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月光仮面 マンモス・コング編

月光仮面 マンモス・コング編事典
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第1部 どくろ仮面篇
第2部 バラダイ王国の秘宝篇
第4部 幽霊党の逆襲篇
第5部 その復讐に手を出すな篇

1958'10'19〜12'26 

 大好評の月光仮面のシリーズも本作が三作目になるが、これまであくまで敵を普通の人間にしていたのが、いきなり巨大生物を引っ張ってきた。予算の関係でなかなか使えなかった特撮を限定的に使ってみたいというスタッフの要望もあったらしい。裏話だと、スタッフの一人が偶然よく出来た無許可の月光仮面の玩具を見て、ミニチュアで話が出来ないか?と考えたのが始めだとか。いずれにせよ、本作のマンモス・コングの登場でミニチュア撮影を用いたことにより、名実ともに本作は“特撮”の名を冠するに足るものとなった。
 マンモス・コングを演じたのは、黒澤明の『七人の侍』の野盗の頭目を演じた高木新平。

話数 タイトル 脚本など コメント DVD
第1話 生きている怪獣

  監督:船床定夫
  脚本:川内康範
 南極で発見された大怪獣マンモス・コングを日本に輸送中、超大型台風に遭遇。危険のため船上で射殺される。台風接近の中、そのニュースを見ていた祝の元に凶悪犯人15人が脱走したとの報が入る。それらの連続した報道に、心が騒ぐ祝だったが…
 第三部の開始の話。いきなり大怪獣の話が出てきてちょっと驚かされるが、その後凶悪犯の多量脱走、武器強奪と、様々な要因が重なっていく。
 この当時は情報のメインはテレビではなくラジオで各家庭に置かれているのが分かる。こういう時代も良かったんだな。となんかしみじみ。
<南極探査船の名前がアラスカ丸とは随分離れた場所の名前が付いてるね。
 マンモス・コングが可哀想という木の実の言葉を受けて警視庁に電話する祝。子煩悩だけど、それをきちんと受ける警察も凄い。というか祝は特別待遇か。
 マンモス・コングの姿はモロにキング・コング。寝転がる姿は『プルトニウム人間』のようでもあるが。
 第2部で祝と行動を共にした浅香役だった高塔正康が今回悪役を演じてる。間髪なしに違う役やらせるのはまずいんじゃない?>

第2話 予言的中

  監督:船床定夫
  脚本:川内康範
 大怪獣マンモス・コングの死体盗難、凶悪犯の集団脱走、大量武器盗難と立て続けに起こる事件は全て関連性があると睨んだ祝と松田は捜査を開始するが、そんな二人の前に“X”の文字をトレードマークとする謎の集団が現れる…
 三つの事件に関する謎は続いたまま。だが祝と松田の前に謎の殺し屋集団が現れ、緊張感は高まり、かなり物語にも弾みが付いた。
 一話目には活躍の機会がなかった月光仮面がようやく登場。今回は冒頭から都合二回登場。
 謎の集団の名前は国際暗殺団と言い、その狙いは日本における10人の要人の暗殺。割と目的が具体的なのは川内脚本の特徴か?
 そして最後に登場するマンモス・コング。身の丈5メートル以上はある化け物で、その威容を存分に表していた。
<Xから名前を問われた月光仮面は一旦「誰でもない」と答えてから「正義の使者月光仮面だ」と言っている。ちゃんと喋ってるじゃん…これは正体を明かす必要は無い。という事なのかもしれないが。
 謎の集団の車に釣り糸をひっかけてその跡をたどる祝だが、現代だったら他の車に轢かれてあっという間に切れてしまうだろう。この時代だからこその描写だ。>
第3話 狙われた総裁

  監督:船床定夫
  脚本:川内康範
 前総理青戸村がマンモス・コングに襲われ殺されてしまった。更に五郎八もマンモス・コングを目撃する。事態を重く見た祝はこの事実をマスコミに公表し、行方を追うこととするが…
 マンモス・コングが登場。祝はその存在を完全に推測するが、現在のところは手を出すことが出来ない状態。襲われたら助けに行く。という対処療法のみ。正義とは、常に受け身だ。
 ガソリンスタンドで車にガソリンを入れる描写があるが、この当時からサービス員が至れり尽くせりでガソリン入れてる。日本の文化の一つだろう。
<元総理が殺害されたことを、過激派とか元軍人だとか笑いながら推測する検察医たち。時代だな。
 前総理の家の女中が発狂した。というだけで見たように全ての事件を推測する祝。すさまじい洞察力だ。
 マンモス・コングの存在をラジオ放送する祝。しかし何故かカメラ目線だった。
 五郎八が警視庁に電話をかけたら話し中…ええ?
 国際スパイ団の連中は日銀総裁をピストルで狙うが、タイヤをパンクさせただけでマンモス・コングの来るのを待ってる。銃使うんだったら、そんなまどろっこしい方法使わなくても良さそうだ。
 マンモス・コングは突如犯行現場に現れるのだが、移動過程があんまり描かれてない。
 「箱根に向かいます」と請け負った祝だが、実際に向かっているのは月光仮面だった。正体とか気にしてないの?>
第4話 海の決戦

