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仮面ライダーV3

仮面ライダーV3事典
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 1973'2'17〜1974'2'9

 大好評の内に放送終了した「仮面ライダー」の正式な続編として製作された作品で、実質的に本作によって仮面ライダーはシリーズとして開始することを宣言することになった。
 主人公風見志郎は本郷猛の後輩で、デストロンによって両親と妹を殺され、その復讐を込めてダブルライダーにより改造されたという設定になっている。よって話としては完全に「仮面ライダー」の続編。V3はいくつもの秘密をその体に封じられているが、それを知るダブルライダーはカメバズーカと共に一旦姿を消し、V3は孤独な戦いの中で自らの秘密を探すことが前半のストーリーとなる。又、前半には前後編が多用され、物語に深みを与えていた。その後、ダブルライダーの健在がはっきりした辺りで物語も安定。パターンを確立していく。
 そして後半になると、V3の良きライバルであり、仲間となったライダーマンの登場となる。もう一人の、ライダーであってライダーでないヒーローの登場は物語に深みを与えてもいる。
 あくまでアクションが主体だった「仮面ライダー」に対し、アクションのみならず火薬も多数使われるようになったのも本作の特徴。宮内洋の命懸けのアクションと相まって、一種芸術的と言えるほどの爆発シーンが多数見られる。爆発の規制が緩かったこの時代をよく示している。

主な登場人物
風見志郎
仮面ライダーV3
(役)宮内洋。東映特撮を語る上で欠かすことの出来ない人物。特撮においては他に「秘密戦隊ゴレンジャー」アオレンジャー、「ジャッカー電撃隊」番場壮吉、「快傑ズバット」早川健など。ゲスト出演も多々。
 城南大学の学生で本郷猛の後輩。デストロンによって両親と妹を殺されてしまい、復讐を胸に改造人間となる。最初の内はダブルライダーと共闘していたが、ダブルライダーが去った後、一人でデストロンの強力怪人と戦う。
立花藤兵衛 (役)小林昭二。初期シリーズ全話にサポーターとして登場し、前作「仮面ライダー」から続投。
 少年仮面ライダー隊リーダーで、表の顔としてセントラルスポーツショップという運動具店を経営している。佐久間が登場するまでアクションまでこなしている。
珠純子 (役)小野ひずる。本作以外にも様々な特撮作品でゲスト出演。結婚後引退。
 デストロンに命を狙われた所を風見志郎に命を助けてもらった女性。目の前でハサミジャガーにより風見の両親が殺されるシーンを見てしまい、責任を感じている。その後少年仮面ライダー隊の通信係として活躍することになる。
珠シゲル (役)川口英樹。「帰ってきたウルトラマン」の坂田次郎役。小林昭二に続き、二つのシリーズを股にかけた役者である。
 純子の弟。姉の推薦を受けて少年仮面ライダー隊隊員となる。マスコット的存在だが、純子同様通信などで活躍する。科学者の父を持つ友達をたくさん持っており、それが縁で怪人と遭遇する確率も高い。
佐久間ケン (役)川島健。
 インターポールから派遣されたデストロン・ハンターの一人。仲間が全てデストロンによって殺害されてしまい、その後風見志郎を慕って日本に残り、デストロンと戦い続けた。
結城丈二
ライダーマン
(役)山口暁。ドラマ、映画、特撮と数々の出演作を持つが、特撮ではピープロ製作「電人ザボーガー」の秘密刑事大門豊で初の主役を得ている。1986年に41歳の若さで死去。
 デストロンの有能な科学者だったが、ヨロイ元帥の罠にはまり右手を失ってしまう。それで研究途中だったアタッチメントを右手に付けてデストロンに対する復讐に生きる。尚、右手を除けば体は生身のまま。
デストロン首領 (声)納谷悟朗。多くの特撮やアニメで出演した有名声優。「仮面ライダー」シリーズでは大首領を演じ、ストロンガーまでの全ての敵首領となった。
 かつて仮面ライダーと戦ったショッカー首領その人。「仮面ライダー」最終話で殺されたのは身代わりに過ぎなかった。ゲルショッカーの壊滅後に組織を再編してデストロンを作り上げた。三角の頭巾をかぶっているが、その正体は巨大なドクロだった…ただし、本当にこれで死んだのかどうかは分からない。
ドクトルG
カニレーザー
(役)千波丈太郎。多くのテレビや映画でのバイプレイヤー。
 デストロン日本支部の初代幹部。中世の武人のようなスタイルで額にデストロンのマークである蠍の紋章を付けている。斧を武器とする。最大の特徴はV3の事を「仮面ラァーイダV3」と呼んでいること。正体はカニレーザーだった。
キバ男爵
吸血マンモス
(役)郷^治。妻はちあきなおみ。兄は宍戸錠という役者一家。映画では悪役やコメディ役として活躍した。特撮では本作が代表作。
 アフリカからやってきたデストロン第2の大幹部。キバ一族を率いるドーブー教の大魔術師で、呪いを用いて怪人達を支援していた。正体は吸血マンモス。
ヨロイ元帥
ザリガーナ
(役)中村文弥。大野剣友会のメンバーで、「仮面ライダー」からスーツアクターやバイプレイヤーとして活躍してきた。
 デストロンの最後の大幹部。硬い甲羅のような鎧を身に纏う。性格は卑劣で、自分の地位を脅かす結城丈二を裏切り者のレッテルを貼って抹殺しようとしたが、結果としてライダーマンという強力な敵を作り出してしまった。正体はザリガーナで、V3に破れた後、首領に命乞いをするが、容赦なく抹殺されてしまった。デストロンを「デェストロン」と言うのが特徴。正体はザリガーナ。
デストロン戦闘員  デストロンの戦闘員。ショッカー戦闘員同様全身黒タイツに骨をあしらった意匠が基本だが、後半になると幹部に合わせたワンポイントをあしらったのも登場する。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 ライダー3号 その名はV3!

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
 両親と妹と共に平和な家庭を築いていた風見志郎の家庭に突如災難が降りかかる。新しい悪の軍団デストロンによって一家は惨殺されてしまったのだ。大学の先輩である本郷と一文字によって志郎だけは命が助けられたが、瀕死の風見を救うため、二人は風見に改造手術を施すのだった。これによって新しいライダー3号、V3が誕生する!
 敵はハサミジャガー。両手に巨大なハサミを持った豹型の改造人間で、風見志郎の家族を惨殺する。そのハサミには人間を溶解させる能力がある。叫び声は「シーザース」。そしてカメバズーカ。背中にバズーカ砲を持つ亀型の改造人間。幾度も風見志郎抹殺を試みるがことごとく失敗する。叫び声は「ズーカー」
 前後編の前編。風見志郎がV3へと改造されるエピソードだが、前回の「仮面ライダー」に続き、本郷猛、一文字隼人が続投という豪華な話となった。改造人間も二体登場し、話もかなり詰め込まれていて、第1話としては理想的な出来と言えよう。第1話から純子も登場してる。
<風見志郎は極めてタフで、4回に渡ってカメバズーカ、ハサミジャガーの攻撃をしのぎきり、5回目にしてようやく(?)死んでくれた(しかも半分自殺に近い)。デストロンの詰めの甘さはショッカー時代から変わらないみたい。
 爆弾で吹っ飛ばされ、救急車で運ばれる重体になった風見。しかし、そこでのハサミジャガーの襲撃をしのいだ風見は次の瞬間ぴんぴんして活動してる。生身のくせに改造人間並の体力だ。
 主人公の家族が目の前で殺されるというとんでもない描写があり。到底今じゃこんな物語を作ることは出来ないよ。
 ハサミジャガーに今にも襲われそうになった純子を助けるために本郷猛が登場!風見の危機を知っていたからだが、だったらもっと早く来いよ。大体風見に家に帰れと言ったのはお前だろ?
 本郷が1号ライダーであることを知った風見は両親の死に際し、「俺を改造人間にしてくれ」と頼む。その際、わざわざ花瓶から花を出してそれを両親に放り投げてる。最初から気障ぶりを見せてるよ。
 改造人間分解光線を浴びてしまい、瀕死の風見を救うには改造するしかない。と結論づけるダブルライダー。それを聞いていたはずのデストロン首領は、わざわざ改造手術が終わるまで攻撃を待っていた。なかなか律儀な人だ(後付だが、これは村枝賢一による
「仮面ライダーspirits」で説明が付けられている)。
 風見志郎の改造手術の際、光る脳味噌が置かれていた。別段風見の頭に入れる訳でもなく、その前に手術室が爆発しているから、何のアイテムだったかは不明。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 ダブルライダーの遺言状

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
 ついに登場したV3。だがカメバズーカの砲撃はなおも続き、更に藤兵衛の少年ライダー隊本部はハサミジャガーの攻撃に遭っていた。
 敵は前回に続きハサミジャガーカメバズーカ。ハサミジャガーは神父に化けたり死んだふりをしたりとなかなか芸達者だ。カメバズーカは原子爆弾を内蔵しており、自ら新宿地下に潜って自分もろとも都内を破壊しようとするが、ダブルライダーによって阻止される。
 前後編の後編。ダブルライダーの死(?)を通し、これからのV3の孤独な戦いに思いを馳せる話となっている。カメバズーカに内蔵されている原爆から東京を守るため、二人が犠牲となったという悲しい話が展開。一旦ライダーを退場させるためには見事な展開となっている。ちなみにこれは仮面ライダーV3(1973)として劇場版にもなった。
 V3専用オートバイのハリケーンと、変身ポーズが初登場。
 1〜2話を通して脚本は実に素晴らしいのだが、一方ではツッコミ所もてんこ盛り。
<V3のオートバイ、ハリケーンが初登場。だけど、一体いつこんなもん作ったんだろう?V3が「ハリケーン!」と叫ぶとすぐに現れてるよ。
 倒壊する少年ライダー隊本部。あれ?いつの間にこんなビルになった?いや、それ以前に町中に建ってたはずの建物の周りに何故何もない?
 「仮面ライダーなどいるものか!」とうそぶくハサミジャガーの前に現れるV3。しかし、こんな危機的状況でも登場の際「はははは」と一々笑いながらというのが流石だ。
 V3の救援に駆けつけるダブルライダー。カメバズーカとの戦いはどうなったんだ?
 墓参りに来た純子の助力を拒否した風見だったが、直後にハサミジャガーに襲われた純子を助けに現れている。こいつ実はそれを知って囮に使ったんじゃ?
 ハサミジャガーが逃げた先が教会と分かると、風見はフック付きのロープを使って兵によじ登る。このアイテムはどこから出した?それにV3のジャンプ力があればそんなものは必要ない気もする。
 新宿副都心にいるはずのカメバズーカは一瞬にして郊外の住宅地に移り、更に次の瞬間水平線の彼方へ…あんたたちはどこで戦ってたんだ?
 洞窟の中でV3に変身した風見。次の瞬間、洞窟の外に。その後橋の上でハサミジャガーと戦って、落とされたら、何故か土手の上に着地…瞬間移動かいな?
 見事V3回転ダブルキックでハサミジャガーを下したV3。次の瞬間ポーズを取って「V3!」と叫んでる。流石というかなんというか。風見志郎というキャラクタをよく表してるよ。
 ところでカメバズーカ抱え込んで太平洋まで飛んでいくダブルライダー…こいつら飛べたのか?を>
第3話 死刑台のV3

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上 勝
 デストロンは新たに改造人間はテレビバエを作りだし、その催眠光線を使い都内の人間全てを操ろうとしていた。一方、ダブルライダーを失い、自らの体の機能も知ること無いまま戦いに送り込まれる風見だが…
 敵はテレビバエ。テレビとハエの合成怪人。元は病院の院長だが、改造されて来院した人間に次々と催眠光線を浴びせる。叫び声は「フラーイ」。そしてイカファイア。イカと火炎放射器の合成怪人。テレビバエによって集められたV3のデータを元に、対V3用に作られた。叫び声は「ファーイア」。
 前後編の前編。前回で破壊された少年仮面ライダー隊本部の再生と、純子が正式に仲間になったことが示されている。
<前回で少年仮面ライダー隊本部は破壊されてしまったが、実はおやっさんは新たな本部を作り出していた。その資金はどこから出ていたんだろう?しかもその秘密基地に入るためにはV3の顔を模したペンダントが必要。いつの間にそんなもん用意した?
 それでそのスポーツショップにデストロンから新装開店用の花輪が送られてきた。わざわざ芳名に「デストロン」と書いてあるのが芸細かだが、こんな古くさい店に新装開店もないもんだ。
 テレビバエの声を当ててるのはお馴染みの沢りつおだが、微妙な訛りがあり、自己紹介する時は「てれびぶぁえ」と言ってたりする。
 デストロンはV3のデータをコンピュータで解析しようとしたが、コンピュータは「V3ノデーターワコンピューターデワヤレマセン」と手書き文字と裏声で表示した後、火を吹いてしまう。デストロンはなかなか人間味溢れるコンピュータを使ってるな。
 イカファイアと戦うV3。火炎放射器によって、スーツは本当に燃えてる。
 V3に完勝したイカファイアはデストロン基地に変身を解いた風見を連れてくる。それでわざわざ棺桶に入れて焼香炉に入れる。凝った事やってるけど、そんな悠長なことやってるから…
 次回予告で「デストロン第四の計画を阻止するのだ」と言ってるけど、実質的にはまだ二つめでは?>
第4話 V3の26の秘密!?

