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石川慶

<A> <楽>
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評価 年代 レビュー 書籍
年代
2021 Arc アーク 監督・脚本
2020
2019 蜜蜂と遠雷 監督・脚本
2018 十年 Ten Years Japan 監督・脚本
イノセント・デイズ
<A> <楽> 監督
2017 点 監督・脚本
2016 愚行録 監督
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1978
1977 6'20 愛知県で誕生

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レビュー

 

Arc アーク
<A> <楽>
河野聡
池田宏之
ケン・リュウ
川城和実
濱田健二
加倉井誠人
仲吉治人
古賀奏一郎(製)
石川慶
澤井香織(脚)
芳根京子
寺島しのぶ
岡田将生
清水くるみ
井之脇海
中川翼
中村ゆり
倍賞千恵子
風吹ジュン
小林薫
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 17歳で出産を経験し、子どもを残して放浪生活を送るリナ(芳根京子)は亡くなった人に特殊な防腐処理“プラスティネーション”を施し、生前の姿のまま保存するサービスを提供する会社の社長であるエマ(寺島しのぶ)に才能を見いだされてその会社で働くようになる。エマの弟である天音(岡田将生)そんな中、エマの弟・天音がストップエイジングの技術を完成させ、ついに不老不死が現実となる。天音と結婚し、人類で最初に永遠の命を得た女性として、30歳の身体のまま生き続ける運命を選択したリナだったが…

 これは全然ノーマークだったが、質の良いSF作品があるということをネットで知ったことで出会えた作品だった。
 一応形ではSFなんだが、SF的ガジェットはとても少ない。目に見えるものはプラスティネーションという死体保存技術くらいで、他は全く目に見える要素はないし、物語も基本的に大変静かに展開していく。かなり役者の演技力に負った作品となってる。
 逆にSFガジェットを必要としないということは、それだけ練った物語と言うことだし、それに合わせてしっかり演技が出来ているので、設定と物語がぴったり合った作品だと言えよう。
 ここで問いかけられているのは永遠の命を突然与えられた人間のアイデンティティというもの。基本的に人間の精神とはそれに耐えられないはずという前提条件から話が始まっている。
 永遠の命というものを普通の人間は受け止めることが出来ない。必ずどこかで精神的に耐えられなくなる。
 それでも命を求めるならばどうなるのか。
 一つの答えはプラスティネーションである。体液を特殊なプラスチックに置き換えるこの処置を施された人は決して老化しなくなる。ただしそれは死者に限ってのことであり、生きている人間には適応されない。あくまで姿形を永遠に残すという意味でである。
 一方遺伝子を書き換えることで精神を元のままに不老不死の肉体を手にしてしまったらどうなるのか。そこからリナの遍歴が始まる。いわゆる八百比丘尼の話とは違い、多くの人もその処置を受けているが、それでも命の長さには耐えられない。リナは敢えて延命処置を拒む人々とのお世話をすることにして普通の感覚を持とうとしたようだが、いくつかの事件を経て、自分も老いて死ぬことを選択するに至る。
 明確に彼女が何故その結論に至ったのかははっきりとは描かれていないが、劇中様々な小ネタがちりばめられていて、それらを総合して推測出来るようになっている。視聴者に考えさせるタイプの映画は観ていてやっぱり心地よいものだ
 いくつもの解釈があるだろうが、私なりの解釈では、これは一種の青い鳥の話で、リナは自分でも分からない“何か”を求めていて、それが命に関わるものであることを遍歴から悟る。そしてそれがなんであるのかということを自分なりに納得したから死を受け入れる用意が出来たと言うことになる。
 本来見つかるかどうか分からない永遠のテーマを自分なりの解釈で見つけ出した本当に幸運な人物であるとすれば、これはこれ以上ないハッピーエンドと言えるのかもしれない。
 ノアの箱舟を意味するArcという言葉と引っかけるならば、おそらくは自分なりに納得した上で命を継承させたという事になるのかもしれない。あくまで私の解釈だが
製作年 2021
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
Arc アーク <A> <楽>
ケン・リュウ (検索) <A> <楽>
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