ラスベガスでヤクザの下請けで借金の取立て屋をしているジャック=カーター(スタローン)のもとに弟のリチーが飲酒運転で事故死したとの知らせが届いた。故郷へ弟の葬儀へ向かったジャックは、そこでリチーの娘レイチェルから父が酒を飲んで運転したことは一度もないと告げられる。弟の死に不審を抱いたジャックは真相を探り始めるのだが…
スタローンを主演に据えたにしても、極めて地味な作品で、内容もほとんど無い。一体どこで盛り上がるのかと思って観ていたら、いつのまにか終わってしまった。オリジナルの『狙撃者』は未見だが、よくこんなものをリメイクする気になったもんだ。
それにしてもここでのスタローンは、びんびんに伝わってくるはずのカリスマ性も獣っぽさもすっぱり抜けてしまい、ただ淡々と仕事をこなしてるだけにしか思えない。それ以上にミッキー=ロークはどうだ。思いっきり悪い歳の取り方してるぞ。役者は老いを受けいれてこそ輝くってのに、本作の彼は、自分の若々しさの残滓にしがみついてるように見えてしまう。もうちと撮りようがあっただろうになあ。アラン=カミングも弾けっぷりが低すぎ。もうちとイッちまった役作りさせろよ。
静かに展開する姪とのやりとりはそこそこ緊張感あるけど、それだって一言で言えば「退屈」でしかない。
こんな作品を観てしまった事は悔しくもあるけど、考えてみると、これだけ外した作品を観たのは本当に久々だから、かえって清々しい気分になれた。時折こう言った作品は観ておかないと、自分のスタンスが見えなくなっていく。
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