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上 勝
 ダブルライダーが作ってくれた自分の体に秘められた力に目覚め、辛くも処刑場から逃れることが出来たV3。一方テレビバエの洗脳で記憶を失ってしまった藤兵衛
 敵は前回に続きテレビバエイカファイア。テレビバエはホテルを占拠し、そこに来る人間を洗脳する作戦に切り替えたようだ。催眠光線のみならず殺人電波も使う。
 前後編の後編。危機又危機の連続と、それを跳ね返すV3の勇姿が堪能出来る。前後編だとこう言うのが時間取れるから良いね。
 洗脳が解けてないおやっさんが風見を襲うシーンはホラー風味満点。全般的に藤兵衛は貧乏くじを引かされてる感じだ。
 純子の弟シゲルが登場…あれれ?どこかで見たと思ったら「帰ってきたウルトラマン」の次郎君じゃないか。二大シリーズに登場出来るなんて羨ましい子供だ。
 26の秘密の一つが明らかにされた。それが必殺技のライダー遠心キックのこと。これは要するに空を飛べて、遠心力を用いた攻撃が出来る。と言うことなんだろう。
<火葬場からどういう理屈か逃げ出すことが出来たV3は次の瞬間、火葬場の煙突の上で高笑いをしてる。一応これって余裕なんだろうけど、やることなすこと一つ一つが気障なんだよな。
 罠を仕掛け、催眠術にかけた藤兵衛に風見を襲わせ、更にテレビバエとイカファイアが待機。それで捕まえたは良いけど、やっぱり殺さずに基地に連れて行く。この甘さが…
 デストロン基地で戦いを始めるV3とテレビバエ、イカファイア。テレビバエの殺人電波を喰らった次の瞬間もう外に出てる。
 藤兵衛と純子を人質に取ったテレビバエとイカファイアはV3をなぶりものにするのだが、腕を踏んづけて「どうだ。参ったか!」…あんたら子供か?
 起死回生のライダー遠心キックを放つV3。空中で旋回してる時の音はまるで蠅の羽ばたきだ。
 ところでV3ホッパーって見た目使い捨てっぽいんだけど、回収してるんだろうか?>
第5話 機関銃を持ったヘビ人間

  監督:塚田正煕
  脚本:鈴木生朗
 原子力に代わる新しいエネルギーを研究している村山博士を襲うマシンガンスネーク。だが肝心な数式は手に入れられず、マシンガンスネークは助手の西崎道子を狙う…
 敵はマシンガンスネーク。蛇とマシンガンの合成怪人。普通の蛇に変身出来る。蛇の姿で標的に忍び寄ってマシンガンを乱射する。デザインもすっきりしててなかなか良し。
 昭和時代の東映特撮ものは画期的な発明をしている科学者が狙われるというパターンが実に多い。その意味で早くもパターンへと移っていった話だが、これも前後編だけあって見せ場はたっぷりと用意され、なかなか良い感じに仕上がってる。
 おやっさんが風見の足の手術を行っているシーンがある。やはりダブルライダーの戦いを経て色々な技術を身につけたんだろう。それを手助けする純子もなかなか気丈…純子を巻き込みたくない風見本人は嫌がってるけど(あるいは素で女性に弱味を見せたくないだけかも知れないけど)。
 26の秘密の一つとして、強化された肉体のことが明らかにされる。
<少年仮面ライダー隊本部の表の顔はスポーツ用品店だが、藤兵衛はちゃんと店も経営してるらしい。これまでの経緯からすると、ちょっと違和感あり。
 100キロのバーベルを片手で軽々と持つ風見。改造人間だからそれもありだろうけど、いくらスポーツ店だからといって、バーベルが普通に店に置いてあるって凄く違和感ないか?しかもおやっさんはそれを片づけようとしてる。腰大丈夫?
 村山博士がデストロンに狙われていることをあらかじめ知っていた風見。どういう情報網を持っていたんだろう?あるいは「快傑ズバット」の早川健よろしく、適当に歩いてたら情報が向こうからやってくるのかも知れない。
 ライダーはすべからく変身途中は無防備。通常ここでは攻撃されないのだが、今回はその無防備状態をマシンガンスネークのマシンガン攻撃を受けてしまう。これは珍しい。
 マシンガンスネークにやられた傷を自宅で一人で治そうとしていた風見。だが、部屋は鍵がかけられておらず、おやっさんや純子が入り放題。こんな所をデストロンに狙われるとか考えないのか?
 で、その手術だが、おやっさんは「何でこんな暗い所で?」と驚いてる割りに、やっぱり電気も付けずに手術してる。
 村山博士の論理を解読するには村山博士自身にやらせるのが筋だと思うのだが、助手の西村道子を拉致した時点で西村は用済みで殺されてしまった。作戦に隙がある気がしてならない。>
第6話 ハンマークラゲ出現!放てV3の必殺わざ!!

  監督:塚田正煕
  脚本:鈴木生朗
 マシンガンスネークを退けたものの、続いて現れたハンマークラゲの猛攻に曝されるV3。咄嗟にマモル少年を庇うが、西崎道子を巡るデストロンの作戦は続いていた。
 敵はハンマークラゲ。クラゲと金槌の合成怪人。ミスマッチな組み合わせだがかなり強力な怪人。高圧電流を流す左手と、強力なハンマー状の右手を持つ。その体はV3キックをも吸収するほどの柔軟性を持ち、右手のハンマーで地面を叩くことで地震を起こすことも出来る。叫び声は「ザーハー」。
 前後編の後編で、さらわれた西村親子の顛末が描かれる。話自体はパターンを踏襲。
<ハンマークラゲが西村女史をリンチにかける描写あり。更に子供を空中高くつり下げたりと、これも現代では出来なくなった。
 デストロンの存在を信じないマモルのお姉さん。これが普通の反応だろう。こういう人間が標的に狙われるのはパターンというやつ。
 風見はマモル少年の命を助けるために輸血したという。このシリーズの改造人間の定義ってどうなってるんだろう?
 滝無き後、デストロンの戦闘員と戦うのはおやっさんの役割になってるようだ。戦うのみならず車のボンネットに飛び乗ったりと、過酷なアクションを強いられてる。可哀想に。
 頑なにデストロンの協力を拒む西村道子は、村山博士の研究成果をハンマークラゲに渡すことは「基地外に刃物」という表現を使ってる。
 シゲル少年はクレーンに吊り下げられ、更にハンマークラゲのハンマーでその鉄骨が裂けようとしている…だが、その鉄骨には何故か木目が…
 今回の純子は随分明るくなったが、ラストで新聞配達なんかしてる。生活費のためか、少年仮面ライダー隊の資金源なのかは謎…仮にそうだとしたら、最も金のない正義の組織になりそうだ。>
第7話 ライダーV3 怒りの特訓

  監督:山田 稔
  脚本:島田真之
 人工心臓の権威河井博士は二日前に死んだ人間を生き返らせる実験に成功する。だがその場をデストロンに襲われ、患者を奪い去られてしまう。ナイフアルマジロに改造された患者は河井博士の研究成果を求め、河井をつけねらう。
 敵はナイフアルマジロ。アルマジロとナイフの合成怪人。右腕からはジャックナイフのような巨大な刃物が飛び出て、それで攻撃する。叫び声は「びりりりりー」。そしてほんのちょっとノコギリトカゲが登場してる。
 これもパターンの話だが、犬も歩けば〜方式で、風間が歩いてると必ず事件に出逢う。「快傑ズバット」の原型かも知れない。
 そしてナイフアルマジロに負けたV3の特訓が始まる。それはクレーンの先に巨大な鉄球を付けてそれを受け止めるという特訓。これによってV3の26の秘密の一つ、肩の特殊スプリング筋肉を発見する。
 ここまでの戦いを通し、必ず風間は毎回重傷を負ってる。それだけデストロン怪人が強いと言うことの証だろう。
<河井博士は身を隠すためか靴磨きなんかをやってる。食うにも困ってのことかと思うけど、曲がりなりにも世界的に名の知られた博士だったら、色々ツテがありそうなもんだけど。
 河井博士を追いつめるナイフアルマジロの前に突然現れたボクサーは「俺の必殺パンチを受けてみろ」とか言ってナイフアルマジロに殴りかかるが、あっという間に殺されてしまう。可哀想な奴。
 河井博士の息子タダシの歩行訓練を買って出た風見は歩こうとするタダシに「男の子だもんな」と声をかけてる。これは現代ではセクハラ発言につながってしまう。
 ホットドッグ屋に姿を変えて子供達の前に現れるナイフアルマジロ。人間時の顔には火傷の跡があるのだが、時々それが消えてる時がある。
 ホットドッグを頬張る少年達。その中に「ただならおいしいよ」とか発言する子がいた。売りものとしたら不味いのか?
 ナイフアルマジロとの最初の戦いで必殺のキックを食らわすV3。普通に蹴っただけなのに、次の瞬間ナイフアルマジロは丘の向こうで倒れてた。V3のキックの威力が凄い。と言うことにしておこう。その割りに元気で攻撃かけてくるけど。>
VOL.2
<A> <楽>
第8話 危うしV3!迫る電気ノコギリの恐怖

  監督:山田 稔
  脚本:島田真之
 辛くもナイフアルマジロを下したV3だったが、重傷を負ってしまい身動きが取れなくなってしまう。タダシ少年が捕まってしまい、ナイフアルマジロは復活。更にノコギリトカゲがV3に迫る。
 敵はノコギリトカゲ。トカゲと電気ノコギリの合成怪人。見た目通り電気ノコギリで攻撃する。デストロン初の女性怪人でもある。叫び声は「キッキー」。
 これも前後編の後編で改造人間を復活させる人工心臓を巡っての攻防戦が描かれる。しかし結局復活させられたのはナイフアルマジロ一体のみ。もうちょっと後の方でこの話やってればもっとたくさん出せたのにね。
 26の秘密の一つV3ドリルアタックが登場。
<少年仮面ライダー隊の数がいつの間にか増えてる。やっぱり本郷の時代からの生え抜きなんだろうか?
 ノコギリトカゲは河井博士の人工心臓を使ってナイフアルマジロを復活させようとする。それにしてもあれだけ見事に爆発したのに、死体は全くの無傷とはデストロンの科学力は凄い。
 少年ライダー隊の面々は怪しげな建物を見つけ、「この建物、どう見てもあやしい」なんて事を言ってる。怪しいかも知れないけど、建物自体はずっと建ってた訳だろ?しかも全く調べもせずに帰ってる。
 で、そこに駆けつけたシゲルは、現れた謎の女性に全く警戒心も抱かず、風見の入院してる病院までペラペラ喋ってたりする。まあ、囮の役にはぴったりなんだけど。
 硫酸のプールの上に風見を吊り下げたノコギリトカゲはすぐに処分せず、ロープをロウソクの火であぶるような真似してる。この甘さが…大体ほんの二、三分で済んでしまうのに、わざわざ外に出て待ってることも無かろうに。ところで硫酸ってもの凄い臭いするんだけど、ノコギリトカゲに説明されるまで風見は気づかなかったみたい。
 ノコギリトカゲの電気ノコギリがV3に迫る。その際戦闘員を身代わりにすると、戦闘員の首がチョンパ!。これも現代では描写不可能だね。>
第9話 デストロン地獄部隊とは何か!?

  監督:田口勝彦
  脚本:内藤まこと
      佐伯俊道
 全日本モトクロス選手権に出場していた風見。その選手権で次々と選手が消えてしまう。
 敵はレンズアリ。アリとフラッシュの合成怪人。目からフラッシュをたき、爆発を起こしたり、機械を操ったりする。左手は万力になっており、叫び声は「サカーッ」。それとカミソリヒトデが最後に登場。ヒトデと剃刀の合成怪人で、右手の剃刀であらゆるものを切り裂く。叫び声は「シャシャシャシャ」。この二体が共同戦線を張る。
 前後編の前編でデストロンレーサー地獄部隊の結成が描かれる。
 冒頭で風見はモトクロス選手権に出場している。仮面ライダーの面々はこういう大会には出場してるようだが、やはりこれあってこそのライダーなのだろう。ちなみに風見は昨年の優勝者だそうだ。この辺も本郷との接点だろうか?
 今回の火薬の使い方は無茶苦茶派手で、至近距離どころか足下で爆発が起こってる。中の人達が怪我してないか真剣に心配してしまう。
<風見の勇姿を見にやってきた純子に対し、おやっさんは「帰れ」と強い口調で突っぱねている。しかし、レース観戦は続けていて、おやっさんも「気をつけろ」とか言ってる…で、本当にさらわれてる。
 デストロンレーサー地獄部隊の猛攻に、変身する風見。正体ばれることをあんまり気にしてないんだな。
 V3の前に現れたレンズアリは「全世界にその名を轟かせたレンズアリとは、この俺様のことよ!」と自己紹介してる。いつそんなに有名になったのだろう?で、デモンストレーションやってる内にキック一発で逃げてしまった。こいつ口だけか?
 戦闘員とV3との戦いを見守るレンズアリ。あっけなくやられる戦闘員に「俺には後がないのだ」とか、無茶苦茶苛ついてる。
 ツッコミとは違うが、レーサー地獄部隊に仕立て上げられた面々は体中に傷痕がある。モトクロスレーサーだから…と言う訳ではなく、大野剣友会の面々の撮影のハードさが覗える。>
第10話 ダブル・タイフーンの秘密

  監督:田口勝彦
  脚本:内藤まこと
      佐伯俊道
 レンズアリとカミソリヒトデの連係攻撃によってついに倒されてしまったV3。一方レーサー地獄部隊によってデストロンは人工衛星用の核物質を手に入れ、これを用いて東京を破壊しようとするデストロンに対し、立ち上がった少年仮面ライダー隊。
 敵は前回に続きレンズアリカミソリヒトデ。カミソリヒトデは胸から可燃性の泡状スプレーを噴出させる。更に再生能力を持ち、手足を切られても瞬時に再生する。
 少年仮面ライダー隊の活躍が描かれた話で、V3が一旦退場しているからこそ出来た話。怪しい食べ物は一切口を付けてない訓練を受けていると見える。更に隊員のペンダントにも色々機能が備わっていることも分かる。「仮面ライダー」からここまでで、これほどライダー隊が活躍した話はなかった。
 子供の頃、V3はあまり観た記憶が無いのだが、これはおそらく毎回V3が窮地に陥りすぎ、カタルシスが得られなかったからだろうと思う。しかし今から考えればどこまで主人公を追いつめられるかをひたすら考え抜いた脚本は見事なものだ。
 今回も爆発の演出は凄く、とにかく気合いが入ってる。下手すれば死人が出たんじゃないのか?
 26の秘密の一つ。ダブルタイフーンのレッドランプはエネルギーを供給し、更に熱戦をはじき返す。
<デストロンレーサー地獄部隊の制服にはくっきりとSUZUKIのマークが。ここまで明確な宣伝も珍しい。
 少年仮面ライダー隊とおやっさんを騙すために古びた洋館におびき寄せるレンズアリ。しかしその顔は半分焼けただれたスキンヘッドという、いかにも。な風貌。もうちょっとまともな顔つきしてれば本当に騙されそうなもんだけど。
 眠り薬入りのミルクを飲んでない。と勝ち誇るおやっさんだったが、どう見ても飲み込んでるんだけどね。
 「デストロンの基地から生きて出た者はいないのだ」と勝ち誇るレンズアリ。ここまでに何度も逃げられてるという事実は?このキャラは虚言癖があるんじゃないのか?
 レッドランプの能力発言で倒されてしまったレンズアリ。それを見たカミソリヒトデは「レンズアリの仇は必ず取る」と言ってるけど、だったら最初から加勢しろよ。>
第11話 悪魔の爪がV3をねらう!

