ヒロシマナガサキ |
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スティーヴン・オカザキ
シーラ・ネヴィンス
ロバート・リクター(製) |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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1945年8月6日と8月9日に広島と長崎に落とされた二つの原子爆弾。この原爆が与えた影響を、主に被爆者を中心にインタビュー形式で綴り上げたドキュメンタリー。アメリカでテレビ放映されたものを映画形式に直して公開された。
終戦からすでに60年以上が経過。学校での教育は今もなされてるとは言え、すでに8月は何が起こった日であるか知らない子供も増えている。そんな姿から映画は始まり、「はだしのゲン」作者中沢啓治や今もまだ原爆症に苦しむ人々の姿、当時の記録映像からなる原爆の影響を通して映画は展開していく。
私に関しては、本作は観ておくべきだろう。と望んで劇場へ行ったは良いものの、淡々とした描写の羅列および生々しい描写にかなり精神的な疲弊を覚えてしまった。久々に本気で「早く終わらないか?」と思わせられた劇場作品であったことは確か。
ここでインタビューに答えた人なんかはみんなメディア慣れしていて、言葉もよどみがないが、写実描写が型どおりで逆に話は生々しさがあんまりないと言う不利があり。正直インタビューのみを考えてみれば、何も映画にする必要背は感じられず。これまで散々テレビ等で観てきたものに過ぎない。
ただし、本作の最大特徴は、視点にこそある。
戦争の悲惨さを語ることが出来るのは基本的に敗戦国の特権である。戦勝国はどれほど国内に悲惨なことがあろうとも、最終的に栄光をつかんでいるのだから、それらは“良い思い出”に過ぎない。戦争によって国内が荒れ果て、しかも最終的に占領されたと言う事実を経験しているからこそ、戦争を悲惨なものとして受け止めることが出来る。
それで本作の場合、監督は日系人とはいえ、カメラの視点がきちんとアメリカ視点になっているのが最大特徴。原爆によって起こされた悲惨さから目を背けることなく、冷静な見地からインタビューを行い、さらに原爆を実際に投下した本人のインタビューまでを「悪いことをした」とは決して言わせない。あらゆることをあるまま冷静に捕らえているのは評価すべき。アメリカではあんな半ば見世物のようなテレビ番組まであったとは初めて知ったし、アメリカにいるからこそ見えてくる視点というのもあり。アメリカで作られた作品の持つ意味を改めて考えさせさせてくれる。さすが戦後60年も経過し、その間に泥沼化した戦争を戦い続けていた事実は大きいと見える。
あと、映画ならでは。と言うのは描写の凄さがある。アメリカにとって原爆で焼けただれた人間の体は格好の研究対象だった訳だから、その治療(と言うより研究用)フィルムは多量に残されているらしく、テレビでは見せられぬ生々しい治療風景が次々と出てくる。下手なホラーよりも気持ち悪くなるようなのが多数登場してくる。確かに映画ならではだ。
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製作年 |
2007 |
製作会社 |
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ジャンル |
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売り上げ |
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原作 |
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歴史地域 |
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