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ヴィクトル・エリセ
Vi'ctor Erice

Víctor Erice
Wikipediaより
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鑑賞本数 合計点 平均点
書籍

_(書籍)

_(書籍)
2024
2023 瞳をとじて 監督・製作・脚本
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012 ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区 監督・脚本
2011 あまり期待するな 出演
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002 10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス 監督・脚本
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992 マルメロの陽光 監督・脚本・原案
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982 エル・スール 監督・脚本・脚本
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973 ミツバチのささやき 監督・原案・脚本
1972
1971
1970
1969 挑戦 監督・脚本
1968
1967
1966
1965
1964
1963
1962
1961
1960
1959
1958
1957
1956
1955
1954
1953
1952
1951
1950
1949
1948
1947
1946
1945
1944
1943
1942
1941
1940 6'30 カランツァで誕生

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瞳をとじて
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クリスティーナ・スマラガ
パブロ・E・ボッシ
ヴィクトル・エリセ
ホセ・アルバ
オディーレ・アントニオ=バエス
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マキシミリアーノ・ラサンスキー(製)
ヴィクトル・エリセ
ミシェル・ガスタンビデ(脚)

マノロ・ソロ
ミゲル
ホセ・コロナド
フリオ
アナ・トレント
アナ
ペトラ・マルティネス

マリア・レオン

マリオ・パルド

エレナ・ミケル

アントニオ・デチェント

ベネシア・フランコ

ホセ・マリア・ポウ

ソレダ・ビジャミル

フアン・マルガージョ
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 元映画監督で今は郊外にある芸術家のコミューン暮らしをしているミゲル(ソロ)は、テレビ番組の取材を受け、その際、22年前にミゲルが監督していた映画『別れのまなざし』の撮影中に失踪した主演俳優のフリオについて聞かれ、そこでかつての親友について思いを馳せる。やがて我慢出来なくなったミゲルはフリオの関係者に手がかりを聞き始める。

 寡作映画監督というのは結構いるが、エリセこそその代表と言えるだろう。世界にその実力を見せつけた1973年の『ミツバチのささやき』から今までに作った映画はたった二本。間にオムニバス映画の一本を監督したことはあったものの、2023年になってやっと新作を出してくれた。よく今まで監督続けてくれたものである。
製作年 2023
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
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歴史地域
関連
キーワード
エル・スール 1982
1983カンヌ国際映画祭パルム・ドール

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ヴィクトル・エリセ(脚)
オメロ・アントヌッティ
ソンソレス・アラングーレン
イシアル・ボリャン
オーロール・クレマン
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 『ミツバチのささやき』依頼10年を経て製作されるエリセ監督長編第2作。少女が女性へと変わっていくことで父を観る目が変化していくことと、そのまなざしに晒される父親の内的葛藤を今日範囲式を含めて描き出す。本来南の島へと行った後の話も撮影されるはずだったが、プロデューサの意向でカットされた。
ミツバチのささやき 1973
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アンヘル・フェルナンデス=サントス
ヴィクトル・エリセ(脚)
アナ・トレント
イザベル・テリェリア
フェルナンド・フェルナン・ゴメス
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1931年。スペインの小さな村に『フランケンシュタイン』(1931)の巡回映画がやってきた。姉のイザベルと共に映画を観たアナは映画の内容にショックを受けるが、家に帰った姉イザベルから怪物は村外れの一軒家に隠れていると聞かされる。怖々そこを定期的に見に行くアナだったが、そんなある日、アナがその家を訪れた時、そこで一人のスペイン内戦で傷ついた負傷兵と出会う…
 