  監督:塚田正煕
  脚本:鈴木生朗
 デストロンに強いられ、新たなる改造人間ピッケルシャークを作らされた海洋学者の中原博士はその事を少年仮面ライダー隊に知らせるが、その手紙を預かった純子が狙われるようになってしまった。
 敵はピッケルシャーク。サメとピッケルの合成怪人で、中原博士によって作られた。右手のピッケルが武器で、自分を作ってくれた中原を殺害してしまう。海中での戦闘を得意とする。鋭角的なデザインはこれまでの怪人と較べても見事な造形だ。叫び声は「ぎゅろろろろ」。そしてドリルモグラ。モグラとドリルの合成怪人。純子を追い回していた黒田という男が改造されてしまった。額に付けられたドリルが武器。叫び声は「ウィーゴー」。
 前後編の前編で、今回は純子が中心となっている。純子にはストーカーがくっついているらしい。黒田と言うらしいが、わざわざ伊東までくっついてきて「お前、最近オートバイに乗ってるイカス野郎と付き合ってるんだってな」なんて絡んでる。大学の友人かな?それにしてはオッサン臭いけど。
 ピッケルシャークとV3の戦いは洋上。海中戦が楽しめるが、本当に潜って戦っている辺りが凄い。
 26の秘密の一つ。V3バリヤーが登場。
<中原博士に手紙を言付かったおやっさんは「志郎は伊東で合宿中」と言っているが、何の合宿なのかは不明。
 純子は伊東に向かっているが、それより早く風見は中村博士と合流してる(死んでるけど)。これが分かっていれば中村も死ななくて済んだのに。
 黒田は風見を称して「イカス野郎」と言ってるが、確かにこれは見事に言い当ててるかも知れない。例えば現代でも同じ言葉を使えるぞ。うん。
 純子に惚れている黒田は風見がV3であることを純子に告げる。これまで何度も変身シーンに立ち会ってる純子には何を言っても無駄なんだけど、まるで鬼の首を取ったように勝ち誇る黒田には苦笑もの…それで「あなたは本当にV3なの?」と聞いてる純子も今更って感じ。>
第12話 純子が怪人の花嫁に!?

  監督:塚田正煕
  脚本:鈴木生朗
 ピッケルシャークとの激闘の末、デストロン基地の自爆に巻き込まれ重傷を負った風見。しかしデストロンの攻撃はなおも続き、更に純子はドリルモグラの花嫁にされそうになってしまう。
 敵は前回に続きピッケルシャークドリルモグラ。ピッケルシャークはあっさりとV3反転キックで倒されてしまい、メインの敵はドリルモグラとなる。純子に結婚を迫るが、割とあっけなく倒されてしまった。
 前後編の後編。純子がドリルモグラと無理矢理結婚させられそうになってパニックを起こす姿が見られるが、なんか本当に驚いてるように見える。演技の巧さなのか素なのか?このままでは純子まで改造人間にされそうになったらしい。
 前回に続いて登場した犬神博士の存在感がたっぷりで、ワンポイントで用いるには勿体ないマッドサイエンティストぶりだったこともトピックとして挙げておこう。
<首領が命じたのは基地の爆破。しかし何故かV3の閉じこめられた部屋が最初に爆発してる。しかし、こんな至近距離で爆破を起こすとは、スタントを殺す気か?
 ここでも純子にV3であることを知られて落ち込む風見の姿が見られる。これまでの経緯で分かってなきゃおかしいって。
 重傷を負い、顔中痣だらけだった風見が少年仮面ライダー隊本部から出ると、すっかり傷は消えてるどころか、髪の毛もちゃんとセットしてある。敵に弱味を見せないためかもしれないが、風見の気障っぷりがここにもよく表されているだろう。
 ドリルモグラは純子の前で自分の正体を明かす訳だが、何故か「改造してもらった」と言う表現を使ってる。拉致されて無理矢理改造されたのにねえ。
 そのドリルモグラ、首領から「V3を倒したら褒美にその娘をやろう」と言われ、有頂天になったか、正々堂々とV3に勝負を挑む…まあ、しっかり罠も張ってる訳だが。
 前回黒田を改造した犬神博士は「醜い改造人間を作る」と言っていたが、事実額のドリル以外に碌な武器も持たないのは、デストロン側から見れば「醜い」と言われても仕方ないな。>
第13話 恐怖の大幹部ドクトル・ゲー!

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
 風見の後輩吉村が丹沢の牙ヶ岳で行方不明となる。一人残された恋人のヨウコを守る風見だったが、
 敵はジシャクイノシシ。磁石と猪の合成怪人。左手に装着した巨大磁石で車などを持ち上げてしまう。風見の後輩吉村に化けてV3を抹殺しようとするが、実は本当の目的は無事ドクトルGを日本に呼び寄せるための陽動作戦だった。叫び声は「シャシャシャシャシャー」。
 これが1クールの終了となり、次回からの2クールの布石としてデストロン幹部ドクトルGの登場の話となっている。ただ伏線は随分張られていたものの、本当に今回は顔見せ程度。これまで二話続きの話が多かったが、珍しい単独の話。
 そしてV3最強必殺技逆タイフーンがここで登場。威力は最強だが、これを使用すると3時間の間変身が出来なくなってしまう。本人はまだそれを知らないため、窮地に陥ってしまう描写あり。
<風見の後輩という吉村は黒塗りの車に乗って山の中を走ってる。高そうな車で、山の中にはあんまりそぐわないけど、吉村ってボンボンなんだろうか?
 ジシャクイノシシはV3を片づける前に「次は新幹線を狙う」と宣言してしまった。この甘さが結果的に作戦失敗につながってしまう。
 吉村の格好したジシャクイノシシはわざわざ人質を取っておきながら、すぐに放棄して、しかもV3まで無視して新幹線爆破を行おうとしてる。流石猪だけのことはある。
 ジシャクイノシシにビルから落とされた瞬間にV3の変身可能時間が来る。それでちゃんと変身してるけど、落下時間ってそんなに長いものなのか?
 ジシャクイノシシをハリケーンで追うV3。何故かハリケーンはビルの屋上に停めてあった。どうやって持ってきたんだろう?
 必殺技を破られたジシャクイノシシは「一緒に死ね」と特攻をかけるが、V3が崖から足を滑らせて(?)ぶら下がっている上を突進して自爆してしまった。思えば可哀想な奴だ。>
VOL.3
<A> <楽>
第14話 ダブルライダー秘密のかたみ

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
 大幹部として日本デストロン基地に着任したドクトルGはV3必殺武器を持つガマボイラーを呼び出し、V3抹殺を命じる。丁度その頃少年仮面ライダー隊に国際警察から「V3の重大秘密を入手した」と通信が入るのだった。
 敵はガマボイラー。ガマガエルとボイラーの合成怪人。体を構成するボイラー部分から高圧蒸気を噴き出して攻撃する。口から白い液体を出して絶命するが、それはV3のエネルギーを奪う必殺兵器だったらしい。叫び声は「が〜〜ぶら〜〜」。
 久々の前後編。今回はV3の弱点についてだが、何せV3本人が自分の体のことを知らないのだから、当然弱点なんてのもある可能性はある訳で。その辺設定を上手く使ってる。
<来日したドクトルGは突然デストロン戦闘員を次々に血祭りに上げる。自分の力を誇示するためだと思うが、貴重な戦闘員をそんなに簡単に殺して良いのか?
 国際警察のジョージ=カマモトが夜中にボートで海岸に上陸。そこに現れたサングラス姿の三人組は「我々は少年仮面ライダー隊青年部です」とか言ってるが、怪しさ満点。勿論これは無線を傍受したデストロンによるもの。
 カマモトがもたらした情報はV3の弱点についてだったが、ダブルライダーは一体いつそんな地図とかを残す時間あったんだろう?
 おやっさんの車のトランクに忍び込んでいたのはシゲル君。トランク開けた瞬間、Vサインで登場してる。余裕というよりは照れ隠しかな?
 ガマボイラーは幾度も自分は死んで構わないと言ってるが、その武器って単に白い液体を吐くだけ。これって何も死を賭してまでやる武器には見えないのがなんとも。>
第15話 ライダーV3 死の弱点!!

  監督:塚田正煕
  脚本:伊上 勝
 ドクトルGにより滝壺に落とされたV3は瀕死の重傷を負っていた。そのV3を執拗に追うデストロン。
 敵はバーナーコウモリ。コウモリとバーナーの合成怪人。火を吐き、逆さにぶら下がることが出来るが(人間体でも可能)、能力としてはそれ位。岡島博士を助けるために使った逆ダブルタイフーンにより岩もろとも破壊されてしまった。怪人体よりも人間体の方が存在感あるという、ある意味可哀想な怪人。叫び声は「あーーーむりーー」。
 前後編の後編で、瀕死の重傷を負った風見志郎のギリギリの戦いが描かれる。そしてダブルライダーの残したというV3の四つの弱点が明らかになる…のだが、イヤホンで聴いているので、分かったのは13話で出た逆タイフーンの事だけ。残り三つの弱点は今のところ風見だけしか知らない。
<バーナーコウモリの人間体はキャプテンウルトラ(あるいはダンガンマー)こと中田博久。元ヒーローなのに、「気味の悪い男」と言われてしまった。
 ガマボイラーの死を賭した攻撃もどうやら長続きはしなかったようで、物語も後半になると風見はぴんぴんしてる。やっぱりガマボイラーって可哀想なキャラだよな。
 岡島博士はダブルライダーによって助け出されたらしいが、一体いつそれが行われたのは謎。当然2話の時点ではそんな時間無いはずだから、生き残っていたと考えるのが妥当。
 ダブルライダーが岡島博士に託したV3の弱点はテープに吹き込まれていた。洞窟の中に置いてあったが、湿気であっという間に駄目になりそうな気がする。>
第16話 ミサイルを背負ったヤモリ怪人!

  監督:塚田正煕
  脚本:鈴木生朗
 デストロン怪人ミサイルヤモリが旅客機を撃ち落とす光景を見てしまった釣り人が海に引きずり込まれた。翌朝少年仮面ライダー隊の三郎少年が釣り人を助けるが、又してもデストロンに襲われてしまうのだった。デストロンの計画とは?
 敵はミサイルヤモリ。ヤモリとミサイルの合成怪人。左手と背中にミサイルを装備しており、飛行機を落とすことも出来る。奇妙な訛りがあり、「デストーロン」とか言ってたようだ。叫び声は「うひょー」「きしゃー」
 13話に続いて1話完結の作品でなんともストレートな副題の話。話自体は単純だが、爆発は派手そのもの。特に今回ミサイルを撃つ敵だけにもの凄い火薬が使われている。
 ちなみに本作は企画段階ではミサイルヤモリの標的は石油コンビナートではなく国会議事堂だったそうだが、当然ボツになってる。
<あまりツッコミ所のない話だが、ミサイルヤモリがコンビナートを狙撃しようとした所をおやっさんが体当たりしたらミサイルの軌道が変わってしまうのだが、普通に飛んでいき、途中から突然軌道が変わってる。どういう体当たりだったんだろう?
 ミサイルヤモリと対峙したV3の台詞は「V3のある限りデストロンの野望は止めさせん」だった…止めろよ。>
第17話 デビルスプレーは死神の武器

  監督:田口勝彦
  脚本:島田真之
 デストロンのスプレーネズミによってデビルスプレーの実験が行われようとしていた。結婚式を迎えようとした男女に、神父に化けたスプレーネズミが襲いかかるが、たまたまそこに純子も招かれていたのだ。
 敵はスプレーネズミ。ネズミとスプレーの合成怪人。伸縮可能な巨大な機械の右手を持ち、V3キックを払い落としてしまった。神父に化けて秘密裏にデビルスプレーの実験を行おうとしていた。叫び声は「チィ〜〜」。そしてクサリガマテントウ。テントウムシと鎖鎌の合成怪人でデザインは結構かわいらしい。デストロンから逃げてきたと称する男に化けて少年仮面ライダー隊本部に逃げ込んでくる。叫び声は「ダーケー」。
 これも前後編の前編で、デビルスプレーの脅威が語られる話。
<最初に教会で祈りを献げていた神父がスプレーネズミに襲われるが、頭から流れる血は何故か緑色。こいつも怪人だったのか?
 結婚式を前に控えた二人が河原で追いかけっこ。しかもご丁寧にスローモーションまで使って。「アキオさ〜ん。待って〜」「はははは」…って、今見るとこれは凄まじい破壊力を持ってるぞ。
 デビルスプレーに冒されたアキオを病院に運んだ風見は、病院にかかってきた電話を当然の如く自分で取ってる。よく自分宛って分かったね。それともいつもそうやってるのか?
 クサリガマテントウにV3の始末を任せたドクトルGは高笑い。首領の叱責も「私に不可能はありません」とどこ吹く風…それじゃ今までの失敗はどうなるんだろう?
 スプレーネズミが都内に無差別攻撃をかけてきたのを知ったおやっさんは「デストロンめ。総攻撃をかけてきたな」と叫ぶ。いや、総攻撃ってのは全ての兵力を出しての攻撃のはず。これはスプレーネズミの単独テロではないのか?>
第18話 悪魔の裏切り あやうしV3?

