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ロボット刑事

ロボット刑事事典
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1973'4'5〜9'27

 契約に基づいてロボットを派遣し、怪事件を起こす悪の犯罪シンジケート、バドーの暗躍を阻止するため警視庁は「特別科学捜査室」を設立。そこにヴェテラン刑事の芝と彼の相棒新條強が配属された。そしてもう一人、二人の相棒として着任したのは、バドーに対抗するため、マザーによって作られたロボット刑事Kだった。三人は次々と怪ロボットを用いて犯罪を繰り返すバドーに対し、敢然と立ち向かう。
 石森章太郎原作の“脱変身”のSFドラマとして製作された作品。一応特撮作品には違いないが、「機械野郎」だの「屑鉄」だのののしられながら、徐々に信頼を得ていき、難事件を解決していく内に互いに成長していくと言ったテイストはむしろ刑事ドラマ。刑事物っぽく、よく酒を飲むシーンがあるのも特徴か。
 この作品の最大とも言える特徴はメインキャストの豪華さ。芝大造役に高品格、新條刑事の兄敬太郎役ににサニー・チバこと千葉真一。
 ラストにケレン味を持たせ、次回に続ける。のは前半の特徴。ラスト部分で徐々に明らかになっていくマザーとバドーとの関わりなど、存在感が良い。もうちょっと長く続いていれば物語も深まったはずだが、2クールで終了したのは残念なところで、バドーの謎なども中途半端で終わってしまった。

主な登場人物
(声)中村秀夫。スーツアクターは後に監督となる金田治が勤めている。
 警視庁が初めて採用したロボット刑事。ロボットらしく理詰めに捜査を行うが、そのことごとくがヴェテラン刑事の芝を苛立たせるのだが、本人はそれをかなり気に病んでいる。感情を持つロボット。その描写が本作の肝だろう。徐々に刑事として、人間として(?)成長していくことになる…ちなみに、正確に言うなら、Kはロボットではなくアンドロイド。
 表情が無いので、感情を示しにくいのだが、目の色でそれを表現してるのは巧い演出。通常モードは黄色。戦闘モードは赤色。落ち込んだ時とか熟考中は青色。
 ハンチングを飛ばし、ブレザーを脱いで「ゴー!」のかけ声で戦闘モードに入るが、どう見てもスーツに収まる体型じゃない。
 22話でマザーによってパワーアップ。「グローアップ」のかけ声と共に、全身真っ赤なボディとなる。
芝大造 (役)高品格。かつてのTVの刑事物には欠かせない人物で、実に味のある役者。映画にも数多く出演してるが、個人的には『麻雀放浪記』(1984)の賭博師役がとても好き。
 勘と足で捜査を進めるタイプのヴェテラン刑事で、ロボットを胡散臭いとしか思っておらず、Kに対してはいつも「鉄屑野郎」と怒鳴りつける。それに特別科学捜査室に配属になったことがいたく不満で、いつも愚痴ってる。妻は既に他界しているが、二人の娘あり。それでも徐々にKの事を認めるようになるのが面白いところ。本作のキーとなる人物。
新條強 (役)千葉治郎。矢吹二朗と言った方が分かりやすいか。東映特撮作品では主にバイ・プレイヤーとして登場する。代表としてはやはり「仮面ライダー」の滝刑事かな?ちなみに「快傑ズバット」ではダッカーの影の総統Dを演じている。現在は役者稼業から足を洗い、森で有林保護監視人として働いてるとのこと。これも漢の生き方だ。
 芝刑事のパートナーで、刑事としての経験は浅いが、Kと芝を結ぶ良い緩衝役になっている。本作においては主人公格と言っても良いくらいなのだが、やっぱり高品格の存在感には負けてる。後半になると、ひも付きの手錠を用い、銭形平次よろしく敵を捕縛するようになった。
新條敬太郎 (役)千葉真一。言うまでもなく、日本を代表する国際スター。サニー・チバという名前で海外での評価も高し。近年では『キル・ビル Vol.1』(2003)のハットリ・ハンゾウ役などで登場。それにしても若いなあ。ちなみに本当に千葉治郎氏の実兄。
 新條刑事の兄で、かつて敏腕刑事とうたわれたが、現在は弁護士をしている。体のキレは健在で、1話と2話では弟を助けるために身を張った捜査を手伝っている。
地獄耳平 (役)三上左京
 情報屋で、芝刑事に数々の情報をもたらす。ただ物腰が卑しいため、あんまり信用はされてないようだ。
バドー (役)富川徹夫 (声)川久保潔
 本名霧島ジョージ。霧島博士の息子で霧島サオリの弟。父が非業の死を遂げ、それを恨みに思い、日本を混乱に陥れるためにバドーを結成。金儲けを兼ねて父の残した設計図を元にバドーロボットを作り、それを悪人に貸し出す。
マザー (役)夏夕子
 Kを作った霧島サオリの造り上げた女性型の巨大ロボット。Kのメンテナンスは全てこの内部で行われており、Kが最も信用し、文字通り「母親」として慕っている。ただし、Kと違い自立型のロボットではなく、中にいる霧島サオリによって動かされているらしい。霧島サオリ本人もそう呼ばれることがある。
話数 タイトル 脚本など コメント
第1話 バドーの殺人セールスマン