  監督:船床定夫
  脚本:川内康範
 現れた巨大なマンモス・コングになすすべもなく殺されてしまう東山。駆けつけた警察も、月光仮面さえもその巨体に全く抵抗できなかった。
 冒頭部分は直接の描写はないにせよ、かなり残酷描写のきつい話で、マンモス・コングの描写にに苦痛に歪む東山の表情をカット・インすることで良い効果を作ってる。
 今回の舞台は凄い田舎のように見えるのだが、横浜市の東南2キロだそうだ。横浜っていうのは街道以外は全然開けてなかったのか?
 月光仮面は警察にも顔が利くのだが、たまたまそこにいた警官まで指示通りに動かすことが出来る。得なキャラだな。
 流石に特撮部分はまだまだ稚拙だが、この辺から“見立て”というのが重要になってるわけだ。
<中盤松田刑事と共に現れる祝。一緒に移動してきたわけであるまいし、ここで合流した割にはすぐに意思の疎通が出来てるみたい。よほど信頼関係があるのか、あるいは月光仮面の正体を知っているのか。>
第5話 祖国のために

  監督:船床定夫
  脚本:川内康範
 暴れ回るマンモス・コングに対し、ついに自衛隊も動き出す。だがマンモス・コングはあらゆる攻撃をものともしなかった。一方殺し屋Xは脱獄に成功した片目と呼ばれる男と手を組み、マンモス・コングに目を引きつけている間に政府要人を暗殺しようと画策する。
 マンモス・コングを探す祝の話が続いているが、国際暗殺団とマンモス・コングによって混乱させられていても、日本という国の強さを語る話でもある。祖国を愛する人間は強い。とは川内脚本の最大の特徴でもある。川内氏の思考で重要なのは、それは純然たる祖国愛のことであり、政治的な意味合いは一切持っていないと言うことなのだが、そこは誤解されやすいところ。
 港でマンモス・コングが暴れるシーンあるが、火薬とかミニチュアとか、かなり力が入ってる。自衛隊も動いてるが、装備を見る限りは本物のようだ。金がないので、そこまで細かく作れるとは思えないので、どうやったか本物の自衛隊を使ったのか?
<「自分たちがはぐくんできた祖国」という言葉があるが、これは「育まれてきた」がただしいのでは?
 かつてマンモス・コングを助けようと嘆願したが、今やマンモス・コングは心がない。と言い切る祝。あなたはマンモス・コングをどれだけ知ってるんですか?>
第6話 不死身の対決

  監督:船床定夫
  脚本:川内康範
 暴れ回るマンモス・コングは政府要人の暗殺事件と関連があると睨んだ祝は暗殺団に狙われた山脇にお願いし、マンモス・コングの弱点を探すことから始める。そしてついにマンモス・コングと月光仮面の一騎打ちが始まる。
 マンモス・コングはなんとビーム兵器まで持っていることが分かったのだが、そのために弱点が発覚。マンモス・コングには既に脳が無く、人工頭脳に置き換わっているのだとか。当時の科学力でそんなことができるとは思えない。それにしてもちょっと見ただけでそれを察してしまう山脇博士も凄いもんだ。
 巨大怪獣と戦うヒーロー。合成は今ひとつなものの、多分これが一番最初になるのだろう。
<山脇博士が家に帰るとそこには等身大の人形が置かれている。どうやら山脇博士自身がロボットの研究をしているらしい。この人もマッド入っていそうだな。
 未だに月光仮面がテレポートできる理由は語られてないよね?
 国際暗殺団が次に狙ったのはラヂオテレビ協会の西山。国鉄総裁の名前は東山だったよね?名前がだんだんいい加減になってきた感じ。>
第7話 知恵比べ

