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星雲仮面マシンマン

星雲仮面マシンマン事典
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1984'1'13〜1984'9'28 

 太陽系について卒業論文を書くために地球にやってきたアイビー星の大学生ニックは太陽系全部を調査するはずだったが、たまたま地球でカメラマンの真紀と出会い、一目惚れ。テンタクルの魔の手から真紀を守るため、高瀬健と偽名を使って地球滞在を決意する。その頃町を震撼させるテンタクルの魔手。テンタクルを率いるプロフェッサーKは、天才的な頭脳のお陰で大金持ちとなったが、心はいつも晴れない。それは彼が極端な子供嫌いであり、子供の笑い声を聞くとアレルギーを起こしてクシャミが止まらなくなるからだった。世界征服など眼中にないプロフェッサーKは子供をターゲットに次々と嫌らしい手を用いて町を混乱させるのだった。それに対抗するため、健はマシンマンとなって戦う。
 東映特撮では珍しく日テレで放映された作品で、他の特撮番組をすり抜けるように作られたため、知名度はさほど高くない。実際、かなりの低予算で作られており、敵怪人のデザインは殆ど使い回しで、合成もバンクが目立つ。着ぐるみも使い回す必要があるため、アンドロイドを爆発させることも無し。戦闘員も存在しないなど、全般的に言ってかなりチープな作品なのだが、意外にノリが良い。徹底して子供にスポットを当てた作りは、子供の無邪気さよりも子供の持つダークサイドの一面を浮き彫りにし、明るいノリの割に精神的な描写に長けている辺りが意外に巧み。低予算を逆手にとって人間の部分で見せようと言う脚本の開き直りがあってこそ。又、ヒーローが全編に渡って恋愛感情を持つのは珍しい出来事だが、この作品ではそれがよく似合う。
 後半になると、プロフェッサーK役の天本英世氏がスペイン旅行に出かけてしまったので、レディMに敵役がバトンタッチするが、そうなったら、今度は単なる変なおじさんおばさん(お姉さん)が悪事を働き、それを懲らしめると言う単純な構図になったため、話そのものが単純化してしまったのが残念なところ。

主な登場人物
ニック
高瀬健
マシンマン
(役)佐久田脩。主役級の作品はTV、映画も含めて本作だけ。主にバイ・プレイヤーとして現在も活躍中。
 太陽系について卒業論文を書くために地球にやってきたアイビー星の大学生。太陽系全部を調査するはずだったが、たまたま地球でカメラマンの真紀と出会い、一目惚れ。テンタクルの魔の手から真紀を守るため、地球滞在を決意する。大学生だけに故郷のアイビー星には両親がいるらしい。
 マシンマンへの変身はマシンドルフィンの中で行われ、そこでウォーリアースーツに着替えることによって変身する。その手から発するカタルシスウェーブは悪人を善人に変えてしまう力を持つ。
ボールボーイ (声)曽我町子。特撮作品ではお馴染みの女性。「レインボーマン」のゴッドイグアナ、「5年3組魔法組」の魔女ベルバラなど、主に敵役として活躍する。声優としても活躍し、旧『おばけのQ太郎』のQ太郎や『サイボーグ009』の007役(スペシャル版)など幅広い活躍をしている。
 ニックのパートナーのロボット(?)。野球の硬球のような姿に目が付いてる。マシンマンに助言をしたり、偵察したり、場合によっては敵に体当たりしたりと、幅広い活躍を見せる。なんでもアイビー星では子供が生まれると一人につき一つロボットが与えられるそうで、ニック専用のロボットとなる…と、お便りコーナーで言っていた。
葉山真紀 (役)塚田聖見。後に塚田きよみ。テレビドラマを中心に活躍していた女優で、特撮で言えば、本作のヒロインと「巨獣特捜ジャスピオン」のアンリ役で有名。
 偶然ニックが街で出会った女性で、雑誌のカメラマンをしていて、いつも理不尽な編集長に怒られつつも、しっかり反撃する気丈さを併せ持つ。彼女にニックが一目惚れしたことから物語は展開していく。両親が外国で働いているため、勝と二人暮らし。その割には高瀬健をほいほい家の中に入れてるのは無防備すぎるぞ(子供向けだからOK?)。マシンマンの名付け親でもある。
葉山勝 (役)大原和彦。「大戦隊ゴーグルファイブ」のコンボイの一人としても登場してる。
 真紀の弟。小うるさく好奇心満点で健のことが大好き。と言う当時の小学生の典型みたいな存在として描かれるが、度々テンタクルの脅威にさらされながら、ぐれることなくまっすぐな心を保っている辺り、意外に精神力が強い大人物かも知れない。
亀太 (役)小野寺丈。石ノ森章太郎の実子。「仮面ライダーBLACK RX」では航空会社の社員として、「ウルトラマンダイナ」ではスーパーGUTS隊員ナカジマとして数々の特撮作品に登場している。現在は小説家。
 八百屋の店員でいつも出前してる青年。真紀に恋心を持っている。登場すると必ずコケる。愛称はカメちゃん。
プロフェッサーK (役)天本英世。言うまでもなく日本の生んだ名バイ・プレイヤーの一人だが、同時にミスター・特撮とまで言われるほど(私が勝手に付けた)、多くの特撮番組に登場する。
 天才的な頭脳を持ち、いくつもの特許を持っている町の大金持ち。ただし極端な子供嫌いであり、子供の笑い声を聞くとアレルギーを起こしてクシャミが止まらなってしまう。世界征服など眼中になく、ただ子供の笑い声を消したいというそれだけの理由で度々町を混乱に陥れる。17話で一旦退場。劇中では失意を癒すためにスペインに旅立ったと言うことだが、実は本当に天本氏はスペインに旅行に行っていた。
レディM (役)湖条千秋。特撮では他に「電子戦隊デンジマン」のヘドリアン女王の側近ケラーを演じていた。
 プロフェッサーKの姪で、世界中の犯罪者と知り合い。大変なお金持ちらしい。プロフェッサーKがスペインに去った後、来日し、オクトパスを結成する。プロフェッサーK同様、子供アレルギーで、こども達の笑い声を聞くと鼻が赤くなる。
トンチンカン (役)大島宇三郎。本作がメジャーデビュー作となる。その容貌からか、暴力団役が多いようだ。
 レディMの側近で、レディMのために数々の悪事をはたらく。スキンヘッドの人間だが、やたらと強く、マシンマンとも充分に渡り合える。頭突きが得意。その造型は『007 ゴールドフィンガー』(1964)に出てくる日本人オッドショップを多分に意識してるようだ。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 教科書まっ白事件