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊藤 勝
 密室殺人が起き、ヴェテラン刑事の芝と新米刑事のsin條が担当にあたるが、早速行き詰まってしまった捜査現場に、新しい刑事が現れた。その名はK。警視庁に配属された初めてのロボット刑事である。冷静すぎるKの言動に不審の念を抱く芝と新條だったが…
 敵は
ワッカマン。体をバラバラの輪に分離することが出来、狭い通風口から密室に入り、相手を殺すと言う味な技を使う。戦いに際しても、バラバラになることで容易に相手の目をくらませる。
 ロボット刑事Kの初登場の回。登場時はホラーテイスト満載なのだが、いざ出てくるとKの気さくな態度に違和感が…いや、それが味になってると言えるか。
 
「所詮機械人形」と吐き捨てるように言うヴェテラン刑事の芝。確かにあの冷静なKの言動は一緒に働いている人間の気持ちを苛立たせるには充分。
 あらら?千葉新一が新條の兄貴、敬太郎役で(元刑事の弁護士)登場してる。芝役の高品格と言い、豪華だなこれは。
 この話自体Kの活躍そのものより、3人の感情のぶつかり合いの方に主眼がおかれているので、大変見応えがある。
<この時点での変身(?)のかけ声「ゴー!」でスーツを脱ぐ姿はちょっと野暮ったい感じ(脱ぐのにちょっと時間かかったり二回振り回したり)。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 目撃者はゼロ

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊藤 勝
 見事ワッパマンを倒したK。だが、その戦いにマザーは首を振る。そしてKの目の前でバドーが送った怪ロボット・テナガマンによって、第二の殺人が行われしまう。
 敵は
テナガマン。手が伸びるだけのロボット…と思ったら、股間から車輪が出て走ったりすることも出来る。
 第1話ラストで登場したマザーの役割が冒頭ではっきりする。どうやらKの行動を見守っていたらしい。
 Kは表情が無いので、目の色で感情を表す。その演出は結構良い。
 第1話に続き、ここでも新條敬太郎が登場。意味もなく崖から飛び降りたりサマーソルトかましたりしてるが、やっぱり格好良い男はこういう気障な仕草が似合うよ。
 死闘の末、テナガマンを倒したKだったが、犯人のロボットは自爆。しかも10億円が灰になってしまったため、
やはり叱責されるKの姿がひたすら哀れ。この不完全さがKの魅力となってるのは事実。
 本作ではかなりのパートの特撮シーンがあるが、ちょっとしょぼかったかな?
テナガマンは車で何度も轢かれてもちゃんと生きてるのはさすがロボット(中に入ってる人は大変だっただろう)>
第3話 時計発狂事件

  監督:折田 至
  脚本:中山昌一
 磁石で遊んでいた三宅タケシの前に突然現れるロボットジリキマン。タケシの父親三宅を襲った後、かつての三宅の同僚大浦をも殺してしまう。ジリキマンの目的は?
 敵は
ジリキマン。磁力を操り、人間を殺したり、電算機器を狂わしたり、鉄の壁面を歩いたり出来る。
 Kと少年タケシとの心の交流が描かれる…交流ってより、なんか先生と生徒っぽい。
 人間の嬉しそうな顔を見るのが何より楽しみと言うKの姿が微笑ましい。
 最後は夜中の工場でのKとジリキマンの戦い。ちょっと見にくいが迫力は満点。K自身も鉄で出来たロボットだけにジリキマンの攻撃に翻弄されるが、最後はそれを逆手にとって反撃。最後の大爆発は凄い迫力。
 最後のナレーション
「ロボットは機械だと人は言う。だがKは違う。Kは人間の感情を持っている。Kは思い遣りも持っている。Kに恥じないだけの人間がどれだけいるだろうか?」…泣かせる台詞じゃないか。
<ところでKってジリキマンの磁石に引きつけられる訳だが、Kの体って普通の鉄で出来てるのか?>
第4話 壁に消えた殺人者