  監督:田口勝彦
  脚本:島田真之
 辛くも爆発からは逃れたものの瀕死の重傷を受けたV3はアジトに連れて行かれてしまった。だがなんとスプレーネズミに殺されそうになったクサリガマテントウはデストロンを裏切ると発言し…
 敵は前回に続きスプレーネズミと新たにクサリガマテントウ。クサリガマテントウはデストロンを裏切ると発言し、V3を信用させようとする。
 敵怪人がデストロンを裏切るという突然の展開。実際それは嘘だったが、話に必然が感じられないのが妙に外した感じ。話としてもちょっと都合の良すぎる展開。デビルスプレーの恐怖も全然展開がなかった。
<スプレーネズミのデビルスプレー攻撃を前にデストロン戦闘員はちゃんと防毒マスクをかぶってた。「仮面ライダー」とは違い、戦闘員は使い捨てではないらしい。
 クサリガマテントウのスネークチェーンを汗をかくことで脱出する風見。改造人間って汗かくんだっけ?
 ドクトルGを人質に取ることで自らも脱出するのみならず、ユリ子を助け、更にデビルスプレーの解毒剤の方程式まで奪うV3。アジトに連れて来さえしなければ良かったのにねえ。詰めが甘いのは相変わらず。
 罠にかかって再びアジトに捕らえられたV3をドクトルGの斧が襲う。それを避けたら斧はオブジェの骸骨を破壊し、その跡からなんとデビルスプレーの解毒剤が…なんと出来すぎの展開だ。
 城南大学の佐々木は一生懸命解毒剤を作ろうとしていたが、結果的にV3の持ち帰った解毒剤で事は足りてしまった。結構可哀想かも知れない。>
第19話 ハリフグアパッチの魚雷作戦!!

  監督:塚田正煕
  脚本:滝沢真理
 デストロン怪人ハリフグアパッチが漁船を爆破する姿を目撃してしまったショウタ君とお父さん。ショウタ君は早速少年仮面ライダー隊に連絡を入れるが、怪しい光を調べに行ったお父さんはハリフグアパッチにさらわれてしまうのだった。制海権を手に入れようとするデストロンの企みを知ったV3だが、ハリフグアパッチの魚雷攻撃を食ってしまった。
 敵はハリフグアパッチ。ハリセンボンと魚雷の合成怪人。何故“アパッチ”なのかは不明。左肩にフグ魚雷を装備している。叫び声は「チェー」。
 一話完結の話で、特徴は今ひとつないが、相変わらずの派手な爆破シーンとツッコミ所は満載の話。
<冒頭、ハリフグアパッチは魚雷によって船を沈めるシーンがあるが、船はどこにもなく、単に水の中から爆発が起こっただけ。台詞でカバーしてる。
 ハリフグアパッチは魚雷試験を見られたからと言ってショウタ君のお父さんをさらってしまう。日中堂々そんなことやってたら絶対発見されるとは思わなかったのか?
 海岸で少年仮面ライダー隊に連絡したショウタ君だが、次の瞬間団地にいる。タイムラグがあったにせよ、行方不明になったお父さんを放っておいたんだろうか?
 デストロン島の紹介で「ここは地図にない島である」とナレーションが入ってるけど、ちゃんと地図に書かれてるよ。
 デストロン島でさらわれた人々が作っているのは魚雷。これってハリフグアパッチ専用だから、こいつが死んだら何の意味も持たなくなる訳だな。
 魚雷攻撃を食って瀕死の重傷を受けても数分後には全く無傷になってしまう風見志郎。さすが後の早川健である。
 バイクの上で変身するのがV3の特徴でもあるが、今回はモーターボートの上で変身。おやっさんがいるんだから、舵取りは任せて変身すべきではないか?
 潜水艇に閉じこめられた際、海中に落ちる事を演出してかとにかくカメラがぶれる。酔うよこれ。
 海の底に沈んだ潜水艇からレッドボーンパワーで脱出するV3とおやっさん。水の中でおやっさんが死にそうな気がするが、次の瞬間岩場に着陸してる。しかも全然水に濡れた様子がないから、テレポーテーションでもしたんだろうか?>
VOL.4
<A> <楽>
第20話 デストロン四国占領作戦

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
 デストロンの新兵器SS装置が深沢技師の裏切りによって四国に持ち込まれた。四国にいる少年仮面ライダー隊のケンイチ君は力尽きて倒れた深沢を発見し、早速本部に連絡を取る。早速フェリー「おくどうご2」で四国に向かう風見達だが、同じフェリーにはデストロン怪人ギロチンザウルスが乗っていた。
 敵はギロチンザウルス。多分恐竜とギロチンの合成怪人。デストロンの四国占領計画のため、風見志郎を阻止しようとしたが、失敗して松山城でV3を待ち伏せした。右手のギロチンを振り回すほか、口から火を吐いて攻撃する。叫び声は「ギーガー」。そしてドクバリグモ。クモと注射器の合成怪人。右手の注射を使って人間を操るコントロールヴィールスを注入するが、取り立てて他の能力はないようだ。SS装置を奪った深沢を狙う。叫び声は「デーストロン」および「ブンモー」。ちなみにこの注射をうたれた人間は一様に「デーストロン」と叫ぶようになる。
 四国編の前編。そもそもこれは劇場版仮面ライダーV3対デストロン怪人と同時に撮影されたもの。流石に潤沢に金を使えるだけあって様々な風光明媚な場所でロケが行われている。
<劇場版の舞台が四国だから、ついでに作ろうというのは分かるが、これまで東京ばかりを狙っていたデストロンが突然四国を狙うという必然性が無いのがどうにも。
 少年仮面ライダー隊の連絡網は四国→広島→大阪→名古屋→静岡の経由で本部に到達する。あのペンダント型の通信機はそんなに遠くまで通信出来ないのだろうか?支部の一人が学校にでも行ってたらどうなるんだろう?
 劇場版では“さんふらわあ号”で四国に行ってたが、ここでは“おくどうご2”を使っている。スポンサーを捕まえるため色々苦労が見えたりする。
 散歩に出た深沢技師は松山城を暢気に見学してるが、「金閣寺にそっくりだ」と感想を漏らしてる。この辺もスポンサーが(略)
 ハリケーンで松山城の石の階段を駆け下りるV3。格好良いけど、史跡を傷つける可能性あるから、現代では無理だな…尤も劇場版では更にとんでもないことやってるけど。>
第21話 生きていたダブルライダー

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
 藤兵衛を人質に取られ、絶体絶命のV3。その時ダブルライダーの声が響き、26の秘密の一つである細胞強化装置を働かせることによって難を脱した。だがSS装置を巡っての攻防は今もなお続いていた。シゲルは四国の少年仮面ライダー隊を招集し、デストロン基地を探し始める…
 敵は前回に続きギロチンザウルスドクバリグモ
 いよいよここでこれまで行方不明だったダブルライダーが生きていることが発覚。ただし、今は二人ともオーストラリアにおり、時折助言を送るという立場に置かれるようだ(劇場版ではちゃんと戦ってるけど)。
 前回の松山から今度は舞台は高知に。名所巡りしてるのは相変わらず。
 動いてるロープウェイの上からデストロン戦闘員がいるゴンドラへと降りる風見。怪我したら替わりいないのにこれ宮内洋本人がやってるよ。怖いことやってるな。そして最後は二体の怪人との対決!ただ、盛り上がった割りにはあっけなく二体とも倒されてしまったのがちょっと残念。
<藤兵衛達は既にドクバリグモによって洗脳されていたのだが、ホテルの部屋に帰っても、真っ暗い部屋の中、棒読みの純子が「オチャガハイッタワヨ」とか言ってるのは怖い。
 ドクバリグモにコントロールヴィールスを注入されてしまった風見は窮地に陥るが、V3に変身したら体組織が変化するので毒も効かなくなるそうだ。なんとも都合良い話だ。
 アジトにV3をおびき寄せて抹殺するのがドクバリグモの作戦だったが、なんでそうやってわざわざ自滅するような真似をするんだか。
 で、変装がばれた風見は「ふふふ。ばれちゃ仕方がない」と不敵に笑って帽子を脱ぎ去る。これはモロに早川健番場壮吉か。って感じだな。>
第22話 恐怖のキャンプ!地底運河のなぞ!

  監督:塚田正煕
  脚本:島田真之
      塚田正煕
 少年仮面ライダー隊の訓練が初島で行われていた。その訓練が行われている傍ら、海岸ではデストロン怪人ウォーターガントドが次々に人間を襲っていた。
 敵はウォーターガントド。トドと水中銃の合成怪人。ミサイルのような形をした水中銃を武器にする。初島地底から取れる毒ガスを関東一円に撒こうとする。叫び声は「アウーン」。
 夏休みの地方巡業か、前回前々回の四国に続き、今度は熱海および富士急ハイランド。それに合わせてか、これまでとは異なり一話完結の話になっている。ロケ地の光景が楽しめるが、話そのものは特筆すべきところがない。
 海を舞台に、モーターボートアクションと、水中爆発が連発。これも宮内洋がスタント無しでこなしてるが、よく本人にこんな危険な真似させるもんだ。
<多分初島のホテルの提携だと思うのだが、島からガスが出てくるとか言うのはマイナスイメージになるんじゃないだろうか?
 基地から逃げ出そうとしていた隊員(島民かな?)を他の隊員の前で処刑するウォーターガントド。口から吐く毒ガスを受けた隊員は溶けてしまったが、周りの人間は誰も防毒マスクとかかけてなかった。全滅するんじゃないのか?
 基地に潜入した風見の前に現れた戦闘員は「立花藤兵衛は毒ガス作戦で死ぬのだ」などと言っている。どうせやられるんだから、放っておくべきだったんじゃない?
 V3は水の中でも活動出来る。だけど、水中を泳ぐ姿は完全に人形そのもの。動きもしない。
 河口湖に出たV3は水から飛び出ると同時にハリケーンにまたがってウォーターガントドの元へ…どこに出るか分からなかったのに、何故ハリケーンがそこにある?
 ウォーターガントドの水中銃を胸に受けるV3。これがミサイルだったら吹っ飛ばされるのだが、爆発しないからすぐに矢を抜かれて反撃されてしまった。
 それにしてもウォーターガントドの「アウーン」って叫びは雄叫びって言うよりもやられて情けない声を出してるようにしか聞こえないな。>
第23話 怪奇!墓場から来た吸血男

  監督:山田 稔
  脚本:鈴木生朗
 デストロン怪人プロペラカブトは次々と若者をさらい、男は戦闘員に、女は血を抜いて、その血をワインよろしく飲んでいた。そしてついに風見の目の前で堂々と人さらいを行うのだった。だが、そのプロペラカブトの様子が変なことに風見は気付く…
 敵はプロペラカブト。カブトムシとプロペラの合成怪人。デザインは秀逸で、そのまま敵幹部にしても通用するくらい格好良い。右手がプロペラになっており、それを振り回したり飛ばしたりして攻撃する。実は風見の友人黒田が改造させられてしまった姿。叫び声は「イーブルルル」。
 風見の友人が改造人間にされてしまったという話で、これは「仮面ライダー」3話のさそり男以来。特撮では割と定番。最後まで救いがない話だったが、これが夏の怪奇シリーズになってるようだ。
 ただ話としてはあまり起伏のないものになってしまったのが残念な所。爆発もミニチュアのみだったし。
 ちなみに黒田の妹役で登場しているのが「ウルトラマンレオ」で山口百子役を演じることとなる丘野ゆり子。
<風見の友人として黒田という青年が登場する…青年って割りにはえらく老けた顔だ。心の病は人を老けさせるのは確かだけど…
 改造人間の脳を痺れさせて変身出来なくさせてしまうデルター光線なるものが登場。こんなもんがあるなら既にデストロンは地球征服出来てたと思う。画期的なアイテムなのだが、ここ一回しか使われない。デストロン首領は阿呆ではなかろうか?
 V3とプロペラカブトの最終決戦は墓場でだが、どうやら本当の墓地らしい。苦情でなかったんだろうか?
 ほとんど引きこもり状態の黒田がどのような過程でデストロンに改造されたのかは全くの謎。この話は現代でこそ放映されるべきかも知れない。ニートに対し、引きこもってばかりいるとデストロンがやってきて改造人間にされるぞ!とか(笑)>
第24話 怪奇!ゴキブリ屋敷!!

