越前国で静かな日々を送っていた紫式部(吉永小百合)は、宮中の内覧藤原道長(渡辺謙)から、娘である彰子の教育係として京に召し出される。道長の兄である藤原道隆の娘定子の教育係として同じように京にやってきていた清少納言(森光子)と宮中におけるライバル心を燃えがらさせつつ、式部は自ら描く源氏物語を描き出していくのだった。彼女の描く源氏物語では絶世の美男子光源氏(天海祐希)が幾多の女性達と浮き名を流していく…
東映創立50周年を記念して製作された作品。劇場では予告編だけ観たが、それだけで「あ、こらあかんわ」と思って劇場に行くことは放棄。結局TV放映の際に観ることにしたが…やっぱり映画会社の「何年記念」という作品は観るべきでない。と言う結論に達した。
金だけはふんだんにかけられ、豪華な俳優陣と、CGのぺらぺらした非現実的な綺麗さだけはたっぷり出ているが、中でやってることは単なる痴話喧嘩と、マザコンでありロリコンの耽美映像ばかり。衣装ひらひらさせて空飛んでるシーンは頭痛がするくらいの光景だ。
更に久々に劇場作品に帰ってきた松田聖子の酷さにはあきれかえるほど。はっきり言って浮きすぎた上に、現実世界とオーバーラップしたかのような役どころにはげんなり。
調べてみたら脚本は早坂暁…なるほど。道理で駄目な訳だ(早坂脚本作はほとんどが最低点で、私との相性は最悪。『北京原人 Who are you?』(1997)の脚本家と言えば、それだけで実力のほどが分かるというもんだ)。
東映もなんとくだらないもんにこんな金かけたんだか?それが最大の疑問だが、こんな作品にどしどし賞をくれてしまう日本アカデミー賞のレベルのほども分かろうというもの(結局はノミネートばかりで受賞は美術賞のみだが)。 |