  監督:小笠原猛
  脚本:上原正三
 アイビー星の大学生・ニックは、「太陽系の惑星群」という卒業論文を書くために地球を訪れる。高瀬健と名乗り、地球でのレポートを始めるニックだったが、当の地球では、大の子供嫌いの天才科学者・プロフェッサーK率いる“テンタクル”が暗躍を始めていたのだ。教科書を白紙化し、子供たちから教育を奪おうとする企みを実行していた。女性カメラマンの葉山真紀と行動を共に事件解決に乗り出すニックだったが…
 シリーズの第1作目。
 敵はドリル男。怪力と右手のドリルが武器。第1回目の登場だけに、人間に対しては滅法強いが、マシンマンにはあっけなく倒される。
 様々な点で宇宙刑事っぽさを演出しているのだが、笑いを取る演出も多々あり。マシンマンの格好そのものも全身スーツじゃないしナレーションも子供に呼びかけるようなものとなっている。なにより敵の首領が大の子供嫌いで、子供を虐めるのが目的ってのが面白い。
 この回で女性カメラマンの葉山真紀から「マシンマン」なる名前をもらう。
 関係ないが、日本に来て真っ先にバイクに乗ってるのだが、これSUZUKIのGSX750カタナだ。欲しかったんだよなあ。このバイク。
VOL.1
<A> <楽>
第2話 涙は虹色のダイヤ

  監督:小笠原猛
  脚本:上原正三
 子供の涙からダイヤモンドを作ろうというプロフェッサーKの計画。やがてそれはテンタクルによる子供誘拐事件へと発展していく。
 敵はハンマー男。前回登場のドリル男の右手をハンマーに変えただけ。
 冒頭、プロフェッサーKの子供アレルギーの激しさが描写される。子供アレルギーのプロフェッサーKが心安らぐのは子供の涙を見た時のみ。堂が入ってるって言うか、単なる嫌な親父だって言うか…涙でダイヤを作るって言うのも、ダイヤそのものよりも子供の哀しみの涙の凝縮だからと言う理由。画期的大発明には違いないんだけど…
 そう言えば子供の哀しみの涙を好むって、ハンニバル(2001)の小説版でもやってたよな。結構時代を先取りしていたのかも。
 子供が泣いてるのを見て悦に入るプロフェッサーKの姿が面白いが、こんな奴がボスって、部下の方が悲しくなってくるよ。
 カタルシスウェーブが初登場。
第3話 アイドルをつぶせ

  監督:東條昭平
  脚本:泉崎敬太
 プロ野球ジャイオンツののホームラン王長原選手、、学生相撲のチャンピオン大郷、人気絶頂のアイドル歌手と、子供たちにとってのスーパースターが次々と襲われる。真紀の撮影した写真を見て、ニックは犯人を特定するのだが、それはロボットではなく、人間であることも看破する。
 敵はカッチュウ男。ロボットではなく、人間に強化ヘルメットをかぶせたもの。仮面を脱いだ姿は、足の弱い子供を見守る良いお父さんだった。
 親子の交流が描かれるが、やっぱりこの作品だと暗い話にはならないな。結局ハッピーエンド。それで良い。
第4話 魔法の石焼きイモ

  監督:東條昭平
  脚本:高久 進
 次なるテンタクルの作戦は、子供にプロフェッサーKの子供アレルギーのクシャミから抽出した薬入りの焼きイモを食べさせクシャミが止まらなくなると言う焼きイモクシャミ作戦だった。次々にこども達が焼き芋を食べてクシャミを伝染させるようになるが…
 敵はオノ男。やっぱり同じ怪人の造型に右手だけ斧にしてるだけ。「オノ」ってのが口癖。
 クシャミが止まらなくなるって変な作戦だけど、効果は満点。子供だけでなく、他人に不信感を植え付けまくる。作品そのものはせこいんだけど、プロフェッサーの作戦って、要するに子供を泣かせることが目的なんだから、これで良いんだろう。
 細かいことだが、低予算は分かるけど、アニメーション合成が巧くいってない。その辺で手を抜いて欲しくなかった感じ。
第5話 三億円の切手泥棒

  監督:小笠原猛
  脚本:高久 進
 真紀からの紹介で博物館の警備のアルバイトを始めることになった健だったが、なんとその前日に世界でたった1枚しかない時価3億円の切手が盗まれてしまうのだった。警備主任の森口が犯人だと疑われるが、健はこれがテンタクルの仕業と看破し、独自に調査を開始する。
 敵は第2話に続きカッチュウ男。つまり敵そのものは人間。
 プロフェッサーKが切手マニアであることが語られる。マニアというだけあって、世界に一枚しかないという1セント切手について熱っぽく語る姿がなかなか素敵(笑)。プロフェッサーの主張によれば、それは子供の夢を奪うためなんだが、素直に欲しいと言えばいいのに。
 話そのものはかなり単純。それはそれで良し。
第6話 私・ママの子供?

