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平尾隆之

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鑑賞本数 合計点 平均点
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
2021
2020 映画大好きポンポさん 監督・脚本
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013 魔女っこ姉妹のヨヨとネネ 監督
2012 ギョ 監督
2011
2010
学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD
<A> <楽> コンテ
2009 空の境界 第七章 殺人考察(後) 演出
2008 空の境界 第五章 矛盾螺旋 監督
黒塚 -KUROZUKA-
<A> <楽> 演出・コンテ
2007 ぼくらの<TV> 監督
2006 がくえんゆーとぴあ まなびストレート!<TV> 監督
2005 フタコイ オルタナティブ<TV> 総監督
2004 妄想代理人<TV> 演出
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
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1994
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1992
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1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979 1'10 誕生

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映画大好きポンポさん
<A> <楽>
居村健治(演)
平尾隆之(脚)
清水尋也
小原好美
大谷凜香
加隈亜衣
大塚明夫
木島隆一
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 偉大なる映画監督兼製作者ペーターゼンの孫娘にして、敏腕製作者として映画の都ニャリウッドで活躍するジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット通称ポンポさん(小原好美)は、主にジャンル映画の製作を得意としていたが、彼女が製作する作品はことごとく大ヒットを飛ばしていた。そんなポンポさんの元でアシスタントとして働く青年ジーン・フィニ(清水尋也)は、監督志望だが持ち前の内気な性格もあって、映画制作の現場にいられるだけで満足していた。そんなジーンに対し、ポンポさんは15秒の映画予告制作を命じる。初めての編集作業にのめり込むジーンが作ったCMの出来に満足したポンポさんは、改めて自分の書いた脚本の監督を命じるのだった。

 杉谷庄吾原作漫画の映画化作品。
 この作品のタイトルは前から何かと目に付いていた。特にTwitterでフォローしている映画好きが時折呟いていたこともあって、著者をフォローして、ちょっとだけ作品の片鱗を見ていた。とにかく映画大好きというタイトル通り著者が本当に映画好きなのがよく分かる作品だった。
 原作が他の映画批評系の漫画と大きく異なるのは、作られた映画について語るのではなく、映画をいかに作っていくかという作業を細かく描いているというところ。これは珍しい。しかもこの作品の面白さは、通常の意味での映画作りからも微妙にずれているところにある。映画作りと言えば当然監督が中心になるのが大半。あとはカメラとか技術者とかなら分かるんだが、製作者を主人公にするというのは、私が知る限り一作も無い。
 タイトルで分かるとおり主人公は「ポンポさん」なのだが、中心になるのはジーンというオタク青年。彼が監督に抜擢されて四苦八苦するのだが、それを叱咤激励しながら常に上から目線でサポートするポンポさんの姿が見ていて心地よい。

 そんな時に映画化の話題があった。正直「こんなもん映画になる?」というのが最初の印象だが、同時に作りようによって凄まじく面白いものが出来るという、変な確信を持ったので、すぐさま観に行くことに。
 結果として言うなら、これは観て良かった作品だ
 本作は映画制作をテーマにしているが、映画を作る際、重要なのは何かというのが普通とは別の目で見られている。
 通常このような映画を作る作品なら、主人公は天才的な感性を持った監督を主役にすれば良い。自分の思い通りの映画を作るために悪戦苦闘する姿がサクセスストーリーと重なって見応えあるものになるから。
 しかし本作の一応の主役であるジーンは映画オタクであり、自分の感性とか、「これだけは作りたいものがある」というモチベーションは低い。ただし映画の作り方についての事前知識は山ほどあり、素材を用意してくれれば、それを料理する編集能力に長けている。いわゆる職人監督である。そんなジーンが最も優れた素質のある編集に話の中心を持って行った。
 編集はとても重要な作業だが、基本的には部屋に籠もってひたすら映像を見まくるだけの地味な作業で、全然見栄えがしない。そんな作業を中心にしたのは画期的なことだ。
 基本的にこの作品が普通と違うのは、ジーンは最初から敷かれた成功を約束されたレールに乗っている。面倒な交渉や脚本、役者への根回しなどは映画界の申し子ポンポさんが全部やってくれ、あと監督としてやることは実際カメラを回し、それを編集することだけだ。本来映画制作の面白さとか醍醐味は全部回避されてしまった
 編集作業以外は全部トントン拍子に進む。なんでもかんでも上手くいってしまう物語って、物語としては盛り上がりに欠けるはずだが、逆にそれがとても心地よかったりする。こんなイージーな仕事やりてえなあ。とか思い、凄く羨ましい気持ちで観られるし、それがとても気持ちいい。
 だからこそ、編集作業という地味な作業の中にドラマを作るのだが、そこだけジーンは個性を見せる。何でもかんでもお膳立てされ、言うがままに映画を作ってきたが、ここで一つだけ妥協出来ないものが出来てしまった。このシーンが恐らく映画としてのクライマックスとなるだろう。
 でも基本主人公のジーンの物語は地味な上にとても弱い。ジーンだけでは話が成り立たないので、ここにナタリーという女優のサクセスストーリーと、映画製作者としてのポンポさんの手腕も同時に描いていく。ナタリーについてはともかく、ポンポさんの活動はなかなか面白い。なんせ映画作りで最も重要なのは、作るための資金なのだから。金がなければ映画は作れないし、売れなければ会社も潰れる。だから金を調達して、尚且つ興行的に成功する映画を作らねばならない。その任を担うのが製作者である。
 ポンポさんの有能ぶりはオープニングから際立っている。
 映画界の申し子と言われながら娯楽用のモンスター映画ばかりつくっているのも、このタイプのジャンル映画も作り方によっては大ヒットするものが出来るという哲学によるものであり、実際に結果を出している。ポンポさんがジーンに映画を任せたのだって、自分の書いた脚本で作ればヒットする上に賞も取れるという確信があったから。それなりの実力があれば、誰が撮ってもそのクォリティが出せる。
 一見これは監督を下に見る傲慢な見方に思えるのだが、ここではむしろ製作の大切さというのを強調している。
 ただこれだけだとジーンはポンポさんの操り人形みたいなものになってしまう。そのため編集作業で行き詰まったジーンが勝手を言って追加の資金投与が必要になったということをイベントとして挙げた。結果としてこの作品は編集と製作という、軽視されがちな部分に注目して、それをエンターテイメント化してくれた。

 映画を作るという作品でこう言う作り方も出来るんだと感心することしきり。
 しかも大変心地よく。見事な作品と言えよう。
製作年 2020
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
映画大好きポンポさん <A> <楽>
杉谷庄吾 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
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松尾亮一郎(製)
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加隈亜衣
沢城みゆき
櫻井孝宏
佐々木りお
子安武人
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長克巳
本田貴子
氷上恭子
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空の境界 第五章 矛盾螺旋 2008
<A> <楽>
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本田貴子
藤村歩
東地宏樹
山野井仁
伊藤美紀
増田隆之
坂巻学
上城龍也
佐伯健一
佐藤雄大
松尾大亮
吉田聖子
五十嵐裕美
柿原徹也
遊佐浩二
中田譲治
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第5作
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奈須きのこ (検索) <A> <楽>

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