  監督:折田 至
  脚本:中山昌一
 深夜、闇に乗じた殺人事件が起きる。丁度そこにやってきた新條刑事とKは、殺人者である怪ロボットと戦うが、そのロボット、カメレオマンはKに傷を負わせた上、保護色を使ってまんまと逃げてしまう。
 敵は
カメレオマン。保護色を使い、壁とかにとけ込むように消える。しかし、今回は謎解きがメインなので、やや戦いに幅がなかったようだ。
 最初の事件は深夜で起きたため、非常に見にくい。目が疲れるよ。これは。
 物語は保険金殺人事件が題材となっており、殺しの依頼の証拠を掴むなど、本当に刑事ドラマっぽい。さすがに30分だから相当単純化してるけど。芝刑事が家で丹前着てくつろぎ、酒飲んでるシーンが2回も。面白い演出だよね。
 芝刑事の家に招かれたKだが、芝が嫌うので二回に閉じこもり、書き付けを書いていて、その文章が
「私の肌は海の色。深く悲しい海の色。いつか人間に生まれて…」泣かせるじゃないか。それも見つかって冗談にされてしまうんだけど。
 ラスト、砂浜に倒れ伏してるKがマザーによってエネルギーを充填される。少しずつマザーの存在の意味が明らかになっていく。
<カメレオマンは小学生に自分が殺す人間の家を訊ねてる。ここまでバレバレで暗殺って無理じゃないか?ところでカメレオマンに道を尋ねられた小学生がいきなり「カメレオマン」と名前を呼んでるんだが?>
第5話 二重犯人の謎

  監督:奥中惇夫
  脚本:上原正三
 都内で宝石ばかりを狙う強盗事件が続発する。芝刑事はその手口がかつて自らが逮捕した怪盗・鴨野牛松の仕業と見る。だがKはこれがロボットの犯行ではないかと当たりを付け、独自捜査を開始するのだった。
 敵は
ナナツマン。七つ道具を持つ盗みのプロだからのネーミングだそうだ。
 前回が捜査中心だったのに対し、今回はアクションがメイン。それにしてもKのスーツ、よく動くな。スーツアクターの技量が凄い。「ゴー!」のかけ声もろともスーツを脱ぎ捨てるシーンも随分スマートになった。更にナナツマンを倒したKの前に新たなロボット、コワシマンが…
 相変わらずKの行動は正しいのだが、それが芝を苛立たせ、それで落ち込んでマザーに慰めてもらうシーンが相変わらず泣かせるところ
(今回はそのシーンを中盤に持ってきてる)
 本作は前後編で、ラストにケレン味を持たせるのは本作の特徴でもある。
第6話 恐怖の死刑マシン!!

  監督:奥中惇夫
  脚本:上原正三
 ナナツマンを追いつめ破壊したKを攻撃する破壊ロボットのコワシマン。なすすべもなくコワシマンの攻撃に曝されるKはついに作動不能に陥ってしまう。
 敵は
コワシマン。油断していたとは言え、Kを圧倒するパワーを持つ。Kを倒した後、囚人護送車を襲った際、何故警官が「コワシマン」と叫んだかは謎(Kのデータが警視庁に送られていたのかな?)。
 自分の直感が外れ、結果的に王冠を盗まれてしまって落ち込む芝刑事の描写が良い。慰めようとするKを突き放すのも、今回に関しては嫌味っぽくない。Kのみならず、芝も変わっていくんだな。
 圧倒的な強さを誇るコワシマンに対し、Kと人間が協力して倒す。これが実はこの作品の真骨頂ってところだろうな。更に最後に芝刑事が
「ロボットに下げる頭なんぞ持ってないぞ」と強がりを言いながら、妙に嬉しそうな様子をしてるのも良いところだ。
 この作品は全般的にそうだが、着ぐるみの動きが良い。飛んだり跳ねたり格闘したり。
第7話 頭上の恐怖!!