  監督:小笠原猛
  脚本:泉崎敬太
 散歩中、両親に愛されている子供を見かけたプロフェッサーKは、「親子の絆などもろいものだ」と主張し、その子供の前に偽の両親を登場させるのだった。親子の絆を断ち切ろうとするプロフェッサーKだったが…
 冒頭で寒空を散歩してるプロフェッサーK。「鉛色の空を突き刺している寒々した風景が好き」なのだそうだ。
 特撮作品ってより、人間ドラマの方に強調が置かれていて、どこかのトレンディドラマで使えそうな設定。こういうのって苦手。
 しかし、敵のやってることが単なる嫌がらせでしかないってのが、本作の最大特徴だな。
 新しいロボットや怪人は出てこないけど、プロフェッサーKの腹心鉄人モンスとの初対決のシーンがあり。それと少女の偽物の父親として大地康男が登場。良い味出してるよ。
第7話 香港空手危うし健

  監督:小西通雄
  脚本:高久 進
 テンタクルの鉄人モンスはマシンマン抹殺を香港空手の達人である殺し屋「空手三人衆」に依頼する。卑怯な手を使い、マシンマンを追いつめる三人衆だが、その場に居合わせたミドリという少女が「もう一度マシンマンに会いたい」と言ったことから…
 敵は空手三人衆。自称「怒れる虎」猛虎、「空を飛ぶドラゴン」飛竜、人呼んで禿鷹。単なる人間だが、ステロタイプなストレートな悪役で、チャチなロボットよりもかえってこっちの方が良いんじゃないか?
 物語はそのまんま「最後の一葉」に沿ってるが、その少女を人質に…ってのが特撮っぽさってやつか?
 三人衆の放った毒ナイフで苦しむニックに対し、ボールボーイが「アイビー星のお父さんとお母さんが心配してる」みたいな事を言っていたが、それが学生らしさか。
 今回三人衆はイクシードパンチで倒される。このパターンだとレーザーサーベルでMマークを書かれた上にカタルシスウェーブで悪人を改心させるパターンが多いのだが、そのまんま倒してしまうってのは珍しいパターン。
第8話 野球少年の秘密

  監督:小西通雄
  脚本:高久 進
 日本の宇宙生物学の第一人者、滝口博士を何故か援助するテンタクル。彼の研究している宇宙の塵が驚くべきパワーを秘めていたのだ。その滝口博士の息子ヒデアキは野球が大好きながら、まるで下手くそ。テンタクルのバット男はヒデアキに絶対バットに当たらない薬をプレゼントする。
 敵はバット男。右手が巨大なバットになってる…そのまんまや。バットだけに、ボールボーイを打ち返したりする。
 野球好きなだけの少年が、卑怯な方法で「天才」と呼ばれるようになり、その称号が惜しいために悪人となる。その過程がなかなか面白い。単純ながら結構見所あり。
第9話 髭のはえた女の子

  監督:小笠原猛
  脚本:高久 進
 夜な夜な少女を襲う黒マントの怪人。その翌日、怪人に襲われた女の子の顔にはなんと髭が生えてしまった。テンタクルの仕業と見抜いたニックは調査を開始するが…
 敵はムチ男。人間の姿では黒マントにアルカイックスマイルを貼り付けた真っ白い仮面をかけて出現。女の子の首にプロフェッサーKの開発した毛生え薬を注入する。又、医者となってその成果を観察している。分身の技も使う。
 本作の対象年齢はかなり低く取っているのだが、その内容は意外にも人間の暗黒部分の心情に深く関わっていて、単純ながら色々面白い所がある。特に本作のように子を思う親の気持ちを利用されるパターンなどは、愛情とは時として恐ろしい力を発揮することが良く現れている。
第10話 テレパシー大作戦

  監督:小笠原猛
  脚本:高久 進
 超能力少年信一がテンタクルにさらわれた。テンタクルは少年のテレパシーを利用して、マシンマンの正体を暴こうとする。正体を隠したまま、貧乏道場に連れ込まれて制裁を受ける健だったが…
 敵は怪人スパイ男。いつも同じ造型に腕だけ変えるのだが、これは造型そのものも新しくなっている…と言ってもあんまり変わってないけど(笑)。右手の円盤を飛ばし、ビーム兵器で攻撃する。
 正体を隠すため、健の姿のままボロボロにされるマシンマン。「戦って」という子供の悲痛な願いを無視しなければならないヒーローとは、哀しいものだ。
第11話 とんだアルバイト

  監督:東條昭平
  脚本:木原 光
 簡単な作業と高収入を売り物としたちびっこアルバイトセンターは大人気となった。しかしそのアルバイトとは…
 敵はミサイル男。前回のスパイ男の右手が小型ミサイルになっただけだが、何故かその攻撃方法はミサイル単体じゃなくて小さな爆弾たくさん付いた右手そのものを飛ばしてたりする。
 これまで子供を強迫するとかその程度の事件だったのが、いきなり東京を爆撃等という大事件に発展する。最後は子供を強迫してミサイルのボタンを押させようとするが、ここでお約束の「私のことは放っておいて…」が少女の口から発せられてる…言ってるのは小学生だけど。
第12話 子供が消えていく

