タイのランバーン県代表のバレーボール・チームにやってきた新任監督ののビーは、選手の選抜をやり直すが、その中になんと心が女性のジュンとモンが選ばれてしまう。それに反発した選手たちはチャイを除いて皆出ていってしまう。その結果、異色チームが誕生してしまう。ところが予想に反し、チームはめきめきと頭角をあらわしていくが…
タイでの実話を元に作られた作品。タイにはそう言うのが多いとは聞いていたし、このバレーチームのことも聞いたことはあった(タイにはそう言うムエタイの選手だっているそうだが)。
しかし映画とは言え、これが本当にあったことだとすると、もの凄いチームだったって事だけはよく分かる。対戦相手は、いくら平静になろうと務めても、多分心理的負担が強すぎてベストを尽くすことは難しかったのではなかろうか?
それでもスポーツというのは勿論実力があってこその世界だし、このチームはその力があったからこそ強かったと言うのも紛れもない事実。
映画の方は、と観てみると、とにかくキャラが濃い。濃すぎる。小さな子供だったら引きつけを起こしかねないし、大人でも下手すれば悪夢直行の濃さだ。この映画だけは観ながら寝てはいけない。
その濃さというのは、別段彼女たちの性癖とか姿とかとは違う(まあ、それも確かに少しあるけど)。それは実は彼女たちの日常会話にこそある。男は誰しも心の中に女性的部分を持っていると言われているが、彼女たちの場合、心に住んでいる女性が17歳くらいの少女なんだろう。あのしゃべりのパワーには圧倒されてしまうよ。
ちょっと異色ではあるものの、内容そのものはスポ根ものとしてツボは抑えてるし、多少甘い部分も感じるところがあるが、演出も意外にしっかりしているので、充分楽しめる作品に仕上がっている。
タイの作品が世界配信されるのはそれまで珍しかったが、本作を皮切りに、いくつもの作品が世界配信されるようになる。そう言う意味ではタイ映画界においては画期的作品であったといえるだろう(配給は香港の製作会社フォルテシモ)。
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