  監督:内田一作
  脚本:中山昌一
 バドーの殺人ロボット、ヒコーマンの殺人事件を目撃した少年がいた。だが、少年シゲルはヒコーマンから脅され、口をつぐんでしまう。重い口をようやく開いたシゲルの元にヒコーマンが…
 敵は
ヒコーマン。空を飛べる。うーん。シンプル。他に腹からマニピュレーターらしきものを発射。かなり破壊力が強い。ヒコーマンが現れる時になると、「げはははは」と言う笑い声と共に画面が真っ赤になるのが特徴。目に悪い。
 Kがロボットという理由で一般市民にも嫌われてるような描写あり。それが本作の主題となっているのだが、やっぱりちょっと可哀想だ。更に
「役立たず」呼ばわりする芝刑事に何の口答えもしないとか…それを悲しんでいるのは、感情を表す目が青くなっているので分かる。
 最後、海岸で楽しむ人間の仲間に入れず、寂しさを噛みしめるKの姿がやっぱり良いね。
第8話 雷が殺した?!

  監督:内田一作
  脚本:中山昌一
 雨の中、資産家秋月家の長男が殺された。事件現場にやってきたKと新條の前に立ちふさがる怪ロボット、カミナリマンは二人に高圧電流を浴びせる…残された秋月の弟達を守るため、活動を開始するK達だったが…
 敵は
カミナリマン。ロボットだけに電流には弱いK。カミナリマンは天敵とも言える。
 莫大な遺産を巡っての骨肉の争いが描かれる。ドラマではよくあるパターン。
 マザーにより逆流コイルを取り付けられ、電気に耐性が出来たKの敵ではなかった。割合単純な作品だったかな?
第9話 電気椅子スパイ!!

  監督:折田 至
  脚本:上原正三
 マッハ8の飛行速度を誇るSSTを設計した葉山博士の元に椅子が届いた。しかしそれは産業スパイが送り込んだバドーのロボット、コシカケマンだったのだ。
 敵は
コシカケマン。相変わらずストレートなネーミングで、真っ赤な椅子の姿をしてる。座った状態で高速走行が可能。又、電気椅子の機能も持つ。かなりの多機能を誇る。
 この作品も、事件解決と思われた瞬間、新たなロボット、ハリサスマンが登場し、物語は続いていくことになる。このシリーズの定番だな。
<コシカケマンは安楽椅子がモティーフということだが、これに座ろうという思いにはなれないなあ。
 途中小学校の先生を抱きかかえて走るコシカケマン。その姿は胸を揉んでるように見えてしまう。まるで江戸川乱歩の「人間椅子」みたいな…>
第10話 バドーのみな殺し作戦!!

  監督:折田 至
  脚本:上原正三
 コシカケマンの高圧電流で葉山博士は記憶喪失となり、息子の良一はさらわれてしまう。ハリサスマンの攻撃のために目を潰されてしまったKは、マザーに応急処置のみを施してもらい、事件捜査に復帰する。
 敵は
ハリサスマン。両耳の針を人に刺し、あっという間に殺人をやってのける。それだけでなく、お尻から毒ガスを…おいおい。こんなふざけたキャラでも、これまでで一番人を殺してる。
 一応刑事物らしく、ちゃんと取り調べもしてるけど、やっぱり取り調べと言えば、カツ丼かタバコ。律儀に容疑者にタバコを勧める芝刑事の描写がステロタイプながら様になってる。
 初めて芝刑事がKの推理を認める。
「ロボットにしちゃ良い思いつきだ」程度だけど、結構進歩なんじゃないか?
 応急処置のため、戦いの最中に目が見えなくなってしまうK。このピンチに冷静に対処するのがKらしい。もうちょっと危機を引っ張ればよかったかも。
第11話 バドー基地の秘密!!

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊藤 勝
 バドーの送り込んだロボット、ロッカーマンにより次々と殺人事件が起こる。バドーの正体を暴くため、ロッカーマンを尾行し、バドー基地に潜入することに成功したKだったが、実はそれこそがバドーの狙いだったのだ。
 敵は
ロッカーマン。普段は普通のロッカーの格好をしてる。まあ、暗殺にはもってこいの姿ではあるな。最後はKに連発してパイルドライバーを決められた後、爆破。ちょっと情けないな。
 Kと新條刑事も、金の受け渡しに使われたロッカーがただのロッカーと思いこんでる訳で、その辺が面白いね。
 相変わらず芝刑事に責められるK。
「少しは悲しそうな顔をしてみろ」って無理だって。
 今回も折角ロッカーマンを倒したのに、バドー基地から逃げることが出来ず、新しいロボット、スプリングマンに翻弄されることになる。
 ストーリーそのものがK自身に関わるものであり、バドーとマザーの間には関係があることを暗示する回。
第12話 マザーが狙われる!

