雨を告げる漂流団地 |
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渡辺葉
間崎渓
竹内雅人
木村拓
増田惇人(演)
山本幸治(製) 森ハヤシ
石田祐康(脚)
田村睦心
瀬戸麻沙美
村瀬歩
山下大輝
小林由美子
水瀬いのり
花澤香菜
島田敏
水樹奈々 |
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★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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3 |
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今年小学6年生の航祐と夏芽は同じ団地育ちの仲良しだったが、小学六年生になった時、二人をつないでいた航祐の祖父・安次の死と、団地の再開発により断ち切られてしまう。以降二人はなんとなく疎遠になってしまうのだが、夏休みのある日航祐は友だちと一緒に立ち入り禁止になっている団地探検に出かける。そして祖父の部屋に入ったところ、そこには夏芽がいた。定期的にここに通っているという夏芽は、ここにいる不思議な少年のことを紹介する。すると突然、世界が変わり、気づくと団地は大海原を漂流していた。
もっぱら玄人好みという定評を得た『ペンギン・ハイウェイ』に続いて石田監督が作り上げた長編アニメーション。設定的には『ペンギン・ハイウェイ』同様、小学生を主人公にした、少し不思議な世界を描く話で、基本的にはNetflix専用コンテンツとして投入された(期間限定で劇場公開もされている)。どうも石田監督はこのパターンが好きというか、このパターンを自分のフィールドにしようとしているらしい。
ちゃんと自分のフィールドを見つけたのは良かったと思う。ただ、それが万人に受け入れられるかどうかは結構難しいところでもある。『ペンギン・ハイウェイ』にしても万人受けと言うよりはかなりニッチなファンを獲得したような感があり、その辺の匙加減を間違えると駄目な作品になる危うさもあり。
そしてその危惧が的中したのが本作だった。
この作品の問題点は、子どもの精神に共感が出来ないというところが一番大きい。本作はSFチックな作品だが、主人公の二人、航祐と夏芽の心のすれ違いを是正していくのが本作のテーマになっているはずである。
それは実際に多くの試練の中で無関心を装うことから感情的なぶつかりを経て和解へと至っていく。それは良いのだが、和解に至るまでが長すぎる。ここまで引っ張る必然性が思いつかない。それを引っ張るためにお互いに意固地になるように作られているが、たいしたことでもないのに、さも重大なことのようにしてしまうのが苛々してくる。結局その苛々が作品全体にとても悪影響を与えてしまった感じ。できればさっさと誤解を解いて、漂流団地の謎をじっくり解いて欲しかったというのが本音。
あと、主人公二人以外の主人公に魅力がないのも問題で、単に嫌味なだけだったりやかましかったりするだけで物語を邪魔するだけしかない。
全般的にキャラの悪さが話を悪い方向に引っ張っていった感が強い。更に演出の下手さもあって、全体的に観てると苛々してしまうのが問題だった。
設定自体は悪くなかったから、監督にはまだ頑張ってこの路線でやってほしいけど、この作品は駄目だ。 |
製作年 |
2022 |
製作会社 |
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ジャンル |
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売り上げ |
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原作 |
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歴史地域 |
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関連 |
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キーワード |
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