CIA特殊工作員で、妻ワンダをアル=シモンズ(ホワイト)は上司のジェイソン=ウィン(シーン)の卑怯な裏切りによって爆弾工場での作戦中に工場ごとふっとばされてしまう。地獄に堕ちたアルはそこで地獄の王マルボルギアによって、一つの取引を申し出される。最終戦争のためにマルボルギア自らが編成したヘル・スポーン軍団の司令官を引き受けてくれれば、妻と再会させてやるというものだった。それを受けたアルだったが、実はそれさえもマルボルギアによる罠だったのだ…
アメコミ界における革命児と呼ばれる本作品の原作者トッド=マクファーレン。アメコミでは「スパイダーマン」や「ハルク」、「X-MEN」などを擁するマーブル・コミックが大手で(マクファーレン自身もマーブルに籍を置き、彼の手による「スパイダーマン」もある)、コミックのみならずトイも一手に引き受けていた。だがこの「スポーン」を旧態依然としたマーブルの手に任せるのを嫌がったマクファーレンは自身のメーカーを作り、スポーンの世界観のトイを投入し始めたと言う。このフィギュアの出来が非常に良かったため、現在のアクション・フィギュアはどんどん性能が上がっている。そんな彼の代表作が本作。
その映画化の作品だったが…
一言言わせてもらうと、これは映画の投入が早すぎた作品だった。今だったら何作かに分割して映画化も出来ただろうし、演出ももっと良くできただろう。
なにせ原作の数十話分を僅か90分程度の映画に押し込めようと言うのだから、土台無理があったし、本来最も重要なはずの主人公アルの内面描写だって稚拙(CGを使った演出はそれなりに見応えはあるけど)。それなのに変なところで間延びしていて、スポーンが全然強く見えなかったりと(地獄の軍勢を率いるだけの力を持ってる割には上司のウィンをなかなか倒せないってのはストレスが溜まる)、脚本の悪さもあって全然すっきりしない。
中でも酷いのはクラウン役のレグイザモ。彼の体当たり演技はある意味では賞賛に値するんだけど、あの下品さおよび気持ち悪さは最早私の許容範囲を超えてる。蛆ピザとかミミズのディップもやりすぎ(ところで、あのピザは腐って蛆が湧いてるはずなのに、ドゥの部分がしっかりしすぎてて普通のピザに蛆がトッピングされてるようにしか見えない)。最後のヴァイオレーターに変形するのだって、演出過剰な割に全然強くないのでめげる。
これは今、復活させるべき作品なのかも知れないぞ。
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