  監督:山田 稔
  脚本:滝沢真理
 近所にある大里細菌研究所を見張っていた少年仮面ライダー隊員のヨシオは、この研究所が変なことに気付く。ここはお手伝いさんを募集しており、何人もの女性が入っていくのだが、誰も出てこないのだ。実はこれはデストロンの秘密研究所で、ゴキブリスパイクによって培養された細菌を東京中にばらまこうとしていたのだ。
 敵はゴキブリスパイク。ゴキブリと棘付きハンマーの合成怪人。右手のハンマーで攻撃するほか、口から細菌の粉を吐く。叫び声は「スパーイク」。なかなか勇ましい叫び声だ。ちなみに戦闘員と一緒に走る時は「すぱーぃく」「ききっ」「すぱーぃく」「ききっ」…と、まるでかけ声のように走っている。
 これ又定番の細菌もの。ドクトルGによれば、「細菌戦こそ我がデストロンに最もふさわしい誇りある戦術だ」そうである。第3クールを前に「仮面ライダー」に逆戻りしてしまったようだ…だから定番というのだが
<冒頭、双眼鏡を使って細菌研究所を探るヨシオ少年。その姿はまるで覗き魔。この子の将来が真剣に心配だ。
 さらわれたヨシオ少年はゴキブリスパイクに対し、「やい。ゴキブリ!お前なんか怖くないぞ」と強気の発言。元気が良いと言うよりはものを知らないと言うべきかもしれない。
 ヨシオ少年のお母さんに聞き込みをする純子。お母さんは「そう言えばあの研究所に何人も女の人が入っていくのに誰も出てこないのよ」…気付いてるじゃないか!通報しろよ。
 研究所を掃除しながら、鍵穴から一室を覗き見る純子。そこに縛られている白衣姿の男がいるのを見かけ、「本物の大里博士だわ」と呟いてる。顔知ってたの?いや、確かにかなり個性のある(悪人)顔してるけど。
 V3と戦うゴキブリスパイクは「何をこしゃくな。ゴキブリの歴史は人類より古いのだ」とか言ってるけど、だったら他の怪人の大部分もそうだと思うぞ。
 で、戦ってる最中ゴキブリスパイクは「研究所に火を付け人質を皆殺しだ」と発言。当初の目的を完全に見失ってないか?
 V3はゴキブリスパイクをキックやパンチで徹底的にいたぶり、ついに倒れ込むが、次の瞬間V3反転キックを行う際はしっかり立っていた。どうやって立ったんだろう?>
第25話 怪奇!!デストロン,レインジャー部隊

  監督:塚田正煕
  脚本:伊上 勝
 デストロンレインジャー部隊の訓練場に迷い込んでしまったハイカーが殺された。偶然それを少年仮面ライダー隊の工藤兄弟が目撃してしまう。カマキリメランによって執拗に命を狙われる工藤兄弟だったが…
 敵はカマキリメラン。カマキリとブーメランの合成怪人でカマキリの首が二つついてるのが特徴。デストロンレインジャー部隊の隊長で、訓練を目撃されたハイカーを殺し、工藤兄弟を執拗に狙う。武器は左手に装着されたブーメランだが、いくら投げつけてもその度にV3に受け止められていた。はっきり言って役立たずである。叫び声は「ギリギリギリギリ」。
 少年仮面ライダー隊の少年が主人公となり、怪人と戦うというお話で、更に次の話の展開がラストで語られるようになった。これが新しいパターンの定番となりつつある。ただ、話そのものは今ひとつと言った所か。
<人里離れた山奥でデストロンレインジャー部隊の訓練が行われている。しかし、ちゃんと道があるし、採石場のように見える…更にそんな所にハイカー3人組と少年仮面ライダー隊の兄弟がここにやってきてる。どこが人里離れた所なんだ?
 少年仮面ライダー隊の兄弟が殺される描写あり。しかもカマキリメランのブーメランによって首チョンパ。珍しいな。
 シゲル君にスクランブルホッパーなる新装備を与えるV3。これは蛇腹のプラスチックチューブ。一々取り扱いの説明までしてるが、これってひょっとして玩具の宣伝を番組内やってるのか?
 そのスクランブルホッパーをV3ホッパーで空に撃ち出すV3。あんなでっかいのどうやったらあの筒の中に入ったんだろう?
 クランブルホッパーで戦闘員を倒した工藤ケンジ君はカマキリメランによって鉄塔から落とされてしまった。随分高さあった気がするけど、脚にちょっと怪我した程度で復帰してる。頑丈な子だな。
 ケンジ君をキャンプ場に連れて行き、小屋の一つに匿う風見。その小屋に不意に現れたのはおやっさんだった。「周りはデストロンだらけだぞ」とか言ってるけど、どうやってその包囲網くぐり抜けたんだろう?
 最後に自分が囮であることをV3に明かすカマキリメラン。言わなきゃV3も気付かなっかだろうに。>
第26話 怪人ヒーターゼミのミイラ作戦

  監督:塚田正煕
  脚本:伊上 勝
 デストロン怪人ヒーターゼミによる東京都民ミイラ化計画は着々と進行していた。水道に混入されたミイラビールスにより次々とミイラ化していく都民。そしてその魔手は少年仮面ライダー隊にも伸びる…
 敵はヒーターゼミ。セミと電熱器の合成怪人。両手から火花を出して攻撃する。人間の喉を渇かせる特殊音波を出し、それでミイラビールス入りの水を飲ませようとする。叫び声は「ミミンガー」。
 前回のラストでちょっとだけ触れられた東京都民ミイラ化計画が描かれる。24話に続き細菌の話となってるのが特徴。ただ、前回今回共に物語としては単純すぎて今ひとつ。
 今回のアクションはえらく力が入っており、風見はデストロン戦闘員が運転する車に併走するバイクから飛び乗ったり、ドアを開けた車のドアの上でアクションしてるとか…しかもこれ宮内氏本人がやってるみたいだ。凄いな。
 今回もスクランブルホッパー大活躍。しかし、あんな管ぶん回すだけで戦闘員が倒れる描写はあんまりと言えばあんまりだ。
<デストロン首領はドクトルGに対し、「君の二段作戦は一応成功した」と言ってるけど、成功したようには全く見えないのが味噌かも。
 風見にミイラビールス入りの水を飲ませようとするデストロンレインジャー第二部隊の面々。その際、「世界中広しといえども、このワクチンを作れるのは田口博士だけだ!」ととんでもない秘密をばらしてしまった。なんと口の軽いやつだ。
 ヒーターゼミの罠にはまり、ミイラビールス入りの水を飲もうとしたおやっさんを気絶させることで救う風見。その後すぐにヒーターゼミとの戦いになるが、直後におやっさんからの通信で純子がさらわれたと通報が…いつ目が覚めて、それを目撃したんだ?
 田口博士の娘ハルミは風見しか見てないはずなのに、V3を見た途端、「V3」と名前を呼んでた。
 ところで水が危ないって分かってるんだから、怪人倒すよりも水道局に連絡入れて対処を促す方が良いのではないだろうか?>
第27話 生きかえったゾル・死神・地獄・ブラック

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
 デストロン首領はV3を倒すため、かつて仮面ライダーと戦い敗北したショッカーの大幹部、ゾル大佐、死神博士、地獄大使、ブラック将軍を甦らせ、日本中を新型毒ガスのギラードガンマで全滅させようとする。
 敵はワナゲクワガタ。クワガタムシと輪投げの合成怪人。かなり不気味な顔つきをした秀逸なデザインをしている。体中に巻き付けてある輪は相手の体を締め付け、両手からガスを吹き出す。叫び声は「ムパー」。それ以外にもかつてライダーに倒されたドクダリアン、シオマネキング、ウニドグマ、イモリゲスが登場。
 ショッカーの大幹部が勢揃い。しかも冒頭では再生怪人の群れも登場。なんとも豪華なお話で、これだけのサービスは劇場版に匹敵する。事実ライダー勢揃いはあっても悪の幹部勢揃いというのはまずお目にかかれない貴重なショットである。流石復活させられたとは言え悪の大幹部。協調性は無いみたいだけど、きちんとそれぞれの個性まで描くのは、流石「仮面ライダー」メインライターの伊上勝だけのことはある。
<冒頭、ショッカーの再生怪人を見つけた少年仮面ライダー隊員のショウタロウ少年のお父さんは復活を阻止しようと、棺桶の中の怪人に対して大きな岩をぶつけまくっている。こういうのを「死亡フラグ」と言う…死ななかったけど。
 デストロンの開発した毒ガスギラードガンマは首領の言う所によれば防毒マスクも効かないそうだが、戦闘員達はしっかり防毒マスクをかけてる。>
第28話 五大幹部の総攻撃!!

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
 ギラードガンマを手に入れるため五大幹部が勢揃いしたデストロンアジトに突入したV3だが、罠にはまり捕らえられてしまった。
 敵は前回に続きワナゲクワガタ。それと五大幹部が勢揃い。後はショッカーの再生怪人が五体登場するが、全員あっけなく倒されてしまった。シオマネキングとイモリゲスにあっては冒頭で簡単に自爆して死んでしまう。更にショッカーの四大幹部に到ってはアジトの爆発で消え去ってしまった。
 五大幹部勢揃いのサービスが続き、とにかく見所満載の話。中でも地獄大使の個性は際だってるね。実際V3と戦ってるし。
<デストロンアジトで罠にはまったV3は風見の姿に戻るが、前回変身する前は戦闘員の格好してたのに、変身解いたらいつもの格好に戻ってる。
 ギラードガンマの解毒剤開発に成功したという南原博士を誘拐するワナゲクワガタ。しかし、それはどう見てもおやっさんなんだが…
 四大幹部勢揃い。何故か地獄大使だけは風見の様子見に地下に行ってしまう。それでブラック将軍は「あいつはそそっかしい所があるからな」と…あんたに言われたくないわ。って感じだが、事実それでV3を逃がしてしまうので、言った通りか…
 で、その地獄大使、再生怪人がV3に倒されたのを見て、「よくも儂の顔を潰してくれたな」と発言…その原因作った張本人がよく言うわ。
 しかし、折角復活させた大幹部連中が単にアジトの爆発だけで死んでしまったのは寂しい。全員改造人間の本性を現せば、あの程度の爆発では死ななかったんじゃないかな?>
第29話 ドクトル・ゲー最後の挑戦!

  監督:塚田正煕
  脚本:伊上 勝
 折角復活させたショッカーの四大幹部まで失ってしまったドクトルGにはもはや後がなかった。これまでの失態を挽回するため、カメラモスキートにインターポールから派遣されたデストロン・ハンターの抹殺を命じる。
 敵はカメラモスキート。蚊とカメラの合成怪人。目に装着したカメラで写した人間の顔を奪うことが出来る。ドクトルGに言わせれば最強怪人だそうだが、他に目立った能力はない。叫び声は「ぶるるるる」。
 前半のクライマックスで、度重なる失敗でもう後のないドクトルGの捨て身の作戦が展開される。結局は今回の作戦までも失敗に終わってしまい、いよいよ次回は最終決戦となる。
 V3サポーターである佐久間ケンの登場の話。「仮面ライダー」における滝和也のような存在だが、ここではちょっとドジなデストロン・ハンターの一人という役付け。
<カメラモスキートに写された人間は顔を失うが、何故か髪の毛まで取り去られてしまう。恐るべきカメラモスキートの能力!人によっては顔を奪われないままだったりもするが。
 佐久間は登場と同時にデストロン・ハンターの秘密をべらべらとカメラモスキート(の変身したデストロン・ハンター4号)にばらしてしまう。更にスパイの存在を全く考えずにおやっさんにも秘密ばらすし。こんな口の軽い人間で大丈夫?更に言うならまだちょっと台詞は棒読みっぽいけど。
 カメラモスキートはカメラを用いてあたかもおやっさんたちが人質に取られたように見せかける。思わず駆け寄ったV3に何にもしてないんだけど、後ろから攻撃すべきだろう。最強のデストロン怪人が聞いて呆れる。>
第30話 ドクトル・ゲー!悪魔の正体は?

  監督:塚田正煕
  脚本:伊上 勝
 田所博士によってデストロンの暗号文書が解読され、デストロンの改造人間工場の在処が判明した。早速デストロン・ハンターの面々は偽装した工場の爆破に成功したが、佐久間を除いた面々はドクトルGにより殺されてしまった。完全に後が無くなってしまったドクトルGは、悪魔の儀式を経てカニレーザーに変身。単身V3に挑む。
 敵はカニレーザー。カニとレーザー砲の合成怪人。ドクトルGが変身した姿(あるいは正体?)。周囲を暗黒に包み込み、額からレーザーを出すことが出来る。叫び声は「あーばらー」。
 シリーズ前半ドクトルG編の最終話。大幹部ドクトルGとV3との一騎打ちが描かれる。かなり盛り上がる話でもあるのだが、演出がちょっと野暮ったいのが玉に瑕。
 今回も宮内洋は身を張ってアクションしてるが、ドクトルGに足蹴にされ、海に顔突っ込まされるなど、観ていて気の毒に思えるほどだ。
<デストロン・ハンターの面々はガス弾を用いて改造人間工場に潜入するが、スタントが爆発になれてないのか、首をすくめて一瞬動けなくなってた。
 他のデストロン・ハンターを殺し、一人残った佐久間に斧を振り上げるドクトルG。その時、爆音が聞こえて振り向くとハリケーンに乗ったV3が…えらく遠いんだけど、その間に佐久間を殺す事なんて簡単だったはず。
 これまでの反省を活かしてか、風見が変身ポーズを取ってる途中で攻撃を加えるドクトルG。これまでの敵もこれを徹底してれば問題なかったのに。それ以前に人間体だったら簡単に殺してしまえるはずだが、いたぶり続けたために反撃を許してしまった。
 ドクトルGが正体を現した瞬間、V3は「ドクトルGの正体は、カニレーザー!」と呟く。初めて会ったはずだけど。
 この辺りから変身のかけ声が「へん、すん、う゛いすりゃ」へと変化してきた。>
第31話 呪いの大幹部キバ男爵出現!!