  監督:東條昭平
  脚本:高久 進
 プロフェッサーKが開発した“マジックゾーン装置”。こども達の前に現れた魔術師によって次々と異次元世界に閉じ込められるこども達。
 敵はマジック男。姿は旧タイプのロボットで、右手がステッキになっている(額にクローバーが書かれてるのもポイント)。カードを使った攻撃をするが、マジックとか言ってカードが爆発するだけ。
 自分の頭の良さを自慢するプロフェッサーK。自分の頭を解剖して中身を見てみたい。などと物騒なことまで言ってる。これがマッドサイエンティストの自慢ってやつだ。
 芸のためなら女房も泣かすなどと言うが、自分の芸を認められない芸人の哀しい思いがここからは伝わってくる。こういう人情を主題とするから本作は面白い。
 悪人に対し、カタルシス・ウェーブを使わずに済んだり、戦闘員が出てきたりと、いつもとはちょっと違った演出がされているのも特徴か。
第13話 Kのそっくりさん

  監督:小笠原猛
  脚本:杉村のぼる
 プロフェッサーKが巡り合った彫刻家の井守蛇吉はなんとKに瓜二つ。似た者同士が手を組み、次々と子供を石の彫刻に変えてしまうのだった。
 冒頭でプロフェッサーKの趣味が明らかにされる。前々から画面には出ていたが、それは絵を描くこと。ただし、そのために“空飛ぶ自転車”に乗って出かけるという。しかしその空飛ぶ自転車って、ハンドルしか見えない。
 プロフェッサーKと井守蛇吉は天本英世の2役だが、一緒にいると、一種不気味な空間を作っている。井守の方にはカタルシスウェーブが効くのね。それでこども達と仲良く井守の姿を見て、まるで自分が子供と仲良くしてるようだと言って、ますますクシャミが酷くなるKの姿がなかなか面白い。
 今回鉄人モンスとボールボーイの戦い(と言うか一方的にどつかれる)が描かれ、ボールボーイが破壊されるというシーンが描かれる…直されるけど。又、二度目になるマシンマンと鉄人モンスの直接対決も描かれるが、今回も痛み分け。
VOL.2
<A> <楽>
第14話 ボールボーイ家出

  監督:小笠原猛
  脚本:高久 進
 突然ホームシックにかかったボールボーイは故郷のアイビー星に帰りたいとだだをこね、家出をしてしまった。一方、テンタクルはマシンマンの正体を突き止め、弱点を探るためボールボーイ誘拐を計画していた。テンタクルのボウトウ男の手に落ちるボールボーイ。親友を助けるために、マシンマンが走る。
 敵はボウトウ男。新型の方のロボットの右手がピッチングマシーンになってる。人間状態ではプロフェッサーKの命を受けて子供や通行人にボールを投げつけてるから、いずれにせよボールを相手に投げてることになる。
 冒頭でボールボーイの歌が聴ける。曽我町子氏の貴重なショットだ。それと家出したは良いが、やってることはナンパ(笑)。結局人助けしてるんだけどね。
 身内の話だから、シリーズ的には転換点となるが、ドラマ自体は面白くないのが今ひとつ残念なところ。
 又、今回からお手紙紹介コーナーが設けられる。今回はマシンドルフィンについて
第15話 悪夢のプレゼント

  監督:東條昭平
  脚本:細谷敦子
 勝を始めとする小学校の生徒たちが毎晩悪夢を見るようになった。それで授業中にみんな居眠りしてしまうようになった。実はプロフェッサーKの新発明“ドリームコントロールマシン”の仕業で、子供たちから楽しい夢を奪おうというのだ。マシンマンは勝の夢を通し、真相を探るのだが…
 敵はオズモア。プロフェッサーKの開発したドリームコントロールマシンの生みだした怪人で、珍しい完全新作(ひょっとしてどこかの特撮番組でボツになった着ぐるみかも)
 マシンマンは夢の中に入り込む能力を持つことが明らかにされる…ご都合主義と言ってしまえばそれまでだけど、文字通り子供の夢を潰すって、かなり怖いことだよ。本作品は人の精神を問題とする話しが多いが、それを端的に示した回とも言える。
 冒頭、プロフェッサーKが子供の夢を悪夢にして悦に入るシーンがあるが、これは天本英世の怪演あってこそ。それで鉄人モンスとの丁々発止のやりとりも楽しい。
 マシンマンの新機能、サーチライトビームが登場。これによって通常は見えないものを察知することが出来るらしい。
 最後に塚田聖美のパジャマ姿というサービスカット(?)あり。
 今回のお便りコーナーは真紀と勝について
第16話 真紀はネズミ嫌い

  監督:小笠原猛
  脚本:高久 進
 なんとプロフェッサーKが赤ん坊のおむつを取り替えているところを真紀に写真に撮られてしまう。そんな姿が人目に触れることを恐れたテンタクルにより、真紀を拉致する。マシンマンとの関わりを知ったテンタクルは真紀を拷問する。
 敵はカマ男。新型の着ぐるみの右手が棘付きの鎌になっていて、使われることはないのだが、鎖付きの分銅もあり、鎖鎌となっているようだ。別段しゃべり方に特徴があるわけではない。
 赤ん坊をあやすプロフェッサーK。しかしいつものクシャミが出るわけで無し。しかも結構楽しそうだったりする。へんなギャップがある。
 拷問にかけられる真紀の姿が描写されるが、拷問というのが鼠に囲まれるってやつ。まあ、確かに怖いか
 今回のお便りコーナーはテンタクルの首領について。答えようがない質問に敢えて答えるのは意地のようなもんか?
第17話 鉄人モンスの最後