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊藤 勝
 バドーの罠により基地に閉じこめられてしまったK。バドーの狙いは実はマザーにあったのだ。それを知ったKはなんとか脱出に成功するのだが、エネルギーが尽き、身を潜めるしかなくなる。一方、Kの行方を追う新條と芝の両刑事だったが、彼らの前にスプリングマンが現れる!バドーの罠により、マザーを爆破しそうに…
 敵は
スプリングマン。ジャンプして相手を翻弄し続けるのが特技。又、スプリングだけに手とか足とかを伸ばせるのも特徴か。
 前回からの続きでスプリングマンとの死闘を続けるK。だが、エネルギーが底をつき、戦えなくなってしまう。主人公にこう言った弱点を付与するのは良い演出だよ。

 いつもKを罵倒する芝刑事が意外にもKを一番心配してる事が描かれる回でもあり
(それを指摘されると照れる辺りがなかなか味わい深いぞ)
 Kが動かない分、生身のアクションが中心で、かえってそれが見栄えを増してる。後半はロボットのアクションもちゃんとあるし。
<途中川を泳いでマザーの元に向かうKの姿が描かれる…
泳ぐ?芝刑事がよく使う「鉄屑野郎」
ってのは、Kには当てはまらないんだろう。>
第13話 悪魔の煙に気をつけろ!

  監督:内田一作
  脚本:中山昌一
 競馬場の売り上げを奪い取ったバドーロボットのドクガスマン。だが、その帰還の途中少年シンジに写真を撮られる。シンジの証言を元にあじとに忍び込む新條とKだったが、ドクガスマンの放つ毒ガスにより、ピンチに陥る。
 敵は
ドクガスマン。文字通り毒ガスを武器にするが、人間のみならずロボットであるKにまで効き目があるらしい。ピンチに陥ると、ドクガスマンは体中から七色の毒ガスを噴出して逃げる。イタチか?
 今回の中心となる少年シンジはかなり演技慣れしてるし、役柄もかなり良いようだ。
 最後は採石場での戦いになるが、アクション、火薬共々大変派手なものに仕上がっている。
 ラスト、遊園地で和む面々の中、芝刑事が新條刑事
に「なんで(Kを)連れてこなかった?」となじるシーンが。なんだかんだ言っても、だんだん認めてきてるのが面白いところだ。
 空を飛ぶドクガスマンに対し、Kも空を飛ぶ。空を飛べたって初めて明かされたんじゃない?
<ドクガスマンが最初にパラシュートで競馬場に降りるところまでは良いけど、アジトに帰るのに歩いてる姿がなんか間抜け。>
第14話 光る眼の恐怖!!

  監督:内田一作
  脚本:中山昌一
 宝石強盗を繰り返す谷村と池島に協力するバドーのロボット、ガンリキマンを追うK。だが、ガンリキマンの熱光線を目に受け、視力が奪われてしまう。Kと友達になったススムという少年と共にガンリキマンと戦う。
 敵は
ガンリキマン。目から出す怪光線で暗殺を繰り返す。首が伸びるのが特徴だが、その容貌と相まって、まるで『イレイザーヘッド』(1981)に出てくるフリークスの赤ん坊みたいな…長く伸びる首を用いて噛みつき攻撃なども得意で、Kのミサイルも跳ね返す強力な装甲を持つ。ただ、体内のスプリングは熱に弱く、それを知ったKの放つ炎で爆死。
 ガンリキマンの熱光線を避けるためにサングラスをかけて戦うKの姿が見られる。
 合成が結構巧く、物語としてもそつなくまとまった好作。
VOL.2
<A> <楽>
第15話 標的は原子番号79?!

  監督:折田 至
  脚本:上原正三
 政府が買い付けた40億円の金塊。その護衛に当たる特別科学捜査室の面々だったが、バドーの強盗ロボット、ノコギリマンが現れ、金塊を奪われてしまう。
 敵は
ノコギリマン。腰に電気のこぎりを装備し、そののこぎりを飛ばして攻撃するが、毒ガスも出す。デザイン的にはなんだかやっつけ仕事って感じ。
 金を溶かして検問に引っかからないように輸送するってのは結構良いアイディアだと思うけど、それで引っ張るにはストーリー的にはきつかったか?
 後半もう一体のバドーロボット、タイホウマンが現れ、2体でKに当たる。結局タイホウマンの爆撃によりノコギリマンは爆死。Kも傷を負うところで終わる。
第16話 バドーから奪え!!

