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リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ
Lijo Jose Pellissery

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レビュー

 

ジャッリカットゥ 牛の怒り
Jallikattu
<A> <楽>
トーマス・パニッカー(製)
S・ハリーシュ
R・ジャヤクマール(脚)
アントニ・ヴァルギース
チェンバン・ヴィノード・ジョーズ
サーブモーン・アブドゥサマド
シャーンティ・バーラクリシュナン
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 インドの南部ケーララ州にある小さな村で肉屋を営むカーラン・ヴァルキは店員のアントニと共にいつも夜明け前に水牛を屠殺して市場に卸す牛肉を準備していた。しかし、ある日屠殺前の水牛が逃げてしまい、村中を破壊しながら逃走する。その際火事まで生じて村は大混乱に陥ってしまう。牛を殺すことが赦されるのは肉屋のみという伝統に生きる村は、水牛の脱走をカーランとアントニの責任として押しつけようとし、更に村を追い出されて、村はずれのあばら屋に住むクッタッチャンに水牛を殺すように依頼する。やがてアントニとクッタンチャンのどちらが牛を仕留めるかの賭まで始まる始末。更に混乱の中、村人達は互いにこれまで溜めてきた不満を爆発させ合っていく。

 最近インド映画が普通に日本でも観られるようになってきて、インド映画も特別なことで無くなってきたが、それだけ質の高い作品が多くなっているという事だろう。とても良いことだ。
 そんな時に昨年不思議な作品がミニシアターで観られていた。『ジャッリカットゥ』というその題と、血だらけの牛が暴れるビジュアルが目を引いた。なかなか面白そうじゃないか。
 しかし地雷の危険性も感じていたので、劇場公開はスルーしてレンタル開始と共に借りてきて観てみた。
 本作を観るにあたって一つ確認しておきたかったのは、インドにおいて牛は聖なる生き物とされているはずだが、その扱いはどうなるのだろうという疑問だった。
 結論を言えば、普通に肉屋が牛殺して人々に売っていた。

 こんなものなの?とは思ったが、ちょっと調べてみたら、牛を聖なる存在とするのはヒンドゥー教で、しかもこの舞台ケーララ州はヒンドゥー教徒が比較的少ない州だとのこと。他の宗教だと牛肉食も可らしいので、こう言う職業も普通にあって良いのだろう。
 ただ、動物の命を奪う職業というのは基本的にはあまり好まれないようで、必要不可欠ではあるが、肉屋は下に見られてしまうようには見受けられる。詳しくは分からないけど、肉を扱う人を差別する昔の日本に近いのかもしれない。
 そんな立場にある男を主人公にしたところで、本作が単なる動物パニック作品で終わるはずがない
 主人公の肉屋のアントニは好きな女性ともあまり上手くいってないし、村人からもどこか馬鹿にされている。そんな彼が水牛に逃げられたことで、今度は村人から恨みを買うことになってしまい、ますます鬱屈の度合いが激しくなった。そんな中で乾坤一擲のために牛を殺さねばならないという追い詰められてしまった状態。アントニが一人で捕まえて殺して初めて認められるという相当厳しい条件で、村全部挙げた争奪戦に加わらねばならなくなる。
 面白いのはここからで、自分で捕まえて自分で殺すという使命感があまりにも強まった結果、他の人たちを邪魔したり、逆に牛を逃がしたりという方向へと思考が向かっていくようになる。手段のために目的を忘れてしまった
 実はこの主人公の行いこそが本作の一番面白いところ。これがないと単なる暴れ牛をみんなで捕まえるだけの話になったところを、おかしな主人公がかき回した結果、相当カオスな争奪戦が展開されるようになる。
 もはやストーリーは理性で語るレベルを超え、何が何だかよく分からない状況の中で、牛が暴れ人が暴れるカオス状態。恋敵であるアントニと便利屋のクッタンチャンもお互いに憎み合い、暴れ牛に乗じてお互いを亡き者にしようとしてたり、普段から差別的な言動をする村人に復讐しようとしたりして、主人公の性格の悪さが非常に良く出てくる。
 ラストは更にカオス。もはや何が何だか分からないまま肉の塊の中でもがく牛とアントニ。なんだこれ?

 そのカオスを楽しむのがこの作品の醍醐味だろう。観れば観るほど訳分からなくなるので、そういうのを楽しめる人にはお勧めしたい。
製作年 2019
製作会社
ジャンル
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