  監督:小笠原猛
  脚本:高久 進
 これまで数々の作戦をマシンマンに防がれたプロフェッサーKはマシンマン攻略の秘策を鉄人モンスに授け、モンスは黒谷ダムでマシンマンを待つ。罠にはまり、スロットルガンとマシンサーベルを封じられてしまったマシンマンに最大の危機が訪れる。
 プロフェッサーKの片腕である鉄人モンスとの決戦が描かれ、物語のキーとなる回となった。
 敵はジシャク男。新型の着ぐるみの右手が磁石になっていて、スロットルガンを吸い付けてしまう。バスの運転手に化けて真紀を襲う。
 これまで何度かマシンマンと戦ってきた鉄人モンスだが、ここでは更なる改造を受けてパワーアップして登場。そしてとうとうモンスが倒されてしまう。
 プロフェッサーKが最初にこれまで倒されたアンドロイドの怨念に怯えるのと、最後にモンスを倒されて落ち込む姿が泣かせる。
 ここでプロフェッサーK役の天本英世は一旦舞台から姿を消す。最後にいきなり舞台がスペインに移っているが、これは実際天本英世氏がスペイン旅行していたからとか。ちなみにスペインでダンサーをやっていたのは湖条千秋。後のレディMである
第18話 のっぺらぼうだ!

  監督:小笠原猛
  脚本:杉村のぼる
 プロフェッサーKがスペインに去ってしまった後、取り残されたテッキュウ男はプロフェッサーKを呼び戻そうと、こども達をいじめ抜くことにした。コンプレックスを持つ少女を選び出し、強制的にのっぺらぼうのお面をかぶせてしまうという魔法の銃を与え、こども達を次々とのっぺらぼうにしてしまう。
 敵はテッキュウ男。古いタイプのアンドロイドの右手がスパイク付きの鉄球となっている。プロフェッサーKがスペインに行った日、朝寝坊をしてしまって飛行機に乗り損ねるというドジっぷりだが、人間の姿をしてる時もやっぱりドジばかり。なかなかキャラクターが良いぞ。プロフェッサーKの真似してカラスを飼ったりしてるところもちょっと泣かせるかも。
 プロフェッサーKなき後、テンタクルの組織をどう運営していくかの問題が語られる話。やっぱり天本英世の不在は改変を余儀なくされてしまい、大変だったことを思わせられる…これはこれで結構面白いけど。
 今回のお手紙は、ボールボーイは誰が作ったのか?アイビー星でニックが生まれた時に病院で作られたのだそうだ。生まれてから死ぬまでのサポートロボットか。「火の鳥」の望郷編を思い出させる設定だ。
第19話 野良犬コロの冒険

  監督:東條昭平
  脚本:高久 進
 野良犬コロが土の中から300万円の札束を掘り出した。中学生番長のリュウジはその金を手にして大喜び。しかし、コロが見つけたのは銀行強盗が隠したお金だったのだ。
 テンタクルがいなくなったので、具体的な敵は人間になった。天本英世がいなくなったのは本当に大きいな。これからどのような展開にするか、脚本が苦労していそうだ。
 相手はかなり酷い悪人で、マシンマンのサーベルを奪おうとしたりする。
 物語としてはちょっと単純すぎたかな?ボールボーイが犬嫌いだってのが分かったくらい。
 今回の質問お手紙はマシンマンはどんな食べ物が好きか。ちゃんと「好き嫌い無く食べようね」と言ってるところが子供向きっぽくて良い。
第20話 オクトパスの女王

  監督:東條昭平
  脚本:高久 進
 プロフェッサーKの姪レディMが来日し、テンタクルの組織を受け継ぎ、新たな犯罪組織オクトパスが誕生した。あらゆる悪のテクニックを学んだレディMが狙うのはこの世にある美しいもの。最初に彼女が目を付けたのは夢見る黒水晶だった。配下のトンチンカンと黒猫がマシンマンに迫る。
 ここからはっきりと新展開となる。具体的な敵としてプロフェッサーKに替わってレディMが登場。今回はその顔見せ程度だが、一回目の今回はコミカル性がちょっとだけ薄れたかな?
 今回も具体的なアンドロイドは出てないけど、レディMの忠実な部下としてトンチンカン、そして女怪盗の黒猫が登場。プロフェッサーKが子供を見るとクシャミがでるように、レディMは子供を見ると鼻が赤くなる。しかし、ここに来てからその症状が初めて出たと言うことだから、実はこの場所が悪いんじゃないのか?
 トンチンカンは『007 ゴールドフィンガー』(1964)に出てくる日本人オッドショップを多分に意識してるようだ。
第21話 雨雨降れ降れ!

  監督:小笠原猛
  脚本:杉村のぼる
 世界的大泥棒のソルトマがレディMの依頼を受けて日本に上陸した。ソルトマは奪った塩と錆促進剤を用い、あらゆる金属を錆びさせるのだった。オクトパスの「錆びる錆びる作戦」が始まった。あらゆるものが錆び始め、町はパニックに陥る。
 敵はソルトマ。立派な人間で、シルクハットと黒いマントをはためかせながら登場。怪盗と言うが、どっちかというと手品師みたいな存在で、様々な奇術を用いて盗みをはたらき、マシンマンともそれで戦うが、最後はカタルシスウェーブを浴びて善人となる。
 錆促進剤を浴び、ボールボーイは錆びてしまうのだが、マシンマンは平気。その説明がされてなかったようだが?
 今回のお手紙は、マシンマンはどこでオートバイの練習をしてるのか?と言う問いに、あのバイクは地球に来てからオートバイを組み立てたと言っていた。どう見てもれっきとしたメーカ品なんだが…KATANA、欲しかったんだよな。
第22話 ピエロの秘密指令