  監督:折田至
  脚本:上原正三
 ノコギリマンとの戦いのさなか、突然現れたタイホウマンの一撃により、K、芝、新條刑事はそれぞれ負傷し、40億の金塊の行方も不明となる。病院に入院した芝刑事に代わって新條刑事とKは敵のアジトを発見するが、そこでタイホウマンの罠にはまって…
 敵は前回に登場した
タイホウマン。巨砲を背負ったロボット。Kの破壊銃をはじき返すほどの装甲を持つ。武器は破壊力絶大の背中の巨砲だが、それ以外の武器は無いようで、狙いを付けてる間にすぐに逃げられてしまう。最後は大砲の中にミサイルを撃ち込んで爆死。
 いつもKを「鉄屑」扱いする芝刑事の本音が聞ける。預かりもので、刑事としての性格が半人前のKを一人前にするため、わざと辛く当たっているようだ。
 新條刑事の
「出てこい出てこい池の鯉」という謎の言葉が聞ける。また、爆発寸前の爆弾に向かって体当たりしようとするKに「命を粗末にしちゃいけないぜ」…やっぱり意味不明。
<タイホウマンがKに対して言った台詞は「鉄砲で大砲に勝てると思ってるのか!」…いや、別に破壊できればいいわけだから勝つ必要はないんだけど。>
第17話 魔の泡に消されるな?!

  監督:奥中惇夫
  脚本:中山昌一
 幼稚園の砂場から出てきたロボットのモグルマンによって幼稚園のスクールバスが突然消えた。
 敵は
モグルマン。頭に付いたドリルであらゆる所に地下から出現し、腹部から溶解泡を出してあらゆるものを溶かしてしまう。
 結構人死にが出る本作だが、人間を溶かすとかのゴア的描写はこれが初めて。しかも子供まで溶かしてしまうなんて描写をやってくれる。今じゃ到底出来ないな。
 芝刑事が初めて
「この事件はバドーの?」と言う台詞を吐く。徐々に慣れてきたんだろうな。
 かなりアクション色の強い話になったが、最後はダムの放水口で水だらけになって戦ってる。着ぐるみを着た上で水かぶってのアクションは相当大変そう。ご苦労さん。
 Kの武器の一つ、ジェットシャワーがお目見え。と言っても、両手から単に水を出すだけだが、モグルマンの溶解泡を洗い流す。
第18話 バドーの冷凍作戦!

  監督:奥中惇夫
  脚本:中山昌一
 バドーロボットのレイトウマンによって、資産家今西家の二人の子供が襲われ、氷漬けにされ、兄は死亡する。見舞いに来た今西の後妻の姿に違和感を覚える新條刑事。彼らをあざ笑うかのように、ついに今西自身が殺されてしまう。
 敵は
レイトウマン。人間が氷漬けにされて殺されるという猟奇的描写がなされる。
 久々にKの目が哀しみの青になるが、芝刑事自身が寂しそうに見えてしまうのは、やはり回が進んだ証拠か。結構微妙な心理が見え隠れするのが本作の良いところだ。
第19話 沖縄の海に謎を追え!!

  監督:折田 至
  脚本:上原正三
 沖縄でバドーの仕業と思われる殺人事件が起きた。又同時期の都内ではバドーのマークを書き込んだ得体の知れぬ気球が飛ぶ。一見脈絡のない二つの事件が一つになる時、バドーの恐るべき計画が明らかになる。
 敵は
ギョライマン。伏せたビーカーに顔を付けたような姿してる。必殺技は魚雷アタックで、要するに頭突き。それに敵に装着して水にいれるとギリギリと締まる魚雷ベルト。 他にリンという女性型アンドロイドが登場する。中国系?
 オープニングは明らかにここが沖縄と分かる撮り方をしてる。今回は主に船の上が舞台だけど、ロケを敢行したんだろうけど、いくら大きいと言っても、揺れる船の上でアクションやらせるのだから、大変だっただろう。それに限らず全体的にアクションは質が高い。
 今回は事件究明編。解決編は次回となる。
第20話 水爆飛行船 東京へ!

