世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す
Earth vs. the Flying Saucers |
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ジョージ・ワーシング・イエーツ
レイモンド・T・マーカス(脚)
ヒュー・マーロウ
ジョーン・テイラー
ドナルド・カーティス
モリス・アンクラム
ジョン・ザレンバ
トム・ブラウン・ヘンリー
ラリー・ブレイク |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
5 |
2 |
3 |
特撮事典 |
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科学者のラス(マーロウ)は新兵器の研究中、空飛ぶ円盤と遭遇する。円盤を見たという彼の主張は取り上げられることはなかったが、その円盤はやがて陸軍基地へと降下。基地に対して攻撃をかけてきた。基地は壊滅し、ラスと新妻のキャロルは基地に閉じこめられてしまう。やがて助けられたラスは円盤の真意を知るまで攻撃を止めるように主張するのだが…
これも1950年代ハリウッド特撮を語る上で欠かせない作品。丸みを帯びた宇宙人のデザイン(正確に言えば装甲だが)や、ストップウォッチアニメーションで動く円盤の動きの良さもあるが(カクカク動くんだけど、特撮ファンにとってはこれが楽しいのよ。更に円盤の突撃による建物崩壊までアニメーションで作られているという凝りよう)、何の躊躇もなく地球を襲撃してくる宇宙人というストレートな侵略ものの作品というのが、かえって新鮮に思える。下手に捻るよりもこういうのの方がより宇宙人の恐ろしさを示していて、格好良い特撮を観たいという、特に日本人には好印象を持たれるのだろう。実際これはかなり燃えるよ。
『禁断の惑星』(1956)と並ぶ1950年代の傑作SF作品として記憶に留めるべき作品で、この作品にインスパイアされた映画は数多い。
…しかし、これが作られた時代というものも合わせて考えてみると、これは冷戦下での共産主義との戦いというのを念頭に置いているのではないか?という、うがった見方も出来る。実際、宇宙人がアメリカを攻撃する際、基地などの戦略的優位点だけでなく、わざわざワシントン記念塔などの象徴的建物を選んで攻撃しているとか、“世界規模での頭脳を集めた”と言いつつ、それらが全員アメリカ人だったり。そうそう、宇宙人が用いている脳波走査も当時恐怖の対象とされていた共産主義国家による洗脳を示しているような気にさせられる。
…そんな風に考えてみると、当時のSFの置かれた立場というものを改めて思わせてくれる。
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