ニューヨーク市警の刑事サラ=ペジーニ(バトラー)は殺し屋を追って美術館へ入り犯人と銃撃戦になる。その際に気を失ってしまい、目覚めたサラの腕には赤い石の付いた腕輪が付けられていた。その腕輪こそ、女戦士の精神を受け継ぐ者に与えられる「ウィッチブレイド」という魔法の武器。かつて歴史に名を馳せた女傑達に脈々と受け継がれてきた、自ら意志を持つウィッチブレイドを巡る冒険譚。
人気コミックの映画化作品。これはTVムービーだと言うことだが、出来そのものは結構良い。割合小粒感がありながら、きちんとストーリーは作られているし、こういったヒーローものをストレートにやってくれた事も結構嬉しい。
最近アメリカでもこういったヒーローものが増えてきたような気がするが、CGの存在によって、昔の作品と較べて、小粒でも随分派手な感じに作られてきている。SF作品にとっては、単に画面の良さだけで売れていた時代とは違い、物語そのものにポイントが当てられ出したのは嬉しい限り。
ただ、本作を観ていて思ったのは、どうにも日本のアニメの存在が大きい気がしてならない。
本作は女性が主人公で、時として甲冑に身を包んだり、あるいは片手にウィッチブレイドのガントレットをつけたりと、視覚的にマニアっぽい演出がされているし、CGを用いた動きの演出もアニメっぽい部分が強い(なんか『スーパー・ガール』(1984)のようなところもあったけど…)。
大げさな設定と、それに巻き込まれた主人公に「自分は何?」と悩ませつつ、自分で道を見つけて最後は圧倒的な強さを見せる辺り、昔のアメリカン・ヒーローの時代と較べてみると、隔世の感がある。公的な立場より私的な立場の方を強調する辺り、「格好良さ」の観念が日本的になってきたと言うべきか?
物語そのものはプロローグ編と言った雰囲気。テレビシリーズになる(あるいはなってる)のだろうか?
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