メル・ブルックスの 大脱走 1983 |
1983米アカデミー助演男優賞(ダーニング)
1983ゴールデン・グローブ女優賞(バンクロフト)、助演男優賞(ダーニング) |
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メル・ブルックス(製)
トーマス・ミーハン
ロニー・グレアム(脚)
メル・ブルックス
アン・バンクロフト
ティム・マシスン
チャールズ・ダーニング
ジョージ・ゲインズ
クリストファー・ロイド
ホセ・ファーラー
ジェームズ・ハーク
ジョージ・ワイナー
ジャック・ライリー
ルイス・J・スタッドレン
ヘンリー・ブランドン |
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★★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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4 |
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1939年9月。ついにナチス・ドイツによるポーランド侵攻が始まった。そんな時、座長のフレデリック・ブロンスキー(ブルックス)を初めとして多数のユダヤ人が在籍する人気劇団も、戦前に行っていたヒトラーの風刺劇が当局を刺激し、存続の危機を迎えることに。そんな時、イギリスへと渡るポーランドの名士シレッツキー教授(フェラー)の行動になにやら不可解なものがあることに気付く。案の定シレッツキーはナチスのスパイで、ポーランド地下組織の名簿をゲシュタポのボス、エアハルト大佐(ダーニング)に手渡そうとしていたのだった。それを知ったブロンスキーは劇団員や妻のアンナ(バンクロフト)と共に、それを阻止しようとする…
1942年のルビッチ監督による『生きるべきか死ぬべきか』のリメイク作。ただ流石ブルックスらしく、単なるリメイクには終わらせない。コメディを得意とするブルックスらしい作品になっているのが特徴で、ブルックス自身は今回製作と主演で、実際にメガフォンを取っているわけではないが、安定したブラック・ユーモアが楽しめる作品に仕上がっている。
私はブルックス監督作品が大好きだけど、この人のコメディはとにかく毒が多いのと、メタフィクションを多用することに特徴がある。それでストーリーそのものをぶちこわすことも多々あるが、それらも含めて大好きだ。
今回は原作ありだし、製作に回ったためか、メタな描写はさほど無いが(ラストの出演者紹介が強いて言えばそうだろう)、その分ストーリーに沿ったコメディがぽんぽん出るし、中にはかなりブラックなものもの多数登場。こういう毒気がこの人の魅力だ。
ただブルックス自身がユダヤ人であるためか、基本路線は真面目なものなので、これはブルックス監督作品の入門編としてはうってつけだろう。ブルックスのアイデンティティが感じ取れる作品。
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