長が、番場壮吉に変装して悪事をはたらく。次々と姿を変え、ジャッカーを手玉に取るが…
 敵はカメレアン大隊長。カメレオンの化け物のような姿だが、変装の名人でもある。ジャッカーを騙そうとするが、すぐに見破られてしまう辺り、本当に変装の名手なのか?
 本作もテンポ良く笑いの要素が強い作品に仕上がっている。ジャックが助けたお婆ちゃんが跳んだり跳ねたり(これも宮内洋の変装だが)、機関銃に撃たれて橋から落ちてた番場がジャッカーのピンチに颯爽と現れたり(って、ズバットか?)。カメレアン大隊長の合言葉が「もしもしカメよカメレアン」と言うものとか。加藤茶の真似をする番場とか、戦いの最中キングと間違えてカメレアン大隊長を攻撃する戦闘員とか、カメレアン踊りなるものを披露するとか…楽しいから良し。
 今回のビッグ・ボンバーは、撃とうとした瞬間カメレアン大隊長が逃げ出してしまうと言う珍しい姿が見られる。それでビッグ・ボンバーを押していくジャッカーの姿がひたすら哀れ。最終的に放たれたビッグ・ボンバーはペンチに姿を変え、カメレアン大隊長の舌を引っこ抜く。「これじゃ宇宙にカメレアン」等という台詞を吐いて爆死。
 9号10号のレオタード姿が見られる貴重な回。
第33話 電撃隊全滅か?!クライムのお料理教室

  監督:山田稔
  脚本:押川国秋
 バッファロー提督が次々に繰り出すジャッカー全滅作戦によってビッグワンが捕獲されてしまった。
 敵はバッファロー提督。最初は戦闘員に自爆させてジャッカーを倒そうというものだが、えらく単純かつ無謀な作戦。次はロボット犬にワインを運ばせて、それを飲んだらお互いに殺し合わせようと言うもの。これも玉三郎が盗み飲みしたお陰で失敗。次は玉三郎を騙して毒薬をジャッカーに送ろうとするが、玉三郎に化けた番場のお陰で妨害される。その後番場に殺人電流を流すも、用意良くゴムのスーツを着込んでいたお陰で無傷。更にアイアン・クローから「バッファローではなく羊だ」とまで言われてしまう…なんだか可哀想になってくる。これほど情けない敵も珍しい。
 最後は9号と10号を人質に取ったバッファロー提督が番場をおびき寄せるのだが、その登場の仕方もそのまんま早川健だったりする(ギターを持ってないのが残念ながら)。「格好悪いなこりゃ」という台詞もズバットであったな。
 バッファロー提督とジャッカーとの戦いは「闘牛作戦」なるものが発動。赤い布をひらひらさせてバッファロー提督に突進させて翻弄させるだけの技。又今回のビッグ・ボンバーは大きな矢になってバッファロー提督に突き刺さって爆発。さほど特徴はないか。
第34話 潜入!クライム要塞島

  監督:山田稔
  脚本:上原正三
 クライムの指揮官として新しく赴任としたイカルス大王は、地球を第二銀河系のシャイン星の隣に運んでしまおうというスターダスト計画を発動する。要塞島近くをパトロールしていたスカイエースが狙撃され、ジャッカーはクライムの要塞島の場所を割り出す。そして要塞島に潜入する桜井とカレンだったが…
 敵はイカルス大王。シャインに派遣された新しいクライム指揮官で、アイアン・クローを尻目にやりたい放題やってる。お陰でジャッカーに基地の場所は知られてしまうわととても指揮官とは思えない行動を取ってる。
 パトロール中の桜井とカレンが甘い会話をしてる。メンバー同士が恋人関係にあるってのは、戦隊ものとしては珍しいぞ。珍しいと言えば、ビッグ・ワン以外の誰もジャッカーは変身してない。異色作と言えば異色作。しかし出来は良いな。
 アイアン・クローが真の姿を見せるが、スキンヘッドに銀色の肌。あれだけ特徴的な髪の毛とか髭とか持っていながら、実はあれは全部鬘だったのか。その姿はまるで『ジャイアントロボ』のドクトル・オーヴァ。不気味なことこの上ない。
第35話 大勝利!さらばジャッカー

  監督:山田稔
  脚本:上原正三
 磁力回路が故障し、死に向かっている桜井を救えるのは鯨井のみ。イカルス大王を粛正し、シャインより太陽系のエンペラーに任命されたアイアン・クローは、瀕死のカレンを救うべく帰国したジョーカー鯨井を襲う。決死の救出作業が始まる。そして要塞島でシャインとの最終決戦が…
 明らかに前回は引きで終わったのだが、なんかいきなりオープニングから笑わせてくれる。変装の名手番場が、なんとシャインに変装…ってシャインって光だろうに。それと、アイアン・クローに捕まった鯨井長官を救出するために全員冷凍状態にされるのだが、アイアン・クローまで冷凍されてしまう。かつてこれほど情けない敵の首領があっただろうか?更についにシャインがその姿を現すのだが、実体は通信機で、あっという間に捕獲されてしまう。更にシャインの実態を知ったアイアン・クローによってすぐに破壊。これ又情けない。
 最終回なので、サービスで元長官の鯨井が帰国してる。
 最終回でジャックとキングの新しい必殺技が登場。電撃キックと回転投げ。そして合体技のジャッカークロスとジャッカーアタック。しかしことごとくアイアン・クローには効かず、結局ビッグ・ボンバーの出番となる。しかもビッグ・ボンバーが変化したのは、なんとドブネズミ。ここまで引いておいて、こんな情けない倒され方で良いのか?