  監督:折田 至
  脚本:上原正三
 謎の女性リンを追って沖縄に上陸したKたちはカラテマンの妨害に遭いながらも、バドーの援助する秘密結社ゼロのアジトを突き止めた。しかし、水爆飛行船は東京上空を目指して飛び立った後だった。
 敵は
カラテマン。拳骨を模した頭部を持ち、アクションも見事にこなす。マッハチョップという、ロケットパンチのような攻撃をする。ただ、サイズが妙に大きいような…
 前回の舞台は船だったが、今回はついに沖縄の地に降り立つ。最初にジョーカーを走らすKの前に牛が通りかかって、身動きが取れないシーンが登場するシーンなんかは本当に田舎っぽくて良い感じ。それでKを見かけた島民が全く動じてない辺り、沖縄の風土とは凄いものだと思わされる(違うって)。
 アンドロイドであるリンがKの潔さに惚れ、Kを助ける描写あり。倒れた瞬間、顔がごろんと落ちる辺りの演出がなかなかホラー風味。
 高品格が水泳パンツ姿で笑いながら水と戯れる姿がなんとも。良いもの見せてもらったって感じ(笑)
<二度目のカラテマンとの戦いはいつもの戦いのテーマソングではなく、沖縄民謡が流れてくるんだが、妙に脱力っぽい演出。>
第21話 恐怖デンネツマン マザー爆沈!!

  監督:内田一作
  脚本:中山昌一
 警官を次々と襲うバドーロボットのデンネツマン。それはこれまで数々の計画をロボット刑事に阻止されてきた警察へのバドーからの挑戦状だった。バドーの罠にはまり、新條は大けがをして入院。おびき寄せられたKと芝はバドーのアジトに囚われの身となる。
 敵は
デンネツマン。手にしたコイルを相手に巻き付け、高圧電流を流す。闇討ちばかりしてるのに、相手が助けを呼ぶと「卑怯者」よばわりする。なかなか良い性格してると思う。それとサイボーグの09。シルエットながら初めてバドーがその姿を現す。
 芝刑事が初めてKをはっきりと認める発言をしたり、マザーがミサイルによって破壊?と言う描写があったりして、物語のキーとなる作品には違いない。
 芝刑事がヴェテラン刑事らしく、渋く決める。だけど、詰めが甘く結局捕まってしまう。一方のバドーも詰めが甘く、逃げられてしまうけど。
 Kが右手に機関銃を装着して撃ちまくるシーンあり。
<海の中で高圧電流を発動させたりしたら、あっという間にショートするのではないかと思われるが…>
第22話 恐悪ミサイルマン バドーの正体!!