  監督:小笠原猛
  脚本:高久 進
 遊園地で派手なパフォーマンスを繰り広げるピエロによってこども達の鼻が真っ赤になってしまった。偶然秘密を知ってしまった真紀をを狙うオクトパス。
 敵はピエロ。元サーカスの団員で軽業や手品などの技を使い、マシンマンを苦しめる。巻き笛に特殊な塗料を仕込み、こども達の鼻を赤くしていく。
 よみうりランドが舞台のお話。提携してるんだろうね。
 それと、足を怪我して、病室からカメラでスクープを狙う真紀は地で『裏窓』(1954)やってる。
 今日のお便りはマシンマンの足の速さ。時速80キロで、ジャンプすれば60階建てのビルもひとっ飛び。だそうだ。
第23話 おもしろおかし銃

  監督:東條昭平
  脚本:高久 進
 ボーイフレンドの怪盗ウルフとのデートを前に、こども達を泣かせてやろうとプロフェッサーKの残した新兵器“笑い銃”を用いてレディMはこども達から小遣いを巻き上げていく。
 敵は怪盗ウルフだが、実際の行動犯はトンチンカンから笑い銃を受け取った玩具作りのおじさん。そのおじさんを助けるために怪盗ウルフが颯爽と登場する。当の怪盗ウルフはレイピアを用いるが、その先端から粘着泡が出たりする。人間にしては結構強い。今回はまんまと逃げられてしまう。
 勝がハンストして小遣い値上げを計るが、月の小遣いが300円とは、時代を感じさせるな。
 今回のお便りは、マシンマンのマントについて。これはコンバートスーツの中に装着されており、必要に応じて出すことが出来るとか。ジャンプする時の姿勢制御のため、それに空気中からエネルギーを吸収する役割も果たしてるとか…単なる塩ビ膜じゃないのか?
 結構カメラアングルとか凝っている作品だった。
第24話 対決!忍者泥棒

  監督:東條昭平
  脚本:杉村のぼる
 時価20億円という黄金のパイクを狙い、レディMは忍者泥棒の伊賀の猿丸を呼び出す。かつての猿丸の仲間で機械好きの老人百地半太夫を仲間に引き込もうと、オクトパスの手が伸びる。
 敵は忍者泥棒の伊賀の猿丸。既に老人だが、火遁の術を得意として、体術も人間状態のニックよりも強い。孫娘と会うためにオクトパスの罠にかかってマシンマンと戦うことになる。
 いつの間にやら本物の恋人同士になったかのような健と真紀。健の腕に身を預ける真紀を見つめる健の目は、なんだか妙に複雑そうだ。
 孫娘を愛するかつての泥棒の哀愁が描かれた作品で、中期作品にしては人間の心情を良く表した作品に仕上がっているものと思われる。
 最後の戦いの舞台は珍しくお寺の境内。東京の町中から一瞬にしてそこに来たのは…言いっこなしか。
 今回のお手紙は何故マシンマンは正体を明かさないのか。と言うもの。その答えは、地球人にとけ込むため。とのことだったが、子供向きの答えだと、この辺が妥当か。
第25話 ミイラ男の挑戦

  監督:奥中惇夫
  脚本:松本功
 スペインからプロフェッサーKの発明ボーリョクガスを携えてレディMの元にやってきたミイラ男。このガスを吸った者はみな暴力人間となってしまう。
 敵はミイラ男(マン)。全身包帯でぐるぐる巻きにスペインからプロフェッサーKの発明を携えて日本にやってくる。包帯を飛ばして相手を縛り上げるバンデージネットや包帯爆弾、包帯を固定して剣のようにしたミイラ剣などを使うことが出来る。元は人間なので、カタルシスウェーブで善人になってしまい、ボーリョクガスの製造図をマシンマンに手渡す。
 子供による家庭内暴力を予見したかのような内容で、子供の暴力に怯える家族の姿が痛々しい。
 ボーリョクガスの威力をこども達に試すため、ハンバーガー早食いコンテストを開くオクトパス。その主催者の名前がスパトクオ…それで知られてしまう訳だ。
 ミイラ男に服を斬られ、金太郎腹掛けしてるトンチンカンの姿が見られる。
 今回のお手紙はボールボーイの身長と体重について。体重950グラム身長10センチとのこと。
VOL.3
<A> <楽>
第26話 こわい!笑う人形

  監督:奥中惇夫
  脚本:杉村のぼる
 真夜中に現われた不気味な人形。その人形を見た子供たちは、人形使いマリオンの操り人形になってしまった。
 敵はマリオン。人形師であると共に、人形使い。なんか大正探偵小説の悪役を思わせる風貌で、不気味さとよく合っていた。マシンマンの人形を作り、マシンマンも催眠術にかけたり、腹からマリオネットミサイルなるものを出したり…本当にこいつ人間か?
 オープニングから不気味さを醸す作品。意外にこれ本当に怖い。特撮でホラーやる場合、人形を効果的に使うのはいい手だ。
 勝も催眠術にかけられ、編集部に電話をかける真紀。「仕事と弟とどっちが大切だ」と一喝されると、即座に「弟に決まってるでしょ」。えらいえらい。
 子供が覆面して宝石店を襲う描写は無茶シュール。
 今回のお手紙は何故高瀬健は眼鏡をかけているのか。これは変装のためだとのこと。
第27話 海を泳ぐ怪物の手

  監督:小笠原猛
  脚本:高久進
      永井達郎
 レディMの誕生日にプロフェッサーKから強力なアンドロイドが送られてきた。ところが移送途中にトンチンカンが左腕を無くしてしまう。その手を手に入れたのは不良コンビのトラオとユカ。アンカー男の魔の手が迫る。
 敵は久々のアンドロイドのアンカー男。右手が錨になってる。スーツは完全新型のように見えて、よく見ると、前のスーツに飾りを追加しただけのような…
 横浜に遊びに来たこども達。しかし、危機に見舞われた時、目の前に現れた健の姿に全く動じてない。鈍いのか、あるいはあんまりに神出鬼没な健に慣れてしまったのか。
 物語は大変単純でひねりがないが、この回だけ何故か脚本が二人になってる。何か理由があったのか?
 今回のお手紙はマシンマンの苦手なもの。基本的に苦手なものはないそうだが、大学には苦手な先生がいるとか…
第28話 好き!好き!真紀