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
 デストロン新幹部として日本に着任したキバ男爵が小手調べに作り上げたドクロイノシシは山梨県の小淵沢の村を襲い村人を全滅させるのだった。通報を受けた少年仮面ライダー本部から風見は調査に向かうが…
 敵はドクロイノシシ。猪型の改造人間。手にした牙を人間に突き立てると骨だけになってしまう。更に血を吸う事により、人間を意のままに操る。叫び声は「ウェーっ」。
 シリーズ第3部の開始。怪人もこれまでの「電化製品+動物」ではなく、シンプルな動物単体へと変わった。呪術的な雰囲気も強くなったが、これは「仮面ライダー」 の原点返りのように見える。ただ、この辺からオリジナリティが薄くなってしまうのは長期シリーズでは致し方ない所か。
<冒頭、ドクロイノシシは生け贄となった女性に襲いかかる。服を切り裂いて牙突き立てる姿は妙にエロチック。これも現代では出来ない演出だ。
 ドクロイノシシはある家の父親になりすまし、家の戸を開けさせるのだが、その過程はモロに「牡丹灯籠」だったりする。
 いつの間にやら佐久間は風見のことを「先輩」呼ばわりしてるけど、これってデストロンと戦う先輩って意味なんだろうか?
 ドクロイノシシは巨大な猛毒牙なるものを取り出すが、発泡スチロール製のでっかいオブジェを両脇に抱え込んだようにしか見えず、結構情けない姿。
 相変わらず情けない佐久間。人のことを信用しすぎるし、結論を急ぎたがるのが彼の弱点だ。台詞棒読みも含め(笑)
 処刑されそうになった風見を助けるかのようにサイクロンが自走して登場。一人で走ってるように見えるが、よく見ると、側面に何か固まりが見える。多分ここに人がへばりついて運転してるんだろうけど、凄い技術だ。>
第32話 鬼火沼の怪 ライダー隊全滅!?

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
 少年仮面ライダー隊員がキャンプをしている鬼火沼の管理人に化けたオニビセイウチはライダー隊の全滅を謀る。一方佐久間と共にキバ男爵の正体を探る風見だったが…
 敵はオニビセイウチ。セイウチ型の改造人間。鬼火を周囲に張り巡らせ、戦闘員に変える力を持つ。藤兵衛の昔なじみ伊藤に化けてライダー隊を全滅させようとした。叫び声は「あーう、あーう」。
 今回もホラー風味満点。アフリカの密議宗教という設定を活かした話となっている。ただやっぱりパターンに陥ってしまった感は拭えず。
<そう言えばキバ男爵は今回モーニングに蝶ネクタイという格好で登場していた。頭の白骨は変わらない分、違和感がある。
 オニビセイウチはV3と出会った時、「お前は?」と名前を聞いてる。あれ?こいつはV3を知らなかったんだろうか?
 オニビセイウチは日中でも鬼火を作り出すことが出来るのだが、やっぱり日の光の下だと糸がくっきりと見えてしまう。
 鬼火沼でキャンプファイヤーを行っている少年仮面ライダー隊の面々。おやっさんは「第一回少年仮面ライダー隊キャンプを行う」とか言ってた。前に初島でやってたんじゃなかったっけ?>
第33話 V3危うし!帰ってきたライダー1号、2号!!

  監督:塚田正煕
  脚本:鈴木生朗
 光化学スモッグを人工的に作り出すことに成功した寒川博士の研究成果をデストロンのユキオオカミが狙う。博士の一人娘弓子に絶対服従の呪いをかけ、弓子の友人である珠純子を狙う。ユキオオカミによって凍らされた風見。絶体絶命の危機に現れたのは…
 敵はユキオオカミ。狼型の改造人間で、噛まれた人間を絶対服従させる。仮に命令に逆らった場合はその人間は狼人間になってしまう。ウルトラブリザードという冷気で攻撃し、力も大変強いのだが、流石に三人ライダーまとめてでは分が悪かったようだ。叫び声は「スノーフー」。
 これまで1話、2話、そして21話で部分的に登場していたダブルライダーがついに完全復活。V3の絶体絶命の危機に登場という、これ以上ないタイミングで登場してくれた。しかもちゃんとテーマミュージック付きの人間体で。そして三人ライダーの変身。と盛り上げてくれる。
 今回もホラー風味満点。人間が狼人間になってしまう恐怖が緊張感と共に描かれている。話もきちんとしていて、かなり良質な作品に仕上がっている。
<しかし純子って交友関係が広いな。博士の肩書きを持っている人の多くは彼女の知り合いみたい。
 ユキオオカミと戦っていたV3はユキオオカミが消えたら風見に戻って探してた。不意打ち喰らうこと考えてなかったんだろうか…実際それで凍らされてしまったんだが。
 あれ?1号ライダーと2号ライダーの色が若干又変わってる。“桜島1号”ほどではないけど、1号ライダーのマスクの色が若干濃くなってるみたい。
 最後の三人ライダー対ユキオオカミの戦いはほとんど集団リンチ。>
第34話 危機一髪!キバ男爵対三人ライダー!

  監督:塚田正煕
  脚本:鈴木生朗
 キバ男爵はキバ一族の母なる魔女スミロドーンを甦らせ、その力を借り、三人ライダーを倒そうと謀る。
 敵は原始タイガー。サーベルタイガー型の改造人間…と言うよりは、100万年前にキバ一族を作り出したという母なる魔女スミロドーンの真なる姿。ドーブー教の呪いの人形を使って本郷を猛毒に冒す。牙型の専用バイクも持っている。非常に強力な怪人で、単体であればライダーよりも強かった。叫び声は「ムヒョー」。
 三人ライダー編の後編で、三対一のハンディマッチを制するかのように、強力な怪人が登場する。仮面ライダー一体であれば原始タイガーの方が力が上で、一人一人別々に呼び出して戦っている。それにしてもやっぱり三人揃っての変身シーンは映えるな。
 キバ男爵もそろそろ後がなくなったようで、ついに一族の守り神を駆り出してくる。
 新しいライダー隊員の任命式を行っている本郷猛。久々のことでその表情はまんざらでも無さそうだ。藤岡弘の笑顔が良い。今回はとかく藤岡弘の笑顔が映える話だった。
<牙男爵が呼び出したスミロドーンは魔女だけに女性だが、原始タイガーに変身するといきなり男の声になる。
 ライダー同士は意識を共有してるという設定があるはずだけど、一文字は志郎への通信を傍受して危機を知ったという。
 意識不明に陥った本郷と風見をアジトに連れてきて、正気に戻ったら殺してやるとうそぶくキバ男爵。だから、有利な時に殺しておけばいいのにと何度…本郷と風見を捕まえる実力を持っていながら一文字を放っておくとは、詰めも甘い。
 本郷の台詞「どんな手を使っても正義は必ず勝つ!」…これって実はとんでもない台詞なんじゃなかろうか?>
第35話 キバ男爵最後の変身

  監督:内田一作
  脚本:伊上 勝
 デストロンの脱走者からの密告で謎の鍵を手に入れる風見。その鍵で新宿のコインロッカーを開けてみると、そこには三枚の政界の大物の写真が。キバ男爵が狙っているのが政財界の要人であると当たりを付けた風見は佐久間と共に三人の警護を開始するが…
 敵は吸血マンモス。マンモス型の改造人間で、実はキバ男爵の正体。長い鼻を相手に巻き付けてその血を吸ってしまう。赤い霧を吐いたりキバからミサイルを出したり、左手を地面に叩きつけることで地震を起こしたりと、多彩な攻撃方法を持つ。
 キバ男爵編最終話。キバ一族は既に彼しか残っていないらしいが、たった5話しか出てこなかったとは引き出しが少なかった。しかしこんな重要な時にダブルライダーはいなくなってるとは。
 風見の変装術も見ることが出来る。それまで風見そのものだったのに、鬘を着けた途端、全くの別人に変身してしまった。これは変装ではなく変身だな。しかも変装を解いたら服装も戻ってる。番場壮吉か?
<変身していない風見を弄ぶかのように攻撃する吸血マンモス。このまま攻撃を続けていたらV3も終わりだったんだけど、このツメの甘さこそがシリーズの特徴か。
 V3に作戦を知られているのに敢えて作戦を続行するキバ男爵。勝算はあるんだろうけど、こういう場合はもうちょっと作戦を変えるべきだったのでは?
 要人の一人をさらった吸血マンモスだが、運転席に誰もいないのにちゃんと車は運転している。
 車もろとも崖に落とされる風見。本当に車を崖から落としているが、その上に乗っていた人型は完全にぺっしゃんこ。これで生き残る風見とはなんと丈夫なんだろう。>
第36話 空の魔神 ツバサ軍団

  監督:内田一作
  脚本:伊上 勝
 デストロン新幹部に就任したのはツバサ大僧正と、彼の引き連れるツバサ軍団だった。日本に住む高名な科学者を次々に殺していくのだった。不気味な僧が徘徊する東京の町で風見は新たなる敵の存在に闘志を燃やす。
 敵は火炎コンドル。コンドル型の改造人間。嘴を武器として用いるほか火を吐くことも出来る。空中攻撃によりV3を散々苦しめるが、V3が特訓の据えに編み出したビッグスカイパンチおよびビッグスカイキックで倒される。叫び声は「うわー」。
 空を飛べる敵に対抗するため、V3も空を飛ぶようになるが、それは特訓によってなされた。やっぱり仮面ライダーシリーズには特訓がよく似合う。当然ながらそれにつきあうのは全編通じておやっさん。
<ツバサ軍団は鳥の大群となって現れ、東京上空を旋回してる…さすがローテクというか、一本の紐に何羽もの鳥のシルエットをくっつけてることが丸分かり。
 火炎コンドルはインカの遺跡からやってきたと言うが、そのリーダーのツバサ大僧正はチベットの出身のはず。それ以前に火炎コンドルの人間体がチベット僧なんだが。ツバサ軍団ってどういう組織なんだろう?
 空を飛べないV3はジャンプ力を高めることで滞空時間を上げようとする。実はこれまでの二段ジャンプなどの必殺技を見れば分かるとおり、V3は空を飛ぶことが出来るのだが、自分でそれに気付いてないらしい…劇中には出ないが、グライディングマフラーという26の秘密の一つがあるらしい。>
第37話 怪しの寺 ムササビ族の呪い!

  監督:折田 至
  脚本:滝沢真理
 北海道大雪山の麓のムササビの森をアジトにコダマムササビが活動を開始した。たまたま従姉の元に遊びに来ていたシゲルは不審に思い、早速風見に連絡を入れるが…
 敵はコダマムササビ。毒ミサイルによって人間をムササビの死骸に変えてしまう。叫び声は「アー」。
 北海道を舞台にした出張編。だがやってることはルーティンっぽい感じで今ひとつ個性がない。舞台も北海道には見えない(笑)が、ツッコミ所は多い。
 火のついたドラム缶を坂から落とし、それをバイクに乗った風見が避けるというシーンあり。宮内洋本人がやってるみたいだが、よくこんな危険なことやらせるよ…これに限ってじゃないけど。
<冒頭、自称「科学者」がガイガーカウンターらしきものを持って山を探索してる。キノコを調べて放射能があるとか言ってるけど一体何を探していたかは全く不明。
 戦闘員を実験台に毒ミサイルの実演をするコダマムササビ。それを見たツバサ大僧正は「素晴らしい」と言って踊り出す。そんなに嬉しいか?
 毒ミサイルの実験をばらさないため。と称して次々に山に入ってくる人間を殺害するコダマムササビ。そんなことをしたら余計怪しまれると思うんだが…事実風見がやってきてるし。
 お寺に置いてあった大きな下駄の上に飛び乗ったV3は何故か足が離れなくなる。コダマムササビの仕業と思うのだが、その時に毒ミサイルを放てばいいのに、何故か逃げてしまった。
 シゲルの泊まってる住職は夜中にお経を上げてるけど、仏壇に置かれていた仏像は火焔を纏っていた。密教か?
 ムササビ作戦の要のスイッチをV3に押させようとするコダマムササビの作戦。つまりスイッチさえ押せば作戦は遂行出来ていた訳なんだが…詰めが甘いな。
 久々にV3の逆ダブルタイフーンが見られる…けど、変身は解けてなかった。設定無視じゃないか。>
第38話 子連れV3 死のスカイダイビング

