| 大長編 タローマン 万博大爆発 |
|
|
|
竹迫雄也
加藤満喜
桝本孝浩
倉森京子
柳本喜久晴
佐野晴香(製)
藤井亮(脚)
山口一郎 |
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
3 |
4 |
3 |
3 |
|
1970年。日本は大阪万博開催に沸き立っていた。そんな日本に突然現れた謎の奇獣。気まぐれででたらめな超人タローマンがそれを撃退したが、そこに現れたエランという人物が、実はこの奇獣は2025年の日本からやってきたもので、今まさに2025年は危機に陥っているため、力を貸して欲しいというのだ。CBG(地球防衛軍)は万博を守るためにタローマンとともに未来へと向かう。秩序にあふれたクリーンな日本を襲う奇獣とは…
2022年に突如NHKが放映した連続短編ドラマ「タローマン」(正式には「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」)は、故岡本太郎の作り上げたシュールなデザインを持つ奇獣(怪獣)を太陽の塔をモティーフとしたタローマンが対峙するという内容の特撮作品だった。
ここにサカナクションの山口一郎が解説を加え、本作は1970年に放映されたテレビ特撮という触れ込みで混乱を招くような放映をしたのだが、特に特撮好きを自認する一部界隈では大受けし、その後も視聴者のリクエストに応じる形でNHKでは単発作品を何作か作っていた。
できればもっと定期的に続いてほしいと思ってたのだが、よもや劇場版公開?
すっかり楽しみになってしまい、公開直後に観に行ってきた。
本作、一体どんな作品になるのやら。
あらかじめ考えていた方向性はふたつ。
一つ目はテレビ版を踏襲する方法だが、こちらになっていれば大変面白い。なんせ全編デタラメで全く脈絡のない物語が延々続くことになる。異色すぎる映画体験になるだろう。ただ、これはつまり、5分番組を連発するしか方法がないし、映画の意味が全くなくなるので、監督によほどの覚悟が無い限りこんなのは作れないだろうとは思ってた。
そしてもう一つは敢えてちゃんとした物語を作り、その中で無軌道にタローマンを動かしてその混乱を楽しむ方法。普通ならこちらを採用するはず。
結果的に予想通り後者の方を選んだようだが、その中でできる限りデタラメさを強調しようとしていた。
具体的には元のテレビシリーズでは添え物扱いだったCBGを中心にして、彼らの努力が中心となる。それまで描写されなかった一人一人の個性や思想の違いをはっきりさせ、過去に何があって今どういう立場にあるのか、そしてそのまま進めば未来はどうなるのかまで、しっかりと描き、完全にCBGの方が主人公になってた。特に風来坊はここでサイボーグという設定が明かされて、CBGの戦力として活躍もしている。
お陰でストーリーの大部分は理解ができるものになったし、ちゃんと盛り上がりシーンもあるので映画として成り立っている。
ただ映画として成り立っているという事は、肝心なタローマンの存在を後退させてしまったと言うことでもある。話をひっくり返すような変な行動もしないし、ましてやいきなり地球を破壊してすべてを終わらせるような真似もしてない。理不尽な行いも映画の中の演出に留めているのでちゃんとストーリーになってしまっていて、タローマンらしさというのがだいぶ減ってしまったのが少々寂しい。
タローマンがそんな枠内に収まってしまって良いのか?という気分と、でもそこまでやったら収拾が付かなくなるし。というぐるぐるした思いが終始続いていたこともあって、純粋に楽しめなかったような気がしてならない。
結果として、本作は「タローマン」のコンセプトの中で真面目に作られた特撮作品ということにしよう。良い悪いはともかく、これを受け取れただけで充分。
あと、これは是非ソフトで保有していたいので、そちらの方を期待したい。 |
|
|