  監督:小笠原猛
  脚本:杉村のぼる
 飲んで最初に見た人を好きで好きでたまらなくするラブマシーンを間違って飲んでしまったトンチンカン。そのトンチンカンが最初に見たのはビデオで映る真紀だった。レディーMはいっそのこと真紀とトンチンカンを結婚させ、ついでにマシンマンを倒そうとするが…
 敵はカメレオン男。プロフェッサーKがレディMに送ったアンドロイドの一体で、変装を得意とする。最初高瀬健に変身し、わざと車に轢かれて死を装う。ミサイルも発射出来る巨大矛を武器とする。
 全編変装のお話で、カメレオン男が高瀬健に変身するのみならず、亀太がマシンマンのコスプレまでしてる。そしてトンチンカンと真紀の結婚式が行われる間、マシンマンをおびき寄せるためにカメレオン男が真紀に変装。
 トンチンカンと真紀との結婚式に現れる高瀬健はまさに『卒業』そのまんまで、更に変身せずにトンチンカンに立ち向かっていく。
 真紀とトンチンカンの結婚式!と言うとんでもない事をやらかしたため、他の物語はスピーディに。しかし、自転車で真紀を教会に引っ張っていくトンチンカンの一途さはいじましいところあり。
 最後は真紀が泣きながら健に抱きついたと思ったら、健が尻餅をつくとか…色々な意味で面白い話に仕上がってる。
 今回のお便りはスペースコロニーについて。全長200メートルで光速の10万倍のスピードで航行できるのだとか。無理だって。
第29話 海賊の宝を探せ!

  監督:奥中惇夫
  脚本:杉村のぼる
 七つの海を荒らす大泥棒海賊フック船長がテンタクルと共謀し、宝の地図片手に行川アイランドに現れた。丁度同じ所に遊びに来ていた高瀬健とこども達は、宝の地図をめぐる争いに巻き込まれてしまうのだった。
 敵は海賊フック船長ボクシング男。フック船長は先祖伝来の海賊で、先祖がため込んだ宝を探しにやってくる。ボクシング男はオクトパスのアンドロイドで、人間の姿ではリトルジョンと名乗っている。両手が巨大なグローブとなっており、更にグローブを飛ばしてマシンマンのスロットルガンをはたき落とした。
 宝探しは子供の夢。それをストレートに描いた作品となってる。出来損ないの「宝島」って感じ。
 今回の舞台は町を離れ、行川アイランドに。モロタイアップ企画というのがよくわかる。海とプールが舞台なので、塚田聖美の水着姿(ワンピース)が楽しめる。
 今回のお便りコーナーは旅館の中で行われてる。ニックの両親について。時々モニターで話してるのだとか。
第30話 赤い鬼のすむ村

  監督:東條昭平
  脚本:高久進
 オクトパスは古文書に書かれた不思議な鏡を探すため、古文書に書かれた村を封鎖する。丁度そんなところにキャンプにやってきた高瀬健や真紀たち。そこで出会ったよそよそしい少女に不審な点が見られ、彼女を追いかけることにしたのだが…
 敵はオニ男。これもオクトパスの同じ型のアンドロイド。レディMの命を受け、村に入ってきた人間を追い返す役をしてるが、これじゃ完全に殺してるよ。鬼の使うようなスパイク付きの巨大な金棒を武器とするが、それ以外にも28話で登場したカメレオン男と同じ矛も使う。初めてマシンマンの正体を掴むが、それを報告する前に倒されてしまった。
 命のやりとりの演出が殆ど無い本作では珍しく、人を殺そうとするシーンが出てくるのが本作の特徴で、健も殺されそうになる。いくらアイビー星人とはいえ、熊取罠に脚を挟まれ、更にオニ男に吊り橋から落とされ、ボロボロにされる健の姿がひたすら哀れ。ここまで絶体絶命の危機に陥ったのは初めてだな(復帰も早いけど)。いつもの町中と違って、充分広い工事現場で撮られるため、火薬の使われ方も派手。なんかメタルヒーローものっぽい作品となった。
 少女に石を投げつけられ、何故かたんこぶが出来るボールボーイの姿が描かれる。改めて変なロボットだ。
 今回のお便りコーナーはボールボーイの武器について。そもそも武器として作られたわけではないため、体当たりしかないそうだ。
第31話 危険なひょうたん

  監督:奥中惇夫
  脚本:杉村のぼる
 町に突然孫悟空と猪八戒が現れた。実はこれはオクトパスのサル男とトンチンカンが化けた姿で、「孫悟空」に出てきた魔法のアイテムを使って次々と美術品を奪っていく。そして次にレディMが指令したのは、魔法のひょうたんを用いてこども達を虐めてやれ。というものだった。町からどんどんこども達が消えていく。
 敵はサル男。孫悟空の格好をして、同じく猪八戒の格好をしたトンチンカンと共に美術品を奪い、その後魔法のひょうたんを用いてこども達をさらっていく。アンドロイドの本性を現すと、単に如意棒を持ったいつものアンドロイド。
 オープニングで「孫悟空」の紙芝居が演じられ、そこに登場したアイテムを用いて敵が攻撃すると言う形式を取る。伏線として良かったかな?中でも魔法のひょうたんは全編を貫くテーマとなっている。これでこども達が次々とさらわれ、ついにはマシンマンまで…
 最後は金斗運に乗る孫悟空との空中決戦。演出もかなり派手気味。
 今回のお便りコーナーはマシンマンの好みの女の子は?と言うもの。結局好みは真紀そのまま。ところで、ラストで段ボールで作ったマシンマンの格好をする健の姿が拝める。
第32話 争いを呼ぶ鳥の声