  監督:折田 至
  脚本:鈴木生朗
 ツバサ大僧正はV3をおびき寄せて殲滅する作戦に出た。変電所襲ったドクガーラはの所員二人を殺害。それを餌に風見をおびき寄せる。
 敵はドクガーラ。蛾型の改造人間で出身はビルマの泥の中(自慢にならないと思う)。造形はもこもこした毛を多用し、デザインがかなり良い。毒蛾の群れを操り、人間を骨にしてしまう力を持つ。叫び声は「ぎゃー」。
 ツッコミ所も多いが、なかなかバランスの取れた良い作品。鈴木生朗脚本は私との相性が良いらしい。実際これはシリーズを通しても名作の一本だと思うぞ。
 子どものいる前で変身することが出来ない風見はドクガーラにボコボコにされてしまう。そう。ヒーローとはこういう弱味があってこそ強さが映えるってもんだ。更に自分の命の危機よりも子どもの涙を優先する姿。格好良いじゃないか。今はそう言うのが無いから困る。
 更に言えば、V3はシリーズを通してよく変身するが、今回に限って本当のギリギリになるまで変身もしてない。
<デストロンは盗電してるらしい。思ったよりせこい組織だな。しかもそれを調べに来た電力会社の人を殺してしまう。「デストロンの秘密を知った者は生かしてはおかん」って、盗人猛々しいとはこのことだ。
 変電所の職員が白骨死体になって発見されたことを聞いてるおやっさん…これひょっとして盗聴なのでは?しかし、行方不明になった直後に白骨死体になったの、よくそんな短期間に分かったもんだ。
 事件のあった送電線近くでおにぎり食べてる親子。その子は顔中飯粒だらけになってる。汚い食べ方だ。しかもその手でやってきた風見のバイクにベタベタさわり回る。
 風見の身を案じるおやっさんと純子。「もう12時よ」とか言ってるけど、部屋に電気付けてないよ。今回電気絡みのネタだから省エネなのか?それにしても不気味だよ。
 今回登場するツヨシ少年はなかなか気の強い子で、ドクガーラに襲われた時も木の切れ端でぶん殴ってた。デストロン怪人も子どもは殺せないのかな?
 ツヨシ少年を助けたV3は直ぐさまサラシを使ってツヨシ少年を背負う。一瞬の早業で結びつけるのだが、そのサラシ、どこから出てきたんだ?時々背中の子どもがあり得ない方向に首がねじ曲がってたりするんだけど(人形だから)、ほんとだったら良く生きてるよな。>
第39話 人喰い植物 バショウガンの恐怖

  監督:内田一作
  脚本:海堂 肇
 サマーランドの熱帯植物園でお姉さんと散歩していた修一少年はお姉さんをカエンバショウに擬態していたバショウガンに連れ去られてしまう。偶然そこに居合わせたシゲルと純子は早速少年仮面ライダー隊本部に報告。風見が調査に向かった。バショウガンの毒を用いて人間を縮小させる実験に着手していたツバサ大僧正の野望を知った風見だったが…
 敵はバショウガン。カエンバショウ型の改造人間。なかなかマニアックな選択をしてくれるが、デザインセンスも良い…そう言えばツバサ一族では珍しく翼を持ってないな。その毒は人間を縮小させる効力を持ち、それを用いて保存人間を作ろうという計画。蔦を使って攻撃する。叫び声は「ひーっひっひっひ」。
 健気な子どものために戦うという、ある意味王道を行く物語(どこかで同じような話があったと思ったら「仮面ライダー」4話の「人喰いサラセニアン」と全く同じだった。リメイクなのか?)。
 子役の好演が光る作品だった。ラストで風見自身が家族を失ったことを寂しく思っている描写あり。
<尚、本作で修一少年を演じていたのは松田洋治。後の「仮面ライダーアマゾン」でのマサヒコである。まだ幼いながら、台詞などもしっかりしており、演技も上手い。
 縮小人間にされた人はみんなちゃんと服を着てるけど、服も縮小したんだろうか?
 修一少年は「お姉ちゃんを助けて」と風見にパンダのぬいぐるみを手渡してるが、バショウガンを倒すV3を見た直後、何の疑問もなく風間からぬいぐるみを受け取ってた。>
第40話 必殺!V3マッハキック!!

  監督:内田一作
  脚本:海堂 肇
 デストロンの死人コウモリは人間を自在に操るヴィールス、ヒマラヤの悪魔のテストを行っていた。標的にされたキヨシ少年のお兄さんは別人のようになってしまい、キヨシ少年は友人のシゲルに相談するのだが…
 敵は死人コウモリ。コウモリ型の改造人間で、最も正統的な怪人で、デザインも「仮面ライダー」の蝙蝠男に準じている。実はツバサ大僧正の正体。
 前回今回とまるで先祖返りを起こしたかのように「仮面ライダー」の初期作品のリメイクっぽい感じに仕上げられた作品。戦いも夜が中心で、ホラー風味も満点。又、本作の初期にあった特訓シーンもあり。今回の特訓でV3はマッハキックを編み出す。
 これでツバサ大僧正編も最終回。今回が最後の作戦と語るデストロン首領の声に合わせるように次回からの敵となるヨロイ元帥のシルエットが現れてる。
<ヒマラヤの悪魔によって死人コウモリに操られる兄を見たキヨシ少年は「いつものお兄ちゃんとは何か違う」とか言ってる。あんな青ざめた顔見たら一発で分かりそうなものだが。
 キヨシ少年は兄が変わったことにはもの凄く怯えているのに、直後V3が死人コウモリと戦ってるシーンでは無責任なヤジを飛ばしてた。嫌な子どもだ。
 V3が自分の血を流して死人コウモリをおびき出すシーンあり。昔から思うんだけど、改造人間の定義ってなんだろう?
 死人コウモリの正体がツバサ大僧正であることは最後に分かるのだが、あんまり意味がなかったような…>
第41話 あッ!人間が溶ける!ヨロイ元帥登場

  監督:折田 至
  脚本:海堂 肇
 デストロン新幹部となったヨロイ元帥はガルマジロンを作り上げた。そんな時、風見はデストロンの脱走者山下を匿っていたが、そこに現れたのは友人である高木祐介だった。デストロンに襲われた二人は共に戦うことを誓い合うのだが…
 敵はガルマジロン。アルマジロ型の改造人間でヨロイ元帥の作り出した第一号怪人。光る鱗で人間を溶かしてしまう。実は風見のライバルである高木祐介が改造された姿である。叫び声は「アーイヤ」。
 いよいよ最終章を迎え、最後の大幹部ヨロイ元帥が登場。描写もますます怪奇色を増している。ライバルが悪の改造人間になったというのは「仮面ライダー」3話に登場したさそり男に準じるが、こちらは最後まで風見の身を案じていると言うのが違い。哀しみの中親友を倒さねばならないV3の苦悩も描写されていた。
<冒頭でガルマジロンが老人を襲い溶かしてしまう描写あり。今だったら倫理に引っかかるな。
 病院で看護婦に化けた戦闘員に襲われる風見。戦闘員は指輪型のダーツ発射機を使うのだが、コントロールが悪く、完全に狙いをはずれてる。
 ヨロイ元帥登場。このキャラはデストロンのことを「デーストロン」と発言するのが特徴。
 ツッコミじゃないんだけど、ガルマジロンとV3が戦っている所には大きな磨崖仏が置かれている。ここどこだ?>
第42話 カタツムリ人間の人体実験!

  監督:折田 至
  脚本:海堂 肇
 ヨロイ元帥は新たなる改造人間カタツブラーを用い、犠牲となった人間を操って風見を襲わせようとする。
 敵はカタツブラー。カタツムリ型の改造人間で、造形も気持ち悪気で良い。自分が生んだカタツムリに人間を襲わせ、意のままに操ることが出来る。自ら小さくなってカタツムリのようになることも出来る。叫び声は「くわー」。
 今回も怪奇風味満点。カタツムリが人間の顔にたかるというのも気持ち悪いけど、普通の人間まで撮り方によっては怪奇風に変えることが出来ることができることをよく示していた。
 今回の風見の格好はヒッピー風。毎度色々な格好で楽しませてくれる。
<最初に犠牲となる女性には川田美沙子という妹がいるが、最初に美沙子が登場した時は暗闇の中で無表情で立っているので、こいつが操られてるのかと思ってしまった。
 美沙子に姉の殺人犯と間違われた風見はすぐさまそのマンションの調査に向かってる。どうやって突き止めたんだろう?ストーカーか?
 本シリーズの常で怪人が倒されると、それまで操られていた人間は元に戻るのだが、今回は何故かカタツブラーを生きたまま縛り上げただけだった。慎重を期したのかとは思うけど、説得力がないね。大体縄程度で怪人が押さえられるものじゃないと思うけど。
 美沙子にかけられていた呪いが解け、最後はおやっさんと笑い合ってる。お姉さんのことは思い出さなかったらしい。その分風見が孤独にバイクを運転してたけど。>
第43話 敵か味方か?謎のライダーマン

  監督:内田一作
  脚本:伊上 勝
 ヨロイ元帥は幹部会を招集し、デストロンの有能な科学者でありライバルである結城丈二の処刑を決める。硫酸のプールで右手を溶かされた結城だったが、助手の機転で辛くも脱出するのだった。一方、デストロンの動きに不振なものを感じ取った風見らは襲われた看護師の片桐幸江を救うのだが、
 敵はカマクビガメ。亀型の改造人間で、デストロンを逃げ出した結城丈二ら四人を捜し出して抹殺することが使命。首を伸ばすことが出来、そのまま蛇のように敵を絞め殺す。
 ライダーマン登場。自ら右手に数々のアタッチメントを換装し、デストロンと戦うが、V3とは協力体制にはないというなかなか複雑なキャラクタで、本作の終盤を彩る重要なキャラクタ。この位置づけは後の平成ライダーシリーズに受け継がれていったのではないだろうか?
 ライダーマン登場に合わせ、OPおよびEDが変わった。OPは歌そのものは変わってないが、V3のライダーテクニックを遺憾なく発揮するものに、EDは「走れハリケーン」に変化。「仮面ライダー」では随分変化があったが、V3ではこれが唯一の変更となる。
<結城の処刑シーンで硫酸のプールに漬けられたのは左手だったが、次の瞬間には右手が溶かされてた。
 片桐幸江の病院を張っていた風見とおやっさん。一体何故?無線でも傍受してたのか?
 アジトに乗り込んだライダーマンを襲うカマクビガメ。ヨロイ元帥はその姿を見て、「カマクビガメはお前の敵ではないわ」と豪語…ん?それって逆じゃないのか?>
第44話 V3対ライダーマン

  監督:内田一作
  脚本:伊上 勝
 ヨロイ元帥に対して怒りの炎を燃やすライダーマンを助けるV3。だがライダーマンはV3との共闘を頑なに拒み続ける。そして二人のライダーを同時に倒すべく、罠を張るカマクビガメ。敵味方が入り乱れる戦いの結果は…
 敵は前回に続きカマクビガメ。赤ん坊に化けたり、V3を飲み込んでみせたりと今回も大活躍。
 ライダーマン編の第2話。ライダーの格好してるのに仲間じゃないというややこしい位置づけだが、それが観ていてなかなかもどかしい。お陰ですっきりしない話になってしまったが、これはドラマ性を重視した結果と言える。こういう物語はやはりシリーズ最初から脚本書いてきた伊上氏らしい。
 信じるものに裏切られた結城の悲しみを描くことで、風見の悲しみもクローズアップされる。これもなかなか見所。
<ガスによって全滅した青葉団地から赤ん坊を助け出す結城。優しさがよく分かるシーンだが、その赤ん坊は実はカマクビガメが化けたもので、どんどん重くなっていく…小泣き爺かや?
 ライダーマンは一応生身のはずだから、当然ヘルメットとか服とかは自前で着替えなければならないはずだが、変身時に一体どこから持ってくるんだろう?
 片桐の墓参りに来た結城の前に現れた風見は「ライダーマン」と呼びかける。「知っていたのか!」と結城は驚くけど…いや、分からない方がおかしいと思うぞ。
 「僕には普通の血は流れてない!」と、文字通り血を吐くような告白をする風見…あれ?劇中幾度も血を流してたような気がするが?
 さらわれた幸江を救おうと急行する結城に「ライダーマンではカマクビガメに敵わないと分からないのか」と叫ぶ風見…あんまりな言い方ではないか?
 デストロンの戦闘員に変装する風見だが、戦闘員の服をはぎ取ったら、そこにはV3の顔が…サイズが合わないよ。>
第45話 デストロンのXマスプレゼント

  監督:折田 至
  脚本:鈴木生朗
 クリスマス。サンタが子ども達にチラシを配り、“幸運の家”に招く。そして集まった子どもを洗脳し、デストロンの幹部候補生として訓練しようとするのだった。
 敵はサイタンク。子ども達をさらい、デストロンの幹部候補生として訓練しようとし、その子ども達を人質にライダーマンにV3を襲わせる。極端に頑丈でV3パンチ、V3フルキック、V3マッハキックまで受け止めてしまう。恐るべき事にハリケーンダッシュまでも通用しなかった。叫び声は「ウェ〜」。
 未だ本当の仲間とはなっていないライダーマンとV3との戦いが今回も描かれる。サイタンクに脅迫された形とはいえ、V3に協力を要請するよりも戦ってしまうライダーマンは意地と言うよりは蛮勇としか見えない。
<サイタンクの化けたブラックサンタが子どもを徹底的にいたぶるシーンあり。これも現代では規制の対象になってるので今では見られない光景。
 狭い所でサイタンクに襲われた風見は戦闘員達を蹴飛ばしてサイタンクの前に放り出すのだが、あっけなく戦闘員が蹴散らされてしまう。邪魔にするのは分かるけど、そこまで戦闘員を邪険に扱うのは初めてではないか?
 焼き芋屋の子どもがさらわれたが、その焼き芋屋の前にやってきた結城は親しげに話し合ってる。ひょっとしてこの焼き芋屋はデストロンの関係者か?
 初めてサイタンクと会った結城は「サイタンク!」と名前を呼んでるが、やっぱり知り合いだったんだろうか。あるいは結城自身が手をかけた改造人間だったとか。
 あれ?そう言えばライダーマンのバックルの模様が左右逆になってないか?> 
第46話 ライダーマンよどこへゆく?