  監督:内田一作
  脚本:中山昌一
 マザーと共に破壊されたと思われたKは生きていた!バドーの派遣したミサイルマン及びサイボーグ部隊と激しい戦いを繰り広げるKの元にバドーからのメッセージが届く。芝刑事の二人の娘が誘拐され、Kの身柄を引き渡すようにと…
 敵は
ミサイルマン。専用の台車に乗って現れる。胸に当たる部分にミサイルが2発搭載(オッ○イミサイル?)
 新展開が続き、シリーズの鍵となる作品。マザーロボットの設計者が霧島サオリという女性であること、そして彼女こそがマザーの本体と言うこと。更にバドーは霧島サオリの弟であることが明らかにされる。
 ここでKがパワーアップ。いつもの「ゴー!」のかけ声ではなく、「グローアップ」というかけ声と共に、真っ赤なボディで現れるようになる。ミサイルマンのミサイル直撃にも微動たりせず、圧倒的な強さを見せる(岩場で戦っていたため、海に落ちそうになってぐらついたことはあったが)
 「ミサイルを食らわしてやる」というミサイルマンの台詞に、
「ミサイルだろうが水爆だろうが構わん。叩き落としてやる」と答えるK。大きく出たな。
第23話 センスイマン 水中の恐怖!! 監督:奥中惇夫
脚本:中山昌一
 スキンダイビング中の学生たちの前に現れるバドーロボットのセンスイマン。Kがやってくるも時遅く、学生達は殺されてしまう。彼らは公害研究の権威小田教授の学生達で、バドーは小田教授に研究の成果をバドーに渡すように強いる。
 敵は
センスイマン。冒頭でKと戦うが、パワーアップしたKには攻撃が通用せず。二度目の戦いで得意の水に引き込んで戦うが、グローアップしたKに地上に引き揚げられてしまう。良いところないな。水中用の煙幕を用い、逃げる足は速いみたいだが。
 バドーが悪人のためにロボットをレンタルするのを止めて、自分の組織のために研究を盗もうとしているところが今回の特徴。
サイボーグX3と言う初めて名前の付いたサイボーグを登場させる。
 前回から続き、マザーがしゃべりまくり。バドーの本名が霧島ジョージという名前であることが明らかにされる。Kの存在意義は姉のサオリが自分に代わってジョージと戦ってもらうため。
 初めて積極的にKを頼りにする芝刑事の姿も見られる。
第24話 バクライマン 焦熱作戦!! 監督:奥中惇夫
脚本:中山昌一
 次々に都内にビル火災が発生し、各保険会社には、これ以上の火災事件を起こされたくなければバドーに100億円を払うようにとの脅迫状が届く。
 敵は
バクライマン。頭にトゲトゲのついた重装甲を誇るロボット。左手に火炎放射器を持ち、体から取り出した爆弾を投げつけてビル火災を起こす。他にバドー工作員で変装の名人のサイボーグM5
又、気球を膨らまして逃げることもあり(気球を潰された場合、パラシュートでゆっくり降下してる)。ンよりも目立っていた。
 この回もバドーは依頼ではなく自分で動いているのが特徴。普通の悪の組織になってしまったようだ。
 グローアップしたKの能力は極端に上がっているが、右手がドリルになったり、機関銃が出たりもするようになった。バクライマンとKの戦いは、本当に良く動く。
第25話 兇悪ガトリングマンのバドービールス作戦!! 監督:奥中惇夫
脚本:中山昌一
 伝染病の捜査に当たっていた本庁の刑事が次々に襲われ、蜂の巣にされる。バドーはガトリングマンを派遣し、バドー自らが撒いた伝染病のワクチンを抹消しようとしていたのだ。次に狙われるのはワクチンを開発した病院だと当たりをつけるKと新條だったが…
 敵は
ガトリングマン。中世の鎧を思わせるデザインに頭にガトリング砲を付けているのが特徴だが、これを打つためには腹這いにならなければならないのがちょっと情けない(後半ではガトリング砲を撃ちながら移動するため、専用の台車に乗っている)。それだけだと戦いにならないためか、カッター手裏剣やカッター爆弾なるものも使う(右手が文房具のカッターになってる)。又、体を分離させることも可能。他にサイボーグY8。新條刑事と格闘するが、やはり人間の力では敵わなかったようだ。
 今回もバドーが直接事件に関わっている。伝染病をテーマにしているためか、全般的に陰鬱な雰囲気に溢れた回で、これが最終回前の作品とは思えない静かな(そしていつも通りの)回となっている。
<伝染病に冒された患者を病院で診るシーンがあるが、患者が全然動かないというのが凄く不気味。
 サイボーグY8に敵わない新條刑事だが、銭形平次よろしく手錠を逃げるY8に投げつけると、見事足にはまって逮捕。意地を見せたな。
<ガトリングマンが身体を分離する際のかけ声は「変身ガトリング。バラバラ」…ちょっとこれも情けないか?>
第26話 バドー火星に死す!! 監督:内田一作
脚本:井上勝
 バドーによって芝刑事の娘達がさらわれた。水を原子爆弾に換えてしまうと言う最終兵器を作り出したバドーは芝刑事が隠した原子力限定器を奪おうとしていたのだ。手も足も出ない状態の警視庁だったが、Kとマザーはバドーが火星にいる事を突き止めるのだった…
 敵は
ハグルマン。本人の言によると、「バドー最強、いや世界最強」なのだそうだ。最終回だけに本当に強いらしい。巨大歯車に変身し、空を飛ぶことも出来る。与えられた任務に忠実で、決してKとの戦いを望んでいないあたりは結構プロっぽく、Kをバドーにスカウトしようとさえしてる…勿論最後は戦うのだが。最後は「世界一のロボット」の称号をKに与え、バドーと共に自爆。格好良いよ。
 最終回だけに新條刑事も意地を見せる。「スーパージャンプ」のかけ声と共にバイクを空中にジャンプさせ、バドーのワゴンに乗せる…囮だったが。
 芝の二人の娘の拷問シーンあり。ベッドに寝かせて腕に重りを付けるという原始的なものだが、痛そうに見えるのは効果的だ。
 最後の最後にバドーこと、霧島ジョージの姿がようやく出てきた。声だけの時はえらい渋いのだが、実際はかなり若い。
 最後、芝刑事が「K、いつまでも一緒にやってくれよな」とか言う台詞が出てくるところが泣かせる。更にビールを口に運び、芝より「お前、飲めるのか?」と問われ、頭を掻くシーンがあり。Kが最後、人間として生きるようになったと言う含みを持たせたのか?これも良いシーンだ。
<バドーとの最終決戦はなんと火星…普通の風景に青いフィルターををつけて撮影しただけだが(笑)>