新米の精神医サム(ベイル)は婚約者で遺伝子学者のアレックス(ベッキンセール)と共にハリウッドの実家に戻ってきた。ところが、誰も使っていないはずのその家にはサムの母で幾多の賞を得てきた音楽プロデューサーのジェーン(マクドーマンド)と歳の離れたミュージシャンの恋人イアン(ニヴォラ)がいたのだった。そもそも奔放な母の生き方を嫌っていたサムは同居を嫌がるが、他に行く当ても無し、ここから医局に通うことにする。そこで出会った先輩医師のサラ(マケルホーン)に心惹かれていく。一方、それまで真面目一筋だったアレックスは自由気ままなジェーンやその音楽仲間たちの生き方に興味を抱き始める…
たまたまチョロデンコ監督の特集を上映していて、『ハイ・アート』(1998)と共に鑑賞。最初に観た『ハイ・アート』の出来の凄さがあり、キャストも凄いってのでかなり期待して観たのだが、やっぱりこっちはちょっと落ちるな。
ストーリーがそもそもあんまりにも普通過ぎる。それまでの真面目一辺倒の生き方に疑問を覚えて奔放な生き方に憧れるベッキンセール演じるアレックスであれ、結婚前に色気たっぷりの女性が目の前に現れ、ふらふらとそっちに引っ張られるベール演じるサムであれ、結局は元の鞘に収まってめでたしめでたし。だったし。
演出とかはかなり良いし、キャストの巧さ(特にマクドーマンドの妖艶と言って良い演技の凄さは驚かされた。良い歳の取り方してるね)もあるが、物語で「これだ!」とは思わせてくれなかったし、そもそも不倫ものが私は嫌いなんだし。
ただ、これでめでたしめでたし。と思った瞬間のラストシーンでの電話シーンで監督の意地を見せてくれたってところ。インディペンデンス作品が似合う監督だからなあ。
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