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ナンフー・ワン
Nanfu Wang

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1985 上海で誕生

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一人っ子の国
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クリストフ・ヨルク
ジュリー・ゴールドマン
クリストファー・クレメンツ
キャロリン・ヘプバーン
ナンフー・ワン
ジアリン・チャン
サリー・ジョー・ファイファー
ロイス・ヴォッセン
ケン・ペルティエ(製)
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 1975年から2015年まで中華人民共和国で行われてきた国策の「一人っ子政策」その渦中に生まれ、アメリカに渡って成長してきた監督が、改めて自分の祖国で行われてきたこの政策がどういうものだったかを様々なインタビューを元に構成する。

 私が子どもの頃、学校の社会科の授業ではほとんど近代を学ぶことはなかった。小学校、中学校、高校全てで授業は第一次世界大戦の辺りで大体終わる。
 これはだいぶ前に知り合いの教師に尋ねたことがあって、そこで聞いたのは、色々政治的な思惑のためであるということと、受験に出ないからということだった。これでは現場の教師を責めることはできないと思ったものだ。
 そんな中でもいくつかは現代の問題について授業で語っていたことがあった。その一つが人口爆発について。19世紀後半から世界の人口は爆発的に増え続けているという事実と、それに対して行われている対抗手段についてだったが、中国では一人っ子政策という方法が使われていること。法的に人口抑制ができるのはトップダウンが可能な国で、共産圏位のものだと言われたこと位だろうか。
 その後の中国に関しては色々あった。この半世紀だけでも歴史の教科書を何冊も書ける位の激動の歴史を経てきた。
 激動の歴史と一言で書いてしまったが、激動だけにその中では大変多くの血が流されてもきた。歴史が動くというのは、多くの犠牲が生じることでもあるのだ。特に中国は政府の力が強く、政府に反対するメディが描かれにくいこともあって、一体その中で何人の人が亡くなっていたのかは正確には不明だ。
 ただ、その不明の中で、名前さえ付けられることなく亡くなった人々の数は膨大な数に上る。他でもなくそれが一人っ子政策の問題である。
 一見「一人っ子政策」というのは単純に子どもを作らないという事に思えるかも知れないけど、自然に任せるならば、夫婦には数人の子どもができることが普通であろう。ましてや避妊の技術があまりない中、生まれるはずだった二人目三人目の子どもはどうなったか。
 誰も踏み込まなかったそのタブーに目を向けた。実はこれだけでもとんでもない勇気であった。中国国内ではほぼ絶対に作る事が出来ない作品を作ったと言うそれだけで本作は賞賛に値する作品であろう。
 敢えてこのタブーに踏み込んだのは監督自身がまさに一人っ子政策の中で生まれた子であり、生まれることがなかった自分の妹や弟のことを思い続けてきたからだろう。劇中でも語られてきたが、監督自身が子どもを産んだこともあって、改めて自分のルーツと向き合うために作ったと言う。勿論中国内では作る事が出来ない素材なので、アメリカでの制作となっているが、実地で中国国内でロケもしてるようだ。相当危険だったんじゃないかな。

 内容もすさまじい。なんせここで語られるインタビューの一つ一つが殺人の歴史だ。自分が殺してしまった子どもに対する思いが吹き出るような言葉の数々と、それを正当化して納得しなければ精神的に耐えられないという心の叫び。そして恐らく当局に隠されていたいくつもの映像。合法の殺人の生々しさが出てくるので観ていてとても辛い
 しかし、その辛さがあるからこそ目が離せないし、単純に辛いだけでなく、観させる映画的技術もしっかりしているため、相当見事な作品に仕上がってるのは確かな話。

 かなりの残酷描写も多いため万人にお薦めは出来ないが、どしっとしたドキュメンタリーを観たいという人がいるなら絶対にお薦め。
製作年 2019
製作会社
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