  監督:奥中惇夫
  脚本:高久進
 オクトパスは人を不快にさせる特殊な音を作り出し、鳥の鳴き声に混ぜて子供たちに聞かせる。これを聞いたこども達は凶暴化し、喧嘩を始めてしまうのだが、その音を聞いたボールボーイまでもが凶暴化して健を襲うのだった!
 敵はカセット男。右手に大きなラジカセをくっつけたオクトパス用アンドロイドで、人間形態では人間の精神に影響を及ぼす音の発明を行う。ラジカセをハンマーのように武器として使ってるみたいだが、取り回しが大変そう。白鳥の湖をカセットにセットすると、自分も踊り出してしまう。又、ヘッドフォン爆弾なる武器も持ってる。
 全般的にバードウォッチングを題材としたお話で、真紀や勝は取材のため、オクトパスは不快な音をサンプリングするために。孔雀の雄の鳴き声が一番人を不快にさせると言うことだが、普通の山の中に孔雀がいるというのがとても変だ。
 今回のお便りコーナーはドルフィンは狭くないのか?と言う質問で、それはたしかにその通りだと思う。一応「狭くない」と言ってたが。
第33話 時限爆弾を抱く犬

  監督:東條昭平
  脚本:高久進
 スペインからプロフェッサーKが帰って来た。たまたま週間ヒットに子犬を助けたマシンマンの記事が載り、その子犬からマシンマンエキスを取り出し、更にその子犬に爆弾を仕掛けマシンマン暗殺を狙うマシンマン探知機により、居場所を嗅ぎつけられそうになるマシンマンだったが…
 敵はマシンガン男。オクトパスタイプのアンドロイドの右手がマシンガンになったもの。マシンガンの中にはマグナム弾が入ってるとか…通常兵器では考えられない設定だ。肝腎のマシンガンを奪われてしまったら、途端に弱腰になってしまい、テンタクルの秘密をべらべら喋ってしまうのが情けないというか…
 いよいよプロフェッサーKが帰ってきた!やっぱり天本英世は良いよなあ。物語に締まりが出てきた…と言うか、不気味になったというか。
 週間ヒットでスクープをものにし、お祝いされる真紀は祖母に健との仲を認められ、まんざらでもない様子。甲斐甲斐しく健に世話を焼くあたり、随分仲が進展してるようだ。
 今回のお便りコーナーはアイビー星にはプロフェッサーKのような悪人がいるのか。と言う質問。いないと言う単純な答え。
第34話 KとMの必勝作戦

  監督:東條昭平
  脚本:木原光
 日本に帰ってきたプロフェッサーKは早速鉄人モンスをゴールデン・モンスとして復活させる。マシンマン打倒に燃えるゴールデン・モンスを頭に、プロフェッサーKとレディMは子供を人質に、マシンマンを倒す計画を立てる。
 鉄人モンスの復活。しかも金色になって、ゴールデン・モンスと名を変え…しかし、鉄人モンスの最終版を金色に塗っただけ…ま、いっか。パワーは復活前の3倍となり、マシンマンをも圧倒する。
 真紀が健に結婚話をもちかけてくる。特撮作品で、ここまで突っ込んだ内容は珍しいが、やはり健は異星人だけに、受け答えがトンチンカンなものになってる。
 最後は罠にかかったマシンマンが閉じこめられた倉庫が大爆破。珍しくおおがかりな特撮が用いられてる。最終回近いからか?
 最後にマシンマンの特訓シーンが出て、今回はお便りコーナーは無し。
第35話 さようなら今日は

  監督:東條昭平
  脚本:木原光
 勝と美佐をさらったプロフェッサーKとレディMは二人を奴隷として一生いじめ抜くことにした。一方、決死の覚悟でオクトパス本部へ乗り込むマシンマンだったが、そんなマシンマンの元にアイビー星の大学から、帰還命令が入るのだった。
 敵は前回に続きゴールデン・モンス。マシンマンは正面衝突を避け、マシンドルフィンで本部に突っ込むのだが、意外にレディMは強い。特撮女優としての湖条千秋の面目躍如と言ったところ。その後、ゴールデン・モンスとトンチンカンの連係攻撃を受けることになる。
 冒頭で、「鼻を削ぎ、耳を切り落とす」とか物騒な事を言っておきながら、結局いじめ抜くための奴隷として勝と美佐を使うことになったプロフェッサーKとレディMだったが、その虐め方がなかなか堂に入ってる。ガマガエルを鼻先に突きつけたり、雑巾で顔拭いたり…やってる方も大変だろうな(勿論子供だけじゃなくてやってる本人も)。
 苦戦の末ゴールデン・モンスを倒したマシンマンはトンチンカンにカタルシスウェーブを浴びせる。それで善人になったトンチンカンが最後に選んだ職業とは…なんと幼稚園児という…えらい迷惑だ。そして最後、プロフェッサーKとレディMは二人ともプロフェッサーKの作り出した装置により蒸発。最終回のみ死人が出たと言うことか。
 最後、アイビー星に帰るマシンマンと、再び健が帰ってくるのを待ってる真紀のショット。最終回らしい仕上がりだ。
第36話 戦いの名場面集

  監督:八手三郎
  脚本:木原光
 文字通り戦いの名場面集。最後に「ただいま」をやってくれるんじゃないかと期待してたんだけど、それはなし。本当のバンクだった。しかし、かなり編集技術は良かった。