エリセ監督の長編デビュー作
 私にとっては思い入れのあるフランケンシュタインの映画。それについてレビューを書こうと思い、先日丁度映画好きの仲間と話す機会があった時、その事についてちょっと触れた。
 そうしたら
「だったら、これを観なければならない」とお薦めされたのが本作。題名からはとてもこれがフランケンシュタインと関わりがあるとは思えなかったが、本編を観て納得。確かにこれ、フランケンシュタインの映画だわ。
 それにしても不思議な映画だ。
 主人公の二人、アナとイザベルはほんの少女に過ぎないので、言葉もとぎれとぎれで、長文でまとまった台詞はほとんどないし、その父親は少女達と関わりのないところでミツバチとだけ関わっているし。フランケンシュタインのような存在であるスペイン兵だって殆ど何も喋らないし…台詞の数で言ったら記録的な少なさだと思う。ところがなぜだかそれが非常に力をもって迫ってくる。観てる間はそうでもなかったけど、
観終えてからずしっと来た『ポネット』(1996)がそれに近いか)
 この作品についてレビューを書くというのはすなわち、
自分の思いを分析することなので、非常に楽しいものがある。
 本作は色々な面から取られることがあるだろう。ただ、私なりに本作の魅力というのは、生と死の境目というものを子供の目で見ていると言う所にあるのではないか。そのように思える。
 冒頭に『フランケンシュタイン』の映画本編が配置されるのだが、ここで映画の持つテーマ、
“死から生へ”というテーゼが置かれる。ここで面白いのはアナとイザベルの対応の違い。イザベルはこの映画を“怖い”と思って観たかもしれない。しかし、彼女はこれが作り物であると言うことを知る程度には分別があった。“死から生へ”という本来映画が持っていたテーマを理解したからこそ、それを「作り物」として押し込めてしまったのかもしれない。一方のアナはこの映画のテーマを理解していない。彼女が見たのは怪物が沼で少女を殺してしまうシーンと、最後に風車小屋が焼け落ちて焼け死んでしまう怪物の姿。怪物が死者から作られたことよりむしろ、生きている怪物が殺されてしまったと言う所にこそ、恐怖を感じていたように思える。死というのが不可逆なものであることをこの時初めて知ったのだと思う。
 
「何故怪物は殺されたの?」アナがイザベルに問うたこの問いは「何故人は死ななければならないの?」という大きな問題を内包するものではなかっただろうか?
 それに対しイザベラがアナに答えたのは
「どうせあれは作り物。本当は誰も死んでない」だった。
 ここで二人の認識に相違が生じる。イザベラは映画と現実を明確に区別していたのでそれで良いが、アナはそうではなかった。アナにとって、映画の中もやはり現実であると思っているのだから、生から死の課程は不可逆なものではない。と言う認識が芽生えたのではないだろうか?それでアナにとって劇中の死は本当の死なのだが、やはり生きている。と言う認識に立つことになる。
 そして劇中、何度となくアナは偽装化された死を目の当たりにする。それはイザベルの死んだふりであったり、あるいは火をくぐるという通過儀礼のような
(民俗学的に言えば、社会には子供と大人を明確に区切る出来事が必要とされる。元々バンジージャンプはそう言った通過儀礼として用いられていたし、日本においては髪の毛を剃ることで大人の仲間入りをする)行為…その度ごとにイザベラは生き返ってきていた。
 アナの前に傷ついたスペイン兵が現れた時、アナはそれをフランケンシュタインの怪物が復活したものとして自然に受け入れている。アナにとっては死んだものが再び目の前に現れることは自然なことなのだから。
 ここで『フランケンシュタイン』の映画が意味を持ってくる。怪物は死んだが生き返った。それならばあの少女は?
 それは自分ではないのか?
 彼女の前からスペイン兵が姿を消した時、アナは自分の死を悟る。
 …それが幻想に過ぎないことは時間が彼女に教えてくれるだろう。やがて彼女は生と死はやはり不可逆であることを知ることになるだろうし、これも又、想い出の一つとして、あるいは想い出にすらならないことかも知れないが、それを切り出して映像化したという点が本作の最大の魅力ではないかと思う。
 そして死と生の狭間を考えると言う点においては本作はもう一つトピックが置かれている。表題である
『ミツバチのささやき』のテーマとも言えるべく、アナとイザベルの父はミツバチの研究を行っているが、ミツバチというのは面白い存在で、個体としてではなく群体として捉えるべきもの。ミツバチというのは巣穴の群れがそのまま一つの個体となる。そこにおいて個々の死とは一つの細胞の死でしかなく、巣(女王蜂)が生きている限りは決して群れとして死ぬことはない。ある意味、これも又死を超えた存在。
 家族といえども接触がほとんどないこの二つの物語が融合した結果出来たのが本作だと言えよう。大変面白い。
タイトル
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物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年
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原作
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