  監督:折田 至
  脚本:鈴木生朗
 サイタンクとライダーマンの連係攻撃でブルドーザーに押しつぶされてしまったV3だが、逆ダブルタイフーンの力によって何とか生還した。一方子ども達を救うため、心ならずもデストロンに味方した結城はヨロイ元帥に裏切られたことを知らされる。
 敵は前回に続きサイタンク。ここでも強さは健在で、ライダーマンのロープアームに絡め取られながらライダーマンを振り回し、更にV3を角で苦しめる。今回角をメインに攻撃しているが、その角を折られてしまったらてんで弱くなってしまった。
 結城はデストロンが科学で世界を平和にすると本気で考えていたようだ。しかし今までの活動でよくそんな事を考えられたものだ。やっぱり研究馬鹿だったのだろうか?それでようやく目が覚め、風見に協力を申し出る。ここにいたってようやく共闘がなった。
<ブルドーザーに押しつぶされ、身動きの出来ないV3を放っておくサイタンク。とどめを刺すという考えはこいつには…
 デストロンのことを「デェストロン」と喋るヨロイ元帥だが、ドクトルG同様、「ラァーイダ」と呼んでいることが分かる。
 逆ダブルタイフーンを使っているのにV3はすぐにライダーマンの救出に向かっているようだが、それまでの間に3時間経過してたのか?それにしても今回風見の回復が遅い。やっぱり逆ダブルタイフーンが負担をかけてるんだろうか?
 あと数秒あればライダーマンを殺していたヨロイ元帥もV3が侵入してきたことを知るや、処刑を中止してしまう…もはや何も言うまい。
 デストロンの研究員が風見の手術をしようとしているが、ねちねちと手術道具を用意してたりする辺り、マッド入ってるなあ…と思ったら結城の変装だった。これが本性か?>
第47話 待ち伏せ!デストロン首領!!

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
 ヨロイ元帥はライダーマンの偽物デストロンライダーマンを作り上げ、V3を油断させて抹殺する計画を立てる。そして首尾良く結城丈二を捕らえ、偽物をV3に差し向けるのだった。
 敵はシーラカンスキッド。シーラカンス型の改造人間。偽結城丈二に化けてV3と少年仮面ライダー隊本部を全滅させようとする。口から爆弾入りの風船を出す。叫び声は「ギャワワワワ」。
 ライダーマンが正式に仲間になっての第一回で、少年仮面ライダー隊本部に笑顔の結城の姿が見られるのだが、話そのものは裏切りものになってる。ライダーマンの扱いというのはこう言うのが多いようだ。
<ツッコミではないが、悪の組織によって偽物ライダーが作られるのはシリーズでは定番。ただしここではV3ではなくライダーマンというのが特徴で、結果的に偽物が作られなかったのは昭和シリーズではストロンガーとV3だけになってしまった。
 ライダーマンの偽物にはシーラカンスキッドがなるが、この場合別な怪人にやらせて複数で攻撃した方が効率的ではなかっただろうか?それに結局デストロンライダーマンに変身したのも時間にして1分に満たなかったしなあ。
 結城及び風見をおびき寄せるために今回デストロンが使ったのはなんと年賀状…日本だなあ。
 それにしても風見であれ結城であれ挑発に載せられやすすぎる気がするんだが、こんなので平和をよく守れるよね。事実V3はシーラカンスキッドに、ライダーマンはヨロイ元帥に捕まってしまった。
 シーラカンスキッドの吐き出す風船だが、本物の赤い風船を使用しているため、なんか妙にほのぼのした感じ。
 滑舌に問題があるヨロイ元帥だが今回はシーラカンスキッドの事を「シーラカァンスキッドォ」とか言ってた。
 バイクで風見と併走していた結城はがけの上を指さして「デストロンの影が見えた」と注意を促すのだが、シルエットでデストロンと分かるものか?>
第48話 見た!デストロン首領の顔!!

  監督:折田 至
  脚本:海堂 肇
 デストロン首領が来日する。前回その情報を得たV3とライダーマンは現場を見張っていた。だが二人はヨロイ元帥の罠にかかり、絶体絶命のピンチへと陥る。二人を虜にしたヨロイ元帥はオニヒトデを用いて東京皆殺し作戦を敢行するのだった。
 敵はオニヒトデ。ヒトデ型の改造人間。割とメカニカルな怪人の多い本作では最も気持ち悪いデザインとなってる。巨大なヒトデとなって襲いかかる他、戦いの最中、V3を食おうとしていた。叫び声は「ギヤーオー」。
 今回はシゲル君の大活躍の話。「仮面ライダー」の五郎少年と較べ、今ひとつ活躍の場が少なかったシゲル君もやっと活躍の場が与えられたようだ。
 そして結城とデストロン首領の関係も明かされる。結城が助手時代に救いの手をさしのべてくれたのが首領だったという。首領は彼にとっては恩人だった訳だ。
<デストロン首領を前に「貴様が首領か!」と叫んで飛び込んでいくV3。実はそれはスライドで、落とし穴に落ちてしまった。
 「貴様らの弱点は空気だ」と豪語するヨロイ元帥。いや、別にそれはライダーでなくても、大抵はそうだよ。この罠で大丈夫なのはスーパー1くらいか?
 シゲルら少年仮面ライダー隊の面々はその辺の池からヒトデが出てくるのを目撃するのだが、何の疑問もなくそれを持ち帰ってたりする。大胆と言うより、この子ども達は感覚が麻痺してないか?
 実に都合良くV3とライダーマンの捕らわれているビルにやってくるおやっさん。それでバッテリー切れしているライダーマンのドリルアームに電気を送ってやるのだが、ライダーマンって科学者のくせに準備が悪いな。>
第49話 銃声一発!風見志郎倒る!!

  監督:内田一作
  脚本:長石多可男
 カメレオンから結城を庇った風見はカメレオンの放ったバダル弾を頭に受け、その影響で変身出来なくなってしまう。
 敵はカメレオン。ストレートなネーミングだが、そのままカメレオン型の改造人間。姿を消すことが出来るが、影を消すことが出来ないので、その弱点を突かれてしまう。叫び声は「イヒヒヒヒヒ」。
 V3が改造人間としての能力を奪われてしまうと言う、かなり重い内容を持つ作品に仕上げられている。脚本は今や東映ライダーものでは第一線の監督である長石多可男。これが実質的にデビューとなるためか、力入ってる。
 ライダーマンはV3ほどの力を持たない。その弱さもよく表れていた。ライダーマンもその自覚はあるようだ。
 今回の舞台は新宿西口で、現在にもその面影はちゃんと残ってるけど、時代が変わったことも思わされる。
<カメレオンによって籠絡されてしまう家出少女のジュン。いきなり見たことのない男にコートを買ってあげると言われ、素直に従う辺り、やっぱり純朴な田舎もの…てか、普通いねえよ。これがデストロンのスカウト方法か?
 結城の家にはギターが置いてあり、思わずそれをつま弾く風見。このキャラはギターが似合うんだけど、「るるる〜」とか歌わないだけまだまし。
 力のコントロールが出来ず、おやっさんにも「触っちゃいけない」と叫ぶ風見だが、だったら結城の言うとおり外を出歩かなければいいと思う。
 バダル弾摘出手術はデストロン基地でしか出来ないため、急いで基地に向かう風見と結城。デストロンも出術室をダミーにするとか、あるいは最初から破壊するとかすればV3は自滅したのにね。大体カメレオンが手術室そのものを壊してるんだから、早い遅いの違いだろ?>
第50話 小さな友情

  監督:内田一作
  脚本:平山公夫
 V3に破れたカメレオンは再改造を受け、吸血カメレオンとして甦る。子ども達の血を吸い取り、次々に吸血鬼にしていく。更にヨロイ元帥はその子ども達が吸った血を多量の改造人間を作るために使おうとするのだった。
 敵は吸血カメレオン。前回V3に破れ、再改造を受けた姿。造形そのものは全く変わらないが、長い舌を伸ばして人間の血を吸うことが出来るようになった。叫び声も変わらず「イヒヒヒヒ」。
 本作の後半の特徴として、子どもとの友情が描かれるが、本作はその代表とも言えるだろう。ラスト前であるにもかかわらず、パターン的な作品を作るのは昔の特撮作品の特徴でもある。
<風見はケンイチ少年から借りたハーモニカを吹くのだが、なんと伴奏まで付いてる。口が二つあるのか?「快傑ズバット」でのギターでも同じ事やってるけどね。
 妹雪子との回想シーンが出てくるが、風見はなんと詰め襟学生服を着ている。全く合わないよ。特にこんな不敵な人間がぴっちりと学生服を着こなしてる事自体無理があるんじゃないか?
 みどり学園の木村先生は怪人が子どもを襲ってるというケンイチ少年の言ってることを頭から否定していたのに、風見が「ケンイチ君は嘘をつくような子じゃありません」と言ったら、「私も心配してるんです」と…言ってる事が矛盾してるじゃないか。これが大人の事情ってやつか?
 そう言えば、最初に吸血カメレオンに襲われて吸血鬼になった子どもはどうなったんだろう?全然描写無かったけど。それに「吸血鬼」と言う割りには誰も血を吸ってないぞ。
 おやっさんたちを襲った子ども達の中に、全然攻撃に参加せず、自分の手をじっと見てる女の子がいた。トゲかなんか刺さったのかな?そう言うのを無視して撮影してるのがなかなか味がある。
 吸血カメレオンと風見が戦っているのを石を投げてサポートするケンイチ少年。どっちかというと風見の方にダメージを与えそうな気がするよ。
 V3が水中から飛び上がるシーンは毎度お馴染みのフィルムの逆回転によるものだが、よく見るとまるでしゃがんでるように見える。これでどうやってジャンプが可能なんだろうか?>
第51話 ライダー四号は君だ!!

  監督:内田一作
  脚本:鈴木生朗
 デストロンはついに最終兵器プルトンロケットの開発に成功。これを東京に撃ち込み、一瞬にして東京を消滅させようとする。それを察知した風見と結城は八ヶ岳に調査に向かうがそこにはザリガーナが罠を張って二人を待っていたのだった。刻一刻とゼロアワーが近づいてくる…
 敵はザリガーナ。ザリガニ型の改造人間。これこそがヨロイ元帥の本体である。人間を溶かす泡を吐く。
 いよいよ本作のラストストーリーが始まった。後半になってV3を助け続けてきたライダーマンもここで退場。死を覚悟してプロトン爆弾に乗り込み、自爆とは泣かせる最後だ…劇場版「仮面ライダーX」で復活するんだけど。
<小笠原諸島の島の破壊ニュースを聞いたシゲルは「日本沈没かな?」と感想を漏らす。時代が分かるね。
 いつもなら罠にかかっても、敢えてかかってやって反撃する風見が珍しく本当に罠にかかってしまった。ただ、流石にそれでは問題なので、デストロンの裏切り者に助けられる訳だが。しかし、改造人間が灰皿ぶつけられたくらいでのびちゃうものかね?
 その後、自分を助けてくれたデストロンの研究員が縛られているのを発見し、それを助けようとして今度は爆弾で…今回はよく罠にかかるね。
 首領に対し、「それでも人間か?」と訊ねる結城に対し、首領の言葉は「人間だと誰が言った」とにべもない。それを聞いた結城は「俺は悪魔に忠誠を誓っていたのか」と、完全に目が覚める。しかし、人間でなかったら悪魔になってしまうのは短絡思考じゃないだろうか?>
第52話 デストロン最後の日

  監督:内田一作
  脚本:鈴木生朗
 プロトン爆弾と共にライダーマンは散ったが、V3には最後の戦いが待っていた。デストロンの総本部に侵入した風見の前で首領の声は、最後の作戦D作戦を指令するのだった。次々に爆破される東京の町と、更に再生怪人の群れの中、V3は最後の戦いに臨む。
 敵はザリガーナ=ヨロイ元帥。V3の回転フルキックを受けても生きていたが、首領によって抹殺されてしまう。それ以外に再生怪人としてオニビセイウチ死人コウモリバショウガンが登場している。
 いよいよV3最後の戦いが展開される。火薬の量も半端でなく、更に宮内洋自身が爆発の中バイクを走らせると言った命がけのスタントに臨んでいる。子門真人による歌詞付き「V3アクション」も初披露で、戦いはイヤが応にも盛り上がる。唯一、ザリガーナが弱すぎるのがなんだが…
<オニビセイウチは河原で少年仮面ライダー隊員を襲った次の瞬間にはライダー隊本部にザリガーナと共にやってきている。何という早業だ。
 ザリガーナの「奥の手」は背負った甲羅を砕いて投げつける技だった。最後の敵の割りにはあんまりにも情けない攻撃じゃなかろうか?
 特殊金属に埋もれてしまったV3は全エネルギーを解放して脱出するが、多分これは逆ダブルタイフーンを使用したものと思われる。次の瞬間ピンピンになって戦ってるけど、3時間変身出来なくなると言う設定は一体どこに行ったんだろう?
 そう言えば前回首領の命令を不服顔で聞いていたヨロイ元帥の表情は伏線かと思ったのだが、あっけなく首領に粛正されてしまった。
 デストロン首領との戦いは
「仮面ライダー」を踏襲。首領自身はとても弱いのだが、これもおそらく「まだ戦いは終わってない」という意志の表れではないかと思われる。実際後の「仮面ライダーストロンガー」で出てくるのだが。>