  監督:船床定夫
  脚本:川内康範
 テレビ会館に仕掛けられた爆弾は月光仮面によって解体された。だがテレビ協会の西山は殺されてしまい、月光仮面も命が狙われる。形勢逆転も束の間、又してもマンモスコングが…
 敵本部に乗り込む月光仮面の姿が描かれる。その際、タイトルにあるようにXとの知恵比べが展開。お互いに出し抜こうと罠を張り合いが展開される。
 山脇博士によって人工コングが完成。ロボットのはずだが、体の方は生身っぽく、猿っぽい体には乳首までついてる。
<Xの乗る車を追う月光仮面。手下によれば時速100キロ出てるそうだ。全然そうは見えないのだが、碌々舗装されてない道路で、しかも普通の車でだから、相当だ。
 人工コングは仮面のようなものをかぶっていて、その仮面の奥には目があるが、動いてない状態でも中の目だけは動いてる。結構不気味だぞ。>
第8話 正義の逆襲 監督:船床定夫
脚本:川内康範
 三治の手引きで国際暗殺団のアジトに入り込んだ月光仮面。だが罠にはまって囲まれてしまう。しかも銃撃戦でマンモス・コングの誘導装置が壊れてコングは暴走。見境無く都内を暴れ回るのだった。変電所に向かって突き進むコングに都民はパニックに陥る。
 マンモス・コングの暴走により、コングの脅威が最も端的な形で示された話となった。地上で暴れ回るコングに対し、月光仮面は地下水道で追いかけっこしている。
 巨大怪獣の力を示すかのように、ミニチュア撮影が展開。なかなか特撮の方も力が入ってる。描写はいかにも
『ゴジラ』っぽくもあるが。
<ちなみに特撮では結構使われる「お釈迦様でも気がつくまい」は今回三治が使用している。
 コングのサイズが一定してないので、ミニチュアのサイズも大きくなったり小さくなったり。
 Xによれば月光仮面が入った下水道は行き止まりだそうだが、どうやってそこから脱出したかは全く語られなかった。>
第9話 迷路の追跡 監督:船床定夫
脚本:川内康範
 地下水道を通り国際暗殺団のアジトを突き止める祝。だが暗殺団のXらは既に脱出した後で、罠が仕掛けられていた。まんまと脱出したXは山脇博士の作った人工コングを武器に警察に宣戦布告するのだった。
 閉じ込められた上に水責めという、完全な罠にかけられてしまった祝の姿が描かれるが、もちろんこういう危機に遭ってこそヒーローの真価が問われるもの。ちゃんとそのための用意もしてるのだが、Xもさるもので、次々と罠をしかけてくる。
 一方今回は五郎八が活躍。まあ今回は騒いでるだけって話もあるが。
<警察の逆探知が行われているが、逆探知にこんなに時間がかかるのは、本来おかしいのだが、これは以降定番になっていく。>
第10話 危うし名探偵 監督:船床定夫
脚本:川内康範
 新しいアジトで人工マンモスコングの性能テストを行うXは、新たな標的として防衛科学庁長官の湯山を標的に定める。一方辛くも罠から逃れた祝は警視庁に向かうが、そこには更なる罠が待ち受けていた。
 マンモス・コング自体は海に沈んでしまい、更にそのコントロール装置は警視庁の手に。この時点でマンモス・コングの事はナニも語られなくなってしまったが、その代わり山脇博士の作った人工コングが話の中心になっていく。祝もXもどちらも先読みする性格らしく、先の地下通路もそうだったが、知恵比べの様相を呈している。ただし、罠にはめ、祝を殺したと思い込んだら、最後にどんでんがえし。というパターンに陥ってるけど。
 暗殺団の工作員五号はかなりドジな性格していて、調子に乗って浮かれたり沈んだり秘密をべらべら喋るわで、悪人っぽくない人物として描かれている。
<祝の家を見張る暗殺団の手下は、わざわざ事務所にかかってきた電話を取ってるが、かなり律儀な性格のようだね。
 殺されたと思われた祝は実は暗殺団の工作員に扮していることが分かった。身代わりの術を使ったとすると、誰かは死んでるわけだが、祝は不殺を信条としてるんじゃなかったかな?>
第11話 悪は滅びる 監督:船床定夫
脚本:川内康範
 人工コングを用いて湯山を殺そうとする国際暗殺団のXだが、湯山が誤った情報を伝えていたため、人工コングは不稼働に。暗殺団に潜り込んでいた祝は山脇博士を逃がすことに成功するものの、残った五郎八が捕らえられてしまった。その時、死んだはずのマンモスコングが海から現れる。
 国際暗殺団と月光仮面の最終決戦。死んだと思われたマンモス・コングも現れ、話は大変派手なものに仕上がった。
 マンモス・コングの出現に自衛隊は戦車も出動させる。資料映像にしては妙に生々しいのだが、どういうシチュエーションで撮影したんだろう?
<敵アジトでXを人質に取る月光仮面。でもよく見ると、Xは月光仮面が捕まえに来る前にわざわざ腕をねじ上げられた形で差し出してる。
 遮蔽物なしの線路でバイクを走らせる月光仮面。それを機関銃で迎え撃つ国際暗殺団だが、当然のごとく全く当たらない。
 マンモス・コングが行く先々で火災が起きるが、本人が行く前に火がおこってるよ。自衛隊の攻撃によるものっぽいが、マンモス・コングよりも自衛隊の方が町を壊してるというシチュエーションか。
 火に囲まれて身動きができない国際暗殺団の面々。その火には手がくっついてる…というか手でつまんだ紙片を燃やしてるだけみたい。
 不殺を信条としているはずの月光仮面だが、火に巻かれて苦しんでる国際暗殺団の面々を冷たく見下ろしているだけだった。自分の手を汚さない限りは死んでもかまわないと見える。>